斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

PTAが変わらないのはPTAを変える人がいないから

7年前にPTA特集を組みました。

初心者でも分かるPTA ~マクロ編(全国組織、歴史、議論になる背景、地域差)~ - 斗比主閲子の姑日記

初心者でも分かるPTA ~ミクロ編(目的、役員・委員の活動、不満、解決策)~ - 斗比主閲子の姑日記

その後、PTAを支え続けてきた専業主婦世帯の激減により、世のPTAは大きく変わっているかなと思いきや、

折れ線グラフ。グラフデータは「表 専業主婦世帯と共働き世帯(Excel)」を参照。

※グラフは労働政策研究・研修機構から

まだまだPTAで苦しむ親はいるようです。

「回収できる古紙が減ったためにわざわざ新聞を購読」PTAが古紙回収をやめられない本当の理由 6年間の"ポイント獲得プラン"が出来上っているから今更やめられない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

次はあなたの番です!PTA役員決め 任意?強制?どっち? | NHK | News Up | 教育

で、7年前の記事では、PTAが必ずしも良い方向に変わらない理由はぼかして書きました。経験してみたら分かることなので、あえて触れなかったのですが、経験したことがある人ならすぐに分かることです。

はい、変える人がいないからという単純な理由です。

経験したことがない人向けに分かりやすく書きますね。

所属するPTAを大きく変えようと思えば、規約変更をすることになります。PTAの規約変更は総会マターです。規約変更の提案は役員をやってなくてもやれることはありますが、大抵は役員、特に会長・副会長になったほうがやりやすいです。

ただ、変えようとするとそれに反対する人が出てきます。学区にある自治会かもしれないし、学校かもしれないし、PTAのOG/OBかもしれないし、今の現役の役員かもしれない。

PTAをより省エネにしようとするには、反対する人にも丁寧に接する必要があります。この、将来の省エネ化のための調整作業は、今の面倒な仕事を続けるより手間がかかることがあります。何しろルーチンではないから、どれだけの手間がかかるかも手探りのところがあります。

ベルマークを止めるということは、これからは一輪車が寄付できなくなるわけです。ベルマークの点数計算をしながら雑談をすることができなくなるわけです。「好きで続けている人がいるのにわざわざ止めなくていいのでは?」という声をどう説得すればいいのでしょうか。

要するにPTAを変えるのは面倒なわけです。

ネットを見ているとPTAに不満を抱いている人は結構います。でも、そういう人たちはわざわざPTAを変える手間をかけようとするでしょうか。当然ながらそんな好事家は極めて少数です。

そもそも、PTAを変えるなんてよほど熱意があるか、暇人です。PTAは任意加入なのだから、わざわざ手間をかけずとも参加しなければいいだけです。火中の栗を拾う必要なんてありません。

「変えたくてもどう変えたらいいか分からない」というケースもないわけじゃないでしょうが、今時はGoogleったらいくらでも事例は集められますからね。自分と周囲に少しだけでも熱意があれば、意外と何とかなるものです。

任意団体を無理やり外から変えることはできません。問題があると思っているものにわざわざ自分が名乗りを上げて、そこで人間関係築いて上手く調整しながら数年単位で変える……なんてことは多くの人がやらないから変わらないPTAが存続し続けます。

簡単な理由です。