斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

日本最低3連発(設備投資、自然科学分野での引用論文数、コンテナ船寄港)から、日本株に長期投資する気持ちが萎えた

NISAの制度拡充が金融庁から提案されています。

NISA、長期運用に重点 「資産所得倍増」へ一歩: 日本経済新聞

期間の恒久化、金額の拡充、つみたてNISAへの一本化などなどが提案されているようで、どこまで採用されるかは分かりませんが、資産所得倍増計画という話もあるので、多少は改善すると期待しています。

と、金融庁的には世論の後押しを求めての今回の提案と理解しているので、私も自分の意見を表明しておきます。

で、今回仮に拡充されるとすると、岸田さんが今年5月の英・シティーで「Invest in Kishida!」と言っていたので、日本企業に投資をしやすいような仕組みにするんじゃないかと思います。

私は日本経済・日本企業の成長性が低いと考えているので、日本株にはこれまで一切投資をしてきていませんでした。ただ、制度が変わって、投資に何らかの優遇があるなら、日本企業に投資をしてもいいかなと少し考えていました。

※グラフはGoogle Financeで作成。上からS&P500、DAX、FTSE100、Nikkei225

そんなことを考えていたら、Alexaの本日朝のフラッシュニュースで、次の報道が流れてきました。

設備投資、ルーキー不在 企業の新陳代謝鈍く成長停滞: 日本経済新聞

自然科学分野の引用論文数 日本は過去最低の12位に後退 | NHK

日本、港湾の競争力低下 コンテナ船の寄港20年で最低: 日本経済新聞

こういう個別の情報で、投資をするかどうかを判断するものではありませんが、私はこれらのニュースを聞いて、「やっぱり私は日本株には長期投資はできない」と思いました。

※長期投資=数十年ぐらいの期間での投資

設備投資は当然ながら企業の成長の源泉です。株主から集めたお金、銀行から借りたお金、儲けたお金を成長のために投資をして、企業は成長をしていきます。日本企業の設備投資水準はOECD加盟国でも最低水準の成長率で推移しているというのが、一つ目のニュースです。これでは、日本企業は長期的に成長しない。

※左のグラフが企業の設備投資金額の過去水位。日本は30年でほぼ横ばい

二つ目のニュースは、過去3年間での日本の自然科学分野での引用の多い論文数が1981年からデータを取り始めて世界の各国とのランキング上、過去最低になったというものです。背景は色々あるでしょうが、要は日本初での革新的な技術が生まれにくくある、または、他国の技術をパテント料を払って利用する必要が増えるということですから、これもまた、日本及び日本企業の長期的な成長が厳しいなと思いました。

三つ目のニュースはちょっと分かりにくいですけど、日本の港の港湾競争力が落ちたというものです。完全に中国や韓国、そしてベトナムに国際ハブ港としての地位を奪われている状態です。コンテナ船が日本に寄らなければ、日本のコアな業種である製造業では、調達もそうだし、販売面でも、コスト面・リードタイム面で不利になります。これも、長期的に日本企業の競争力を奪うと思いました。

以上のニュースを朝から三連発で聞いてしまったせいで、日本株に長期投資をする気持ちが一気に萎えました。NISAで何らかの拡充がされても、よほどのことがなければ投資はできないなと。

ついでに、次のニュースもさらに私の気持ちを萎えさせました。

管理職に占める女性の割合 12.3% 前年度を0.1ポイント下回る | NHK | ジェンダー

企業の規模別に見ると▽10人以上30人未満の企業は21.1%だったのに対し、▽5000人以上の企業では6.7%と規模が大きいほど女性管理職の割合が低い実態がうかがえます。

厚生労働省は「女性管理職の割合は長期的に見れば上昇傾向ではあるが、国際的にはまだ低い水準だ。女性の活躍は企業にとって多様で新たな価値を生み出すとして投資の際の判断材料にもなってきていて、企業の環境整備が進むよう促していきたい」としています。

※太字はtopisyu

2030年までに女性管理職比率を30%にすると経団連は宣言(以下)しているのですが、こんな状況では確実に達成は不可能です。

話は変わりまして、今年の夏は、子どもたちにロシアでプログラマーが大量国外脱出した例を用いつつ、

「もう、ロシアには戻りたくない」 最大17万人のIT人材が出国か [ウクライナ情勢]:朝日新聞デジタル

海外のどこでも生きていけるようにしたほうが将来選択肢が増えて得だよと紹介したら、子どもたちの英語を勉強するモチベーションが上がったようで、以前より気軽に、夏休み中ほぼ毎日、オンライン英会話をしてくれるようになりました。

話は戻って、日本の停滞した経済状況は、何も政治家や経営者が凶悪というわけではなく、日本人が長いこと望んで作り上げてきたものだと私は考えています。私は、PTAでも、職場でも、尖がった人間を尊重するより排除して、集団で責任を曖昧にして合理性の乏しい判断をする"大人たち"をたくさん見てきました。

個々人、そして集団として、こういうあり方を望んできたものですから、私は望まないとしても、結果として日本に住む人たちの多くの人の総意として、今の日本がこうなっているという理解です。

私個人で、多少でも世の中を私の望む姿になるよう、できることはやっていくつもりですが、個人資産の投資と、子どもの教育投資は、海外志向は引き続き変わらないだろうなと思った次第です。

今日はこんなところです。ではでは!

日経新聞編集委員は「コロナに打ち勝ったイギリスと負け続ける日本」という記事を書く前に、自社が買収したFTの記事を読んだ方がいい

次のような記事がありました。

コロナに打ち勝った国と負け続ける国: 日本経済新聞

日英両国のコロナ対応には今や明確な差がついた。イングランドの人口は5300万人と日本のおよそ半数だ。海外の医療サービス提供体制を比較研究しているキヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘研究主幹は「イングランドのNHS(国民保健サービス)傘下病院の病床数は約10万1千。日本の国公立病院を合わせた34万1千床の3分の1程度だが、コロナ医療と通常医療の提供体制を機敏に調整し、入院患者のピーク時も医療崩壊を起こさなかった」と総括している。コロナとの共生実現はその帰結であろう。

イギリスでは新型コロナウイルスと共生が実現できていて、医療崩壊もまったく起こしていないので、日本も見習うようにという日経新聞の編集委員が書いた記事です。

この記事の内容を頭に入れて、8/12付けのFTの記事を読んでみましょう。

The NHS is being squeezed in a vice

Since then, however, the picture is much less clear. Between July and December 2021, England recorded 24,000 more deaths than in a typical year, but only two-thirds of these could be attributed to Covid. And this year, less than half of the 10,000 excess deaths accrued since May were Covid-related. In total, there have been just over 12,000 additional non-Covid deaths across the two periods.

例外的な A&E 待機時間の結果として生じた可能性のある死亡者数が、英国における非 Covid 超過死亡者数の合計とほぼ一致することを示すグラフ

ちょっとグラフは分かりにくく、FT定期購読していないと記事の中身は読めないかもなので補足すると、

イングランドで、2021年の7月から12月で超過死亡が2.4万人発生したうちの、2/3である1.6万人が新型コロナ由来と考えられ、直近、2022年5月以降の超過死亡1万人については同じく半分以下が新型コロナ由来だから、0.8+0.4で1.2万人ぐらいは、新型コロナ由来ではない謎の理由で亡くなっているが、

この謎の1.2万人は、A&E(救急外来)の待ち時間が伸びたことによるものではないかという、イギリスのNHS(国民健康保険制度)が医療崩壊していることを分析した記事となります。

この記事を書いた人はTwitterでも分かりやすく発信してくれているので、そちらを見てもいいし、

イギリス在住の日本人免疫学者の小野さんが引用Tweetで日本語で補足してくれていたりします。

FT=Financial Timesはイギリスの経済紙だけあって、これに限らず、イギリスの医療体制が崩壊していることはずっと報道し続けています。

National Health Service | Financial Times

なお、FTは日経新聞が2015年に1600億円で買収しています。

日経がフィナンシャル・タイムズ買収、親会社から1600億円で | ロイター

はい、ここで、最初の記事に戻りましょう。

コロナに打ち勝った国と負け続ける国: 日本経済新聞

日英両国のコロナ対応には今や明確な差がついた。イングランドの人口は5300万人と日本のおよそ半数だ。海外の医療サービス提供体制を比較研究しているキヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘研究主幹は「イングランドのNHS(国民保健サービス)傘下病院の病床数は約10万1千。日本の国公立病院を合わせた34万1千床の3分の1程度だが、コロナ医療と通常医療の提供体制を機敏に調整し、入院患者のピーク時も医療崩壊を起こさなかった」と総括している。コロナとの共生実現はその帰結であろう。

別にキヤノングローバル戦略研究所の分析を鵜吞みにするなとは言いませんけどね。ただ、自社の関係会社で、ずっとイギリスの医療崩壊は報道し続けているのだから、少しはそちらも参考にして記事を書いた方がいいんじゃないかと思ったのは私だけでしょうか。(小町話法)

ちなみに、イギリス(正確にはイングランドとウェールズ)での最近一週間の超過死亡は1000人ぐらいになっているようです。

タイラー・コーエン「イギリスにおけるポスト・コロナウイルスの超過死者数」(2022年8月21日) – 経済学101

上のFTの記事とはデータの基準がちょっと違うかもですが、日本と人口がざっくり半分ぐらいと考えると、日本基準なら一週間で超過死亡が2000人ぐらいです。

日本でも直近それなりの数の超過死亡が観測されているようなので、

週毎 - 死亡数 | exdeaths-japan.org

イギリスの超過死亡は多いという点のみで、日本のほうが医療体制がマシなんてことは言いません。

ただ、少なくともイギリスの医療体制が、保守党による医療費削減で、ここ最近はずっとひっ迫(というか崩壊)状態なのはFTを読んでいれば周知の事実なので、簡単に、「イギリスは勝ち組!」みたいなことを、

日経新聞の記者が感覚論で記事を書いているのを見かけると、「日経新聞はFTから、Factベースで記事を書くことを学んだほうがいいのでは?」と言いたくなるのは私だけでしょうか。(小町話法二回目)

今日はこんなところです。ではでは!

「男女平等はコミンテルンが仕掛けてきた世論操作」と信じてる杉田水脈さんを政府の要職に付けるのは、ヤバくない?

内閣改造で、総務政務官に杉田水脈さんが任命されたことが問題視されています。

「LGBT生産性ない」政務官・杉田水脈氏の差別的発言の遍歴 | 毎日新聞

15日の就任会見で「新潮45」への寄稿について問われた杉田氏は「私は過去に多様性を否定したこともなく、性的マイノリティーの方々を差別したこともございません」と説明した。そのうえで、岸田政権が目指す「個性と多様性を尊重する社会」については、「岸田政権が目指す方向性と、政務官として何一つずれている部分がないと思っています」と述べた。

私は、杉田水脈さんの名前を出すことさえも嫌で、この人の発言は一切目に触れないようにしてきました。こういう人を支持する人はいるのは理解できるし、その支持することを否定はしませんが、私は、この人の考え方を支持できる要素が一欠けらもないので、not for meとして、視野から外すようにしていました。

2018年にブログで一度触れたものの、記事に嫌がらせのコメントをずっとし続ける人がいるぐらいだったので、面倒だと思い、一度書いてからはブログでも一切触れないようにしてきました。さすがに、この人が偉くなることはないと思っていましたし。

子どもを作らない人間には「生産性」がない? - 斗比主閲子の姑日記

しかし、この人が政府の要職に就くとなれば話は別です。

きっと、今後は発言を否が応でも見聞きする機会はあることでしょう。ということで、この後、この人の発言を聞かされるのは嫌だし、行政に反映されるのも嫌なので、どうにか岸田首相が人事を撤回してくれないかと期待して、今回の人事を反対することを表明します。

よく知らない人の為に紹介すると、この人の基本発想は、基本的人権が保障されていれば、それ以上は自己責任だというものです。以下は、2015年の本人のブログ記事です。

杉田 水脈(すぎた みお) 公式ブログ : LGBT支援策が必要でない理由〜私の考え

私は昨年本会議で「男女平等は絶対に実現し得ない妄想だ」と発言して、多方面から批判を受けました。
男性に向かって「子供を産みなさい。」と言っても無理です。この事実がある以上、いくら男女を平等に扱おうとしてもそこに物理的に無理なことがたくさん存在します。これは差別ではなく区別です。
それと同様に生産性のあるものと無いものを同列に扱うには無理があります。これも差別ではなく区別です。

(中略)

日本では基本的人権が保障されています。性別や年齢に関係ありません。LGBTの人たちにも当然保障されています。

この上で、「女性の権利を」とか「LGBTの人たちの権利が」とかというのは、それぞれ、「女性の特権」「LGBTの特権」を認めろ!という主張になります。

(中略)

普通の生活が保障されてもできない人の為の支援策は必要です。(障害者の方や病気にの方の支援策など)それ以外は不要です。

(中略)

人生、思い通りにならないことの方が多いです。
この問題を含め、うまくいかないことがあれば国や行政になんとかして貰おうとする。そういう事例が噴出してきています。
性別とか性的嗜好に関わらず、自分の問題は自分で解決できる自立した人間を作るための努力を怠ってきた、戦後日本の弊害かもしれません。

※太字はtopisyu

清々しいまでの自己責任論者ですよね。

特に「男女平等は妄想」というのは、2014年に『SHINE!』という標語を掲げて、男女平等を押し進め、

また、同年の国連総会でも同様のスピーチを行った、

第69回国連総会における安倍総理大臣一般討論演説(仮訳)|外務省

教育,保健といった基本的な権利は,世界のどこでも保障されなければなりません。女性も男性と平等に学校に行ける,妊産婦の方々が安心して医療ケアを受けられる。――そのために国連は,世界は,一丸となって行動していかねばなりません。
 何より経済的に自立する能力を育てることこそは,女性にとって,誇りと希望あふれる生を歩むため不可欠なことではないでしょうか。女性が輝く社会を創ることに,世の中全体を変えるカギがあると信じて疑いません。

故安倍晋三さんのこの方針をどう思っていたのかは聞いてみたいところです。

それはそれとして、要するに、この人には、基本的人権が認められれば、あとは国や行政は何もしないから、自立して自分でどうにかするようにという発想があります。

この発想の人を政府の要職に付けるというのは、首相の見識を疑いますよね。

だって、日本社会に住む人の個人では上手くできない問題を解決するために行政があるのに、それを真っ向から否定しているわけですから。自分で、自分は行政担当になったら仕事しないって宣言しているようなものです。

で、どうしてこんなことを言っているのか、過去のご自身の発言を読んでいたら、ヤバい記事を見つけてしまいました。2016年の産経新聞への寄稿記事です。

【杉田水脈のなでしこリポート(8)】「保育園落ちた、日本死ね」論争は前提が間違っています 日本を貶めたい勢力の真の狙いとは…(5/5ページ) - 産経ニュース

※赤線はtopisyu

同年のはてな匿名ダイアリーの記事『保育園落ちた日本死ね!!!』に反応したものですが、この考えは相当ヤバいですね。

LGBT支援もそうだけど、男女平等なんかの多様性を進める論調は、日本の「家族」を崩壊させるために、コミンテルンが仕掛けてきた世論操作だとしています。

コミンテルンって、1919年にレーニンが作って、1943年に解散している組織ですよ? 仮に現存していてたとして、ネットの際の際にある、はてな匿名ダイアリーを使って、世論操作をするなんてことがありえますかね?? よりにもよって、はてな匿名ダイアリーなんて……。

冒頭の記事に戻ります。

この人は、8月15日の就任会見で、岸田政権が目指す「個性と多様性を尊重する社会」については、「岸田政権が目指す方向性と、政務官として何一つずれている部分がないと思っています」と述べています。

皆さんは、この発言を信じられますか? 私は一切信じられません。人間、心変わりはあるものですが、長年の自己責任論者で、しかも、保育園を拡充させることぐらいを「コミンテルンによる、日本の家族を崩壊させるための世論操作」と、新聞記事に堂々と寄稿している人物が、多様性を尊重する方針にそう簡単に賛同するとは思いません。

ということで、聞く耳のある岸田首相には「私が間違ってました」と、杉田水脈さんを解任することを求めます。

以上、今日はこんなところです。ではでは!

"5~11歳へのワクチン接種によるオミクロン感染予防効果31%、発症予防効果51%、入院予防効果68%"(日本小児科学会)

我が家は子どもたち全員が新型コロナウイルスのワクチン(ファイザー)を2回接種済みです。そのことを知人に話してたら、「でも、子どものワクチン接種って重症化しないだけで感染や発症を防げるわけじゃないんでしょ?」と質問されました。

感染や発症もある程度防げることを日本小児科学会が公表しているのですが、あまり知られていないかもなので、紹介しておきます。

新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

【5~11歳へのワクチン】

有効性について:海外では、5~11歳の小児に対する同ワクチンの発症予防効果は当初90%以上と報告されていました16)。一方、流行株がオミクロン株に変わってからの感染予防効果は31%、発症予防効果は51%と低下していますが17)18)、入院予防効果は68%と報告されています19)。その後、オミクロン株流行期における5~11歳の小児へのワクチン有効性については、世界各国から報告が相次ぎ、既報と同様の発症予防効果と重症化予防効果が確認されています21)~23)。

【12~17歳へのワクチン】

有効性について:現在、国内で流行しているオミクロン株へのワクチンの効果については、海外において12~15歳を対象として行われたファイザー社製ワクチンの感染予防効果に関する研究が行われ、ワクチン2回接種から14~149日経過後で59%でした17)。また、12~17歳を対象として行われた研究では、新型コロナワクチン2回接種から14~149日経過後の入院予防効果は、12~15歳で92%、16~17歳で94%でした18)。

ということで、子どもでも感染予防効果は一定程度あるようです。ちなみに、日本小児科学会は日本での子どもの感染者数が激増していること、重症化リスクを減らせること、安全性が認められることから、小児へのワクチン接種を推奨することに8/10に方針変更しています。

※見事に激増。小児新規陽性者数の推移 厚生労働省の公表資料を基に作図 https://covid19.mhlw.go.jp

ちなみに、2回ワクチンを接種している割合は、8/8時点で5歳~11歳で17%、12歳~19歳で74.8%と、5歳~11歳が非常に低い状態です。(首相官邸

地域別データは公開されていないんですが、読売新聞が各自治体に確認したところ、接種率は東北が比較的高く、関西が低いようです。この傾向はそれ以降の世代でも同様なので、大人がワクチン接種してないんだから子どもも接種していないという当たり前の傾向ですね。

5~11歳ワクチン接種率は「東高西低」…最高は秋田45%・大阪は最低7% : 読売新聞オンライン

我が家の子どもたちはワクチン接種後に体調不良になるようなことはありませんでした。一方で、新型コロナウイルスの感染時は、大人ほどじゃないけど発熱・喉をやられていたようでした。

子どものワクチン接種は予防効果があまり長持ちしないようなので、今後も継続的にワクチン接種を我が家の子どもたちにはお願いしていくつもりです。

『ごんぎつね』を小学生が思ったように読まないのを「社会常識や人間的な感情への想像力が欠如」と整理するのは、私は嫌だな

この記事が話題になっていたので読みました。

『ごんぎつね』の読めない小学生たち、恐喝を認識できない女子生徒……石井光太が語る〈いま学校で起こっている〉国語力崩壊の惨状 | 文春オンライン

兵十が葬儀の準備をするシーンに「大きななべのなかで、なにかがぐずぐずにえていました」という一文があるのですが、教師が「鍋で何を煮ているのか」と生徒たちに尋ねたんです。すると各グループで話し合った子供たちが、「死んだお母さんを鍋に入れて消毒している」「死体を煮て溶かしている」と言いだしたんです。ふざけているのかと思いきや、大真面目に複数名の子がそう発言している。もちろんこれは単に、参列者にふるまう食べ物を用意している描写です。

――「死体」を煮ているとは、あまりに突飛な誤読ですね!

石井 これは一例に過ぎませんが、もう誤読以前の問題なわけで、お葬式はなんのためにやるものなのか、母を亡くして兵十はどれほどの悲しみを抱えているかといった、社会常識や人間的な感情への想像力がすっぽり抜け落ちている

※太字はtopisyuによるもの

たまたま見かけた小学校の授業で、ごんぎつねが筆者の思ったように読まれてないことでもって、今の子どもたちに社会常識や人間的な感情への想像力が欠けているという話を展開する記事です。最終的には日本の子どもたちの国語力が崩壊しているというところまで持っていきます。

この記事は本の宣伝記事で、私は本そのものは読んでおらず、国語力という曖昧な言葉をどう定義しているか、また、崩壊していることをどう統計的に計測しているかは非常に興味があるところですが、それは置いておきます。

気になったのは、『ごんぎつね』について児童(小学生の子どもは"生徒"ではなく、"児童"が正しいです。私も児童・生徒・学生を間違いますが、国語力を憂う記事なのだから、筆者は正しく日本語を使った方がいいですね)が、

鍋でぐずぐず煮られているのは何かという先生の質問に、グループで話し合って、"「死んだお母さんを鍋に入れて消毒している」「死体を煮て溶かしている」と言いだしたこと"を、"誤読以前"で、"社会常識や人間的な感情への想像力がすっぽり抜け落ちている"と評している点です。

すでにSNS上で色んな意見が出ていますが、

『ごんぎつね』鍋で母の死体を煮ていると答えた小学生の話から、国語力の欠如を懸念する意見と子どもの想像力を全肯定する意見 - Togetter

私は、以下の点で話にならない評論だと思います。

  1. 国語で知識を問うのを問題視していない点
  2. 子どもたちがグループで話し合ったものを評価していない点
  3. 子どもたちがどうしてその答えを導いたか想像していない点

以上です。

まず一つ目。そもそも、この学校の先生が国語の授業で「鍋で何を煮ているのか」という質問をするのをまったく問題視していない点が気になりました。そういう形式の授業があるのは理解していますが、これで国語力は身に付くんですかね?

二つ目。実は単に知識を問うているわけではなく、グループで話し合いをさせているわけですから、先生はアクティブラーニングを狙っていた可能性があります。なのに、その話した結果を筆者は問題視していて、話し合うプロセスを評価していない。ヤバくない?

三つ目。自分が思っていた通りに子どもたちが答えていないことでもって、想像力がないとしていますが、どうして子どもたちがそう考えたか、筆者は一切想像をしていません。カチカチ山の婆汁、三匹の子豚の狼鍋とか、寓話の事例とか、ネタにしているかもしれない。児童に聞いたらいいのに、対話をしている気配もない。ありえなくない?

正直、n=1の事例、ここまで想像力を膨らませるのはそれはそれで凄いことだなと感心しますが、私は非常にイケてないなと思いました。

今、社会はかなり多様化しています。海外ルーツの子どもたちも日本の学校で学ぶようになってきていますし、子どもたちには知識の有無ではなく議論をして自ら答えを導き出すことが求められるようになってきています。

その前提で、100年ぐらい前の猟師の口伝という曖昧な時代設定の『ごんぎつね』の一シーンでの、ある問いに答えられないことが問題だとは私には思えません。

話は変わりますが、先日、次の動画を子どもたちと一緒に見ました。60年前の、東京の多摩区のひばりが丘団地を紹介したものです。見ていて、あまりの情報量の多さにくらくらしました。

youtu.be

道路は土、洗濯機の脱水は手動、家事はすべて女性、子どもの前でタバコを吸う、便器は和式、ガス中毒当たり前、断水は基本、ごみは即焼却などなど、今とは生活様式があまりにも違います。これがまだ60年前の話です。

※今では見られなくなった、子どもの前でタバコを吸う大人

子どもの疑問に答えつつ、私も色々と思うところがありました。買い物の様子は、現代ロシアの田舎町の市場と実は変わらないなとか。

www.youtube.com

何でこういう動画を紹介しているかというと、社会常識が何かというのはそんなに簡単には語れないということです。

2022年の現代と、60年前の日本の団地の生活様式と、ごんぎつねの100年前の日本の農村の生活様式とではあまりに違いがあります。すべてを理解しているのが当然とするとなれば、膨大な知識の吸収を子どもに求めることになります。

一方で、今は、世界中の情報があっという間に手に入る時代です。知識量は価値が薄れ、膨大な情報から取捨選択と活用が求められるようになっています。

筆者は国語の授業で子どもたちにごんぎつねから100年前の農村の生活様式を知ってもらいたいようですが、私は、自分の子どもたちにそんな目的の授業は受けてもらいたくありません。

それをするぐらいなら、ありえないぐらいヤバくてイケてる世界のYoutuberの動画を子どもと一緒に見ます。

※このジャンルなら新井紀子さんのアプローチがお勧め

子どもに教えること「保証人にはならない」「避妊をする」「カルト宗教には近付かない」

特に理由はないんですが、学校では細かく教えてくれない、親が子どもに教えておくといいことは何かなーと考えてみました。

保証人にはならないこと

まずは、「保証人にはならないこと」ですよね。

具体的には、知人友人が契約をするときの保証人の欄に名前を書かないということ。家族の間で賃貸借契約の保証人になるぐらいならまだしも、他人の、保証の範囲がよく分からない契約で保証人になるのは非常に危険です。

友達とお金の貸し借りをしないこと

関連して、「友達とお金の貸し借りをしないこと」も重要ですよね。

色んな貸し借りはあるものだけれど、お金を介入しちゃった時点で友人関係に容易にヒビが入ります。貸した方としては「いつになったらお金を返してくれるのかな」とヤキモキするし、借りた方としては「返せていないから会いにくい……」みたいに疎遠になるインセンティブが働く。

返してもらえない前提で友人だからとお金を貸すという人もいますが、金蔓扱いされるので、私はお勧めしないことを子どもには伝えています。

避妊をすること

他に重要なのは、そうですね、「避妊をすること」かな。

相手と合意して子どもを持つということなら止めませんけどね。ただ、子どものうちは、相手と合意することや妊娠・出産がどういうことかはよく分かっていないことがあります。

分別がつかない状況では、避妊をすることは大事だと思っていて、子どもに伝えています。

カルト宗教には近付かないこと

この辺は、学校教育でも教えてもらえる機会はあるっちゃあるんですが、なぜか、文部科学省のサイトにも一切触れられていない、子どもが知っておいた方がいいと私が考えることに「カルト宗教には近付かないこと」というのがあります。

大学は教えてくれるんだけど、文科省はなぜか義務教育で教えてくれないんですよね、なぜかはよく分かりません。

宗教法人法 | e-Gov法令検索

(所轄庁)
第五条 宗教法人の所轄庁は、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事とする。
2 次に掲げる宗教法人にあつては、その所轄庁は、前項の規定にかかわらず、文部科学大臣とする。
一 他の都道府県内に境内建物を備える宗教法人
二 前号に掲げる宗教法人以外の宗教法人であつて同号に掲げる宗教法人を包括するもの
三 前二号に掲げるもののほか、他の都道府県内にある宗教法人を包括する宗教法人

大学では入学時のオリエンテーションで教えてもらえるはずです。ざっと検索しても以下の通りです。

カルト的宗教団体の勧誘に注意 | 学生生活・就職 - 新潟大学

カルト的宗教団体による勧誘に注意 | 佐賀大学学生センター

カルトの勧誘に注意してください - 東海学院大学

危険な団体による勧誘について :: 法政大学

学生支援センター 学生へのメッセージ

SNS上でも「怪しい声がけ」に注意! - 学生生活支援- 東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部

ただ、大学に入る前に、親が危険性を教えられるかというと、私はなぜか様々な新興宗教に勧誘される機会に恵まれていたのですが、宗教の勧誘を受けたことがない人もいると思うので、そういう人は子どもにどう危ないかを伝えるのが難しいですよね。

そんな人には大阪大学が作成した次の動画を子どもと一緒に見るのがお勧めです。

youtu.be

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

非常に巧みにカルト宗教に勧誘しているのが分かるはずです。自分でも引っかかっちゃいそうですよね?

私は大学時代の新歓の頃になると、校舎の高いところからキャンパスを眺めて、カルト宗教の勧誘が行われていないかの観察を暇潰しにしていました。当時の感覚では、喫茶店でマルチ商法の勧誘が行われるぐらいの頻度で、大学のキャンパスではカルトへの勧誘が行われていたように思います。

特に、サークルを偽装してくるやつは気を付けていても引っかかっちゃうんですよね。やっぱり、一度人間関係ができちゃうと、抜けにくくなるものです。

これだけでもいいですけど、漫画が好きなら『テロール教授の怪しい授業』でも学べます。ちょっと情報量多くて合わない人もいるかもですが。

後は、新卒採用は採用担当者側に立つと攻略が分かりやすいのと同様に、宗教団体側の視点を理解する意味では次の本も有用です。文体が合わない人もいるかもですが。

締め

特に理由はないんですが、さくっと考えてみました。

宗教は伝統宗教も色々理解しておく必要があるものはありますし(他の国の人との付き合い方)、機会があれば我が家では話をしています。

私はn=1で社会を語らないようにしてる

私はn=1で社会を語らないようにしています。

例えば、「こんな事件があったのだから、この属性の人たちは犯罪をしがちなのだろう。気を付けよう」「こんな事故が起きたのだから、この乗り物では事故が起きやすいのだろう。気を付けよう」という風に語らないということです。

他の人がn=1で社会を語ることを止めるつもりもないし、止められませんが、私はしないようにしているということだけです。ブログでは何度も書いていますが、言っておかないと自分で忘れちゃうことがあるので宣言しています。

n=1で社会を語らない - 斗比主閲子の姑日記

本題は以上で、以下は余談です。

センセーショナルな事件が起きると世の中が凄く危険になっていると思ってしまう人はいます。特に、自分の属性に近い人が被害者・加害者であったり、その事件が何度も報道され触れざるを得なくなったりすると、そういう気持ちになりがちです。私もそうです。

だから、私は自分の属性に近いニュースは積極的に避けるようにしていますし、同じ事件のニュースは何度も後追いしないようにしています。落ち込むからです。

同時に、私は統計をチェックするようにしています。法務省の犯罪白書を読みに行きます。これを読むと、だいぶ気が楽になります。

犯罪白書では、その年の特集が組まれており、それが副題になっています。去年の最新版は副題が特殊詐欺です。その前が薬物犯罪、平成の刑事政策、高齢化、更正、再犯と続きます。

年次 副題 概要 全文 正誤表
令和3年版 詐欺事犯者の実態と処遇 PDF HTML
令和2年版 薬物犯罪 PDF HTML
令和元年版 平成の刑事政策 HTML
平成30年版 進む高齢化と犯罪 HTML
平成29年版 更生を支援する地域のネットワーク HTML
平成28年版 再犯の現状と対策のいま HTML
平成27年版 性犯罪者の実態と再犯防止 HTML
平成26年版 窃盗事犯者と再犯 HTML
平成25年版 女子の犯罪・非行
グローバル化と刑事政策
HTML
平成24年版 刑務所出所者等の社会復帰支援 HTML
平成23年版 少年・若年犯罪者の実態と再犯防止 HTML

これを見て何か気付かないでしょうか。はい、再犯というのが何度も登場しますよね。

なぜ再犯が何度も登場するかというと、日本で犯罪件数が非常に減少しているからです。犯罪がどんどん減っていく一方で、再犯率が高止まりしていました。なので、犯罪白書において、どうやって再犯をさせないようにしているのか、犯罪者の更正(社会復帰)にページを割くようになったわけです。

ざっくり紹介していくと、まず、日本ではここ20年ぐらいで、犯罪の認知件数は劇的に下がっています。過去最低を毎年更新していっています。同時に検挙率も上がっていっています。

「そもそも認知している件数が下がっているだけでは?」と思う人もいるでしょうが、認知がたやすい殺人であっても認知件数は減少傾向にあり、検挙率は高どまっている状態です。

「殺人事件の件数は下がっているといっても毎年1000件弱発生していて、これは多いのではないか?」と思う人もいるでしょうが、世界で比較したときに殺人の発生率としては日本は最低水準です。アメリカ合衆国なんかは日本の10倍以上の殺人が人口当たりで発生しています。

ちなみに、犯罪の検挙人員の年齢構成では65歳以上が急増しています。他の世代は20歳未満が急減しています。これは少子高齢化も要素としてはありつつ、

高齢者の再犯率の高さが原因と考えられています。現状、日本の犯罪の半分は再犯者によるものです。

ここまで見ると、再犯をどう防ぐか、いかに更正しやすい仕組みを作るかに犯罪白書の紙面が使われていることはよく理解できるのではないでしょうか。

ちなみに、たまに精神障害がある人が犯罪をすると、「精神障害者は犯罪をしがち」と考える人がいますが、検挙人員は全体の0.7%程度で、日本の精神障害者の人口比率が3%程度であることからすると、決して高いということはありません。ただ、放火は全体の14.8%、殺人は全体の6.9%と高めです。

以上、今回紹介したのはあくまで犯罪白書からの簡単な抜粋です。本体は500ページ弱ある、骨太な白書ですから、時間があるときに目を通してみると、色々な発見があると思います。私は読んでいるとだいぶ気が楽になります。

繰り返しですが、ニュース報道を見ていると、センセーショナルな一つの事例を何度も取り上げるので、その被害者・加害者の属性の犯罪が非常に多く発生しているような印象を受けてしまいます。実際には日本はどんどん安全な国になっているにも関わらず。

そういう報道を見て、心が揺さぶられてしまう人は、私のように犯罪白書を読むか、好きなYoutuberの動画でも見るのをお勧めします。

私は、生物ハンターの平坂寛さんがさっきUploadしていた「どのクワガタに指を挟まれると一番痛いか」という動画を見て、大変申し訳ないのですが、非常に心穏やかになれました。

youtu.be

もちろんテレビやネットから離れて、プール・海水浴に行ったり、涼しい図書館で本を読んだりしたりするのもいいですね。

不安な人は、自分の好きなことで時間を使われるといいんじゃないかと私は思います。

 

 

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選挙では「当落線上の」「若い」「女性」候補者に投票しています

私は選挙の投票先では「当落線上の」「若い人」「女性」に投票するようにしています。

なぜ、当落線上の人に投票するかというと、自分の一票をできるだけ効果的に使いたいからです。当選・落選確実な人に投票しても、(意味がまったくないわけじゃないけど)自分の一票が当落に与える影響が少ない。

ちなみに、どの候補者が当落線上にいるかは、マスコミの情勢調査を見ればおおよそ分かります。

参院選2022 情勢調査 : 読売新聞オンライン

次に、「若い人」に投票するのは、政治家の年齢構成は日本人全体の年齢構成と揃っていて、できれば未来を作る若い人たちの割合が高めになってほしいと考えているからです。

現状、日本人の平均年齢は48歳ぐらいですが、今行われている参議院議員選挙だと当選者の平均年齢は55歳ぐらいです。年寄りが多めです。これをどうにかしたい。

参議院選挙当選者平均年齢と国会議員の年齢構成について観察してみる(データアナリスト 渡邉秀成) | 日本最大の選挙・政治情報サイトの選挙ドットコム

参議院選挙では全体的に40から60代の当選者の割合が多く、この中では若い世代にあたる30代の当選者割合が少ないことがわかります。

最後に、「女性」に投票するのは、日本では女性の政治家の比率が世界的に見ても異常に低いからです。男女の人口比は半々なのに、女性比率は衆議院議員で10%、参議院議員でも20%程度がです。増加傾向にあっても、OECD諸国で最下位です。

※画像は内閣府共同参画局作成の資料から

以上、私の投票方針でした。

我が家では夫婦で思想信条が近いので、基本的に同じ候補者に投票するようにしています。宝くじで連番を買う感覚です。確率が低いのは分かっているけど、できるだけ当てたいって発想。

なお、投票所には子どもを一緒に連れて行きます。子どもが将来投票するときのハードルを下げる目的です。今は18歳未満の子どもは投票所に連れて行っていいことになっているので、それまではできるだけ一緒に投票所についてきてもらうようお願いするつもりです。

そして、投票後には家族で外食して美味しいものを食べます。投票はお祭りで楽しいものであるというのを家族の間で記憶するためです。「投票行って外食するんだ」です。政治参加は苦しいものより、楽しいものであったほうがいいに決まっています。

ちなみに、選挙結果を見て、自分たちの思想信条とは違う、当選した人やその支持者を家庭内で馬鹿にすることは絶対にしません。子どもにとって、思想信条の異なる人は馬鹿にしていいという学びに通じます。「あの人が当選するなんて、あの選挙区の人は民度が低い」なんていうのも絶対に言いません。この手のことは普段から言いませんが、選挙のときには意図せず口に出してしまう可能性が高いので、意識的に気を付けています。

皆さんが投票を楽しめることを願っています!

年の割には若く見られる(4月以降2度目)

初めて会った人には大抵年の割には若く見られます。

今年は「年の割には若く見える!」と言われた回数をブログで報告するようにしていて、先日、今年4月に続いて2か月ぶりに「年の割には若く見える!」と言われました。

年の割には若く見られる(新年度一回目) - 斗比主閲子の姑日記

この人は私より年上で、子どもは私より年下でした。それもあってか、いつも以上に「年の割には若く見える!」と驚かれました。

さて、本題の紫外線情報です。まだ6月なのに日本全体でUVインデックスが"強い"地域が散見されます。

気象庁| 紫外線情報(分布図)

環境省はWHOのガイダンスを参照し、UVインデックスに応じた対処を次のように紹介しています。

UVインデックスに応じた紫外線対策

気象庁|紫外線による健康被害の予防

これに従えば、沖縄本島・関東南部などは日中は外出できる状態ではないということになります。

言うまでもなく紫外線は皮膚や目に悪いわけで、シミやソバカスを作らないようにしたければ、外出しないか、または、日焼け止めの塗布は必須となります。特に傷の治りかけで紫外線を浴びるとシミができますから、注意が必要です。

我が家の子どもたちは最近ようやく日焼け止めを付けるのが習慣になってきました。プールでもラッシュガードは必ず着ています。私からほくろと紫外線の関係を説明したら、「これ以上紫外線を浴びたくない!」と考えるようになりました。

※我が家で定番となった日焼け止め。SPFとPAの値・大容量・ボトル・ウォータープルーフと揃うとほぼ一択

ちなみに、暑さも大したもので、本日昼は多くの地域が運動が原則中止となっています。

環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数

暑さ指数は熱中症予防のために参考にするものです。日本では年間の殺人事件での死者数より熱中症による死亡者数の方が多い状態ですから、

熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)より|厚生労働省

家族、特に高齢の知人・親族に熱中症の体調を心配するようであれば、日中の室内でエアコンを利用しているかを確認するといいですね。

今日はこんなところです。ではでは!

いじめ事案の第三者報告書は再発防止のため各自治体の教育委員会は原則公開して欲しい(報告書のリンク集付き)

千葉県柏市、市立柏高のいじめ自殺についての今年3月の第三者委員会の調査報告書を共同通信が再度取り上げて話題になっていました。

吹奏楽部の部員が自殺、長時間練習「過労死ライン超え」が背景に? 第三者委員会が明らかにした千葉の強豪校の実態 | 47NEWS

結果として平日で約5時間半、休日で約11時間の練習が行われていたと認定。「平日で2時間程度」などとした国の文化部ガイドラインを大きく超過していた。1カ月で計192・5時間となり、生徒が受ける授業時間(平日7時間と仮定)も含めると計346・5時間に。これは、労働者の「過労死ライン」とされる1カ月当たりの総労働時間(240時間)を大幅に上回っていた。

この件を我が家では家庭内で話をして、文化部の中で吹奏楽部は練習時間が長くなりがちであること、被害者は逃げる発想が思い浮かばないぐらい追い詰められうること、日本国内でこの手の事案は珍しくないことなどを子どもと共有しました。

せっかくなので第三者委員会の調査報告書を見に行こうとしたら、私の探し方の問題か、見つけることができませんでした。せいぜい会議が行われたという事実だけです。

柏市いじめ重大事態調査検証委員会会議録 | 柏市役所

文科省は第三者委員会の調査報告書に関するガイドラインで基本的には報告書を公開することを推奨しているんですけど、公開されていないか、または、公開されていても情報がざっくり黒塗りされているなんてことはしばしばあります。

せっかくなので、直近1年間での第三者委員会の調査報告書の公開状況を軽く調べてみたら次のような感じでした。

17事例で全面的に公表しているのは7事例、黒塗り多めが2事例、期間限定公開が2事例、概要版のみ公開が6事例です。ちなみに、公開・非公開は教育委員会が判断しています。

全面的に公開

黒塗り多めで公開

期間限定で公開

概要のみ公開

少し前の調査では"2015~2017年度に重大事態の発生を認めた 47 の自治体のうち、26 自治体は調査結果を非公表"で、私が調べた限りで全面非公開の事例は柏市の件ぐらいかもなので、公開自体はされるようになってきており、前進はあるかもしれません。(もしくはたまたまGoogleの検索結果で偏りがあったか)

ただ、まったく公開しないよりかは良いものの、概要版では何が起きていたのかを把握するのが難しいし、期間限定公開も後から読めないし、黒塗り多めで公開するのも再発防止の観点では問題があります。

ちなみに、マスコミに批判されていましたが、大阪堺市の調査報告書は本当に真っ黒で何が起きたかまったく分かりませんでした。

www.fnn.jp

特にいじめの認定事実の部分が5ページぐらいに渡って真っ黒です。報告書の20%ぐらいが黒塗りされています。

堺市調査報告書p.10より。真っ黒すぎて引用とさえ言えないかも

被害者および家族(遺族)による要望で公開しないという判断に至ることはあるにせよ、調査結果の検証可能性および他地域での発生防止のためにも、必要な部分に限定して黒塗りして、各自治体の教育委員会は調査報告書を公開をしてもらいたいところです。

ちなみに、非公開の事例では、各自治体に対して公文書開示請求をすれば公開されることもあります。どうしても読みたい人は手続きを踏んでみてください。

総務省|情報公開制度|開示請求できる文書・できない文書

立憲民主党には参院選の選挙対策のためにゼロコロナ政策を早く取り下げてほしい

先日この記事を読んで、

自民 茂木幹事長 “『ゼロコロナ』は中国と北朝鮮と立民だけ” | NHK | 新型コロナウイルス

いや、立憲民主党は今ではゼロコロナ政策を掲げてないはずと思って、党の公式サイトを見に行ったら、トップページから1クリックで飛べる『新型コロナウイルス感染症に関する取り組み』のページのタイトルが、普通に『立件民主党のzeroコロナ戦略』となっていて驚きました。

しかも、zeroコロナ戦略というタイトルのページには最終更新日が2021年6月10日で、withコロナは経済低迷が続くから、経済活動をもとに戻すためにも台湾・オーストラリア・ニュージーランドをモデルにしてzeroコロナ戦略を取ると書いてあります。

これは相当ヤバい。

皆さんご存じの通り、台湾・オーストラリア・ニュージーランドは現時点ではどの国もゼロコロナ政策は掲げてません。

youtu.be

youtu.be

そして、WHOはつい先日の5月10日に、中国の専門家に対しゼロコロナ政策(zero covid strategy)は持続可能性がないと指摘したと言及しています。

youtu.be

さらに、中国でのゼロコロナ政策によって中国経済の失速ははっきり見えてきています。

中国ゼロコロナ、景気直撃 マイナス成長懸念も: 日本経済新聞

この状況で、立憲民主党がWebページを更新しないでゼロコロナ政策を維持しているのは相当ヤバいです。

そもそも、立憲民主党のゼロコロナ政策は当時の菅政権のウィズコロナ政策と差別化のためにやり始めたものです。それが、菅さんの退陣が決まり、昨年9月段階でいったん封印する話になっていたはず。

立憲「ゼロコロナ」見直し論 名称「誤解招く」、封印の方向:朝日新聞デジタル

なのに、Webページでは、すっごく分かりやすくゼロコロナ政策を引き続き掲げているように見える。

ただでさえ、今年の夏の参院選では、外交・安全保障の観点で与党有利です。

こういうくだらないところで揚げ足を取られている状況ではないので、一支持者としては、参院選のためにも、立憲民主党には早くゼロコロナ政策をWebページから取り下げてほしいところです。

ちなみに、代表の泉健太さんがこんなことを書いていますが、

台湾政府は、全面ゼロではなく、「重症患者ゼロ」を新しい台湾モデルとして掲げています。

蔡英文総統の今年4月6日のFacebookの投稿

面對Omicron變異株以輕症,甚至無症狀為主的快速傳播模式,台灣的防疫策略,應該持續以「減災」為目標,而非全面的清零;更不是放任病毒肆虐式的「與病毒共存」,而是有效的疫情控管。

我們現階段所設定的目標,就是「重症求清零、有效管控輕症」。我們的「新台灣模式」,就是透過積極防疫、穩健開放,兼顧國家經濟發展與國民正常生活。

「コンテンツは等倍速で再生してこそ理解できる」というスタンスは"普通"を押し付けている感じがして、私は嫌い

私は以前から書いている通り、再生速度を変更して動画・音声コンテンツを消費しています。当然、スキップもすれば、戻ることもあります。小説は最後から読むこともあります。

今日も今日とて、荻上チキSessionを2.5倍速で聴いていたら、ちょうどコンテンツの再生速度が話題になっていました。

【音声配信】特集「映画を早送りで見ますか? サブスク時代のコンテンツ消費がもたらす現状と課題」稲田豊史×武田砂鉄×南部広美▼2022年5月16日(月)放送分 | トピックス | TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~

内容は、最近の若い人は動画を倍速やスキップして視聴する人が多く、背景にはコンテンツが豊富で、周囲と話を合わせるためにコンテンツ消費の必要に迫られていて、必ずしも豊かでないからサブスクで見放題な中でたくさん消費する傾向があるというものでした。

結びでは、世のトレンドがそっちに向かっているのは変えられないから、コンテンツ制作者は、そのような消費をされる前提で受け止めた方がいいといった感じで、終わっています。

で、私はこれを2.5倍速で聴きながら、人それぞれで情報処理速度が異なる点が触れられていないのが残念だなと思いました。

さらにいえば、チキさんの代わりにコメンテーターをしていた武田砂鉄さんが、コンテンツは等倍速で見ないと正しく消費できないようなスタンスだったのが傲慢だなとも思いました。おちゃらけたつもりだけど、何度も「倍速で再生する人をどう説得するといいですかね」と確認しているのが、何だかなと。

ラジオの中では、「映画の中で、ただ空を写しているシーンに見えて、実は登場人物の心の変化を示しているけれど、それが最近の消費者には何も内容がないと思われてスキップされてしまう」という例が紹介されていたんですね。これって、等倍速でスキップしないで再生したら、そういう登場人物の心の変化を理解できるという発想があるわけで。これが、私は残念だと思いまして。

だって、世の中には等倍速では内容を理解できない人はいるじゃないですか。

日常会話でもそうですけど、映画でも同じで、人それぞれで物事を理解できるスピードや理路って違うから、等倍速が早すぎるという人はいます。最近の動画サイトでは、YoutubeでもNetflixでも再生速度を早くできるだけじゃなく、遅くすることもできるようになっていて。遅く再生したいというニーズもあるんですよね。

根本的には、人それぞれで情報処理能力が違うから、再生速度を早くだけじゃなく、遅くできたほうがいい。視力が弱い、聴力が弱い人向けのコンテンツを作るのと発想としては近い。

※発想としては合理的配慮に近い。画像は内閣府のリーフレットから

顕著なのが学校の授業です。一応、公教育だと真ん中より下の学力の子どもに合わせて授業は行われることは多いけど、それでも早すぎてついていけないって子は少なからずいます。そういう子からすると、授業は0.8倍速で聴けたらついていけるなんてことはあります。つまずいたら巻き戻しできるとなお良い。

「作ったものは等倍速で見てほしい」とコンテンツ提供者が考えるのは理解できるものの、「等倍速だからこそ理解してもらえるはず」というスタンスは、等倍速で理解できない人たちの存在が考慮されていないで残念だな……なんてことを2.5倍速で聴きながら、考えていました。

私は日常生活で等倍速で人から話を聞くのが遅すぎて苦痛なので、世界中の人が2倍速で話してくれたらいいのになと思いつつも、人と話すときは脳内比0.5倍速で話すようにしています。

世の中には色んな人がいて、情報処理速度はそれぞれ違いますから、現代のように、情報の発信者が配慮をせずとも、情報の受信者が自らコンテンツを速度や順番を変えて消費できる機会が増えているのは素晴らしいことだと、私は考えています。

PTAが変わらないのはPTAを変える人がいないから

7年前にPTA特集を組みました。

初心者でも分かるPTA ~マクロ編(全国組織、歴史、議論になる背景、地域差)~ - 斗比主閲子の姑日記

初心者でも分かるPTA ~ミクロ編(目的、役員・委員の活動、不満、解決策)~ - 斗比主閲子の姑日記

その後、PTAを支え続けてきた専業主婦世帯の激減により、世のPTAは大きく変わっているかなと思いきや、

折れ線グラフ。グラフデータは「表 専業主婦世帯と共働き世帯(Excel)」を参照。

※グラフは労働政策研究・研修機構から

まだまだPTAで苦しむ親はいるようです。

「回収できる古紙が減ったためにわざわざ新聞を購読」PTAが古紙回収をやめられない本当の理由 6年間の"ポイント獲得プラン"が出来上っているから今更やめられない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

次はあなたの番です!PTA役員決め 任意?強制?どっち? | NHK | News Up | 教育

で、7年前の記事では、PTAが必ずしも良い方向に変わらない理由はぼかして書きました。経験してみたら分かることなので、あえて触れなかったのですが、経験したことがある人ならすぐに分かることです。

はい、変える人がいないからという単純な理由です。

経験したことがない人向けに分かりやすく書きますね。

所属するPTAを大きく変えようと思えば、規約変更をすることになります。PTAの規約変更は総会マターです。規約変更の提案は役員をやってなくてもやれることはありますが、大抵は役員、特に会長・副会長になったほうがやりやすいです。

ただ、変えようとするとそれに反対する人が出てきます。学区にある自治会かもしれないし、学校かもしれないし、PTAのOG/OBかもしれないし、今の現役の役員かもしれない。

PTAをより省エネにしようとするには、反対する人にも丁寧に接する必要があります。この、将来の省エネ化のための調整作業は、今の面倒な仕事を続けるより手間がかかることがあります。何しろルーチンではないから、どれだけの手間がかかるかも手探りのところがあります。

ベルマークを止めるということは、これからは一輪車が寄付できなくなるわけです。ベルマークの点数計算をしながら雑談をすることができなくなるわけです。「好きで続けている人がいるのにわざわざ止めなくていいのでは?」という声をどう説得すればいいのでしょうか。

要するにPTAを変えるのは面倒なわけです。

ネットを見ているとPTAに不満を抱いている人は結構います。でも、そういう人たちはわざわざPTAを変える手間をかけようとするでしょうか。当然ながらそんな好事家は極めて少数です。

そもそも、PTAを変えるなんてよほど熱意があるか、暇人です。PTAは任意加入なのだから、わざわざ手間をかけずとも参加しなければいいだけです。火中の栗を拾う必要なんてありません。

「変えたくてもどう変えたらいいか分からない」というケースもないわけじゃないでしょうが、今時はGoogleったらいくらでも事例は集められますからね。自分と周囲に少しだけでも熱意があれば、意外と何とかなるものです。

任意団体を無理やり外から変えることはできません。問題があると思っているものにわざわざ自分が名乗りを上げて、そこで人間関係築いて上手く調整しながら数年単位で変える……なんてことは多くの人がやらないから変わらないPTAが存続し続けます。

簡単な理由です。

相手の立場で物を見てみると対策を見出せやすくなる

あくまで傾向ですけどね。相手の立場に完全に立てるわけじゃないし、同じ人がいつも同じ言動をするわけじゃないから、推測でしかないんですが。ある程度、情報が揃っているとやりやすくはあります。

例えば、スプラトゥーンというゲームでは、上手くなるために色んなブキを使うことがお勧めされています。

このブキの射程はこれぐらい、チャージに何秒かかる、キル速度は何秒とか、自分が使ってみるとブキの特性が理解できて、そのブキを使うプレイヤーの行動を何となく先読みしやすくなります。

例えば、フリーマーケットやメルカリでの値引き交渉。いきなりよく分かんない値段で値引きを提案してもなかなか受け入れてはもらえません。オープンしたて、投稿したてで、「これ、2割引きになりませんか!?」と鼻息荒く値引き要求したくなる人は話をしたくないですよね。

自分がフリマで出品していたら、遅い時間帯には早く売り切りたいし、家に持ち帰ると収納スペースを取っちゃうものとか、そういうことを考えます。メルカリなら、出品して1週間も経って売れていなければ値引きしてもいいかなという気持ちになる。そんなときは相場からちょっと安くても値引きに応じたくなるものです。

だから、自分が値引きをお願いするなら、そういう状況に置かれている人にアプローチするといい。売らないといけない状態の人。

例えば、両親学級での妊婦体験。男性は妊娠、出産を経験できないけれど、お腹に重りをつけてみると、どれだけ妊婦の日々の生活が大変か、リアリティを持てるようになります。

以上、いくつか例を挙げてみました。たぶん、皆さんも同様の事例はたくさん思い浮かぶかと思います。

と、ここまでは日常の話です。

皆さんご存じの通り、今、ロシアとウクライナで戦争が起きています。戦争はいつでもどこでも起きているものですけど、ロシアが日本の隣国であること、北方領土の返還交渉に絡むこと、中国による台湾の侵略の模擬ケースと考えられること、ロシアが日本のエネルギーの調達先であることなどから、日本での注目度は非常に高いです。

私が聞いている金融系の海外のpodcastでも毎日取り上げられていますし、世界経済に与える影響も非常に大きいのは間違いありません。

FT Podcasts | Financial Times

我が家では毎朝ニュースをスマートスピーカーで聞いていますが、子どもが「最近はロシアとウクライナの戦争ばかりで、新型コロナウイルスの話が凄く少ないね」と気付くぐらい、報道で多くの時間が割かれています。

Youtubeで戦闘シーンを見ることもあるので、子どもにショックを与えないようにケアはするようにしています。きっと、この戦争は我が子にとって私の湾岸戦争のようなものとして記憶されるのだろうと考えています。

先月、ロシアとベラルーシの軍隊が国境で控えているタイミングで、荻上チキさんのSessionに登場した専門家は皆口をそろえて、「軍隊は集めているものの、ロシアが戦争をしかけることはない」と言っていました。中には、「前回のクリミア併合では、予想が外れたので今回は外れないほうがいいのですが(笑)」と、冗談めかして言う人がいるぐらい、戦争はありえないという分析が語られていました。

しかし、実際は戦争があったわけです。

アメリカメディアでは「プーチン大統領に何らかの精神的な異常が見られる」とか、精神分析をするような記事が踊りました。多くの専門家がありえないと思ったことをやったわけですから、何か理由を探し出そうということなのでしょう。

では、精神的に問題があるということにして、何をしてくるか分からないとして終わらせてしまっていいか。納得はできても対処は思い浮かばないですよね。

また、他国は止められないからロシア国民にどうにかして欲しいという声もSNSでしばしば見かけます。それがあってか、はたまた、ロシア政府への憎悪がロシア人という人種に向かうのか、差別意識を持ってロシア人に接する人もいるようです。

物産品店や料理店、ロシアへの中傷が相次ぐ…「侵攻に心を痛めているのは一緒」 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン

世界中の文化活動でロシア人芸術家・スポーツ選手が締め出されています。ロシアという国全体がキャンセルカルチャーの対象となっています。

タイラー・コーエン「ロシアキャンセルカルチャーはどこまで許されるのか」(2022年3月1日) — 経済学101

果たしてこれでよいものか。

第二次世界大戦の頃もそうだし、私がテレビで見た湾岸戦争の時代も、戦争の当事者の声を見聞きすることはできませんでした。しかし、今はインターネットがあり、SNSがあり、その場にいる個人の発信を見ることができます。

私はここ2週間ぐらい、このブログの更新をしないで、そういう個人の発信を眺めることに時間を使っていました。

最初に読んでいたのはウクライナ在住の日本人のブログ。先日、ウクライナから妻子ともに無事出国されたそうです。

 

ロシアに侵攻されるらしい国の日常【虚構日記】 | 何丘ブログ

皆さまお気遣い・ご声援ありがとうございます。ご心配をおかけしました。8日付けで無事ウクライナを出国、隣国のモルドヴァに逃れ、これ書いてる今はキシニョフのホテルです。妻と子、すぅすぅ寝息を立てています。

 一時身を寄せていたパートナーさんの両親は、親ロシアでそのままウクライナに残ったそうです。

それからYoutuberでロシア人がいないか探して見つけたもの。

www.youtube.com

制限された情報の中で非常に苦しんでいるのが見て取れます。彼女はロシアを出国し、現在はウズベキスタンに移っています。

テレ東BIZでのロシア人インタビュー。

www.youtube.com

西側のメディアに対する不信感がよく伝わってきます。

こちらは、ロシア人に毎日ひたすらインタビューしているチャンネル。

youtu.be

年齢によって捉え方が違う傾向があるのがうかがえます。

ロシアのカザンに住む日本人男性。凄い勢いでルーブルの価値が下がっているのがよく分かります。

www.youtube.com

この人繋がりで見つけたモスクワ在住の日本人男性。

www.youtube.com

これらを眺めていると、何となくロシア国民にとってのこの戦争の見え方が少しだけ想像ができるようになりました。少なくとも私は在日ロシア人に対して差別的に振る舞う気は起きませんし、文化活動からロシア人を排除する動きは否定的に思うようになっています。

私がこういう情報を見てこう思ったから、他の人も同様に思うべきなんて全く思いませんが、恐らくはこれから長い間続くであろう、ロシアに対するキャンセルカルチャーにはNoと言うつもりです。オリンピックでのドーピング疑惑は心底呆れましたけどね。

【北京冬季五輪】 フィギュアのワリエワ選手、出場可能 ドーピング違反めぐりCASが決定 - BBCニュース

最後に、ロシアがウクライナに侵攻した2月24日より前から、この件を何度か取り上げていた、テレビ東京の元モスクワ支局長の豊島晋作さんの2月9日付の動画を紹介します。

www.youtube.com

これを見ると、第二次世界大戦(ロシア人にとっての大祖国戦争)がどれだけロシアに深い爪痕を残したのか、ロシアにどのような論理があってこの戦争をしているのか、何となく理解が及ぶようになりました。

だからといって、一個人である私が何かこの件でできることがあるかといえば非常に限られていますけどね。とりあえず、UNCHRに寄付をしました。あと、戦争に反対であることも表明し続けます。ロシア料理を食べに行きます。

【音声配信】「ロシアのウクライナ侵攻で170万人の避難民。今どんな支援が必要なのか」ナッケン鯉都×福井美穂▼2022年3月8日(火)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session」平日15時半~) | トピックス | TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~

そうそう、豊島晋作さんがお勧めしていたロシア人狙撃兵の本も読むことにします。

今日はこんな感じですが、明日からは意図的に平常運転にして、読者からのモヤモヤを紹介していきます。お楽しみに!

先週末、家族で投票行って外食してきました

先週末は衆議院議員選挙があったので、家族で投票しに行った後で外食しました。恒例行事です。下の記事は5年前のもの。

選挙では小学生以上の子どもと一緒でも投票ができます - 斗比主閲子の姑日記

家族で選挙に行って外食するのは、子どもに選挙に行くのは当たり前の動作であることを知ってもらいたいなという狙いがあります。

18歳になっていきなり選挙に一人で行けと言われても、今は期日前投票もできるようになって随分ハードルは下がってはいるとして、それなりに抵抗感はあるものでしょうから。

親と投票所に何度も通った経験と、セットで外食して美味しいものを食べた記憶がセットになれば、投票行動を自然にする感じになるかなと考えています。

我が家の投票のルーチンはいくつかあります。

まず、投票日当日に最寄りの投票所まで歩いていって、道々に投票所に向かう人を子どもと一緒に観察します。目の前にいる人たち一人一人が投票する権利を行使しにいっているんだというのをリアルに認識するわけです。老若男女みんなが同じ目的で同じ場所に向かうのを見るのはなかなかない機会です。知り合いに会うこともあります。

あとは、投票所の近くの選挙ポスターのチェックです。当日投票先を決める人がいるのでちょっとした人だかりになってたりしますよね。あそこを見ながら、子どもの「パパ、ママは誰に投票するの?」という質問に、子どもの耳元で答えています。親は投票先を事前に決めていますが、子どもにとっても擬似的に選ぶ感覚を味わってもらいたいなと思って、意図的に投票所近くの選挙ポスターの前で足を止めます。

投票所の中では特別なことはしていません。一緒に入って一緒に出るだけです。今回は投票所で子どもたちが親の投票表紙を投票箱に入れたいと言ってきたので、ちょっと困りました。記名前の投票表紙の材質を触ってもらうのと折り曲げてもらうので勘弁してもらいました。

選挙が終わったら外食するわけです。外食先は子どもに選んでもらっています。今回はファミレスでしたね。私は子どもの頃に選挙の日には近所の中華料理屋さんで、ラーメンと炒飯と餃子を食べるのが好きだったので、何となく中華料理屋さんに入りたくなります。

帰ってきたら、親による今回の選挙の予想結果を披露します。自分たちの投票先はここで、選挙結果自体は全体でこんな感じになるんじゃないかって話です。合ってても外れてもよくて、そういう推測をして投票しているんだというのが子どもに伝わればいいなって考えています。

当日の投票結果は見ないで寝るのが普通だったんですけど、子どもも大きくなったので選挙のときのお祭りムードをもう少し味わえるといいかなと思い、今回は姑の世帯のリビングに行って選挙特番をテレビで見ることにしました。最近の選挙特番は各社が色々趣向を凝らしているので、子どもでも楽しく見ていましたね。

で、翌日になってネットで選挙結果を確認して、子どもに簡単に紹介して終わりって感じです。我が家では、子供新聞と中高生新聞を定期購読しているので、子どもはそれも読んで選挙結果を理解しているようです。

こういう地道なことを衆参両院選挙、補欠選挙、地方選挙で繰り返し続けているので、たぶん、この人たちが大きくなったときには選挙への抵抗感はかなり薄れているんじゃないかなと考えています。親とのイベントの一つとして記憶に残ってくれるといいですね。