斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

フォロワー数が3000になったので発売から3ヶ月で3000部売れた電子書籍作成の裏話でも

昨年12月に発売した電子書籍は、お陰様で1週間で1000部、20日で2000部売れました。購入いただいた方はありがとうございます。その後、3ヶ月目で3000部売れました。今回は裏話を中心に紹介していきます。

お好きな人だけどうぞ。

 

なお、電子書籍の書き方に興味を抱いた方はこちらをどうぞ。

また、詳しい数字が知りたい人方こちらをどうぞ。

 

 

裏話の裏話

まずは、この記事作成の裏話を最初に。

今年1月の前回の記事で、

なお、今回も長くなりすぎてしまったため、最初に申し上げたとおり、小ネタ、裏話は次回の恐らく最終回で紹介します。加えて、ツッコミ特典に応募された方のうち公開の許可を得たプロの校正の方による誤字脱字のご指摘も紹介します。マニアックな人は楽しみにしてください。

こんなことを書いたのですが、その後この記事を公開しなかったのは、何か揉め事があったからというわけではなく、

20日で2000冊とはいっても、3000冊になるのは発売から3ヶ月後ぐらいだと思います。

と予想していた通り、発売から3ヶ月経った2月には、オーナーライブラリー込みで3000部売れたので、そのタイミングで記事にしようとしたものの、その頃は、発言小町の2015年のまとめをしなければならないという使命感で、全体的にブログを書く気が失せていました。

それで、じゃあ、次は何をきっかけにしようかと思っていたら、フォロワー数が2800ぐらいだったので、オーナーライブラリーを除いても3000部売れるタイミングに合わせてフォロワーが3000になるとキリがいいなと考えたわけです。そこで3月~4月にフォロワー数を伸ばそうと毛色が違うTweetをしていました。

何の因果か『赤すぐ みんなの体験記』に寄稿することになりました - 斗比主閲子の姑日記

ある理由でTwitterのフォロワー数を3000にしたくて集中的にtweetしていたからです。フォロワー数も無事達成できましたし、『この発言小町がスゴい!2015年版』もGWが始まる前には投稿できそうなので、しばらくしたらいつもの感じに戻るんじゃないでしょうか。5月には人気企画の読者によるモヤモヤ相談特集もやります。

フォロワー数を3000にすることついては、訓練された読者さんであれば意図はすぐに分かるかと思います。1000、2000、3000といったら何か。

先月末の記事でのこの部分はそういうことですね。

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結果、この4月にオーナーライブラリを除いた通常の発売部数が3000部になり、フォロワー数も4月で3000になったので、この記事を書いている次第です。

 

裏話1「ずっと宣伝活動をしています」

最初に発売してからこのブログやTwitterでも何度か宣伝しています。ブログでは20回ぐらいですね。

発売された当初は目新しさもあって他の人のブログで紹介されたりしましたけど、その後はどうしたって目に触れる機会は減るわけです。目に触れられなければ買われることもないわけで何度も宣伝するようにしました。(サムネイル画像がいいのが思い浮かばないときに使ったりもしましたけど。)

上のグラフで2月、3月、4月と地味に売れているのが分かるかと思います。実際、宣伝すると動きはありました。

 

裏話2「世帯年収には値付けできませんでした」

最終的には我が家の世帯年収ぐらいの価格設定にするつもりでしたが、Kindleでの値付の最高価格が2万円だということが分かり断念しました。

ある金額での購入者がいた場合そこから値下げはしないというポリシーだったため、絶対買えないだろう価格に一旦設定した後で「3000万円を300円に値下げ!割引率99%以上!!」なんて売り方をしたら面白いと思ったんですけどね。これが2万円なら買っちゃう人はいない可能性もなく、そうするとマイルール上、その後2万円で売り続けなければならないということになりかねなかったわけです。

それで結局、99円、250円、300円と、それぐらいしか値上げできなかった。250円から300円の値上げは、世帯年収になるまで値上げすると言っておきながら値上げできていない状態に悩み、仕方なく値上げしたというものです。

 

裏話3「電子書籍データをAmazonにアップロードできない」

これは発売前の話です。電子書籍を試しにAmazonのサーバーにアップロードしようとしたものの文字だけだと問題ないのですが、イラストを貼るといつまで経ってもアップロードが完了しませんでした。

どうやらイラスト画像をWindowsのペインドで開いてからコピペでWordに貼っていたことが原因で、Wordの図の挿入機能でイラストを貼ると解決しました。Wordで電子書籍を作成したからこそ起きたことですね。

 

裏話4「Amazonによる審査プロセスがあることを知らなかった」

Amazonによる電子書籍の審査プロセスがあることについては直前に気付きました。

焦って12/23の午前1時にAmazonにおうかがいをたてたら、結果として午前3時に発売されちゃっていました。

これにはかなり焦らされました。事前に用意していたブログ記事を12/23の朝7:30に投稿するようにしました。

 

裏話5「Amazonの審査期間は超短い」

そんなAmazonの審査期間は全体的に短かったです。自分の場合は、

  • 本をAmazonに投稿してから審査にかかった時間 2時間
  • 改訂版の審査 3時間
  • 販売ページの紹介文の改訂の審査 3時間
  • 価格改定の審査 1時間

ぐらいでしょうか。たぶん機械的に判断しているんでしょうね。

 

裏話6「やっぱりあった誤配」

Kindleの場合は無料サンプルで全体の10%まで読むことができます。自分の電子書籍の場合は、10%には、どんなQとAがあるか分かる目次が含まれており、最初の一つ目のQも最後まで読めますから、合わない人は購入しなくても済むだろうなと考えていました。読む必要のない人に文章が届く誤配は、著者にとっても読者にとっても不幸ですから。

ところが、どうやら、ぼーっとしていない人も読んでしまったようです。

ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30 (Kindle) 感想 斗比主 閲子 - 読書メーター

yunico 至極真っ当な事しか言っていないし目新しい発見は何も無いので「本当に自分はどうしようもないアホなのではないか」と不安な人が読むといいのかなあ。でも自分がアホと気づける人は既に知能があるからなあ 

movingtoomuch 書かれていることに反対する気はないけど、面白くはない。各論に異議はなくても総論としてはどうか? ぼーっとしている人を対象にする以上これでいいのかもしれないけど。ぼーっとした人がこれを実践できるようにも思えない。

一応、

てんきゅ 結構ためになったので、自分はぼーっとしていたのだと思うわ。

こういう感想もありますし、メール等で頂いた感想を見ても、ぼーっとしている人には届いてはいたようですが。効果は99円から300円の本でできることは限界があるとしても。

インターネット上の記事だと誤配を避けるのが難しいため試しに電子書籍にしてみたわけですが、電子書籍でも誤配はあるんだなと思いました。ぼーっとしていない人の中にも無料サンプルをチェックして購入の判断をしない人がいると考えられますし。

 

裏話7「韓国語版の出版の誘い」

韓国の出版エージェントから韓国語版を紙で出さないかという話がありました。何度かやり取りして、言語チェックの問題等から話は進めていません。

日本は韓国と文化が近いですから、Q&Aの多くが韓国でも受け入れられる部分はあるんじゃないかとは思います。

 

裏話8「プロからのツッコミ」

ここまでは小ネタみたいなものです。ここからがお待ちかねのツッコミ特典の詳細。

誤字脱字をご指摘いただいた方に特典をお送りするというツッコミ特典ですが、結果的に40名弱(たぶん)の方から応募がありました。皆さん、ありがとうございます。トメトメしい読者を持って著者として幸せです。

なお、このツッコミ特典には校正のプロも二名応募されています。お一方は私にプロファイリングをされるのを恐れて当初感想も送るのも躊躇されたのですが(そんなことしません!)、もうお一方はツッコミ箇所以外にもアドバイスをいただいており、ツッコミ内容の公開許可もいただいえいます。

以下は、この方のメールとなります。電子書籍をお持ちの方は横目で見ながらどうぞ。

以下は、私が業として校正を行う場合、明確な誤りとして、赤字を入れるものです。

箇所については、行数や段落で示しにくかったため、Qナンバーと、1行アキで区切られているものを「パラグラフ」としてカウントし、いくつめのパラグラフが該当するかを書きました。

  • 目次、Q23;誤・『手に職をも持て』→正・『手に職を持て』
  • 目次、Q26;誤・通いたいと行っています→正・通いたいと言っています
  • 第一章、Q1、第1パラグラフ;誤・結婚式は招待された からといって→正・結婚式は招待されたからといって【不自然な全角アキあり】
  • 第一章、Q2、図解;右に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第一章、Q3、第10パラグラフ;誤・必要以上に(略)詳しすぎたりす ると→詳しすぎたりすると【不自然な全角アキあり】
  • 第一章、Q4、図解;下の枠線のみ太さが違う【細くなっている】
  • 第一章、Q6、第5パラグラフ;誤・子どもの健康や子ども安全→正・子どもの健康や子どもの安全【「の」脱字】
  • 第一章、Q6、第10パラグラフ;誤・得も言われぬ→正・えも言われぬ
  • 【「え」とも言えない、という語源より、通常はひらがな】
  • 第二章、Q8、図解;右に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第二章、Q9、図解;右に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第二章、Q10、図解;右の枠線のみ太さが違う【細くなっている】
  • 第二章、Q12、第4パラグラフ;誤・どんな人と会話をして楽しかったを→正・どんな人と会話をして楽しかったかを【「か」脱字】
  • 第二章、Q12、図解;右に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第二章、Q13、図解;右に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第二章、Q13、図解;下の枠線のみ太さが違う【細くなっている】
  • 第二章、Q14、図解;右の枠線のみ太さが違う【細くなっている】
  • 第三章、Q15、図解;右の枠線のみ太さが違う【細くなっている】
  • 第三章、Q18、第9(最終)パラグラフ;誤・脅迫的で→正・強迫的で
  • 第三章、Q19、図解;右に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第三章、Q20、第5パラグラフ;誤・人からその答えを聞いたりしたからからといって→正・人からその答えを聞いたりしたからといって【「から」重複】
  • 第三章、Q20、図解;右に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第三章、Q21、図解;右に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第三章、Q21、図解;下の枠線のみ太さが違う【細くなっている】
  • 第四章、Q22、第3パラグラフ;誤・目の間に落ちてくる→正・目の前に落ちてくる【では?】
  • 第四章、Q23、タイトル文;誤・『手に職をも持て』→正・『手に職を持て』
  • 第四章、Q23、第6パラグラフ;誤・Q.「あまりに日々鬱々としていてどこかで人生で一発逆転したい→正・Q.22「どこかで人生で一発逆転したい【Qタイトルとの不一致】
  • 第四章、Q24、第3パラグラフ;誤・ストレスが貯まって→正・ストレスが溜まって
  • 第四章、Q24、第10パラグラフ;誤・ドンドンお金が溜まっていく→正・ドンドンお金が貯まっていく
  • 第四章、Q24、第10パラグラフ;誤・溜まる生活習慣を継続するようになります。→正・貯まる生活習慣を継続するようになります。
  • 第四章、Q24、第11パラグラフ;誤・もし目標金額が溜まり→正・もし目標金額が貯まり
  • 第四章、Q25、図解;右に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第四章、Q26、タイトル文;誤・通いたいと行っています→正・通いたいと言っています
  • 第四章、Q26、図解;下に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第四章、Q27、図解;下に黒の不要な罫線あり【消し忘れ?】
  • 第四章、Q28、図解;下の枠線のみ太さが違う【細くなっている】

以上です。

 

なお、大変僭越ではありますが、明確な誤字脱字とは申し上げにくいのですが、同様に業として校正を行う際、書籍を読みやすくするための疑問として最低限著者にお知らせする点を、下記に列挙しました。
これについては、著者の方が自由にご選択いただく参考意見程度のものです。無視していただいても結構です。【 】内は、なぜその意見をつけたかの理由です。

 

  • 第一章、Q1、第1パラグラフ;断り辛い→断りづらい【慣例として、連体詞的に使用する場合はひらがなが多。現状でも誤りではない】
  • 第一章、Q2、第5パラグラフ;身に付けて→身に着けて【同様に、着用の場合は慣例として「着」の使用が多。現状でも誤りではない】
  • 第一章、Q3、第1パラグラフ;(セクハラ)パワー・ハラスメント→(セクハラ)、パワー・ハラスメント【点などの区切りなし。入れる?】
  • 第一章、Q3、第3パラグラフ;被害は被って→被害に遭って(or不利益は被って)【字義の重複】
  • 第一章、Q3、第6パラグラフ;終息させたい→収束させたい【終息:やむこと。終わること。絶えること/収束:おさまりがつくこと。おさまりをつけること。後者の意味では?】
  • 第一章、Q3、第10パラグラフ;第三者のフリにする→第三者のフリをする【てにをはについて、違和感】
  • 第一章、Q4、第5パラグラフ;実子であるあなたの夫が→「実子である」をトルor「義両親の」実子であるあなたの夫が【「あなたの夫」が「あなた」の実子であるように読めるため】
  • 第一章、Q5、第8パラグラフ;ボタンは一度掛け間違え続けると→ボタンは一度掛け間違えると【一度目なので、掛け間違えると→掛け間違え続けることに、と続いた方が文脈的に適切では】
  • 第一章、Q5、第9パラグラフ;子どもたちの自主性に任せませんか?』と振ってくれれば→(略)と「お母さんから話題を」振ってくれれば、「向こうの」お義母さんも【誰が誰に対して何を振るのかをわかりやすくするため】
  • 第二章、Q8、第6パラグラフ;子どもとの関係は切れたくない→子どもとの関係は切りたくない【自動詞のほうが適切では】
  • 第二章、Q13、第5パラグラフ;妊娠 ・出産、育児で度々訪れる辛苦を→妊娠・出産・育児で(略)【ここまで、「妊娠・出産・育児」と「・」で繋いでいるので、表記を揃えては】
  • 第二章、Q13、図解;厚労省からの引用図、書体が他と異なる【Q25の引用図では、他の図と書体が揃えてあるため】
  • 第三章、Q21、第3パラグラフ;今からあなたが自分より→「あなたが30代の日本語しか話さない日本人だったとして、今から」自分より【読者がどんな人かわからない(=50代の日本語を解するインドネシア人ムスリムかもしれない)ので】
  • 第四章、Q24、第5パラグラフ;記録をすることで、自分がどれだけ無自覚にカロリーを摂取しているか認識することで→(略)摂取しているか認識し、【ことで~ことで、と同じ文末が続き、文の掛かり受けが読み取りづらいため】
  • 第四章、Q25、第3パラグラフ;親が相続の話をするのを嫌がるかには→なぜ親が相続の話をするのを嫌がるかには【「なぜ」を加えたほうが文意がとりやすいのでは】
  • 第四章、Q26、第4パラグラフ;子どもを自分が何でもコントロールできる所有物だとは思わないが→子どもは、自分がどのようにでもコントロールできる所有物だとは思わないが【文意がより伝わりやすいように】
  • 第四章、Q27、図解内;扶養控除の廃止が→配偶者控除の廃止が【Q内の表記・論旨に合わせる】
  • 第四章、Q29、図解;どれだけ買ってくれるのか→いくらで買ってくれるのか【「どれだけ」だと単価ではなく量では?】

疑問については、以上です。

 

なお、これも業としてお受けした場合には必ずお伝えするのですが、縦書きレイアウトの中で、数字の表記が算用数字と漢数字の双方が入り混じり、やや読みづらい印象を受けました。
漢数字のトンボ方式(二十、三十、一千万など)に統一なさったほうが、より読みやすいかと存じます。
またまた余談ですが、漢数字は丸方式(二〇、三〇)というパターンもございまして、特に年号を表記する場合は、原則がトンボ方式でも、二千十一年では読みづらいので、例外として丸方式(二〇一一年)を採用する場合も多くあります。

 

この業種の人間が、つい見てしまう、くだらないこだわりです。
異業種の話として、雑学の一つになりますと幸いです。

 

1度しか読んでおりませんので、あまり丁寧に確認できておらず、他にも本業としては恥ずかしい見落としが多々あるかと存じます。
きっと、他の読者様も嬉々として探して指摘なさると思うので、ひとつの参考になりましたら幸いです。

最後に、校正業に携わる人間として、表記のばらつきなど、せっかくの有料書籍ですし、もっと読みやすくなればよいのになぁ、と思ってしまう部分があります。
安くないお金がかかりますし、斗比主さまのKindle本出版の根本的なご意図とずれてしまうとは思うのですが、もし、本当に校正を本業に発注なさる場合、下記をご参考に、予算が許せばご発注をご検討ください。

以上です。

一応頂いたご指摘はすべて現在の改訂版では反映済みです。本当に、本当に、ありがたいことです。

誤字脱字があると読書体験が悪くなるので、ある程度部数が見込めてコストが吸収できる場合や、自分の本を完璧なものにしたい場合は、校正会社に校正をお願いするのはありだと思います。

 

締め

ということで、昨年12月の電子書籍発売にまつわる話は今回で最後です。本当に色々な経験ができて楽しかった。ありがとうございます。

次回作を希望されている方もいらっしゃいましたので、ちょっと考えてみましたが、あるとすれば、

  1. 読者からのお悩み相談に答えるもの
  2. ぼーっとしている人が苦手な数字の解説

とかでしょうか。こういうのを書いて欲しいということがあれば気軽にメールください。etsuko.topisyu@gmail.com

 

ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30

ぼーっとしている人が「自分の人生と向き合う」ためのQ&A30

  • 作者: 斗比主閲子
  • 発売日: 2015/12/21
  • メディア: Kindle版
 

※最後にもう一度宣伝です。無料サンプルを読んで興味を持った方はどうぞ!