どちらも昨日の朝日新聞のニュースです。
正座させ「これは体罰だ」 バレー部コーチが部員蹴る:朝日新聞デジタル
同校によると、コーチは6月29日、男子生徒が1年生の女子マネジャーと交際していることを怒り、学校の体育館の教官室で正座させて「これは体罰だ」と言って胸を複数回蹴った。(中略)コーチは2004年にも建築科の授業で生徒に平手打ちをして処分を受けた。松下繁一校長は「体罰はあってはならない不適切な指導。大変申し訳ない」と謝罪した。
「彼女のメール」苦笑い、日馬立腹 暴行問題の中間報告:朝日新聞デジタル
貴ノ岩をかわいがり指導をしていた日馬富士が注意をしたところ、貴ノ岩は「彼女からのメールです」と苦笑いを浮かべた。日馬富士はその態度に腹を立て、貴ノ岩に謝罪させようと平手で顔面を殴った。
前者のニュースではコーチが暴行を体罰と認識していることが分かります。校長先生の言うとおり「体罰はあってはならない」のはそうなんだけど、体罰は暴行だから、あってはならないんですよね。
後者のニュースではちょっと読み取りにくいんですけど、普段からある力士がある力士のことをかわいがっていたからその延長線上で暴行をしたようです。これは相撲協会が利用した言葉をそのまま朝日新聞の記者が紹介したものですから、相撲協会の中では、これまで何度も事件に発展している、『かわいがり』という概念がまだ当たり前であることがうかがえます。
『体罰』には罰という言葉がある通り、悪いことをしたから罰として体罰を受けたという発想があります。『かわいがり』にも、かわいがっているのだから、上のものが下のものに愛のムチとして多少厳しいことをしてもいいという発想があります。
こういう言葉が当たり前のように使われているうちは、『体罰』や『かわいがり』として暴行をした自分が悪いとはなかなか思えません。言葉狩りをする意図はありませんが、『体罰』や『かわいがり』は暴行それ自体であったり、暴行に通じるものとして広く認識された方がいいと思う次第です。
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※体罰が不適切なことも一章割いて触れられています。