斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

共産党は、党首公選絡みの批判に「乱暴な攻撃」「大きな間違い」とハリネズミやってるようじゃ、党員・赤旗読者数『130%』は到底無理だよ……

何度も公言してるけど、私は2013年から地方選挙・国政選挙ともに自公維新以外にしか投票していません。思い返せば、選挙権を持ってから自民党に投票したことはほぼないはずです。

理由は単純で、自民党は私のポリシーに合わないし、

同性カップルは「生産性なし」 杉田水脈氏の寄稿に批判:朝日新聞デジタル

「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がない。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」

「種の保存にあらがう」 自民議員のLGBT差別相次ぐ:朝日新聞デジタル

「生物学的に自然に備わっている『種の保存』にあらがってやっている感じだ」

「ばかげたこと起きている」 性自認めぐり自民・山谷氏:朝日新聞デジタル

「体は男だけど自分は女だから女子トイレに入れろとか、女子陸上競技に参加してメダルを取るとか、ばかげたことがいろいろ起きている」

同性婚で「社会変わってしまう」は首相のアドリブ 問われる人権感覚 [岸田政権]:朝日新聞デジタル

性的少数者や同性婚に対する荒井勝喜・前首相秘書官の差別発言につながった同性婚の法制化をめぐり、岸田文雄首相が「社会が変わってしまう」とした答弁は、首相自らの判断で答えていたことが分かった。

荒井秘書官、LGBTは「嫌」 岸田首相「言語道断」、更迭へ―政権打撃:時事ドットコム

「同性婚なんか導入したら、国を捨てる人も出てくる。首相秘書官室全員に聞いても同じことを言っていた」

自民・西田氏「差別禁止は分断生む」LGBT法案 - 産経ニュース

「かつて人権擁護法案やヘイトスピーチ禁止などが議論されてきた。進める人は禁止規定や罰則と言う。それは社会分断させてしまうのでよくない」

候補者に女性が少ないからです。

女性候補割合、過去最高も「男女均等」ほど遠く 与党は消極的 参院選 | 毎日新聞

結果的に、民主党系や共産党に投票することが多いんですが、そんな私にとって、とても辛い話があります。はい、日本共産党の党首公選を訴えた党員の除名、それへの共産党の苦しい説明、その苦しい説明に対する批判への日本共産党のハリネズミ的リアクションです。

日本共産党の名前を出すだけで、私の読者でさえも引いていくのは分かるんですが(←これ、大事な感覚!)、はじめてこの話に触れてから今に至るまで、非共産党員で共産党にずっと投票し続けてきた人間としては、思うところがありすぎて、どうにか吐き出したいというのがこの記事です。

本当に、本当に、お好きな人だけどうぞ。

Hedgehog. Gatelawbridge. Scotland.

※"cuteなハリネズミ"の検索結果です。

ここまでの経緯を分かりやすく

ここまでの経緯を知らない人がここからの文章を読むことはないと思いますが、簡単に触れておくと、

という流れです。

紙屋さんの話は特に入れる必要はないですけど、私が昔から自治会絡みや漫画関係でブログで紹介していて、ご自身の最新の記事(『かがみの孤城』の映画と漫画のレビュー! 私の小説のレビューはこちら)を読んでもかなり苦しまれているようなので、個人的な思い入れで入れてます。著作の『“町内会”は義務ですか?』はPTAにも通じる素晴らしい本なのでお勧めです。

私が共産党に残念だと思うところ

それで、私が残念なのは、

  1. 除名処分の説明とやり方があまりにイケてない。
  2. リベラル系メディアからの批判を「乱暴な攻撃」「大きな間違い」と反応。

というところです。

あまりに世間から感覚がズレてるし、共産党の中のルールはそうかもだけど、外の一般の人々から見たときにどう見えているかの感覚がない、もしくはあったとしても自分たちが外面気にすることはできない旧態依然とした組織だってアピールしちゃっているからです。

まず一つ目なんですけど、共産党は、共産党員は中ではこの手の議論はいくらでもやっていいから、外から記者会見とか本を出してやるなって言ってるんだけど、

党攻撃とかく乱の宣言/――松竹伸幸氏の言動について/書記局次長 土井洋彦

――「党首公選制」なる党規約と相いれない主張を公然と行うとともに、それと一体に、党規約にもとづく党首選出方法や党運営について、「党内に存在する異論を可視化するようになっていない」、「国民の目から見ると、共産党は異論のない(あるいはそれを許さない)政党だとみなされる」などと攻撃したこと。

そもそも党首公選制を主張すること自体が規約に相いれないって赤旗で言っちゃってるんですよね……。これじゃ、共産党の中でも自由な議論なんてできるわけないじゃないですか。

あとは、これに関連して、最初に共産党のTopの志位さんが赤旗を引用する形でリアクションしたこと。

自分の口で反応しましょうよ……。それに、機関誌が言っていることと自分が言いたいことは同じって、つまりは、機関誌は自分がコントロールして報道しているってことですよね。メディアをコントロールするのは、普通には怖く受け止められる感覚を持ってください……。

二つ目は、除名処分へのメディア批判にハリネズミ状態になっていることですけど、すでに紹介した通り、朝日新聞や毎日新聞や東京新聞みたいなリベラル系メディアが批判していることの重大さを分かってなくて。

そもそも松竹さんの意見を、メディアでたぶん初めて取り扱ったのが朝日新聞なんですよね。次の記事は2022年11月のもの。

私、共産党の党首選に出ます!~「自衛隊活用論」を唱えてきたヒラ党員の覚悟 - 松竹伸幸|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

要するに、リベラル誌の感覚でもっても、共産党はもう少しやり方考えてみたら?って言ってるわけです。読売新聞や産経新聞がやってるんじゃないんですよ。やってるかもだけど。

それなのに、共産党は、特に朝日新聞の社説に対し、「乱暴な攻撃」「大きな間違い」と機関誌や偉い人が口を揃えて、強烈な反応をしちゃってる。

これって、自分たちがどういう風に受け止められるか全然分かってないってことですよね……。リベラル誌の意見に対して、間違っている、受け入れられないって言ってるってことは、リベラルには与さないって言ってると受け止められるのが理解できていない。

もしくは、分かっていても、反論せざるをえない組織だってことですよね。除名処分もそうだけど、もう少し、柔軟なリアクションができないのかっていうのが、私みたいな一般人の感覚なので、一連の共産党のやり取りはドン引きなんですよ……。

こんなんじゃ共産党は『130%の党』なんて作れないよ……

それで、別に共産党がこのままそういう党として、一般的な感覚からズレて、支持されなくなって衰退・消滅してもいいっていうならそれでもいい。私は凄く残念だけれど。

日本共産党、党員半減・収入4割減 歴史的な岐路: 日本経済新聞

ただ、共産党は今年の大目標として、『130%の党』をつくるって内部でさんざん議論した末のものを大目標として掲げている最中だったりします。

「130%の党」をつくるための全党の支部・グループへの手紙│党紹介│日本共産党中央委員会

「130%の党」とは、全党的に36万人の党員、130万人の「しんぶん赤旗」読者をめざす大事業です。

私はこの党員向けの手紙を全文読みました。危機意識は強烈だと思いました。今の共産党での最重要課題なんだろうなと。

たぶん、そんな矢先の松竹さんの議論だから、「これ以上、党の人数を減らすようなことは止めて!」ということでハリネズミになるのは分かるんだけど、敵であるはずがない朝日新聞に対しても、

志位氏が朝日社説に猛反論も…「産経」と言い間違え - 産経ニュース

--朝日社説は悪意だったと?

「そうだ。そう思っている」

こんなリアクションしているんだったら、味方は増えるどころか減ります。中に入るの、超怖いじゃん……!

私の感覚だと党首公選は大歓迎で、というか、正確には、日本共産党は党首を変えたほうが新鮮さがアピールできて、党勢は回復できると思ってます。今みたいに、志位さんが全てみたいに見える組織は、共産党が集めたい層には響きにくい。

ここで、党首が田村智子さんになったり、

【野田聖子×辻元清美×田村智子】3議員が党派超えて語る女性政治家“ガラスの天井”|NEWSポストセブン

山添拓さんになったりしたら、それだけでイメージはかなり変わります。

日本共産党・山添拓さんに訊く。政治はLGBTQ+をめぐる状況をどう変えていけるのか? | GQ JAPAN

たぶん、党の幹部一覧を見る限りでは、田村智子さんでも厳しくて、山添拓さんはまず無理だと思うんだけど。

日本共産党中央委員会の機構と人事

これで、志位さん(男性、68歳)の次に、田村智子さんにパワハラした小池晃さん(男性、62歳)がTopになるようだったら、党勢が衰退するのは確実だろうなというのが、私の感覚です。松竹さんも書いてるけど、この件に私は愕然としました。

小池晃書記局長のパワハラ問題で共産党は変わるか?~党首公選は絶好の機会 - 松竹伸幸|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

会議後、地方議員からの批判は瞬く間に広がっていった。しかし、党中央はしばらくの間、それに対応しようとしなかった。

小池氏も、記者会見やツイッターなどで発言する機会はいくらでもあったけれど、黙り込んでいた。パワハラを受けた当事者である田村氏は当日(5日)、なんと自身が「ごめんなさい」と謝ったのだが、後日(18日)の記者会見で明らかにされたように、「叱責されたとか、パワーハラスメントを受けたという認識を全く持っていなかった」と振り返っている。

志位氏も同時進行で動画を見ていたそうだが(5日)、定例日の7日に開かれた常任幹部会でこれを議題にするような指示はしなかった。14日の常任幹部会でようやく処分を決めたという経過である。

要するに、1週間以上の間、党中央では、パワハラをした本人も、被害を受けた当事者も、それを眺めていた人も、誰もこれを正すべき問題だと捉えていなかったということである。

みんなが見えてるところでやっておきながら、最初は被害者が謝らされてるんですよ。それを是正する動きを"外から"問題視されなければ変えられないというのは、体質がヤバいと思わされた出来事でした。小池さん個人の問題じゃないってこと。

締め

私は、共産党員でも何でもないし、私が書いている内容自体も今のハリネズミ状態では届きにくいのは分かっています。ただ、私にとって有力な投票先の党が、自滅で消えていくのを横で見ているのは辛くて、この記事を書きました。

今すぐは無理でも、いつかこの記事が共産党の誰かの目に入ることを願っています。

今日のところは以上です。ではでは!