斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「男女平等はコミンテルンが仕掛けてきた世論操作」と信じてる杉田水脈さんを政府の要職に付けるのは、ヤバくない?

内閣改造で、総務政務官に杉田水脈さんが任命されたことが問題視されています。

「LGBT生産性ない」政務官・杉田水脈氏の差別的発言の遍歴 | 毎日新聞

15日の就任会見で「新潮45」への寄稿について問われた杉田氏は「私は過去に多様性を否定したこともなく、性的マイノリティーの方々を差別したこともございません」と説明した。そのうえで、岸田政権が目指す「個性と多様性を尊重する社会」については、「岸田政権が目指す方向性と、政務官として何一つずれている部分がないと思っています」と述べた。

私は、杉田水脈さんの名前を出すことさえも嫌で、この人の発言は一切目に触れないようにしてきました。こういう人を支持する人はいるのは理解できるし、その支持することを否定はしませんが、私は、この人の考え方を支持できる要素が一欠けらもないので、not for meとして、視野から外すようにしていました。

2018年にブログで一度触れたものの、記事に嫌がらせのコメントをずっとし続ける人がいるぐらいだったので、面倒だと思い、一度書いてからはブログでも一切触れないようにしてきました。さすがに、この人が偉くなることはないと思っていましたし。

子どもを作らない人間には「生産性」がない? - 斗比主閲子の姑日記

しかし、この人が政府の要職に就くとなれば話は別です。

きっと、今後は発言を否が応でも見聞きする機会はあることでしょう。ということで、この後、この人の発言を聞かされるのは嫌だし、行政に反映されるのも嫌なので、どうにか岸田首相が人事を撤回してくれないかと期待して、今回の人事を反対することを表明します。

よく知らない人の為に紹介すると、この人の基本発想は、基本的人権が保障されていれば、それ以上は自己責任だというものです。以下は、2015年の本人のブログ記事です。

杉田 水脈(すぎた みお) 公式ブログ : LGBT支援策が必要でない理由〜私の考え

私は昨年本会議で「男女平等は絶対に実現し得ない妄想だ」と発言して、多方面から批判を受けました。
男性に向かって「子供を産みなさい。」と言っても無理です。この事実がある以上、いくら男女を平等に扱おうとしてもそこに物理的に無理なことがたくさん存在します。これは差別ではなく区別です。
それと同様に生産性のあるものと無いものを同列に扱うには無理があります。これも差別ではなく区別です。

(中略)

日本では基本的人権が保障されています。性別や年齢に関係ありません。LGBTの人たちにも当然保障されています。

この上で、「女性の権利を」とか「LGBTの人たちの権利が」とかというのは、それぞれ、「女性の特権」「LGBTの特権」を認めろ!という主張になります。

(中略)

普通の生活が保障されてもできない人の為の支援策は必要です。(障害者の方や病気にの方の支援策など)それ以外は不要です。

(中略)

人生、思い通りにならないことの方が多いです。
この問題を含め、うまくいかないことがあれば国や行政になんとかして貰おうとする。そういう事例が噴出してきています。
性別とか性的嗜好に関わらず、自分の問題は自分で解決できる自立した人間を作るための努力を怠ってきた、戦後日本の弊害かもしれません。

※太字はtopisyu

清々しいまでの自己責任論者ですよね。

特に「男女平等は妄想」というのは、2014年に『SHINE!』という標語を掲げて、男女平等を押し進め、

また、同年の国連総会でも同様のスピーチを行った、

第69回国連総会における安倍総理大臣一般討論演説(仮訳)|外務省

教育,保健といった基本的な権利は,世界のどこでも保障されなければなりません。女性も男性と平等に学校に行ける,妊産婦の方々が安心して医療ケアを受けられる。――そのために国連は,世界は,一丸となって行動していかねばなりません。
 何より経済的に自立する能力を育てることこそは,女性にとって,誇りと希望あふれる生を歩むため不可欠なことではないでしょうか。女性が輝く社会を創ることに,世の中全体を変えるカギがあると信じて疑いません。

故安倍晋三さんのこの方針をどう思っていたのかは聞いてみたいところです。

それはそれとして、要するに、この人には、基本的人権が認められれば、あとは国や行政は何もしないから、自立して自分でどうにかするようにという発想があります。

この発想の人を政府の要職に付けるというのは、首相の見識を疑いますよね。

だって、日本社会に住む人の個人では上手くできない問題を解決するために行政があるのに、それを真っ向から否定しているわけですから。自分で、自分は行政担当になったら仕事しないって宣言しているようなものです。

で、どうしてこんなことを言っているのか、過去のご自身の発言を読んでいたら、ヤバい記事を見つけてしまいました。2016年の産経新聞への寄稿記事です。

【杉田水脈のなでしこリポート(8)】「保育園落ちた、日本死ね」論争は前提が間違っています 日本を貶めたい勢力の真の狙いとは…(5/5ページ) - 産経ニュース

※赤線はtopisyu

同年のはてな匿名ダイアリーの記事『保育園落ちた日本死ね!!!』に反応したものですが、この考えは相当ヤバいですね。

LGBT支援もそうだけど、男女平等なんかの多様性を進める論調は、日本の「家族」を崩壊させるために、コミンテルンが仕掛けてきた世論操作だとしています。

コミンテルンって、1919年にレーニンが作って、1943年に解散している組織ですよ? 仮に現存していてたとして、ネットの際の際にある、はてな匿名ダイアリーを使って、世論操作をするなんてことがありえますかね?? よりにもよって、はてな匿名ダイアリーなんて……。

冒頭の記事に戻ります。

この人は、8月15日の就任会見で、岸田政権が目指す「個性と多様性を尊重する社会」については、「岸田政権が目指す方向性と、政務官として何一つずれている部分がないと思っています」と述べています。

皆さんは、この発言を信じられますか? 私は一切信じられません。人間、心変わりはあるものですが、長年の自己責任論者で、しかも、保育園を拡充させることぐらいを「コミンテルンによる、日本の家族を崩壊させるための世論操作」と、新聞記事に堂々と寄稿している人物が、多様性を尊重する方針にそう簡単に賛同するとは思いません。

ということで、聞く耳のある岸田首相には「私が間違ってました」と、杉田水脈さんを解任することを求めます。

以上、今日はこんなところです。ではでは!