斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

子「なぜニュースはウクライナやパレスチナの報道を減らして大谷翔平や紅麹ばかり扱ってるのか」、私「そっちがより身近だから」

我が家で例の如く、Echo Showでテレ朝ニュースとNHKニュースを見ていた子どもが、

※Echo Showではなぜかニュースを広告なしでいつでも動画で見られる。たぶん、儲かってないからいつか配信停止されるはず

「なぜニュースはウクライナやパレスチナの報道を減らして大谷翔平や紅麹ばかり扱ってるの?」「私は大谷翔平や紅麹より、ウクライナやパレスチナの状況の方が気になるのに」と言っていました。

そのままスルーしてもいいかなと思ったんですが、なぜという言葉からスタートした呟きだったので、「それって、なぜって聞いているってことは純粋に気になっているってことでいい? それとも、ニュースの偏りに腹が立って、詰問調になぜって言っているだけで、実は気になってない?」と確認したところ、「腹が立つのもあるけど、気になっているのは事実」と答えてくれました。

そういうことならと、「私も大谷翔平や紅麹にはまったく興味がないけれど、日本人の多くの人はウクライナやパレスチナより、今は、そっちの話題の方が身近なんだよ。あなただって、私たち親やきょうだいに何かあったら、ウクライナやパレスチナよりも興味を持つでしょ? 人間は自分に身近に感じる情報に興味を持ちやすい傾向があるわけ」と伝えたら、「ああ、なるほど」と納得してました。

この手の、自分にとって大切だと思うことが必ずしも他人も同じように大切に思うわけではない(人それぞれ興味関心の対象は異なる)というのは、生きやすくなるために知っておくと良いことことですよね。正しいものの考え方以外は不正解とすると、他人の意見に不寛容になり苦しいし、自分の心変わりも許せなくなって苦しいから。

あと、ニュースのキャパシティというのもある。

世界を見渡せば、2021年以降アフガニスタンはタリバーンに支配されているのは変わっていないし、その前からシリア内戦は続いているし、ミャンマーは相変わらず軍事政権下です。日本では能登半島で地震があったけど、台湾でも地震はあったし、去年で言えば、トルコ、モロッコ、アフガニスタンの地震もありました。

すべての世界の悲劇に継続して興味を持ち続けていると、新しい悲劇に次々に遭遇し、かなり精神を疲弊します。残念ながら、ある程度は興味を失わないと(自分の中で優先順位付けをしないと)、心の中が悲しみと苦しみで埋められちゃって、自分の人生を楽しく生きるのが辛くなってしまう……。

ちょっと話を複雑にしちゃいましたが、こんなことを、大谷翔平や紅麴のニュースはnot for meとskipするようになった子どもを見ながら、考えていたのでした。