斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

7/7の東京都知事選挙の選挙前後の『落ちる候補』の取り上げ方を見ていると、日本人の東京の関心の高さが伺える

7/7に東京都知事選挙があり、現職の小池百合子さんが得票率4割、2位以下の約2倍の数字で圧勝しました。

都知事選 【結果】2024 現職の小池百合子氏が3回目の当選 石丸伸二氏 蓮舫氏らを抑える | NHK | 選挙

この結果は特に驚くべきことではなく、都道府県知事選挙は現職が出馬すれば大抵現職が当選します。実際、直近一年間の現職が出馬した都道府県知事選挙は、東京都と同日の鹿児島県、去年の高知県、岩手県、埼玉県、群馬県と、すべて現職が当選しています。

私は小池百合子さんが出馬を表明した時点で再選は決まっていると考えていたので、特に選挙の動向には興味がありませんでした。

それよりも、今年は世界が選挙イヤーで、近いところだと、6/27のアメリカ大統領討論会、7/4のイギリス総選挙、7/5のイラン大統領選、7/7のフランス決戦投票の方が気になっていました。人間のリソース配分は限界がありますから、勝つのが決まっている東京都知事選挙には時間と脳みそを使わないようにしたわけです。

フランスはどうなることかとやきもきしていましたが、アメリカ大統領討論会でバイデンさんが固まっていた以外では、私の党派性からすると、望ましい結果になりました。

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※CNNの抜粋版。これ、家族で見てて、「バイデンさんが現時点で大統領やっているのもヤバいね」って話になりました。間違って、何かボタン押しそう

今年の世界の選挙は、1月の台湾をはじめとした、インドネシア、ロシア、韓国、インド、メキシコも終わっていて、残るは11月のアメリカ大統領選挙が残るのみです。アメリカ大統領選挙はこのままバイデンさんだと勝負にならないので、民主党が今から有力な候補を出せるか(バイデンさんが出馬を断念するかどうか)が肝だと思って眺めています。

それはそれとして、話は戻って東京都知事選挙です。繰り返しですが、私は動向にほとんどリソースを割かないようにしていたのですが、色んなニュースが流れていたのは目に入ってきました。

大まかに次のようなものです。

  • 蓮舫さんが先駆けて出馬を表明。でも、早めにやりすぎて事前運動っぽくなっちゃった
  • 某Youtuber系の政治団体が候補者を乱立して、掲示板をジャックしてた
  • 前安芸高田市長で、Youtubeで動画再生数をめちゃくちゃ稼いでいる人が出馬して、それがまたコンテンツになってた
  • 他にも、多数の候補が独自の選挙戦を展開してた。特に、起業家の安野さんの選挙戦が革新的だった

私の視界に入っていたのはこの程度です。小池百合子さん以外の『落ちる候補』にもかなりメディアの資源が割かれていた印象でした。

民主主義的にはそういうのは良いことだと思いつつも、現職が何をやってきたかを期待値と比較しての〇×表でも作って評価するようなことはされてなさそうでした。こういう整理がないと、露出がそもそも多いし、手当てを手厚くすれば自然と高評価されちゃうから、現職有利になるんですよね。

普通の選挙ならこれで終わりです。ただ、今回の東京都知事選挙では、『落ちた候補』の蓮舫さんと前安芸高田市長のニュースがしばしば話題になっているのも目に入ってきます。

私の感覚だと、選挙に当選した小池百合子さんが選挙時の公約にどう対応しているか(どれを無視しようとしているか)に注目したほうが意味があると思うのですが、小池百合子さんにはほとんどスポットが当たっていない、奇妙な状態です。

今年の東京都知事選挙は、党派の違い以外に、世代でも投票結果が大きく異なっていたようですから、候補者自身の興味関心の高さに加えて、ある種の対立構造がニュースバリューになっているのだと思います。

同日の鹿児島県知事選挙と有権者数では10倍の差だとして、ニュースの報道量は100倍か1000倍も違いそうです。鹿児島県知事選挙で約3割の得票率、18万票を獲得した2位の米丸麻希子さんのニュースは、選挙後にほとんど見かけることはありません。

結局、日本人の東京の関心の高さが故ということなんでしょう。

個人的には、首長選挙では現職の評価をバシッと採点することを前提にしつつ、世界の選挙戦や、他の都道府県知事選挙にももうちょっとニュースリソースを割いてもいいんじゃないかと思っている次第です。難しいでしょうけどね。