斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「JICAアフリカ・ホームタウン」のプレゼン資料を見ると「移民受け入れを約束した」なんてあり得ないでしょ、と思うんだけど・・・

BBCの西アフリカ向けニュースサイトでの先日のTICAD 9に関する真偽不明の記事等がきっかけで、

Kisarazu: Why Japan name am as di hometown for Nigerians and which visa dem wan give dem - BBC News Pidgin

千葉県の木更津市がナイジェリアに、山形県長井市がタンザニアに、愛媛県今治市がモザンビークに、新潟県三条市がガーナに、ビザを特別支給して移民受け入れを約束したのではないかという”噂”が広がりました。

結果として、各自治体とJICAと外務省が否定するという大事に発展しています。

「JICAアフリカ・ホームタウン」に関して|外務省

先般のTICAD 9において、JICAは、これまでの事業で培ったアフリカ各国と日本の地方自治体との交流を強化すべく、日本国内の4市を各々アフリカ4か国の「ホームタウン」として認定する、「JICAアフリカ・ホームタウン」を発表しまし た。

この取組の下で、JICAは、JICA海外協力隊員も含めた交流イベントの開催等を通じて、日本の4市とアフリカ4か国との交流を推進していくことを想定しています。

他方、移民の受け入れ促進や相手国に対する特別な査証の発給を行うといったことは想定されておらず、こうしたことが行われるという一連の報道・発信は事実ではありません。 

外務省は、本件について適切な報道・発信が行われるよう、引き続き努めていきます。

※太字はtopisyu

日本でビザを発給するのは外務省ですから、これで事実上元の”噂”は否定された形になります。

だから、これ以上この件は話題にする必要はないと思いますが、そもそものきっかけになったTICAD 9での「JICAアフリカ・ホームタウン」というのはどういう内容だったのか気になって、JICAのサイトを見に行ってみました。

TICAD9 JICA Thematic Events

JICAアフリカ・ホームタウンサミット ~アフリカの発展と地方創生を共につなごう~
2025年8月21 日(木)09:00-11:00(JST)

目的

既にアフリカとの関係が深い4つの自治体に「JICAアフリカ・ホームタウン」認定状を手交。アフリカ各国とのつながりを持つ4市町村の首長からこれまでの交流の実績や経緯、これからの交流のビジョン等を発表していただき、好事例の共有、意見交換を行う。

JICAアフリカ・ホームタウン自治体同士のつながりや各関係者間のネットワーキングを実施。

TICAD 9のたくさんあるイベントの一つで、こう言うと主催された方々に申し訳ないのですが、これほどの騒動になるイベントには見えません。

いや、このイベントの意義はまったく否定しないのだけれど、JICAが「JICAアフリカ・ホームタウン」認定状を四つの自治体に手渡して、自治体の首長に意見交換をしてもらう建付けというのは、この自治体以外の参加者からは関心を呼びにくいイベントです。各関係者間のネットワーキングが目的って書いてあるし。

それは、プレゼン資料(Box)でも察せられて、ナイジェリアからの移民を受け入れるとされた木更津市のプレゼンがこれです。

この素朴なPPTを使って、ビザの特別支給や移民受け入れなんて話が展開するなんてとても思えないのは私だけでしょうか(小町話法)。ちなみに、右上のたぬきは「きさポン」という名前で、「しょ、しょ、しょじょーじ」の童謡の證誠寺が木更津市にあるから誕生したとのこと。

PPTは合計8枚で、8枚目がこちら。たぶん、木更津港まつりの花火かな。

残念ながらイベントの公式動画は確認できなかったのだけれど、このPPTを見ただけで、私からは冒頭のニュースのようなことが発表・議論されるなんてことはないと思いました。

JICAのプレゼンにもそんなことはまったく触れられていません。

イベントの内容通りのプレゼン資料です。

で、ここまでのところで、私はこの件を、

「JICAアフリカ・ホームタウン」のプレゼン資料を見ると「移民受け入れを約束した」なんてあり得ない

というタイトルで記事にしようと考えたんですが、「いや、待てよ。確か、ナイジェリアやタンザニアでは公的機関がこの”噂”を流しているって聞いたけど、本当なのかな・・・?」と思って調べてみたら、ナイジェリアの大統領の報道官がこの件をそのままTweetしているのを発見しました。

小さくて見にくいと思いますが、画像の右下です。

思いっきり、スペシャルビザの発給だったり、木更津への移住だったりが書いてあります。

「もしかして、石破首相とナイジェリア大統領の会談で何か話合われたのかな・・・?」と思って探してみましたが、ナイジェリア進出へのスタートアップ支援が検討されていること以外見つけられませんでした。

「日本の利益だけ考えては…」石破首相、アフリカとの新経済圏構想を提唱 中国念頭か - 産経ニュース

ということで、この記事のタイトルの後ろに、

、と思うんだけど・・・

が付いた次第です。

なんていうか、難しいですね。

JICAのイベントの趣旨とプレゼン資料からもビザや移民受け入れなんて話なんてもともとなかったんだろうし、外務省が公式に否定しているから、この”噂”はこれで終わりなんだけど、相手方の国が発信しちゃったら真実性は生じるわけで。

私が、それぞれの中の人だったらどう対応するかなって色々考えちゃいました。皆さん、大分、頭が痛い(痛かった)でしょうね。ご苦労様です。