『ウマ娘』というアニメがあります。Cygamesというサイバーエージェントの子会社のゲーム会社による、『ウマ娘』というゲームを売り出すために作られたアニメだそうです。
ニコニコ動画のアニメランキングでいつも上位に来ていたので、きっと面白いのだろうと思っていたのですが、ソーシャルゲームとのタイアップであり、タイトルがつまらなそうなのと、「艦これや刀剣乱舞をマネて、馬を擬人化して美少女にすればウケるとでも思っているんだろう」という邪推により、見るのを敬遠していました。
しかし、何かの気の迷いで、そのとき放映されてた7話を見てみたら、凄くよく出来ていてビックリしました。
※画像は公式サイトから。
このウマ娘、設定は意味が分かりません。まず、実在の競走馬をアニメの美少女キャラクターにしているわけですが、牝だけではなく牡も美少女キャラになっています。7話で活躍する、上の画像のサイレンスズカというウマ娘も元ネタの実在の競走馬はオスです。そして、この美少女キャラが競馬馬みたいに競馬場で競争して、優勝したウマ娘はアイドルみたいにコンサートをします。
設定だけ見ると、色んな意味でギリギリで、政治的にもアウトな感じがするんですが、7話を見て、凄く競馬をよく分かって作っているのが感じられて、設定を受け入れてしまいました。
それはそれとして、そのよく出来ているところがよく出来ていると感じられた自分にも驚いて、なんで自分が競馬に詳しいかと考えてみたら、20年ぐらい前は、私は競馬を好きだったことを思い出しました。10年以上競馬に触れていなかったため、自分が競馬を好きだったことをすっかり忘れていました。
7話では、サイレンススズカというウマ娘がレース中に故障します。実在するサイレンススズカもレース中に故障し、こちらは予後不良で安楽死処分となっています。ちょうど20年前の1998年の天皇賞秋のことです。
サイレンススズカは、前哨戦の毎日王冠で、私が応援していたグラスワンダー(毛並みが綺麗だった)と、後に凱旋門賞で2着となるエルコンドルパサーをぶっちぎって優勝していました。
どちらのレースもすっかり忘れていましたが、ウマ娘の7話を見ていて、レースの展開を思い出し、当時の自分の競馬への熱狂も思い出しました。
本当にすっかり忘れていたんですが、同じ年に三冠馬のナリタブライアンが種牡馬生活中にこちらも安楽死となっているんですよね。ナリタブライアンは人生初のリアルタイムで見られた三冠馬だったので、思い入れが相当あり、死亡のニュースを聞いた時にはショックだったと記憶しています。
ナリタブライアンが死亡し、サイレンススズカが死亡した後で、私が好きだったグラスワンダーのレースは注目していたものの、競馬への熱は徐々に冷めていったんだと思います。というのは、その後の馬、例えば、2000年に大活躍したテイエムオペラオーのレースをほとんど見ていないから。
調べてみたら私が好きだった1990年代は競馬ブームが起きていた頃だったようです。私はブームに乗って競馬を見るようになり、ブームが落ち着いてきた90年代後半に離脱しているわけで、ミーハーな競馬好きだったんでしょうね。
同時期は、競馬漫画はたくさん登場していて、私は、ゆうきまさみさんの『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』が大好きでした。この影響で、牧場で働こうと思ったり(やってない)、夏に札幌競馬場に行ったりしていました。
サイレンススズカがレース途中で故障し、左前足を曲げてヒョコヒョコ歩いているのを見て、当時の私は衝撃を受け、予後不良と知ったときには涙を流した記憶があります。『ウマ娘』を見ていて同じような展開に泣いて、昔も泣いたことを思い出しました。
まさか『ウマ娘』を見て、こんな風に芋づる式に思い出すとは思いもよりませんでした。
私と同世代の人には競馬好きな人は結構いらっしゃると思うので(例えばid:toyaさん)、『ウマ娘』の話でも、当時の競馬についてでも、何か書いて頂けると凄く嬉しいです。