斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

実社会での関係性や外野の茶々など気にしないでいいクローズドなインターネットは欲しいよね

たまたまこの記事を読みました。

おばさんたちはinstagramに来ないでほしい、とか、青春基地の話とか - ヨシオカの頭の中

ネット黎明期から知っているおじさんおばさんたちは「インターネットはもともとオープンなものなんだよ、何言ってるんだ!」と文句を言いたくなるわけですが、いま20代の人たちは10代の頃に「前略プロフィール」みたいな「仲間内だけで楽しめる閉じてるインターネット」を経験してたんだということを思うと、そう言いたくなる気持ちは分からないでもないなあ、と……

自分たちだけが心地よく繋がれる空間について若者が欲しているという話だと理解しましたが、これは何も若者に限らないよなと自分のネット利用状況を見ても思います。

http://www.flickr.com/photos/49503168127@N01/8451851643

photo by Jon@th@nC

 

例えば、Facebookについては、親や家族や恩師などと繋がっていますが、ごく限定された層にだけシェアしたいものがあるため、書いたものの公開範囲は細かく設定しています。

子どもの話が好きな人、仕事の話が好きな人は違うのは分かっていますから、それぞれ公開する層は変えています。そもそも全体公開にはしません。どうでもいい他人に読まれたいとは思わない。また、友達の記事の公開範囲もチェックします。全体公開のものには、いいね!もコメントもしないようにしています。面倒なことに巻き込まれたくないから。

萩原栄幸の情報セキュリティ相談室:セキュリティ会社元社員の個人情報流出事件の疑問点 (1/2) - ITmedia エンタープライズ(このケースだといいね!を押す方も押す方だけど、いいね!に深い意図がない時もある)

 

Twitterにしてもお互いのことをよく知らない人とのやり取りを避けるため、あまり多くの人はフォローしません。プライベートモードでの利用もしますし、自分のことをフォローしてくれている人に対しては最初からDMを送るようにしています。リプライはその人にだけ見て欲しいもので全体公開したいわけではない。

Twitterでフォロー外アカウントともDMの送受信が可能に、設定方法はこんな感じ - GIGAZINE(Twitterの基本設定ではフォロワーにはDMが送られる)

 

前にも書きましたけど、インターネットではオープンな場でやることはすべてコンテンツ扱いされるんですよね。どんなに自分たちは蛸壺にいる意識があっても、誰もが見られる状態なら、それは誰に消費されても仕方ない。例えば、全体公開しているTweetはTogetterなんかでまとめられる。これはTwitterが公式に許可しているもので。 

インターネットにおける有名税の存在 - 斗比主閲子の姑日記

インターネット上で間違ったことを書いていたり、法律的に倫理的に問題があることをしていたりすると、それがたまたま多くの人の目に触れると袋叩きになったりするものです。もちろん、いいものはいいもので幅広くシェアされることもある。

 

話は変わりますが、どの地域にも名物おじさん・おばさんみたいな人がいて、自宅の前の壁や掲示板に自分の主義主張を書いたビラを貼ってたりするじゃないですか。たとえば、それは領土問題に関する独自の見解だったり、酵素ジュースを使ったガンの治療法だったり、母乳育児を徹底しないと国が滅ぶとかだったり。そういうのは昔でも今でも基本的に地域住民からするとノータッチですよね。「ああ、そういう人なんだな」って。これがインターネットでは誰もが容易に触れられる状態にあるからか、結構ちゃんと平等に評価の対象にされます。日常生活だとスルーされているような人が注目を浴びちゃう。

 

政治家にでもなるとか、名前を売りたいとか、幅広い人からの目に晒される緊張感を大切にしたいとか、そういう気持ちがあるならば、オープンにインターネットを楽しむインセンティブもあるでしょう。でも、たぶん、そこまで繋がりたい、見られたい欲が強いかというと、ちょっと仲が良い人、少し疎遠だった人と緩く繋がれればいいぐらいなのが標準的なインターネットの利用スタイルだと思っています。

 

インターネットでのサービス提供者としては積極的にオープンに活動している人がたくさん集まってくれると望ましいと思いますけど、一ユーザーとしては必ずしもそっち寄りは勘弁だと、まだインターネット利用歴20年弱の若輩者としては考えています。

 

 

 

ああ、そうそう、最後に、比較的クローズドなインターネットを楽しみたい人にお勧めのメディアを紹介しておきます。mixi発言小町

mixiについては、コミュニティがいいですよね。緩く誰かと繋がれる。それなりに信頼性がある。

mixiコミュニティはなぜ愛され続けるのか

発言小町は、完全匿名制+事前検閲制ですから、いかに迂闊な発言をしてもリアルに影響することはまずありません。固定のハンドルネームを自分で使っていても、大抵は自己満足でしかなく、よほどアレなことを集中的に書き込み続けない限り、誰にも認知されない。しかも、変なこと書き続けていると編集部に掲載してもらえませんし。外部のまとめサイトに掲載されても、編集部にお願いしたら読売新聞の法務部の力で簡単に削除できます。守られた炎上をエンジョイすることができるのが発言小町の良いところです。