斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

相手の立場で物を見てみると対策を見出せやすくなる

あくまで傾向ですけどね。相手の立場に完全に立てるわけじゃないし、同じ人がいつも同じ言動をするわけじゃないから、推測でしかないんですが。ある程度、情報が揃っているとやりやすくはあります。

例えば、スプラトゥーンというゲームでは、上手くなるために色んなブキを使うことがお勧めされています。

このブキの射程はこれぐらい、チャージに何秒かかる、キル速度は何秒とか、自分が使ってみるとブキの特性が理解できて、そのブキを使うプレイヤーの行動を何となく先読みしやすくなります。

例えば、フリーマーケットやメルカリでの値引き交渉。いきなりよく分かんない値段で値引きを提案してもなかなか受け入れてはもらえません。オープンしたて、投稿したてで、「これ、2割引きになりませんか!?」と鼻息荒く値引き要求したくなる人は話をしたくないですよね。

自分がフリマで出品していたら、遅い時間帯には早く売り切りたいし、家に持ち帰ると収納スペースを取っちゃうものとか、そういうことを考えます。メルカリなら、出品して1週間も経って売れていなければ値引きしてもいいかなという気持ちになる。そんなときは相場からちょっと安くても値引きに応じたくなるものです。

だから、自分が値引きをお願いするなら、そういう状況に置かれている人にアプローチするといい。売らないといけない状態の人。

例えば、両親学級での妊婦体験。男性は妊娠、出産を経験できないけれど、お腹に重りをつけてみると、どれだけ妊婦の日々の生活が大変か、リアリティを持てるようになります。

以上、いくつか例を挙げてみました。たぶん、皆さんも同様の事例はたくさん思い浮かぶかと思います。

と、ここまでは日常の話です。

皆さんご存じの通り、今、ロシアとウクライナで戦争が起きています。戦争はいつでもどこでも起きているものですけど、ロシアが日本の隣国であること、北方領土の返還交渉に絡むこと、中国による台湾の侵略の模擬ケースと考えられること、ロシアが日本のエネルギーの調達先であることなどから、日本での注目度は非常に高いです。

私が聞いている金融系の海外のpodcastでも毎日取り上げられていますし、世界経済に与える影響も非常に大きいのは間違いありません。

FT Podcasts | Financial Times

我が家では毎朝ニュースをスマートスピーカーで聞いていますが、子どもが「最近はロシアとウクライナの戦争ばかりで、新型コロナウイルスの話が凄く少ないね」と気付くぐらい、報道で多くの時間が割かれています。

Youtubeで戦闘シーンを見ることもあるので、子どもにショックを与えないようにケアはするようにしています。きっと、この戦争は我が子にとって私の湾岸戦争のようなものとして記憶されるのだろうと考えています。

先月、ロシアとベラルーシの軍隊が国境で控えているタイミングで、荻上チキさんのSessionに登場した専門家は皆口をそろえて、「軍隊は集めているものの、ロシアが戦争をしかけることはない」と言っていました。中には、「前回のクリミア併合では、予想が外れたので今回は外れないほうがいいのですが(笑)」と、冗談めかして言う人がいるぐらい、戦争はありえないという分析が語られていました。

しかし、実際は戦争があったわけです。

アメリカメディアでは「プーチン大統領に何らかの精神的な異常が見られる」とか、精神分析をするような記事が踊りました。多くの専門家がありえないと思ったことをやったわけですから、何か理由を探し出そうということなのでしょう。

では、精神的に問題があるということにして、何をしてくるか分からないとして終わらせてしまっていいか。納得はできても対処は思い浮かばないですよね。

また、他国は止められないからロシア国民にどうにかして欲しいという声もSNSでしばしば見かけます。それがあってか、はたまた、ロシア政府への憎悪がロシア人という人種に向かうのか、差別意識を持ってロシア人に接する人もいるようです。

物産品店や料理店、ロシアへの中傷が相次ぐ…「侵攻に心を痛めているのは一緒」 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン

世界中の文化活動でロシア人芸術家・スポーツ選手が締め出されています。ロシアという国全体がキャンセルカルチャーの対象となっています。

タイラー・コーエン「ロシアキャンセルカルチャーはどこまで許されるのか」(2022年3月1日) — 経済学101

果たしてこれでよいものか。

第二次世界大戦の頃もそうだし、私がテレビで見た湾岸戦争の時代も、戦争の当事者の声を見聞きすることはできませんでした。しかし、今はインターネットがあり、SNSがあり、その場にいる個人の発信を見ることができます。

私はここ2週間ぐらい、このブログの更新をしないで、そういう個人の発信を眺めることに時間を使っていました。

最初に読んでいたのはウクライナ在住の日本人のブログ。先日、ウクライナから妻子ともに無事出国されたそうです。

 

ロシアに侵攻されるらしい国の日常【虚構日記】 | 何丘ブログ

皆さまお気遣い・ご声援ありがとうございます。ご心配をおかけしました。8日付けで無事ウクライナを出国、隣国のモルドヴァに逃れ、これ書いてる今はキシニョフのホテルです。妻と子、すぅすぅ寝息を立てています。

 一時身を寄せていたパートナーさんの両親は、親ロシアでそのままウクライナに残ったそうです。

それからYoutuberでロシア人がいないか探して見つけたもの。

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制限された情報の中で非常に苦しんでいるのが見て取れます。彼女はロシアを出国し、現在はウズベキスタンに移っています。

テレ東BIZでのロシア人インタビュー。

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西側のメディアに対する不信感がよく伝わってきます。

こちらは、ロシア人に毎日ひたすらインタビューしているチャンネル。

youtu.be

年齢によって捉え方が違う傾向があるのがうかがえます。

ロシアのカザンに住む日本人男性。凄い勢いでルーブルの価値が下がっているのがよく分かります。

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この人繋がりで見つけたモスクワ在住の日本人男性。

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これらを眺めていると、何となくロシア国民にとってのこの戦争の見え方が少しだけ想像ができるようになりました。少なくとも私は在日ロシア人に対して差別的に振る舞う気は起きませんし、文化活動からロシア人を排除する動きは否定的に思うようになっています。

私がこういう情報を見てこう思ったから、他の人も同様に思うべきなんて全く思いませんが、恐らくはこれから長い間続くであろう、ロシアに対するキャンセルカルチャーにはNoと言うつもりです。オリンピックでのドーピング疑惑は心底呆れましたけどね。

【北京冬季五輪】 フィギュアのワリエワ選手、出場可能 ドーピング違反めぐりCASが決定 - BBCニュース

最後に、ロシアがウクライナに侵攻した2月24日より前から、この件を何度か取り上げていた、テレビ東京の元モスクワ支局長の豊島晋作さんの2月9日付の動画を紹介します。

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これを見ると、第二次世界大戦(ロシア人にとっての大祖国戦争)がどれだけロシアに深い爪痕を残したのか、ロシアにどのような論理があってこの戦争をしているのか、何となく理解が及ぶようになりました。

だからといって、一個人である私が何かこの件でできることがあるかといえば非常に限られていますけどね。とりあえず、UNCHRに寄付をしました。あと、戦争に反対であることも表明し続けます。ロシア料理を食べに行きます。

【音声配信】「ロシアのウクライナ侵攻で170万人の避難民。今どんな支援が必要なのか」ナッケン鯉都×福井美穂▼2022年3月8日(火)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session」平日15時半~) | トピックス | TBSラジオ FM90.5 + AM954~何かが始まる音がする~

そうそう、豊島晋作さんがお勧めしていたロシア人狙撃兵の本も読むことにします。

今日はこんな感じですが、明日からは意図的に平常運転にして、読者からのモヤモヤを紹介していきます。お楽しみに!