前回はPTAのマクロ編ということで、日Pであったり、歴史であったり、地域差であったり、比較的抽象度が高い話を紹介しましたが、今回はミクロ編ということで身近なPTA(単P)の役割をさっと説明した上で、PTA活動での代表的な不満やその解決策などを書いてみます。長い文章となるので、今回用に各パートに飛べるように目次も設定しました。右下の灰色のTOPボタンを押すと目次まで戻れます。目次を見て分かる通り、內容は多岐に渡っていますので、お好きなところを読んでみてください。
- マクロ編のまとめ
- PTAの目的
- PTAのキーパーソンになっている役員・委員
- PTA本部役員は生徒会役員?
- PTA活動に対するよくある不満
- 直近のPTAに関する大規模調査は2つ
- PTA活動は面倒くさい!
- 不満の解決策
- 締め
- [付録]PTA情報ソース、PTA本レビュー
できるだけPTA未経験者にも楽しめるように書いたつもりですし、いたずらに恐怖感を募る內容にはしていないつもりです。ぜひ、楽しみながら読んで頂ければと思います。
なお、前回も説明したとおり、PTAは地域事情や学校事情による影響を受けるものです。ここで書いた內容が全てのPTAに適応されるものではないこと、ご注意ください。
マクロ編のまとめ
ミクロ編に入る前に前回のマクロ編をざっくり触れておきます。
- PTAには全国組織として日Pがある。単Pというのが小学校等での個別のPTAを指す
- ここ数年、PTAに関する議論が盛り上がっている
- 議論が盛り上がっている背景は、共働き率の増加、教育費の縮小、教員の残業時間の増加。これまでのPTAのあり方ではPTAが回らなくなっている
- PTAは戦後GHQ及び文部省の啓蒙で導入された。PTA活動への参加がほぼ強制になっていたことは当初から問題に
- PTAと一言で言っても、PTA会長の女性比率が地域によって数十倍違うなど地域によっても性質は異なることに注意
こんなところでしょうか。もっと詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
PTAの目的
まずはPTAの目的に触れます。どういう目的で設立されているのでしょうか。横浜市立桜岡小学校のPTAを例にして紹介します。規約上は目的はこのようになっています。
(目 的)
第2条 本会は次の事業を目的とする。
(1) 家庭、学校、社会における児童の福祉を増進する。
(2) 家庭生活及び社会生活の水準を高め、民主社会における市民の権利と義務との理解を促すために、保護者に対して成人教育を盛んにする。
(3) 家庭と学校との関係を一層緊密にし、児童の教育について保護者と教職員とが聡明なる協力をする。
(4) 保護者と教職員と一般社会との協力を促進し、児童の心身の健全な発達をはかる。
(5) 学校の教育的環境の整備をはかる。
(6) 学区域における社会教育の振興をはかる。
(7) その他児童の教育に対する一切の援助をする。
ざっくり言えば、児童福祉、成人教育、保護者と教職員の連携、学校の教育環境の整備、学区における教育振興といったところでしょうか。
PTAはその学校に通っている生徒のためだけに存在していると考えている人も多いでしょうが、生徒児童だけではなく、親などの成人教育の場であったり、親と教師が協力する場というのが、大体どこの学校の規約にもあります。これは、元々PTAが日本で導入された当初から変わらぬPTAの理念の一つです。ここ、重要なので覚えておいてくださいね。PTAには成人教育の場というのが大きな目的としてあります。
PTAの構成員は、基本的に、その学校に通う児童を持つ親と、その学校の先生になります。PTAは任意団体であり、親でも先生でも入会するかどうかは本人の自由です。退会も自由です。ただ、実態は親はほぼ全員参加している状態です。会費は年間数千円程度です。この点についても後ほど触れます。
それでは、このPTAはどのように運営されているでしょうか。
PTAのキーパーソンになっている役員・委員
PTAの運営体制を、同じく横浜市立桜岡小学校のPTAを例にして紹介します。
この組織図を見るとPTA会員が一番上に来ていますよね?これは、どこのPTAの組織図を見ても大体こうなっています。主役は各PTA会員ということを表すためです。そして、その意見が集約されるPTA総会が最高意思決定機関という扱いです。
ただ、PTAに参加している親の多くは、自分たちがPTAの主役という意識は乏しく、PTA総会についても委任状を提出して参加しないということもよくある話しです。
一般的なイメージとしては、会長・副会長・書記・会計等からなる10名程度の本部役員がPTAで最も権威があり、加えて各クラスから選出される学級委員、イベント企画委員、広報委員、ボランティア委員等と役員指名委員、会計監査委員の各委員こそがPTAのキーパーソンというようにとらえられていると思います。各クラス5名の委員がいて30人学級とすれば計算上は6年間のうち、全ての親が各委員のどれか一つは経験することになります。
PTAはそれぞれの会員が主役であるものの、実際の運営は、本部役員や各役員の働きに大きく依存していることが多いです。
今日は学校のPTA決めがあって憂鬱過ぎる……役員の負担が大き過ぎるからみんなやりたがらないんだよ……負担軽減すればもうちっとマシなんやないかな〜
— カズシロ (@inu_kz) 2015, 4月 15
基本的には役職が上であればあるほど関与する時間は長い傾向があります。一概には言えませんが、年間100~150時間が一般的でしょうか。PTA会長で、更には協議会等に参加している場合は数百時間にもなることも。一例としてPTAの本部役員を経験された方の体験談を紹介しておきます。
PTA本部役員は生徒会役員?
PTA役員の構図はどこかで見たことがないでしょうか?生徒による生徒会役員、学級委員・風紀委員・図書委員などの委員会活動とほぼ同じですよね。当然各委員の代表もいまして委員長だったり、部長だったりという肩書きを持ちます。そう考えると、PTAに参加したことがない人も少しイメージが湧くと思います。
子供の頃の委員決めは、ほぼ先生主導でしたよね。誰かが委員になることは当たり前であり、誰かが委員にならなければ学級会が終わらない。役員の方は選挙があったのではないでしょうか。
同じように、PTAの委員は、4月の最初の保護者会の場を利用して決められることが多いです。役員は、その前年の12月から2月ぐらいに内定が出ていて(内打診がされていて)、4月のPTA総会で選任されます。
このように生徒による生徒会・委員会と、親による本部役員・委員は似通っています。学校に生徒会室が置かれているように、PTA活動用に学校の教室が一時的に貸し出されることが多いのも共通点です。
PTA活動に対するよくある不満
学校の生徒会や委員会の活動と同じように、あって当然と思われるPTA活動ですが、実は不満がしばしば語られます。
代表的なものがPTA活動への強制参加です。
こういう事例は探せば枚挙に暇がないのですが、こういう事例ばかり紹介していると悪いイメージが先行しがちで、それはそれでよろしくないですから、大規模調査からPTAに対する不満をピックアップしてみます。
直近のPTAに関する大規模調査は2つ
PTAに関する最近の大規模調査は、特定非営利活動法人教育支援協会が文部科学省より受託して平成21年に実施されたものが有名です。『PTA を活性化するための調査報告書』としてレポートとなっています。有効回答者数は、3,285人。半数が横浜市からで、委員・役員未経験者が695人と、経験者が80%程度を占めます。
これに加えて、今年2015年の4月末から5月初旬にかけて朝日新聞がWeb調査を行いました。回答者数は2,104人で、役員(と委員?)の経験者が半分程度を占めています。
朝日新聞の調査については、朝日新聞の子会社である朝日新聞出版社の『AERA』がPTA特集を繰り広げ、更には朝日新聞紙面でもPTA改革特集を何度も展開していることから、アンケート回答者には偏りがあるでしょうが、一つのソースとして活用できると思います。
各調査結果を見ると、PTAに対して現状どのような不満があるのか確認できます。
PTA活動は面倒くさい!
まずは『PTA を活性化するための調査報告書』から。PTA委員を引き受けて困ったことをヒアリングしていますが、経験者の中では時間のやりくりが大変だったというのが圧倒的一位となっています。
次に、PTA活動の問題点に対しては、経験をしていない人は目的が分からないが一位で、経験すればするほどやる気のある人が少ない、やらなければならないことが多すぎるという回答が増えていきます。
そして、朝日新聞の紙面調査の方では、PTAのイメージとして、面倒くさい・負担が大きいが圧倒的一位となっています。
どちらの調査を見ても、PTA活動に対して負担感があるのは確認できるのではないでしょうか。
もちろん、あえてアンケート調査に回答しようとする人たちですから、PTAに対して何かしら問題意識を抱えているとも考えられ、調査対象の偏りを考慮して、この結果については多少のディスカウントは必要かもしれません。
ただ、『PTA を活性化するための調査報告書』では、
PTAは必要であるという声は大半ですし、朝日新聞の調査でも、
期待するものが特にないというのは多くはありません。
PTAを前向きに考えている人たちでさえ、このような不満を抱いているということは、マクロ編で紹介したように、これまでのPTA活動のモデルに転換期が来ていることを示す結果が出ていると言えるのではないでしょうか。
不満の原因①『強制参加』
こういった面倒くさいPTA活動について、不満の原因は『強制参加』、『説明不足』、『非効率な運営体制』、『会員間差別』があると考えられます。それぞれ説明します。
まず一つ目の『強制参加』。これはPTA会員になることが強制されているということと、PTA役員・委員になることが強制されているという2つがあります。先に紹介したとおり、PTAは任意団体であり、入退会は各個人の自由です。それが、マクロ編の日本でのPTAの歴史からも分かる通り、ほぼ強制加入となっている状態です。(一部の自治体、学校では強制加入ではありません。)
PTAは任意加入とか言ってるけど都会の話だな。田舎じゃ強制加入だよ。ついでに子供クラブも婦人部も強制加入さ。あーやりたくねー!
— くーみん (@1966purin) 2015, 4月 14
以下は、ブログの読者でシングル・ワーキングマザーのAさんから送っていただいたPTAの参加と役員選出に関するエピソードです。
息子の入学式の後、体育館でそのまま役員選出の流れになったんです。
その時、特にPTAの活動や各役員についての説明も全くなく、入学式が終わったと同時に、「今年の役員を決めます。立候補される方は挙手お願いします。」という流れになったんです。
息子の学校のPTAだけの問題かもしれませんが、この流れだとPTAって強制加入だったっけ!?とビックリしました。
実際入学式のあとでネットで調べたらあくまで任意団体だったわけですが、あの役員選出時の異様な空気は恐怖を感じました。
個人的にモヤモヤしたのは、確かに任意団体ではあるわけですが、あの半強制的な役員決めが少々納得いきませんでいした。PTAには入りません、と、あの場で宣言できる保護者は確実に稀であると思います。
それに、専業主婦が役員につく、というスタイルを未だに捨てられていないのに納得のいかなさを感じました。息子の学校では、働いている方にも配慮して役員会も遅い時間に設定されているようですが、友人の学校だと平日の昼間だと聞きました。
私自身がフルタイムの仕事をしていますので、なかなか休みが取れず、もし友人のお子さんの 学校ようなスタイルだと、自分の職すら危うくなるんじゃないかと、少々思いました。
また、男性の役員がいてもいいじゃないか、と思うのですが、今年のPTA役員の氏名を見ましたら、オール女性でした。
毎年こうなのかは私も今年息子が入学したてで、詳しい情報はないのですが、なんというかすごい団体だなと恐怖感すら抱きます。
子 供一人6年間で一度は役員にならないといけないそうです。
また高学年でなってしまうとどうやら大変らしい、という情報を別口のママ友さんから聞いたので示し合わせて来年なることに決めました。
正直、仕事と兼ね合いがとれるか本当に不安です。
地域特性もありますが、このように学校行事の流れの中で、PTAの説明を聞かれた方も多いのではないでしょうか。
入学式後、『委員会が決まらないとお子さんの教室に行けませんよ〜』と必死に本部役員が叫んでいたらしい。揉め事も発生。私は入会しない旨を事前に伝えていたのでスーと抜けてきちゃったけど、ちょっと揉めてるところ見たかったなぁ(笑) pic.twitter.com/ceMbsjKzrj
— 守姫(すき) (@laveorange) 2015, 4月 19
ここでの問題点としては、PTA入会プロセスがPTAに対して自主的に参加するという意識が醸成されないものであることです。このようなプロセスを経ると、役員・委員になる人間にやる気が出ないのは避けられず、役員・委員になった人には役員・委員にならなかった人に対して不公平感を抱くことになります。
4月27日(月)大安吉日♪ 土曜日~中学で PTA新旧理事会+役員の役決め=4時間 来ない人帰った人は何もしなくて良いって変なの(○_○) 役員って報酬もメリットもない 出来れば回避したい…が皆様本音。 けれども子供が学校にお世話に成っている以上当然の事だよね?
— SNOOPY(●)¨・)♪ (@OkichanSnoopy) 2015, 4月 26
また、細かな論点としては、強制参加に伴い、PTA名簿を作成する上で学校が集めた個人情報がPTAという任意団体に渡されているという個人情報保護条例違反の問題や、PTA会費を学校の費用と合わせて引き落とすというPTAの会計上の独立性の問題などもあります。学校とPTAが一体になっていることのメリットは大きいですが、PTAに参加しないことで我が子が何らかのデメリットを享受するのではないかという懸念を抱かせることがあります。
PTAは任意団体だから入らなくてもいい、というのは本当。ただ、うちの地域はPTA=子ども会で、子ども会の地域単位で運動会に参加するので、PTAに入らないと実質運動会に出られないことになる。運動が嫌いな子どもの親ならそれで戦ってやろうとも思ったが、運動大好きな子たにそれは酷だった。
— さらり (@sarari_) 2015, 4月 14
不満の原因②『説明不足』
強制参加とも多少関連して、PTAの各種活動について説明が不足しているというのもあります。これは先の調査でも、PTA未経験者にPTAが何のために存在しているか分からないという回答があったことからもうかがえると思います。
例えば、PTAについて入退会が自由であることは、PTAに詳しい人は何度も見ている通り、『PTA を活性化するための調査報告書』では、75%の人が説明を受けていないというのがあります。
また、各PTAの役員・委員の活動についても、それぞれ年間でどのようなタスクがあり、どの程度時間が必要とされるか、過去の実績が説明されることはあまり一般的ではありません。
PTAについてネガティブなエピソード(例えば病気の診断書を出さないとPTA役員を辞退できないとか、虐めに遭ったとか)が紹介されると「いたずらに恐怖心を煽るのはいかがなものか」というコメントが出るのを見かけます。確かに、ネガティブな側面ばかり取り上げるのは不公平です。一方で、安心感を抱けるような適切な情報が分かりやすく提供されていないるのかどうか。
新年度だからPTAの話題がいっぱい流れてくるね。私は母代表したんだけど、うちの小学校はものすごく役員の仕事量が少ないほうだと思う。でもみんなそれを知らないから、役員決めでめちゃびびってる。本当に楽な学校なんだよ。それを周知させられればいいのだけどね。
— 亜細亜 (@_yukar_tubuyaki) 2015, 4月 25
不満の原因③『非効率な運営体制』
PTA活動が面倒であるとされるのは、ひとえに運営体制が非効率であることがあります。どの活動も何か特定のゴールのために行われているわけですが、そのゴールの実現のために、部内会議が頻繁に長時間、平日の昼間に行われる傾向があります。
また、実行する内容自体は例年通りとするにも関わらず、ノウハウが口伝形式となっていることで、特定の人物に頼ってしまうことや、口伝が上手く伝わらず新たに一から同じ議論を繰り返すことや、口伝を持つPTAのOPにおうかがいを立てる必要が出たりします。
この辺は悪い日本企業の見本みたいな状態とするとイメージしやすいでしょうか。
不満の原因④『会員間差別』
どこまでPTA活動に参加するべきか(参加しなくてもよい)は、会員の属性によって考慮される部分があります。強制参加という不健康な状態を前提にして、一応ケアはされているようですが……。
そもそも、男性親については参加しなくても良いという空気があります。
PTAの役員決めがほぼ強制で断れず阿鼻叫喚地獄みたいになってるのを保護者会で「こんな感じで毎回係り決めが行われています♡」みたいに父親達にも見せたらいいんじゃないかしら。 自分の奥さんが吊るし上げられたり、泣かされたりしてるの見たらなにか変だぞ?って思うんじゃないかな。
— mamejica (@mamejica0601) 2015, 4月 22
加えて、母子家庭については事情を考慮する一方、両親がいる家庭や、専業主婦の家庭に負担が重くなる傾向があります。
PTA役員やクラス係決めの時に、自分の希望するクラス係や役員を譲ってもらうためにひとり親であることを理由に挙げられると両親揃ってるうちは太刀打ちできない。 毎回、モヤモヤ、ムカムカした気持ちで家に帰る。
— まめこ (@mame2myway) 2015, 4月 15
こういった不満が出ることから、個別の事情は考慮しない、ポイント制で子供が在学中は必ず何かの活動に参加すること、どうしても参加できないなら、事情を全員の前で説明することという話が出てきます。
不満の解決策
これについては自分が多くを語る必要はないでしょう。すでに、多くの書籍やWeb上のインタビューで解決策は語られています。
強制加入については、PTAの任意加入を徹底したという事例は多く紹介されていますし、活動が活性化したという事例もあります。一人一役制にして一人一人の負担を減らしたり、協力者がいるレベルで活動を行うという形だったり、無理のない運営方式が探られています。
説明不足については、役員・委員決めのタイミングで説明をすること、議事録を取り共有することでしょうか。
非効率な運営体制については、これもどういう建前で行うと理解が得られやすいという事例はネットで複数公開されています。
会員間差別の解消方法としては、先ほどの一人一役制もそうだし、父親も参加しやすい雰囲気を作るため、オヤジの会が別に設けられることもあります。父親の参加は会議の井戸端会議化を避けられる効能もあります。
川端裕人さんの『PTA再活用論』が発行されたのは2008年です。それ以前からもそうですし、それ以降も、多くのPTA改善策は紹介されてきました。
もう、答えはあります。
締め
マクロ編で紹介したとおり、専業主婦モデルに依存したPTA活動は共働きが進めば早晩成り立たなくなります。そこで無理をして同じことを続けようとしたら、どこかで誰かに負担がかかり、一気に瓦解する可能性もありえます。
私は、PTAについて今議論がされている内容は、日本においてよくある話の一つであると考えています。
集合マンションの大規模修繕、税収が減る中での地方でのインフラの整備、OPへの受給負担に苦しむ大企業の企業基金……こういったもののように、これまでのやり方が通じなくなった一つの例としてPTAも転換期を迎えているのではないでしょうか。
PTAの目的に含まれる、児童福祉、成人教育、保護者と教職員の連携を不必要だと思う人はほとんどいないでしょう。これ以外に、親同士が子供の教育について情報交換をする場というメリットも見逃せません。延長保育がなくなった後の小1の壁は最近よく話題に出ますよね。
PTAの目的と本来自主的な活動であったということを改めて見直すのは、PTAを適切な形にカスタマイズするものであり、解体をするものではありません。人が組織に合わせるのではなく、組織は人に合わせて作られるものです。
[付録]PTA情報ソース、PTA本レビュー
PTA情報ソース
せっかくですのでPTAを知る上で役立つ情報源を紹介しておきます。
特徴あるPTA活動事例集~大人の連携からできることへ~平成 22 年 3 月 15 日 特定非営利活動法人 教育支援協会
PTA本レビュー
私が読んだPTA本について、読みやすい順に紹介します。
- 作者: まついなつき
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/03/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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↑ PTAについて何も知らない場合はこの本がお勧めです。漫画が大半で読みやすく、PTAの委員の一年間の仕事がざっくり分かります。
↑ QA形式でPTAに関する基本的な質問が回答されています。最近の議論も反映されていますし、PTAについて比較的中立的に書かれていますので、まついさんの本の次にもう少しPTAを詳しく知りたい人には有益だと思います。
↑ 少し古い本です。ただ、書かれている内容は今に通じますし、同じことが繰り返し繰り返し議論になっているということを知る上で、次に紹介する本の前に読んでおくと色々楽しめると思います。(PTA殺し文句セレクションは素晴らしい。)
↑ PTAを具体的にどう快適にするかを考え始めるようになったらこの本の出番です。著者は東洋経済オンラインでコラムも書かれている大塚玲子さん。レイアウトが見やすく、簡潔にポイントが分かりやすく整理されています。
↑ 最後は何度も登場した川端裕人さんのこの本。ここまでの本を読んできた方ならすっと頭に入ってくる内容です。もちろん、何も知らない人でも理解できるように説明は非常に丁寧です。この本を読んで、以前のようなお飾りではなく、積極的にPTA活動に関わる男性が増えることがPTAが変わる大きな原動力になるのではないかと思いました。
以上、簡単にミクロ編でした。
色々考えてドロドロ要素をかなり少なめにしてますので、要望があればそれに限定した記事を別に書きます。この内容だとちょっと物足りないですよね?