斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

あなたが死んだときGoogle・Facebook・Twitter・はてなのアカウントはどうなるのか? 相続(譲渡)はできるのか??

年齢的に何かあって死ぬこともありえるようになってきたので、自分の資産の相続について考え始めています。

死亡率 10万人 平成26年
※『平成 26 年 人口動態統計月報年計(概数):死亡率(人口10万対)の年次推移,性・年齢(5歳階級)別 の概況』(厚生労働省)の表を筆者が加工

その一つとして、考えようによっては、インターネットのアカウントも相続対象に含まれるのではないかと思いました。下手をすれば黒歴史ですけど、死後の管理を考えればアカウントを誰かに相続したいという気持ちもある。

というわけで、Google、Facebook、Twitter、はてな等でアカウントが死亡後どう扱われるのか、相続(譲渡)が可能かどうか調べてみました。

 

Googleは無効化管理ツール

Googleは原則としては譲渡は想定していないようですが、

死去したユーザーのアカウントに関するリクエストを送信する - Google アカウント ヘルプ

だれがあなたの情報にアクセスできるようにするのか、そしてアカウントの削除を希望されるのかどうかを Google に知らせる最適な手段となるのが、アカウント無効化管理ツールです。

死亡後に他人が自分のアカウントにアクセスできるような設定や、アカウントの削除をする無効化管理ツールというのがあります。

 

Facebookは追悼アカウント

Facebookアカウントは実名と紐付いているのでまず無理かなと思ったのですが、規約を見る限りは、

サービス規約

8.パスワード(開発者の場合はシークレットキー)を共有する、他の人にアカウントへのアクセスを許可する、またはアカウントのセキュリティを脅かす恐れのあるその他の行為を行わないものとします。

9.あらかじめ弊社から書面による許可を得ることなく、自分のアカウント(管理者となっているFacebookページやアプリケーションを含む)を他の人に譲渡することを禁止します。

アカウントの共有はできない、他人への譲渡は禁止とあるものの、書面の許可があればできるとあります。かなり特殊なケースでしょうけどね。

面白いのは追悼アカウントという仕組み。

私が死んだ場合、アカウントはどうなりますか。 | Facebookヘルプセンター | Facebook

追悼アカウントとは、利用者が亡くなった後で友達や家族が集い、その人の思い出をシェアするための場所です。アカウントを追悼アカウントにすると、他のユーザーがアカウントにログインするのを防いで、情報の安全を確保できます

追悼アカウントという形で遺族等がアカウントの管理ができるというもの。これ、確か知り合いのアカウントがなっていたのを見たことがあります。

 

Twitterは売買目的でなければ譲渡が可能

Twitterはユーザーが死亡した場合、遺族によるアカウントの削除が可能です。

Contacting Twitter about a deceased user or media concerning a deceased family member | Twitter Help Center

ユーザーが亡くなられた場合、Twitterは、権限のある遺産管理人または故人の家族とともにアカウントを削除するようにします。

また、アカウントの譲渡も売買は禁止されているけれど、単純な譲渡であれば問題ないようです。相続もできると考えてよさそう。

Username squatting policy | Twitter Help Center

ユーザー名の不正な占拠 (スクワッティング) はTwitterルールで禁止されています。

なお、情報更新やプロフィール画像がなく、誤解や混乱を招く意図がないアカウントの場合、通常は不正占拠やなりすましとは見なされません。Twitterは、商標権侵害が行われていない限り、不正占拠されているユーザー名を引き渡すことはありません。商標権侵害に関する報告の際は、「商標に関するポリシー」に記載の報告手順に従ってください。

ユーザー名の販売や購入、その他ユーザー名と引き換えに対価を得ようとするあらゆる行為は規約違反であり、アカウントの永久凍結の対象となります。

スペインの個人から日本政府に@Japanというアカウントが譲渡されたことがあります。

Twitterアカウント「@japan」、政府が運用開始 スペインの男性から譲り受け - ITmedia ニュース

 

はてなアカウントも譲渡は可能?

自分が使っている、このはてなのアカウントはどうでしょうか。ガイドラインがあり、

はてな情報削除ガイドライン - 機能変更、お知らせなど

利用者が死亡した時の対応

  • 原則として、利用者のメールアドレスに連絡を行い依頼内容の確認を行う。所定の期間内に返信がない場合には、最低限の表示制限や設定変更等の措置を行う
  • 利用者のメールアドレスから所定の期間内に返信がない場合も、死亡した事実が確認できたとは言えないため、データが物理的に失われる措置は原則として行わない。また、ユーザーアカウントの譲渡や相続は行わない。
  • 登録メールアドレスから返信があった場合には、その意向に従う。

登録しているメールアドレスが遺族に管理されていれば、遺族は削除要請等ができるようです。相続はできないとしている。

また、利用規約の第3条では、

はてな利用規約 - はてな

5.ユーザー名やパスワードは、個人用であり、いかなる場合も譲渡または貸与することを禁止します。

とあります。

これらから考えれば死亡時のアカウントの相続は不可能と考えられますが、念のため、はてなに問い合わせてみました。回答はざっくり言えば、

  • メールアドレスが引き継がれ、はてなからのメールの受信が可能であれば、引き継いだ人間はアカウントを継続利用可能
  • 利用規約第3条5項は、意図的なアカウントの譲渡や売買を禁止するためのもの
  • ただし、本人が自分の死後、アカウントを譲渡するという意思を表明していない場合は、死後のアカウントの相続は好ましくないと考えている

ということでした。相続できなくはないというもの。

さすがに明言はできないものの、外から見てアカウントが相続されているかは分からないから、利用停止という措置にはならないというが実態でしょうね。

 

Google AdSenseは譲渡はできないが相続はできる

それで人によっては一番気になるだろう、Google AdSenseについて。譲渡は認められていないものの、死亡時は名義変更が可能です。

お支払い受取人の名前を変更する - AdSense ヘルプ

利用規約ではアカウントの所有権の譲渡は認められていませんが、つづりの間違いの訂正や、結婚、死亡、会社の合併などによる変更のために、お支払い受取人の名前を更新することは可能です。

※太字は筆者

人によっては結構な金額が振り込まれるていることでしょうから相続財産とみなされてもおかしくない気がします。税務署は気付かないでしょうけど。

 

締め

意外とサービスごとで考え方が違うところがあるのが面白いですね。

アラフォー以上の年齢のインターネットユーザーも増えてきていますし、今後は、死亡時のアカウントの処分方法に関するサービスがあっても需要がありそうです。分からない人にはまったく分からない世界ですから。

あとは、Google AdSenseみたいなアカウントを誰が相続するかで相続争いが起きていてもおかしくない気がしますね。デジタルと生臭いものの融合!素敵!!