斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「あなたがイメージする『人生』を、手元でスケッチしてみてください」←してみた

タイトルで面白そうだと思い踏んでみたら、

40代以上に共有したい中年期のキャリア論 - Speaker Deck

スライドがあって、「あなたがイメージする『人生』を、手元でスケッチしてみてください」と問われました。

※スライドの3枚目

何か得られるかなと思い、最近の私はアウトプットをまずはAIに任せるようにしていて、Geminiを使って、次の画像を出力してもらいました。

入力したプロンプトは、「まったいらな地面に、座禅を組んだ棒人間。周囲は白黒」です。思ったような画像が出てくるまで、5回微調整しています。

で、続くスライドでは、このイメージの自己分析をすることを指示されました。あくまで私が人生をどう認識しているかを出力しただけなので、分析するようなこともないなと思いましたが、切り口がいくつか紹介されていたので、それに当てはめて回答を作ってみました。

  1. それは、 何かの 「モノやコト」 に喩えられますか?
    → 喩えではなく、事実の認識としてって感じかな。
  2. それは、 「あなたの人生」 をイメージして描きましたか? それとも自分と関係ない 「模範的」 あるいは 「一般的」なイメージですか?
    → 自分の人生をイメージして描きましたが、私に限らず一般にも当てはまるでしょうね。
  3. それは、どこから始まっていて、どこを終わりとしていますか?
    → 特に起点、終点はありません。
  4. 「あなたの人生」 をイメージして描いた場合、あなたの 「これまでの人生」 を振り返って描きましたか? 「これからの人生」 を想像して描きましたか? 両方ですか?
    → 両方です。
  5. あなたの 「これからの人生」 を想像して描いた場合、 それは「あなたが希望する」 イメージですか? それとも 「あなたの見通し 予測」 を表したものですか?
    → 希望でもなく、見通しでもないかな。事実の認識。

たぶん、この回答で何となく伝わると思いますが、もう少し言語化すると、私にとっての人生は、人間でなくても、動物でも、虫でも、更に言えば無生物でも変わらずで、世界にただ一つ存在している感じなんですよね。人生は人によって長い短いはあるけれど、どこかに行ったり帰ったりするわけではなく、上がったり下がったりもなく、そこにずっと存在している感じ。座禅をしているのは、足があると動きそうな感じがあるので、動かないことを示すために。

もちろん、外から見た私は、物理的に縦や横に移動するし、社会的な地位の上下もあるし、何らかの成長はあるだろうけど、内心では、そういった物理的な、社会的な、発達的なもので、自分の人生は認識はしていません。

これが、私の分析なんですが、その後にスライドを進めると、一般的には人生は山登りで捉えられ、そうすると下り道はネガティブで受け止め難いものだから、山登りイメージから解放された多様な発達を志向すると良いのでは?という話が展開していました。

この論自体は理解できるんですが、私が人生のイメージを出力したのと話の流れが全然違っていたので、こういう展開をしたいなら、「人生をグラフにたとえると、右肩上がりですか? 山型になりますか? それ以外ですか?」というシンプルな問いかけをしてくれた方が良かったと思いました。

もし、そういうお題だとしたら、私は「X軸にべたっと真っすぐな線になります」と回答したと思います。私の「人生」のイメージからしたら、そうなりますね。

で、たぶん、多くの人が「こいつは何を言いたいんだ?」と、すでに脱落していると思います。

ここまで我慢して読んできた人にお伝えしておくと、「人生で何かを得る・得られることをイメージしているとシンドいので、棒グラフにでも表現できる、分かりやすい尺度の何かで人生を認識するのは、手放した方が生きていて楽」と言いたくて、私の思考を書き出している次第です。

私も紙の本の中ではリスキリングの勧めを書いていて、中年になっても何かを実行したり、獲得したりすることはまったく否定しません。社会が複雑化する中で、人生が長くなるんだから、中年での能力開発の必要性は上がる。

ただ、自分の人生を能力開発と一致させちゃうと、どうしてもシンドくなることがあって。だって、能力って必ず得られるものじゃないし、能力が常に維持されるわけじゃないですしね。仕事だって、誰もが何か成果を出し続けられるわけじゃないし。

スライドの中でも中年期の喪失感を紹介してますが、喪失感って何かを獲得できていると思っているから生じるんですよね。何かを獲得できていなくても問題ないって認識していれば、喪失感は生じにくくできる。

何だか精神論ばっかり言っていてピンと来ないと思われる人はいるでしょうが、はい、今回の話は最初から最後まで精神論です。中年期を迎えて苦しさを感じている人がいたら、私みたいな心持ちで楽になれるかもって一つの例として紹介してみました。

今日書きたかったことは以上です。ではでは!

なぜ私は『老い』を恐れないのか?

荻上チキSessionで、上野千鶴子さんをゲストに、「なぜ私たちは『老い』を恐れるのか?」をテーマにした特集がありました。

特集「なぜ私たちは『老い』を恐れるのか?」 | TBSラジオ

タイトルの答えは前半で話されていて、老いの反対にある若さに価値を見出す社会や、それを内面化させた自分自身の老いへの差別心があるからということでした。自分が老いを差別するからこそ、差別した対象になるのを恐れるって理屈ですね。自己差別というらしい。

ラジオの後半は、老いの受け入れ方や、介護保険があることの価値に展開していくのですが、私には前半部分の、老いを恐れる機序が頭に残りました。というのも、私の周囲でも老いを恐れる人が多い中、自分が老いを恐れていない理由の一つを発見できたからです。

私も世間的にはミドルエイジで、人生も平均寿命で言えば後半に差し掛かっています。白髪は顕著に増え、精神的にも肉体的にも老いを実感することは多い。

最近怒りやすくなった気がする - 斗比主閲子の姑日記

ただ、老いていって若い頃に出来たことが出来なくなったり、見映えも年寄りのそれになっていたりすることに自分の中に抵抗感があるかといえば、「まあ、そういうものだろう」とあまり気になっていませんでした。

こう書くと、私のブログの長年の読者の人からすれば、「え、年の割には若く見えるって言われるのを定期報告しているような人が、老いを気にしていないなんて噓でしょ?」と思われるかもしれません。

確かに、私は年の割には若く見えるというのをしばしばブログでも報告していますし、リアルでも家族に「この前、年の割には若く見えますねってまた言われちゃったよ」と伝えていますが、これは実際に言われているだけです。別に私は年の割には若く見られたいと思っているわけではありません。ただ、言われた事実を共有しているだけに過ぎない。

冗談はこのぐらいにして、真面目な話に戻すと、Sessionを聞いていて、私が老いを恐れていない一因に、私自身に老いている人に対して差別意識のなさがあるということを発見できたわけです。

正確には、私は老いに限らず、何かに対する差別意識が非常に低いです。差別学習の成果もあるんでしょうが、個人的には、私が高校時代の長い通学時間の果てに確信した、「自分を含めて、世の中に存在するものは総じて価値はなく、価値を見出す存在がいるから価値が生まれる」という発想があると思います。要は、老人を低く見るんじゃなく、老人に限らず全ての人類が価値がないという発想ですね。

文字に書くと何か怖そうに見えますが、考えるきっかけは、「自分は何のために存在しているのか?」という問いから来ているので、この当たり前の事実に到達した後は、私自身は生きるのが気が楽になりました。更には、「何をやっても意味などないけど、どうせなら自分も辛くなく、他人も辛くない方がいいや」という若干刹那的な発想で、他人にも優しくなったと思います。それまでは触れるもの皆傷付けるみたいな感じでしたから、大きな転換です。

そういう発想が根底にあるので、自分に老いが来て、それによって他人に直接的に危害を与えるようなこと、例えば思わずカッとなって怒ってしまうみたいなことは極力減らしたいと思うものの、老いそのものは、そういうもんだよねと受け入れています。年齢や出来ること出来ないことは、所詮は人類の中でのドングリの背比べに過ぎない。

Sessionでは、心理的なもの以外に、経済的事情での老いの怖さというのが後半にちらっと出てきて、それが介護保険の充実の必要性に繋がり、上野千鶴子さんが熱弁して終わりました。言わずもがなですが、私は富裕層で、十分な資産がありますから、経済的にも老後の生活は怖くはありません。

老いを受け入れられるかは認識の問題として、老後のお金の話も認識の問題なところがあって、統計的には日本人はそこまで蓄財をしなくてもいいんですが、これは紙の本に書いたことだし、私があれこれ言っても説得力はないでしょうから、これ以上は触れません。

いずれにしても、自分が老いに恐れを抱いていない理由が分かって(周囲との差が分かって)、良い発見でした。

以上、今日はこんなところです。ではでは!

 

※Geminiで生成した画像。要素しかなく、何が何だか分からない

40代で、子どもが大きくなってから、普通自動車の運転免許を取った話

先日、ようやく普通自動車の運転免許を取得しました。フルタイムで働きながら、子育てしながらなので、半年ぐらい掛かってしまいました。

※Geminiで生成した自動車教習所。それらしいが、かなりおかしい

この記事では、なぜ自動車の運転免許の取得をしようとしたのか、自動車教習所や運転免許センターでのあれやこれやを書いていきます。年齢が上がってから、免許を取得しようと考えている人の参考なると嬉しいです。

 

免許取得のきっかけ

大人のリスキリングとして、応用情報技術者試験やプロジェクトマネージャ試験に合格したのは以前に紹介した通りです。

プロジェクトマネージャ試験に20時間の独学で一発合格した方法 - 斗比主閲子の姑日記

次に何に手を出そうかと考えた時に思いついたのが自動車免許でした。

私は自動車というものにまったく興味がなく、パートナーが車好きだったので、自分で車の運転をする必要はこれまでの人生で一度もありませんでした。免許の取得率は高いといっても有資格者で8割ぐらいで、全員が取得しているわけでもないですしね。

ただ、友達と旅行をしたときに「レンタカーが使えたらもっと便利だったのに」と思ったり、車が必要なときはパートナーの予定の確認が必要だったり、車の運転ができないことで人生の選択肢が狭まっていると感じたことは、それなりにありました。

年を取ったら難易度が上がり、今だからこそ取れる資格で、取得することで人生の幅が広がるものを考えたとき、「自動車免許というのはかなりアリではないか?」と思い、免許を取ろうと決心したのでした。

教習所は合宿? 通学?

運転免許を取ると決めたら、次は教習所探しです。

どうやら世の中には一発試験という、運転免許試験場でいきなり免許を取れる人がいるとかいないとからしいんですが、私のようにまったく車を運転したことがない人間にはその選択肢はありません。

普通は自動車教習所に通うことになります。教習所でも、合宿形式と通学形式があり、どちらにしても、60時間程度の座学と実習が必要なようです。

合宿免許だとウィークリーマンションみたいなところに住みながら、ほぼ毎日教習を受けることで、1ヵ月も掛からず免許が取得できるみたいでしたが、さすがに仕事と家事育児をしているのに、長期間休みを取るというのはそう簡単ではありません。

60時間程度なら、週に4時間しか通えずとも、15週間、約4か月で取得が可能です。多少時間が掛かることは特に問題がないので、通学形式で教習所を選ぶことにしました。

Google mapのレビューで自動車教習所を決める

通う教習所はGoogle mapで調べることにしました。教習所の口コミサイトはあるにはあったんですが、ちょっと口コミ数が少なすぎるのと、この手のレビューをどこまで信用していいかが判断がつかず、普段からよく使っているGoogle mapのレビューなら、サクラかどうかも判断しやすいなと考えたからです。

教習所の料金自体は30~40万円ぐらいらしく、学生であればその金額の差は大きいでしょうが、私からすると多少お金を払ってもサービスが良い方が望ましいので、あまり料金は気にせず、レビューの点数が高い自動車教習所に入所することを決めました。

自動車教習所の入所手続きで、めちゃくちゃ違和感を覚える

入所手続きで自動車教習所の仕組みを聞いて、まず最初に思ったことは、「複雑すぎて、よく分かんない!」「説明が雑過ぎる!!」です。

特によく分からなかったのが、予約システムです。学科はWebで時間を決めて取れるのだけれど、技能(実際に車を運転する授業)が意味不明でした。「サイトをよく見てると空きが出ますから、予約してください」「キャンセルを教習所で待ってもらうのもいいですよ」「この学科を受けた後にこの技能を受けてください」とか、複雑すぎでした。

後は、教習所内も案内してもらうものの、「このスペースで自習してもらってもいいです」「学科はこの場所で、受講時には先生にこの紙を渡してください」「紙は受付で、受講前〇分に来てくれたら、お渡しできます」と、普通に説明してくれる内容が、全然頭に入ってきません。

いや、事実としてはその通りなんだろうけど、教習所がどういう仕組みで成立しているかの説明がなく、単に作業工程だけを教えてもらっているから、理屈が分からないと動けない私としては、覚えゲーをやらされているようで、非常に苦痛でした。

結局、通い始めてみたらなんとかこなせたんですが、とにかく言われた通りに動ける若者が来るところで、年を取ってから通い始めるのは難しい場所なんだろうなというのを、この時点で察しました。

学科はつまらない。技能は楽しいが、アドバイスが苦痛

入所手続きの後に30何万円を課金し、晴れて教習所に通うことになりました。

とりあえず簡単に終わるだろうと、学科をたくさん埋めて受講してみましたが、これが非常につまらなくて苦痛でした。教習所の先生と教習生の関係は、なぜか上下関係があり、さらに授業は双方向性がなく、しかも、授業の半分以上は動画が流されるだけです。昔の小学校の授業を思い出しました。

一度、教習所の先生に「これって、オンライン学習にしないんですか?」と聞いたら、「ここではまだ対応していないんですよ」とのことでした。後で調べたら、世の中には、学科をオンラインで提供しているところはちゃんとあるようなので、これは私の情報収集不足でした。

技能は、車という巨大なものをじわじわ自分の手足のように動かせるようになるのは、とても楽しかったです。正直不安が大きかったけれど、仮免を取るまでの教習所内を走る第一段階の12時間で、実際ほとんどの人が車の基本的な動作を覚えられるのだから、車の運転がそんなに難しいもののはずがないんですよね。

ただ、教習所の先生のアドバイスは、かなり苦痛でした。第一段階の12時間、第二段階の19時間の合計31時間と、後は、検定の時とかで、合計10人以上の先生に教えてもらいましたが、教え方が上手いと思ったのは3人ぐらいでした。

教え方が上から目線なのは論外だけれど、事前にその日学習する内容を説明されることはほとんどなかったし、「そんなやり方だと危ない!」「何を習ったの!?」みたいな、後から問題点をあげつらうようなことも結構されて、何度かかなり落ち込みました。

私も大人で、自分が人に物を教えることや、教え方を指導することもしてきましたから、「先生の教え方だと私には理解できないので、こういう言い方ややり方にしてもらえませんか?」と下手に出たりしたものの、基本的に解決されなかったため、「これはもう相性の問題と受け止めた方がいい」と思い、教習所にお願いして合わない先生と組まないようにしました。

教習所ビジネス自体が少子化で縮小する中で、恐らくは昔に比べたらこれでもマシになっているんでしょうけどね。運転を褒められると本当に気分が良く、やる気も出たので、「私もこれまで以上に人を褒めよう」と他山の石としました。

あ、技能だと、高速教習が楽しかったですね。ちょっとおっかなびっくりなところもありつつ、「とうとうここまで来たのかー」と自分の成長を実感できたので。

仮免前の効果測定をカンニング、長めのネイル、学科で寝る若者たち

教習所通いをしていて、技能で技術を習得する以外に、ちょっとした楽しみがありました。それは、私が普段の生活ではなかなか出会えない、20前後の若者の生態を垣間見れることです。

やはり、自動車教習所に通う人は若者が中心です。30代以上は感覚的に1割もいないように見えました。

服装はちょっと派手というかヤンチャな人が多い傾向はあって、タトゥーを入れてたり、ネイルが長い人がいたりして、「あー、若い人ってこんな感じなんだなぁ」と眺めていました。

結構驚いたのは、第一段階での仮免を受ける前の効果測定(学科試験的なやつ)で、堂々とカンニングする若者がいたことです。教習所の人が誰も見ていないからやっているのだろうけど、本番の学科試験はカンニングが出来ないのだし、なぜこの段階でカンニングをするのだろうと、非常に不思議に思いました。

後は、学科の授業でも若者は普通に寝てましたね。私みたいに年を取ると、いくらつまらない話でも右から左に聞き流しながら、寝るのは我慢できるわけですが、若者はそうじゃないですよね。先生に怒られているのを見て、「何だか高校時代に戻った気がする」と、タイムスリップした気分になっていました。

晴れて自動車教習所を卒業。運転免許試験場はハイテクだった!

悲喜こもごもあった自動車教習所も、卒業検定も難なく一発合格で、晴れて卒業となりました。

通っていた期間は半年弱で、正直行くのが憂鬱な時もありましたが、自分が確かな技能を獲得できたことは嬉しかったし、若い人たちに混じって教習員から雑に扱われたのは自らを省みる良い機会になりました。何となく、年を取って自分が偉くなっているという傲慢な思いがあったのは事実だったし。

卒業後の手続きは、教習所に配られた紙を熟読すると、運転免許試験場に行って本番の学科試験に合格する必要があるということだったので、脳みそが衰えないうちに、すぐに受けにいくことにしました。

運転免許試験場というと、横暴な警察官が、これまた上から目線で、非効率的な事務運営をしているのだろうと思い込んでいましたが、実態は違いました。学科試験を受けるための手続きも凄く分かりやすくてシステム化されていて、試験場の職員の人たちも基本的に親切でした。

日本の公的機関の仕事の仕方は、確定申告も改善されたし、役所での各種書類の発行も凄く簡単になりました。人手不足への対応もあるでしょうが、行政機関の生産性は確実に上がっていると思いました。

締め

以上が、私の運転免許取得までの経緯です。

一見難しそうな運転免許を、この年になって時間は掛かったけど取得できたのは、凄く自信に繋がりました。身分証明書としてはパスポートやマイナンバーカードで十分であるものの、いざとなれば車が運転できるというのは"大人"な感じがします。

また、普通自動車の免許を取得すると、仕事に使えるという観点では、タクシー運転手になるための二種免許や中型・大型免許も次のステップとして見えてきます。さすがに、私が今から重機を扱うことは厳しいでしょうけどね。

そんなこんなで、大人の学び直しとしての運転免許取得というのはアリだと思うので、免許を持っていない人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

子どもから「就職活動で学歴フィルターを企業が導入するのは自然なことではないか?」と質問された話

先日、子どもから「就職活動で学歴フィルターを企業が導入するのは自然なことだよね? どう思う??」と質問されました。

学歴フィルターを知らない人のために補足すると、企業が特定の学歴以上の人を選考に残すようにふるいをかけることです。

※Geminiで生成した「学歴フィルター」の画像。奇妙な文字だけど、何となく合ってる感じがする

私に「どう思う??」と聞いておきながら、前提としては「自然なことだよね?」と言っているのだから、この人の中では学歴フィルターに賛同する根拠があるのだと思い、「どうして学歴フィルターを導入するのが自然なことだと思うの?」と、前提を確認してみることにしました。

そうすると、子どもは「だって、学歴が良いということはそれだけで優秀なわけでしょ? 企業としては優秀な人を採用したいのだから、フィルタリングをするのは当然のことじゃない??」とのことでした。

以降は前提を確認した上での、私と子どもの会話です。

私「なるほど。確かに、企業としては優秀な人を採用したいというのはそうだろうね。ただ、私は採用担当を経験した身としては、学歴では採用を判断してないよ」

子「え、それって手間が掛からない?」

私「事前にテストをしたり、成績での評価をしたりするね。学歴フィルターと似たようなふるいになっているようで、別に有名大学だけに限定されるようなこともないのが興味深くて」

子「へー、そんなもんなんだ」

私「テストにも色んな種類があるし、日本の大学の試験が仕事での能力を評価するものでも必ずしもないしね。海外の有名大学とか、日本の東大出ている子は、総じて優秀な感じはするよ。でもねぇ、仕事をしていると全員が全員優秀ってわけじゃないし。傾向として優秀だからと言って、全員がその仕事や働き方にマッチするかというと、そんなことはなく……」

私「企業においての機能というのは、営業やマーケティングや研究開発や、はたまた法務とか経理とかでも、求められる能力というのは変わるしね。一概に、高学歴だからって別に何でもできるわけじゃないんだよ」

子「じゃあ、一体何で評価しているわけ?」

私「評価軸は企業でそれぞれで、学歴最重視という企業もあるんだろうけど、私が経験しているのだと、その人と一緒に働きたいと思えるかは大事にしているかな。企業や部署には独自の文化というものがあって。複数の社員が面接を通して、その人と働きたいと思えているなら、入ってくれた後に文化に馴染みやすいというのはある」

子「馴染みやすいというのは、人付き合いが上手いってこと?」

私「そうでもないかな。例えば、寡黙でも一つ一つ丁寧に仕事をする人が馴染む組織というのはある」

子「じゃあ、そういう馴染めるかどうかが、優秀さよりも大事ってこと?」

私「いや、まあ、どっちもあるといいよね(笑)でも、採用って簡単に割り切れないから。その時の企業の採用力や、採用の供給動向でも変わるしね。会社の人事戦略だって変わるし。ずっと、当たり前のように決まった物差しで採用をし続けるなんていうのは実は簡単なことではなく、間違っていることも大いにあるんだよ……」

子「ふーん。もともと聞きたかった話とはちょっと違ったけど、面白かったよ」

私「そう、そうなら良かった!」

以上、ざっとこんな会話をしました。

元の話から大分脱線してましたが、親が色んなことを考えて仕事をしているのを伝えることができたので、私は嬉しかったです。しかし、あんな小さく、幼かった子が、就職もまったく控えてないのに『学歴フィルター』の話題を出すなんて、子育てがほぼ終盤に来ているなと改めて実感しました。

今日のところは以上です。ではでは!

『響け! ユーフォニアム3』がとても良かった。良すぎて1期・2期・映画を一気に見直してしまった

京都アニメーションによる、今年4月からの春アニメ『響け! ユーフォニアム3』を見終わりました。

正確には先週時点で見終わっていたのですが、あまりに良すぎて、シーズン1全13話、シーズン2全13話、劇場版の『リズと青い鳥』『誓いのフィナーレ』『アンサンブルコンテスト』を見てから、もう一度、シーズン3全13話を見直してしまいました。

あらたなユーフォニアム

※全てリンク先のアマプラで見ました

この記事では、ネタバレ全開で『響け! ユーフォニアム3』のレビューをします。お好きな人だけどうぞ。

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『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読み聞かせして、質問攻めに会う

日本では読み聞かせというと、おおよそ未就学児向けに行われることが多いですが、我が家では小学校に入っても読み聞かせは続けていました。

読み聞かせで読んだ本は、ハリー・ポッターシリーズが私が不愉快だったということでよく覚えていますが(主人公のために事件が起こる展開が苦痛)、それ以外に印象的だったのは、イギリス在住の作家ブレイディみかこさんの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』があります。何が印象的かというと、子どもから質問攻めされたからです。

※無料お試し版が太っ腹で、1/3まで読めます。ぜひご家庭で試してみてください。質問攻めに会うはず

このブログでも紹介したことがありますが、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は、元底辺中学校に子どもが通うことになった親目線で書かれた、子どもの成長物語兼イギリス社会の観察記です。ブレイディみかこさんの歯に衣着せぬ物言いがめちゃくちゃ楽しくて、超お勧めの作品。

具体的にどんなところで質問攻めに会うかというと、冒頭の概要紹介で以下太字にしたところは普通に質問されました。

彼はカトリックの中学校に進学せず、「元底辺中学校」に入学したからである。

そこはもはや、緑に囲まれたピーター・ラビットが出てきそうな上品なミドルクラスの学校ではなく、殺伐とした英国社会を反映するリアルな学校だった。いじめもレイシズムも喧嘩もあるし、眉毛のないコワモテのお兄ちゃんやケバい化粧で場末のバーのママみたいになったお姉ちゃんたちもいる。

これは11歳の子どもにとっては大きな変化だ。大丈夫なのだろうかと心配になった。

ようやくわたしの出る幕がきたのだと思った。

とはいえ、まるで社会の分断を写したような事件について聞かされるたび、差別や格差で複雑化したトリッキーな友人関係について相談されるたび、わたしは彼の悩みについて何の答えも持っていないことに気づかされるのだった。

「底辺中学ってどういうところ?」「ミドルクラスって?」「レイシズムって?」「場末のバーのママって?」「社会の分断を写すってどういう意味?」「トリッキーって?」と質問されるわけですね。

これらの単語・概念は、日本の公教育では普通には習いませんから、読み聞かせで聞いている子どもからすると、めちゃくちゃ頭にはてなマークが浮かぶわけです。言葉遣い自体は平易で、文脈から単語の意味は予想はつくけれど、さすがにこれだけ知らない単語が並ぶともう少し手がかりが欲しくなるみたい。

私は別に多読をしてほしくて読み聞かせをしていたわけではないので、質問を受ける度に、時には一緒に考えながら言葉の意味を教えるのは苦痛ではなかったんですが、単に言葉の意味を教えても理解できない単語・概念が多いのは少し骨が折れました。

例えば、「場末のバーのママ」ってどう説明しますか? 小学生に言葉で説明するのはなかなか難易度が高くないですか?? 「繁華街の外れたところにある、もっぱら中年男性が顧客のお酒が飲めるお店で働いている、頭にパーマがかかっていることが多く、化粧が濃い目の中年女性」と仮にスラスラと言えたとして、子どもの頭の中にはまた違う疑問が湧いてくるのは容易に想像ができます。

ミドルクラスや、レイシズムもなかなかに難しい。子ども自身が見聞き、認知することがなかなか難しい概念だから、言葉を説明するだけでなく、子どもの周囲の友人の家庭環境や出生なんかも例に出さないと、腹落ちしにくいところがある。そして、そこに踏み込んでいいのかというのは、かなり躊躇するところもありました。

深く考えずに、『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』は子ども向けの本ではないと読むのを断念すれば良かっただけですが、我が家の子どもの食いつきがめちゃくちゃ良かったんですよね。たぶん、ちょっと背伸びできる感じがちょうど良かったのかもしれない。

親としても、同じイギリスを舞台にした『ハリーポッターシリーズ』での、決して仲が良かったわけではない妹の息子を、まともな説明も金銭的なフォローもなしに大きくなるまで世話をしたダーズリー家に対する毎度毎度の酷い仕打ちを読まされるのと比べたら、イギリスの階級社会や差別構造を真っ向から取り上げて、必ずしもスカッとするわけではない『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で質問攻めに会う方がよほど楽しかったというのもあります。

(最終的に、ハリーポッターは『呪いの子』まで読み聞かせをしました。苦しかった)

各家庭の方針は色々でしょうが、読み聞かせのプロセスで日本社会を相対的に分析して会話をする良い機会にもなったりるので、ぜひ皆さんのご家庭でも試しに読み聞かせしてみてください。

今日はこんなところです。ではでは!

※帰省して日本で差別を受けるシーンが何度も登場するのがとても良い(親子の会話の題材として)

2022年に読んで面白かった漫画12作(比較的新しめ、基本的に連載中)

今年も折に触れてお勧めの漫画は紹介しているんですが、一年を振り返って、まだブログで紹介していない作品を一気に紹介しておきます。比較的新しめのものが多く、基本的に連載中なので、一緒に成り行きを楽しんでもらえると嬉しいです。

なお、紹介するにあたり備忘録的に全て掲載誌も付けてみました。順番は出版社ごとでざっくりまとめています。Web媒体連載のものもそれなりにあり、時代の変化を感じました。

 

詩歌川百景(既刊2巻) 月刊flowers

吉田秋生さんが月刊flowersで海街diaryの次に連載し始めた作品。

山形の温泉街での狭い中での人間関係模様を描いているのですが、海街diaryと同じく異常に察する力に秀でた人たちばかりなので、普通の日常のはずがやけに濃密なコミュニケーションをしているように感じるのは私だけでしょうか。

大きな出来事は起きず、どうしようもない悪者も登場せず、まともな人々による淡々とした日常を楽しみたい人にお勧めです。

第九の波濤(既刊20巻) 週刊少年サンデー

サッカー漫画『ファンタジスタ』シリーズの草場道輝さんによる、長崎大学水産学部を舞台にした作品。

線の細い、ファッションセンスに長けた、常にスマホでSNS発信を欠かせない高校生の主人公が、長崎での父親の法事をきっかけに出会った女の子に惚れて、その子が進学するであろう長崎大学水産学部を受験するというところから物語は始まります。

最初は主人公の男の子にまったく共感を覚えられず、水産学部への進学理由含めてチャラい感じが拭えないんですが、読み進めていくと、行動力と決断の速さが凄まじい感じになっていって、どんどん圧倒されていくのが楽しいです。

作品の大きなテーマとして、持続可能性のある漁業という観点があり、洋上風力や地球温暖化の影響が紹介されるなど、現代日本漁業が置かれている状況を垣間見れるのも楽しみにしています。

マチネとソワレ(既刊12巻) ゲッサン

死亡した偉大な兄の影を追いかけて役者を続ける弟が、ひょんなことから並行世界に移動して、その世界では兄が生きていて……というお話。

役者漫画って、登場人物たちがどれだけ凄い役者なのかが理解しにくくて、楽しめる漫画は多くはなかったんですが、この作品では素直に「この演技、凄い……!」って思えます。

主人公の弟君が並行世界では誰も頼れる人もいないとこからスタートするので、立身出世的に役者が成功するための道のりを見られるのも楽しいです。特に、2.5次元舞台での、読者による色々な解釈が存在しているキャラを演じるのが良かったですね。舞台自体もそうなのだけれど、「私の解釈通りの推し……!」って恍惚の笑みを浮かべる観客の描き方が素晴らしかった。

任侠転生(既刊10巻) サンデーGX

渋い感じの高齢ヤクザ"竜"が半グレにハメられて死んだと思ったら、剣と魔法の世界でお姫様"リュー"に転生したという設定です。

普通に考えたらこの設定だとイロモノ枠になっちゃいそうなのが、ヤクザ漫画の原作を複数手掛けている夏原武さんと、画力が異常に高い宮下裕樹さんとの合作で、『ブラック・ラグーン』が連載されているサンデーGX掲載ですから、まったく違和感なく渋いヤクザのお姫様ファンタジーが成立しています。奇跡的だと思う。

リューは見た目はか弱い女の子なのに、腕っぷしが強く、涙もろく、情に厚いところが格好良くて、私が読んでるアプリの『サンデーうぇぶり』だと、みんな自然と"リュー様"呼びしているのが面白い。

海が走るエンドロール(既刊3巻) 月刊ミステリーボニータ

夫を亡くし、特にやることもなく日々を過ごす女性(65歳ぐらい)が映像専攻の美大生と出会ったことで、映画を作ろうと美大に入学する話。

『メタモルフォーゼの縁側』みたいな、高齢者と若い人での共同作業という構図なんだけど、本作は若い人にイケてる子が多く、そんな子たちに主人公のどこにでもいそうな高齢者がチヤホヤされるのが、ハーレムっぽい感じになってて、「私は何を読んでるんだ……!」って思いながら楽しく読んでます。

私は子どもが大学に進学するタイミングで、大学か大学院に入るつもりなので、我が事のように思えるのも、特に感情移入しやすい理由かもしれない。

株式会社マジルミエ(既刊5巻) ジャンプ+

自然災害として『怪異』が出現する世界で、それを退治する魔法少女が所属する企業のお仕事漫画。

いわゆる普通の魔法少女物ではなく、職業としての魔法少女ですから、服装もギアも誰かが仕事で作っているものだし、打ち出す魔法もバックでプログラミングが組まれていたり、当然、採用活動なんかも描かれます。

『任侠転生』もそうだけど、フィクションにリアルな世界観を反映しているの作品が私は好きなんですよね。ジャンプ+の大好きな漫画の一つです。

エクソシストを堕とせない(既刊3巻) ジャンプ+

そして、ジャンプ+の大好きな漫画のもう一つがこちら。

タイトルから分かる通り、エクソシストの男の子をサキュパスの女の子が堕落させようとするという話なんだけど、とにかく話が暗い。圧倒的に暗い。

エクソシストだから悪魔を退治するわけですが、登場する悪魔がやることがエグいことばかりです。中にはまだ通じ合えそうなのもいるんだけど、基本的に邪悪。絵柄が可愛くなければ耐えられないエグさ。特に、最近戦っている蠅の王が本当に酷い。

そんな邪悪な悪魔と、人間勢力最強の小さい男の子がほぼ単体で、体を失いながらも、傷付きながら戦い続けているので、サキュパスの女の子が最初は普通に堕とそうとするんだけど、「神父君、もう休んで……!」って自分が堕ちちゃう。

最初は普通の恋愛物だと思ったんですけどね。色恋よりも、人間愛、無償の愛を打ち出したいんだなと思って、読んでます。

ブラックナイトパレード(既刊8巻) 週刊ヤングジャンプ→ウルトラジャンプ

『荒川アンダー ザ ブリッジ』の中村光さんの最新作。大学受験も失敗し、就職も上手く行かず、練馬北口ポーソンで使えない同僚の後始末をしながら働く主人公が、ひょんなことからサンタクロースの会社で働くことになるというお話。

基本ギャグ漫画なんですけど、主人公の生育環境と、どうしてここ(サンタクロース業)に至るかというのが、巻が進むたびに徐々に明らかにされていくミステリー?要素も楽しみにしています。

スキップとローファー(既刊7巻) 月刊アフタヌーン

石川県の田舎から、東大→官僚→政治家で地元の町興しをしたいと、東京の進学校に主席入学する女の子の話。

この作品は私の読者さんに紹介してもらったんですが、私が好きな要素がてんこ盛りで、思わず感想を数十Tweetを使って呟いていました。

何がいいって、普通に嫌な感じの人が登場する度に、その人がどうしてそういう振る舞いをするようになったかがしっかり描かれるところ。人それぞれ、事情がありますからね。主人公の女の子のまっすぐなところが効いて、嫌な感じの人たちが自省をして、徐々にみんなの関係がいい感じになるというのが、短い話数できっちり描かれていきます。

三回ぐらい泣きました。特に奇麗な子扱いされている子の、過去の苦しいエピソードと、その解消のされ方が良かった。

メダリスト(既刊7巻) 月刊アフタヌーン

アイスダンスで夢破れた男性(26歳)と、母親の毒に晒され、学校ではいじめられながらも、アイススケートだけは自分を裏切らないと隠れてスケートをしていた女の子(小5、11歳)が出会って、女の子がフィギュアスケートの金"メダリスト"を目指すもの。

スポーツ漫画としてフィギュアスケートがどのようなゲームルールであるのか、今主人公とライバルがやっている技がどれだけの点数を狙ったものなのかなどなど、フィギュアスケートの楽しみ方を描いているのはもちろん、

主人公の女の子が、フィギュアスケートでの成長と合わせて、母親の毒含めた自分のコンプレックスと戦い、そして克服するシーンが、親としては涙なく読めませんでした。子どもは親の見ないところで成長しますね。

ワンダンス(既刊9巻) 月刊アフタヌーン

高校のダンス部のお話。

義務教育でダンスが必修化となり、高校のダンス部がリアルに活躍しているのは知っていたんですが、何だかちょっと怖いなと私からは少し遠い世界の出来事と考えていました。

この漫画はそのダンス部を舞台にしていて、過去多く漫画家されてきた社交ダンスではなく、ストリートダンスを扱っています。正直、ストリートダンスの違いはまったく分かっていなかったんですが、体の動かし方や、得意不得意が微妙に違うというのを、漫画という絵を通して知るのがとても楽しいです。

本作は、『ピアノの森』を読んだときの衝撃に近いところがありました。『ピアノの森』が音楽を漫画で表現するのは無理だと思っていた私の既成概念を取っ払ったように、『ワンダンス』を読んでいると静止画にも関わらずストリートダンスの動きが伝わってくる感じがあります。

主人公たちの恋愛模様も若干はあります。各人の事情があるのがいいですね。

クロウマン(既刊2巻) ヤンマガWeb

シングルマザーに育てられている口の悪い少女が、借金のカタに誘拐されて改造人間にさせられるという悲惨なところから話は始まります。

今回取り上げた作品の中で本作だけは完結しています。基本的に現在連載中のものだけ取り上げようと思ったんですが、単行本最終3巻はまだ発売されていないので、同じカテゴリーとして許してください。

本作は改造人間のバトルってことになってるんですが、絵柄がちょっと昔の少女漫画チックなんですよね。目はキラキラしてるし、輪郭がきっちり閉じなくて、細い線のタッチが多い。しかし、主人公たちは言葉遣いが悪い……! バトルも何か変……!!

このギャップが楽しくて、次に何が起きるのか、登場人物たちが何をやらかすのがまったく想像できなくて、毎話楽しみに読んでいました。

今ならヤンマガWebで全話無料で読めるので、ぜひ読んでみてください。

『クロウマン』 【無料公開中】 | ヤンマガWeb

締め

以上、全12作品を紹介しました。何とか年末に書き切れて良かったです。年末年始でコンテンツ不足がある人はぜひ読んでみてください。

来年も色んな漫画に出会えるのを楽しみにしています。

年の割には若く見られる(新年度一回目)

また、年の割には若く見られてしまいました。

そもそも私があまりに若く見えるせいで、どうやら結婚して子どがいて、子どもも結構な年齢になっているとは思っていないようで、子どもの年齢を伝えたら、信じられないぐらい驚いていました。

年の割に若く見えるというのはもう当然のこととして生きていかなければならないんだなと、改めて思った次第です。

もし、読者の皆さんで年の割に若く見られたいという人がいるのであれば、もっとも大切なことがあります。それは紫外線に対して肌を守ることです。日焼け止めを塗りましょう。

日焼けはシミやシワの原因になります。シミやシワがあると老けて見えます。だから、年の割に若く見られたいのであれば、日焼け止めを肌に塗る必要があります。

ちなみに、4月にもなるとかなりの紫外線が降り注ぐようになります。

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気象庁| 紫外線情報(分布図)

11月から2月ぐらいはまだ油断しているかもですが、4月になればかなり紫外線は強くなります。

冬場でも長期間外出するなら日焼け止めを塗る、4月から10月は外出するなら必ず日焼け止めを塗ること。これを10年~20年続けましょう。そうしたら、年の割に若く見られることが増えてくるはずです。

マスクを付けていたら日焼けしないのでは?という疑問については、マスクは8割ぐらい紫外線をカットするものの、日焼け止めはもっと紫外線をカットするという情報をお伝えしておきます。

今日はこんなところで。

皆さんも年の割には若く見られますように。

我が家の子どもたちに、生きる喜びとストレス発散先を提供してくれている任天堂には感謝の言葉しかない

大袈裟かと思われるかもしれませんが、本気で感謝しています。任天堂は偉大です。

先日Twitterで、荻上チキさんの『いじめを生む教室』を紹介しました。

この本は、日本のいじめの実情とその対策をもりだくさんのデータで紹介してくれている必読の本です。

子どもがいじめをする背景に、子ども自体にストレスがあるのが一因というのは知られた話かと思いますが、本の中では、子どもがストレスにどう対処しているかもデータで紹介されています。

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※p.84。大津市の2017年の大規模調査がデータ元

上から2つ、ストレスへの対処法として誰かに加害行為をしている子どもがいることが確認できます。

注目したいのは、ストレス発散のために趣味の時間をもったという割合の多さです。趣味でストレスを発散している子どもがかなりいることが想像できます。

実際我が家でも、子どもたちはゲームによってストレスを発散しているように見られます。ゲームの世界で暴力に勤しむというのもありだと思いますが、ゲームの世界観に癒やされる感じのほうが要素としては強めですかね。

ゲームをプレイする方法はPCでもスマホでもありますが、我が家ではもう完全に任天堂Switchが覇権を握っています。任天堂グループのソフトが面白いし、インディーズゲームもお手軽に楽しめます。

例えば、ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド。オープンワールドで、広大な世界で冒険が楽しめます。

例えば、マインクラフト。整地をする音だけで癒やされます。

例えば、アンダーテール。優しくてブラックなテキストはずっと楽しめる。

どのゲームも我が家の子どもたちが没入して、何時間もプレイをして、プレイをした感想を親が聞きたがらなくても無理矢理に話してくれました。

今年は、はじめての本格的な3Dアクションの『星のカービィ ディスカバリー』や、


私の愛するスプラトゥーン3や、

ブレスオブザワイルドの続編など、


数多くのワクワクを与えてくれる作品がリリースされる予定です。

我が家でこれらの作品がどんな感じになるか、わずかに流れた映像から何が言えるかというのを、子どもたちが、これも聞かなくても無理やり聞かせようとしてきます。

正直、耳にタコ状態ではありますが、子どもたちが深くそれぞれの作品を愛していることを感じさせられるので、最低限の相槌は返すようにしています。この人たちにとって、Switchのゲームは確実に生きる喜びの一つになっていると確信できます。

個人的には、タクティクスオウガを彷彿とさせる『トライアングルストラテジー』や、プレステで大ヒットした『十三騎兵防衛圏』のSwitch版も楽しみです。

スプラトゥーン2ではウデマエXに到底辿り着けそうにはないですが、40代でもウデマエXになれるという先人たちの言葉を刻み込んで、子どもたちに「すごい!」と褒められるためにも、日々精進していたりします。

40代主婦がウデマエXになった話【スプラトゥーン2】|かーちゃん++|note

もうすぐ40代になる僕が、スプラ2でウデマエXになった話 - 荻上式BLOG

いずれにしても、私にとってもSwitchのゲームは毎日の清涼剤であることは間違いなく、素晴らしいゲームとゲーム機を開発する任天堂には感謝の言葉しかありません。

今日はこんなところです。ではでは!

ドラゴンクエスト35周年のタイミングで子どもがドラクエにハマってくれた

子どもがハマったものシリーズです。

レゴ→ 我が子がレゴ好きに至るまでのプロセスを詳細に全部書く。レゴの購入単位はkg - 斗比主閲子の姑日記

ゼルダ→ 三年間の旅路の末、子どもたちがとうとうハイラルの世界に辿り着いた - 斗比主閲子の姑日記

星新一→ 私の子どもが星新一の小説にハマるまでに読んできた本の紹介、あるいは本好きの育ち方 - 斗比主閲子の姑日記

化物語→ とうとう子どもが西尾維新『化物語シリーズ』にたどり着いた - 斗比主閲子の姑日記

皆さんご存知の通り、今月でドラゴンクエストシリーズが発売されて35周年です。私は半年前までそんなことはまったく知らなかったのですが、子どもがドラクエにハマったことで、急激にドラクエ知識を増やしています。

ハマったきっかけは皆さんご存知の『ダイの大冒険』です。昔、少年ジャンプを読んでいた人であれば後半がグダグダになった漫画の一つとしてよく覚えているのではないでしょうか。その『ダイの大冒険』が去年から新作アニメ化されて絶賛放映中なんですよね。

で、『鬼滅の刃』と同じで、流行り物に飛びつくけどアニメが終わるまで我慢できない我が子らは、『ダイの大冒険』も漫画を一気に読み切ってしまいました。文庫版全22巻。

『ダイの大冒険』で得られるものが何かといえば、イケメンキャラは何度も復活する、チェスのコマでキングが一番弱いなどなどたくさんあると思います。ドラクエの免疫がない我が子らは、メドローアやベタンなどのドラクエの魔法体系をこの機に修得してくれたのでした。

そんなこんなで、ドラクエ35周年です。昔ながらのドラクエファンの人は大歓喜なのでしょうが、私も子どもがハマってくれたコンテンツの情報が大量に世に溢れてくれたことがとてもありがたくて。

「ドラゴンクエスト」35周年記念特設ページ | SQUARE ENIX

とりあえず、今は、恒例の設定資料集を買い与えているところです。徐々に、過去作のゲームに手を広げたり、漫画や小説も提供する予定です。ここは、去年のマリオとゼルダと同じですね。 

※こういう記念本を一通り買い漁ります。

我が家の子どもたちには、こうしてハマったものの情報を大量に与えることで、エンタメの構文をかなり把握してきているように思います。

ドラクエで得た魔法知識で、次はファイナルファンタジーにいくのか、それともハリー・ポッターにいくのか、いずれにせよ次に何にハマってくれるのか楽しみです。子育ては本当にいい暇潰しになりますね。

競馬歴30年の一ファンが三冠馬三頭対決の第40回ジャパンカップを見た感想

※とはいっても間で20年ぐらいかなり空いているので、その点ご理解の上、お読みください。

私が若い頃に、夢がMORI MORIで活躍していた森且行さんがSMAPを脱退しました。SMAP脱退後の森且行さんのオートレースでの活躍は、せいぜい2-3年に一度ぐらい調べるぐらいだったのですが、脱退時に「日本一になるまで共演しない」みたいな約束をしたのを覚えていたので、日本一になる日がいつか来るのかなと何となく考えていました。

その日本一になったのが、今年の11月3日で、森且行さんはオートレースのSGを初優勝したのでした。

「24年もかかってごめんね」元SMAP森且行が3つに分かれた5人を再び“1つ”にした日 - モータースポーツ - Number Web - ナンバー

私はSMAPファンでもなんでもありませんが、脱退から24年後に、そしてSMAPが解散されてメンバーが色々な活動をしている現在に約束が本当に果たされたのには物語性を感じていました。

話は変わりますが、私は30年ぐらい前までは熱心な競馬ファンでした。オグリキャップで地方競馬に興味を持ち、トウカイテイオーがシンボリルドルフの子だということで、シンボリルドルフに興味を持って、岡部幸雄が走り方は馬が知っていると評したのを知り、前年のミスターシービーに遡り、更に遡ってTTGのテンポイントの斤量66kgを知り、シンザンやクリフジに至るという、よくいる普通のハマり方をしていました。競馬雑誌も読んでいたので、ミホノブルボンは戸山調教師が坂路で鍛えたから天才ではないとか、今となっては何の意味があるか分からない情報を蓄えていました。情報源は基本すべて雑誌やムックです。

私にとってのリアルタイムにすべての試合を視聴していた初めての三冠馬は1994年のナリタブライアンです。朝日杯三歳ステークスから皐月賞、ダービー、菊花賞、そして有馬記念まですべて圧勝する姿を見て、シンボリルドルフとどちらが強いのだろうと、これもまた無意味なシミュレーションを頭の中で繰り広げていました。

グリーンチャンネルで1994年から始まった『栄光の名馬たち』が好きでビデオに録画して、何度も繰り返し繰り返し過去のレースを見て楽しんでいました。当時はYoutubeもないし、テレビの毎週の競馬中継では過去のレースをすべては放映してくれてないので、VHSが擦り切れるほど何度も過去のレースを見ていたものです。

当然ながら杉本清さんの実況にもハマったので、杉本清のG1という97年に発売されたCDも買いました。「菊の季節に桜が満開」「やっぱり強いのは、強い」の杉本清さん。夜寝る前に聞きながら寝落ちしていました。

杉本清のG1(グレード・ワン)完全実況’97前期

※これはどれだけ売れたのだろう?

逃げ馬といえば、カブラヤオー、テスコカビー、ツインターボときて、サイレンススズカが圧勝する姿を見て、「逃げ馬でも適正なペースで逃げれば勝てるんだ」と思ったものです。

私の部屋の天井には幽遊白書と競馬馬のポスターが交互に貼ってありました。今となって考えるとなかなか興味深い組み合わせですね。

正味10年弱競馬にハマったのですが、競馬から気持ちが遠のいていったのが、1998年のナリタブライアンの死と、サイレンススズカの死です。

ウマ娘を見ていて自分が競馬好きだったことを思い出した - 斗比主閲子の姑日記

気持ちが遠のいていたのは、2001年にテイエムオペラオーが7冠を取ったときに同じく7冠だったシンボリルドルフとのシミュレーションを当時した記憶がないことからも分かります。

結局以降は競馬場にも足を運ばなくなり、馬券も買わず、テレビでの中継もほとんど見ていませんでした。ということで、冒頭に書いたように競馬歴30年といっても、実質は1990年代だけの競馬歴と言っていいんですが。

そんな私が、たまたまはてな匿名ダイアリーで人気になった次の記事を見かけ、

今週末、日本競馬史上最大の戦いが行われる。

2020年11月29日。日曜日。15時40分。

ジャパンカップ。

一着賞金3億円の同レースは日本競馬の年間最強馬決定戦である。

しかし今年のレースは日本競馬150年の歴史においてすら空前絶後の一大決戦とみなされるだろう。

なぜなら天地開闢以来はじめて「三頭の三冠馬」がひとところに集うからである。

三冠馬が三頭登場するレースなんて、これまで日本の競馬史上一度もなかったし、そもそも三冠馬二頭のミスターシービーとシンボリルドルフの対決もそんなに数がなかったわけで、恐らく私の人生の中でこれが最後になるんじゃないかと思い、姑にお願いして、ジャパンカップの録画をお願いしておきました。

録画された番組を見ていて、そもそもジャパンカップには海外勢が最近はほとんど来ていないことを知り、ホーリックスやランドの頃とは違うんだなと思いつつ、ゲート入りを嫌がったウェイトゥパリスは無理だろうと眺めていました。

三冠馬三頭のうちアーモンドアイはかろうじて歴代最高馬という評価を確か初の8冠となった天皇賞秋のタイミングで知っていたものの馬自体を見るのは初めてで、牝馬というとシンコウラブリイやヒシアマゾンやホクトベガやエアグルーブのように圧倒的な名馬はいても、歴代最高となると最初で最後だろうなと思いました。

今年の牡馬三冠のコントレイルと、牝馬三冠のデアリングタクトはどちらも無敗の三冠ということを知り、それだけで驚きました。無敗の三冠馬がこんなに当たり前のように産まれる時代になったのかと。ラムタラみたいだなと。

レースが始まるとキセキという馬が大逃げをし、最終コーナーを回って残り400mでも先頭だったので、もしやこのまま残って後ろの三冠馬三頭を置いていくような、第49回毎日王冠のサイレンススズカみたいな勝ち方をするなんてことがありえるかもと見ていたら、

Final Stretch, Kiseki and almond eye / Japan cup 2018

前の方の良い位置につけていたアーモンドアイが綺麗に伸びていき、最後はコントレイルとデアリングタクトもついてきて、結果は、三冠馬が1、2、3着と、大舞台でありそうで実はほとんどない、人気馬が人気通りの着順となったのでした。普通は毎日王冠の私のグラスワンダーみたいに負ける馬が必ずいるんですよね。オッズだけ見れば順当でも、この結果はなかなか見られないから、競馬ファンの多くは嬉しく見ていたんじゃないかと思いました。

まともに競馬のレースを見たのが20年ぶりぐらいですが、ホーリックスの東京芝2400mのレコードタイムが塗り替えられていたこと(2018年にまさにアーモンドアイがレコードを出している)、ジャパンカップなのに海外招待馬がほとんどいないこと、新型コロナで客数が4500人?に制限されていること、外国人騎手が日本に移籍するなんてことがあること(昔は地方競馬から中央競馬に移籍するのも話題になった)などなど、浦島太郎状態を体験することができました。しかし、武豊さんはまだ現役!

ちなみに、一緒に見ていた子どもは「インを走ったほうが早いよね」「こんなに近くで走って密にならないの」などと言っていました。いまいち面白みは伝えきれず、フィギュアのNHK杯のほうに興味を持っていた。

城伊さんのウォッカのような特別なシチュエーションではありませんでしたが、

むしろウツなので結婚かと - 菊池直恵/城伊景季 / 第20話 天皇賞(秋) | コミックDAYS

自分の競馬知識が久々に芋づる式で思い出せて、しかも、完璧な結果も見られて、とても良い週末の時間を過ごせました。関係者の皆様、ありがとうございました。

三年間の旅路の末、子どもたちがとうとうハイラルの世界に辿り着いた

とうとう私の子どもたちがゼルダの伝説シリーズにハマってくれました! ハマったゼルダはSwitchの『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(略称、BotW)です。

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BotWは2017年3月に発売されたソフトなので、発売後3年半経ってからプレイしていることになります。

発売された当初から非常に評判が良く、その後も数々のゲームの賞を受賞し、2010年代の最高のゲームとしても取り上げられることが多い本作、私もプレイしたいと思ってうずうずしていました。しかし、この3年半でプレイすることは一度もありませんでした。

というのも、私は高校生~独身時代にゲームのやりすぎで日常生活に影響があることがしばしばあったため、子どもを持ってからは、「子どもが小さいうちは、子どもと一緒にプレイできるゲームをやろう」という方針にしていたからです。さすがに暇潰しのゲームのやりすぎで、暇潰しの子育てに支障をきたすのは、倫理観の乏しい私でもさすがにどうかと思ったので。

そういう方針で、プレイしようとするゲームは予め子どもにプレイ動画を見せるわけですが、BotWには、私の子どもたちの琴線に触れなかったようで、3年半前の時点では泣く泣くプレイするのを諦めていました。

きっかけはゲーム実況動画から

しかし、今年の9月になって、私が好きなゲーム実況者さんがBotWを初プレイし始めたのを見て、3年半前に覚えたプレイ欲求がふつふつと蘇り、子どもの確認も経ずに、衝動的にソフトを購入してしまったのです。

youtu.be

子どもが興味を持ってくれなかったら封印かな……と思いながら、子どもの前で「ゼルダので伝説やりたすぎて買っちゃった~」と言いつつ、オープニングから、景色が一望できるシーンに辿り着いた時点で、子どもたちは皆、BotWの世界に完全に魅了されていました。

運が良いことに、上に紹介した実況者さん(リターンさん)は子どもたちも彼のマイクラのプレイ動画でファンであったため、「リターンさんはどこまで進んだのかな?」と自分たちの身近に感じたというのも興味を持てた要因としてありました。

ここまでの長いゲーム道

結果だけ見れば、好きな実況者さんがやっていたゲームだからということで興味を持てたように思いますが、私からすればこの3年半はそれほど平坦なゲーム道ではありませんでした。押切蓮介さんの『ハイスコアガール』でいえば、矢口と日高の物語と同じぐらいの紆余曲折が、私と私の子どもたちの間にはありました。

まず、そもそも、子どもがゲームに興味を持ってくれるかというのがあります。世の中にはゲーム以外にも楽しい娯楽はたくさんありますから。

そして、たとえゲームに興味は持てても、プレイするゲームのジャンルだってたくさんあるわけで、ゼルダの伝説のようなアクションRPGに必ず興味を持ってくれるわけでもない。ひたすらテトリス99でランキングを狙うことが楽しくてもおかしくない。

さらにいえば、BotWは3Dゲームで、使用するボタンも多いため、すべての子どもが問題なく操作できるとは限りません。

この3年半の間で、プレイしたゲームは非常に多岐にわたり、それらのゲームがすべて子どもたちの血肉になっており、結果として、子どもたちがBotWを楽しめる状態に辿り着いたのだと考えています。

探検、料理、写真撮影、バトル、謎解き、何もかもが楽しい!

私が導入部分をプレイしてみせたあとは、子どもたちが勝手にプレイするようになってくれました。我が家は、ゲームの時間は、のび太の家とは違って、宿題含め家庭学習が終わる都度できることになっているため、勝手に勉強を終わらせて、子どもたちだけで勝手にプレイしている時間がかなりあります。

BotWは使用するボタン数が多く、子どもにはプレイしきれないのではないかと思っていましたが、そこは、マイクラに慣れていたことが効きました。また、バトル要素についてもスプラトゥーンで学んだ反射神経も有効だったようです。3時間ぐらいプレイしたら私以上にボタン操作が問題なくできるようになりました。

今では、子どもたちも「今日はここに辿り着いた!」「このボスに勝てた!」「回復がすごい料理ができた!」「こんな写真が撮れた」という話をするぐらいになっています。見事にハマったと言って問題なさそう。

どこにでも行けるというのはマイクラと同じですが、マイクラにはない魅力として、行った先々でのイベントが豊富というのがあります。コログのミという探索要素と、道行く人々のミニチャレンジ、そして地域ごとにとれる素材も違うなど、どこの場所でも何かしらの楽しみがある。

私の子どもたちは、ハマった作品については必ず攻略本を読み、過去作・関連作にも興味を持ちます。ゼルダも同様で、早速攻略本を読み始め、過去作にも興味を持ち始めました。すでに『時のオカリナ』や『ムジュラの仮面』はどんなものかを知っているっぽい。私からは今後、漫画や小説などのメディアミックス作品も紹介するつもりです。

今は、万円単位のプレミアムがついた30周年記念書籍を買うかどうかを、親として真剣に悩んでいます。ほ、欲しい…!

※絶版本だけに中古で2万円ぐらいで売買されている……

締め

ということで、親子ともにBotWを満喫しているという記事でした。 

私にとってのゼルダの伝説のプレイ経験はディスクシステムの第一作から始まり、スーパーファミコンの『神々のトライフォース』、ゲームボーイの『夢を見る島』までと、すべて2Dでした。途中の3Dゼルダは存在は知っていたものの、ハードに興味が持てなかったため、すべて未経験です。

久々のゼルダということもあり、私自身が楽しめるかも少し不安でした。ただ、それはまったくの杞憂でした。ボタン操作は、スプラトゥーン2でサーモンランをひたすら毎日プレイし続けた経験が活きたようです。

youtu.be

BotWは来年にも続編が登場すると言われています。まだBotWはプレイし始めたばかりで、完全に楽しみきってはいないものの、今から続編をプレイできるのが楽しくてたまりません。何より、今度は3年半も待たずとも、すぐに購入しても子どもたちは楽しんでくれるはず……!

どんなときでも魅力的なゲームが作れる、任天堂の内部留保の厚さに感謝してもしたりません。

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch

ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド - Switch

  • 発売日: 2017/03/03
  • メディア: Video Game
 

※見える範囲どこにでも行ける楽しさ。未プレイならぜひ!

 

まさかのエンダーマンが主人公で人間が敵の『マインクラフト ジ・エンドの詩』(公式小説第4弾)

マインクラフトの公式小説第4弾である『マインクラフト ジ・エンドの詩』を買ってきて、読みました。私の子どもと私が。

マインクラフト ジ エンドの詩

マインクラフト ジ エンドの詩

 

前置き

これまで竹書房が出版している公式小説はすべて読んでレビューを書いてきました。

うちの子どもが最初に読み終えた異世界転生小説『マインクラフト はじまりの島』

【3/15発売】マインクラフト公式小説第二弾『マインクラフト こわれた世界』の親子レビュー【献本】

ヒューゴー賞候補作家が書いた、クリーパーの爆発で家族を失った女の子が主人公の『マインクラフト なぞの日記』(公式小説第3弾)

2作目に続いて今回の4作目は幸運にも竹書房の編集者さんから受け取ることができたため(すったもんだがありました)、献本レビューとなります。ただし、編集者さんからはレビューで忖度はしなくて大丈夫ということで、本作の良いところだけではなく悪いところも含めて書きますので、どうぞご安心ください。

結論から言えば、私の子どもの反応と私の評価は、

はじまりの島 > なぞの日記 > 本作(ジ・エンドの詩)>>> こわれた世界

です。これはひとえにマイクラ要素をどこまで敬意を持って扱っているか(勝手な設定を入れていないか)が大きいです。正直、『こわれた世界』はマイクラじゃなくてもいいんじゃないかと未だに思っています。

では、早速レビューをしていきます。

エンダーマンが主な登場人物で、ジ・エンドが主な舞台

前作の『なぞの日記』はおじさんを探してネザーを探索する話でした。

今回もゲーム世界で生きる人々(つまり異世界転生やゲームの世界に飛び込んだリアルな人間ではない)が登場人物であるのは変わりませんが、主人公は人間ではなくエンダーマンです。そして、舞台はエンダードラゴンが悠々と飛び、エンダーマンが暮らす、あのジ・エンドです。マイクラのサバイバルモードでの最終目的地。

4-4-13※この不毛な感じのある世界が舞台

主人公はエンダーマンのきょうだいで、ジ・エンドをワープしてエンドシップで宝物を漁り、自分たちの住居に溜め込むのを日課としています。両親はオーバーワールド(マイクラの初期の世界。地上世界)で行方不明となったとされ、きょうだいは二人だけで暮らしており、主な話し相手は風変わりなシェルカーと、エンダーマンのカンだけです。

ゲームのマイクラでのエンダーマンは徒党を組んだ行動はしませんし、理性もあるようには見えません。しかし、この小説の中では独自設定として、エンダーマンは心の声で会話ができ、集団になればなるほど集団の知性が高まるようになっています。

で、このエンダーマンが支配するジ・エンドの世界に、エンダーマンとしては敵となる人間たちが侵入してきたことから、きょうだい含め、ジ・エンドの世界は大騒ぎになるというのがこの小説のあらすじです。

私の子どもの反応となぜ私がこんなに詳しい理由

ここまでで今までのマイクラ小説のレビューとちょっと違うと思われた方がいらっしゃったら、その人はかなり読解力が高いです。何が違いになっているかと言うと、本作は私がななめ読みではなく、かなりがっつり読んでレビューしているのです。

本作の私の子どもの読後の第一声は「難しかった」でした。土日の二日をかけて読み切ったし、第一作、二作、三作も難なく読んできたので、本作も楽しんだのかなと思ったら、「とにかく難しかった」と言うじゃないですか。

色々聞き出そうとしても唯一教えてくれたのが、

「ゾンビホースはコマンドかスポーンエッグでしか出現しない。普通は乗れないけど、小説ではきょうだいだけ乗れている」

ぐらいです。設定大好きなのは知っているのだけれど、これではまったく作品の中身が分からない。しつこく聞いたら一応ちらほらと教えてくれたのだけれど、どうも断片的で要領を得ない。

というわけで、私も読んでみたわけです。で、私の感想も「これは子どもには難しい……!」です。

エンダーマン世界の設定が複雑、物語が急展開することが難しさの原因

すでに書いたとおり、小説の中でのエンダーマンは普通に徒党を組んでコミュニケーションをして生活しています。このエンダーマンの生き方がちょっとよく分からないんですね。ゲームの設定じゃなくて、完全に小説の設定なので。

小説の中で、ジ・エンドに住むエンダーマンはかなり社会性があります。学校もあれば、武器防具の装備もできます。何よりも人間と同等かそれ以上の知性を備えて会話ができます。これはゲームにはまったくない設定です。

この小説の独自設定をそのまま受け入れられるなら本作は楽しめるはずです。ゲームの設定というものが大好きな私の子どもからするとどうも楽しみきれなかったようです。これは第二作の『こわれた世界』と似ている点。

後、難しさの原因は物語が急展開するところです。何を書いてもネタバレになるので一切触れません。主人公たち二人の位置付けががらっと変わるため、どう感情移入すればいいのか相当悩む作品だとも思いました。

ただ、海外も含めてレビューを見ると、感動的な作品として高く評価されているため、合うようなら楽しめるはずです。

締め

以上、『マインクラフト ジ・エンドの詩』のレビューでした。ちょっと厳しめにレビューを書いたものの、面白いかつまらないか、また、マイクラの公式小説のクオリティとしてどうかと問われれば、決してつまらなくはないし、公式小説としては恥じることのない作品です。ただ、ちょっと独自要素によって対象年齢の子どもが読むには複雑な作品になっちゃってた。

次作の第5弾は英語版はすでに出版されていて、どうやら村人が主人公のようです。次作はもう少しゲームの設定が重視されているといいなと願っています!

阪神大震災・地下鉄サリン事件はもう25年前。当時「戦後50年って随分昔だな」と思っていたが、すぐに「戦後100年」は来そう

阪神大震災、オウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた1995年はもう25年前のことになります。1995年といえば新世紀エヴァンゲリオンのテレビ放映が始まった年で、私の観測範囲では何となく世間に厭世観が漂っていたような気がする。

1995年当時の記憶として、戦後50年というのがフィーチャーされていたことも何となく覚えています。学校の課題で祖父母から戦争体験を聞くみたいなことがあった気がする。50という数字をデコったポスターを描いたかもしれない。

私の祖母に聞くと戦時中の苦労というより、昔はモテたことや、戦後にいかに身を立てていったか、お金を稼いだか、子どもを立派に育て上げたかの苦労話(自慢話)に繋がることが多かったように思う。祖母はデイケアでもモテたことを自慢していた。その祖母は随分前に亡くなっている。

1995年当時、ティーンだった私にとって50年前というのは歴史の出来事で到底想像がつかないものだった。何しろ映像があっても荒くて白黒。リアリティを覚えられずフィクションとの境目も曖昧。

しかし、気付けば今は戦後75年。1995年からの25年は体感では無限のようだったけれど、思い返せば一瞬のように感じる。エヴァはまだ続編が作られ続けているし、50年前の1970年放映のいなかっぺ大将で風大左衛門を演じていた野沢雅子さんはまだ現役でドラゴンボールの悟空の声を演じている。ニコニコ動画でたまに「よっこいしょういち」というコメントを見ることもある。横井庄一さんが日本に戻ってきたのは1972年。1972年は日本列島改造論、沖縄返還、あさま山荘事件の年。

それではこれからの25年はどうか。

現在アラフォーの私にとって、25年後は、子育ての暇潰し度はかなり減っているだろうし、予定通り運用が進めば有償仕事はしていないはず。いずれにせよ、過去25年よりも、もっと想像できる形で、大きな変化は感じずに、これからの25年が過ぎて行くんじゃないかと思ってる。でも、思っているけれど、過去もそうであったように、人生で思わぬ出来事は起こりうることも知っている。香港返還は23年前の1997年、一国二制度は50年継続するはずだったのに、もはやなし崩し状態。

25年後の2045年は戦後100年。その頃には自身の戦争体験を語れる人はほぼいなくなっているはず。思ったよりも早く戦後100年は来そうだから、残りの25年で失われる可能性が高いものには何かできることをやってもいいかもしれない。維持も大変なものだから。人の住んでいない家は腐る。

今日はこんな感じ。

子どもが「コシヒカリは美味しい!」と白米だけでも喜んで食べるので、違う銘柄に密かに変えて気付くか試したい(盲検法)

姑が供したサトウのごはんを食べた子どもが「コシヒカリが美味しかったから、これからうちの米もコシヒカリにして欲しい!」と強く熱望したので、我が家で買っている米をコシヒカリに変えました。

すると、子どもたちが「コシヒカリは美味しい!」と、塩っぱいものがなくても白米だけで喜んで食べるという思ってもみない変化がありました。

ただ、コシヒカリといっても産地は様々ですし、私個人としては、ゆめぴりかもつや姫もにこまるも美味しいと思っています。特に北海道産の米は、かつての道産の米の扱いを知っているので、食べて応援したい気持ちがあります。

子どもがコシヒカリというだけで美味しいと喜んでいるのは悪いことではありませんが、果たして本当にプラシーボではなく美味しいと感じているかを知りたいので、次に米を買うときには、子どもには言わずに違う銘柄に変えてみて気付くか試してみたいと思います。

忘れそうなのでブログに書いておきます。来月あたりで私が記事にしていなかったら、「忘れてませんか? 年の割には若く見えると言われても、もう健忘症が始まっているんですね」と優しく教えてください。

もし変えたことに子どもが気付いて「コシヒカリに戻して!」と言われれば、残りの米を利用する方法はいくらでもありますから、そのときは素直にコシヒカリに戻すつもりです。

産地によって性質は違うものの、近年の日本の米はかつてのような東北のコシヒカリ一強ではなく、四国や九州が産地のブランド米も特A級を取るような状態ですから、

令和元年産米の食味ランキング、「特A」過去2番目の54銘柄|食品産業新聞社ニュースWEB

また、伊藤理事長は「毎年同じことを言っているが、『特A』の分割、あるいは『特A』の“上位"ランクの新設、もしくは基準米の変更は考えていない。たしかに全体としては『特A』が増えている傾向にあるものの、これは産地が肥培管理などの生産技術の面で熱心に努力してきた結果だ。この食味ランキングが商売の重要なファクターとしても注目され、定着している現状を考えると、いきなりハードルを変える必要は無い」とコメントした。

本人たちが喜んで食べる限りは、色々な日本の米を楽しんでもらえるといいと思っています。

……というか、親が色んなブランドを食べたいですからね。ずっとコシヒカリじゃつまんない! 

※これまでの我が家の主軸は金芽米になっている米。