斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

マルちゃん正麺のPR漫画の小火について、昼間に使った皿を昼間どころか夜にも洗わなくても良い

東洋水産のマルちゃん正麺のPR漫画が軽く小火っていたみたいです。

マルちゃん正麺のPR漫画を巡り「最後で台無し」「批判に屈しないで」と議論に 第2話は公開延期 (1/2) - ねとらぼ

最後のコマで、昼間に夫と子どもが食べた食器を妻が洗っているのを見た人の一部に、「なぜ昼の間に皿を洗わないのか」「なぜ帰宅した妻に食器を洗わせているのか」と思う人がいて小火ったということです。

細かいことを言えば、トメトメしい私のブログの読者なら、最後のコマだけではなく、もっと他の部分にもツッコミを入れられるはずです。

例えば、熱い料理を子どもの手の届くところに置くのはいかがなものか、料理の栄養バランスが悪い、未就学児相手に口でふーふー冷ましたら虫歯菌が移るかもしれない、テレビを見ていて子どもの相手をしていない、などなど。

最後のコマで台無しになったという人が多いようですが、正直に言えば、最後のコマなんて大したことないのになというのが私の印象です。

ただ、ツッコミを入れられるからといって小火って当然だとは私は思いませんし、私自身は、コンテンツとして全然許容できる範囲です。なぜ燃えたか分からない人向けに私見を書くと、この小火は、「日本で母親の家事が完璧でないといけないという呪いが還流してきた小火」です。

上で"私だったら多分キレてる笑"という人が2年目の子持ちであるように、たとえ乳幼児の育児中でも昼のうちに食べた食器を夜までには洗っておかないと家事をちゃんとやったとみなされない空気の中に、まだ多くの女性がいるから、そのスタンダードに外れた家事スタイルを漫画で見かけて、「私はしっかりしているのに(させられているのに)、これを家事育児とは呼ばせない」と思う人がいると私は見てます。ある意味、被害者意識が根底にある。

(死語になるべき言葉である)イクメンが炎上するパターンと基本的には同じです。女性が当たり前にやるべきとされていた育児家事スタイルから脱線しているから、「ちゃんとできていない」となる。

私は以前から書いているとおり、日本の家庭内トラブルは日本人の労働時間の長さが半分ぐらいあると思っていますが、残りには、日本の家事育児のクオリティが高すぎるのが一因としてあると考えています。

毎日手料理が食べられるのが当たり前、家はいつも綺麗でないといけない、子どもにはテレビを見せちゃダメ、栄養バランスはしっかり考えるように……。最初に私が書いたツッコミどころというのは、日本の家事育児で当たり前として求められてきたことの裏返しなわけです。ちなみに、私が姑に言われ続けていることでもあります。

ツッコミどころと書きましたが、この種のツッコミどころというのはトメトメしい人間だけが持っていて、世の中に披瀝されて好ましく思われるものじゃないと私は考えています。トメトメしさそこトメトメしく指摘されたほうがいい。マナー講師はいらない。

昼に使った皿を昼どころか夜にも洗わなくて翌日以降に洗うなんていうのは、別に家事の手抜きなんかではないし、他の国でもそういう風に回っているところはあります。手洗いじゃなく食洗機に放り込んでおしまい。

この種の炎上が起きるということは、まだまだ日本では高いクオリティの家事育児が求められていることの裏返しであり、私個人としては、家事育児をもっと楽にしてもいいと考えていて、そういう世の中になったらいいなと思っています。

そうなると、小火も減るはず。

今日はこんなところです。