斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「転職も、引越しも、人付き合いもすべて上手く行かない。八方塞がりでどうしたらいいか?」

今日は一人小町(一人で発言小町みたいな回答をするもの。基本要望に応じた反応をする)です。自己肯定感が絡んだ複合的なモヤモヤ。

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Q. 転職も、引越しも、人付き合いもすべて上手く行かない。八方塞がりでどうしたらいいか?

※太字はtopisyuによるもの

斗比主悦子 様

初めまして。いつもブログを楽しく拝見しております。

以前とある方のブログで紹介されていた斗比主様の自己肯定感についての記事を拝見してから、ずっと斗比主様のファンで、不安に押し潰されそうな時などに見返しては元気をもらっております。

今回は、八歩塞がりな自分の境遇についてのモヤモヤを聞いていただきたいと思い、メールを送らせていただきました。

フェイクは自分でも入れておりますので、この内容はそのままブログに掲載していただいても、斗比主様の方で読みやすいように改編していただいても何でも大丈夫です。

現在、以下の3点についてモヤモヤと悩んでおります。

前提として:

関西在住の30代前半の独身女性です。現在は週4日勤務の派遣社員をしていて月収は20万円程です。前職での貯金が約1,500万円程あり、とりあえず貯金するだけではもったいないと思い、数年前から始めたiDeCoやNISAは現在も続けています。

○仕事のことについて

実は一昨年末まで関西の某市役所で公務員として働いていました。

十年近く前に地元の市役所へ新卒で就職したのですが、どこに配属されても基本的に窓口や電話で接客しなければならないこと、またクレーム対応も多く怒鳴られたり罵倒されたりすることも頻繁にあり、ずっと仕事を辞めたい、接客がないもしくは少ない業種に転職したいと思っていました。

接客業務は苦手ですが、コツコツした書類仕事やパソコンは得意で性に合っていると思い、一度社会人3年目の時に同業他社(国家公務員)に転職を試みましたが、面接で落ちてしまい、そこから気力も削がれてそこまま市役所で働き続けていました。

ですがちょうどコロナ禍もあり、業務量も増えて残業続きだったこと、コールセンターなどでのイレギュラー対応も辛かったこと、当時の部署での人間関係も上手くいってなかったこと等々あり、十年近くずっと溜まっていたストレスが許容量を超えてしまい、不眠や慢性的な胃炎、湿疹、偏頭痛などの体調不良に悩まされるようになり、心療内科でうつ病と診断されて休職しました。

その後、復職して異動もしましたが、また接客・クレーム対応が多い部署に配属され、そこでも再度同じように体調を崩してしまい、結局市役所を退職しました。

数か月の療養の後、とりあえず社会復帰のリハビリのため、昨年春から週4日勤務の派遣の仕事を始めて、現在に至ります。

現在の仕事は、人間関係も悪くなくプレッシャーも少ないです。ですが仕事も簡単でルーティン仕事なため、一通りの業務に慣れた後は、その日分の仕事が半日で終わってしまうことも多々あります。今は他の人の仕事を手伝ったり、社内の掃除や整理整頓などをして、何とか定時までやり過ごすことが多いです。

そのため自分の中で仕事へ物足りない気持ちが芽生えてきたこと、前のようにフルタイムで働きたい、もっと収入を増やしたいと思うようになったことで、年明けから正社員への転職を目指して動き始めましたが、今のところ全く上手くいっておりません。

と言うのも、まず職務経歴書を作ったり自己分析する段階で躓いてしまいます。十年近く市役所で働いてたため、そこでの職務内容やスキルなどをアピールすべきだと分かってはいるのですが、市役所での長く辛い嫌な思い出、理不尽なクレームなどのトラウマを思い出してしまい、書類を作りながら頭がぼーっとしてしまったり、涙が止まらなくなったりしています。

それでも年齢を考えると、正社員に転職するなら早い方が良いと気持ちだけが焦り、何とか応募書類を仕上げたものの、客観的に見ても積極性や具体性に欠ける内容になってしまい、今のところ応募した数社全て書類選考落ちしてしまいました。

その後ハローワークの相談室へ行き、応募書類の添削などもしてもらいましたが、そこでも前職の話をしながら勝手にしんどくなってしまい、相談員の方から「大変でしたね」と労ってもらっただけで号泣してしまう始末でした。

そのため一旦転職活動をストップしていますが、毎日焦燥感と不安感でいっぱいです。退職してから少しずつ良くなっていた精神状態もまた悪化してしまい、薬の服用量も増えてしまいました。自分が一体何をしたいのか、どうすべきなのか分からなくなっています

○現在の住環境について

今までずっと実家暮らしだったのですが、元々父親と折り合いが悪かったこと、一人でゆっくり過ごす時間が欲しかったこと、また公務員を辞めた後ろめたさと居心地の悪さで、昨年夏より一人暮らしを始めました。

しかし、夢の一人暮らしもいざ始めてみると毎日騒音に悩まされる日々の始まりでした。マンションの壁が薄く、隣室の通話音やオンライン配信している声が深夜まで聞こえ、はたまた上の住人はかなりガサツな人のようで生活音がドッタンバッタン聞こえ、早朝でも深夜でもお構いなしに洗濯機を回し、掃除機をかけます。

半年以上我慢してきましたが、もはや騒音で気が狂いそうになっています。そしてこの歳になってようやく、自分に聴覚過敏の気があることに気づきました。

本当なら管理会社に苦情を伝えるべきなのですが、管理会社(というかオーナー一人でやっているところです)もまた曲者で、入居日時を忘れられてすっぽかされかけたり、入居時にも他の入居者への愚痴や罵詈雑言を延々と聞かされ続けたり、そもそも管理会社の電話がほとんど繋がらなかったりと、後から知りましたがGoogle口コミがオール★1のヤバい管理会社でした。

そんな管理会社とまたやりとりすることへの億劫さや恐怖もあり、結局騒音についての苦情を未だに伝えられていません。

それならば早々に引っ越そうと思い、昨年からずっと物件探しをして、先月にここなら平穏に暮らせそう!という物件に巡り合えたのですが、まさかの年収不足で審査落ちしてしまいました。

正直、ずっと実家暮らしでお金を使う趣味もなかったのとで貯金だけは余裕があったので、現在の年収は低くてもその情報を提出すれば問題ないだろうと甘く考えていました。(実際に現在住んでいる騒音ハウスもそれで審査が通っていたので深く考えていませんでした)

まさか自分が審査落ちを経験するとはという絶望感と、審査時に不動産屋の担当者から仕事や年収について根掘り葉掘り聞かれたこと、また年収について「本当にそれだけですか?もっと何か収入源はありませんか?」などと言われたことがかなりショックで、向こうは仕事だからしょうがないと分かっているのですが、その一連の出来事がかなりショックで、しばらく家にいる間は寝込んでしまう程でした。

そこから今に至ります。

騒音や管理会社のことが日々のストレス源になっているため、早急に引っ越ししたいのですが、念入りに調べて静かな物件を見つけてもまた審査に落ちることへの不安があります。

上記のように転職活動も上手くいっていないため、ここは夢の一人暮らしを一旦諦めて、父親との確執や居心地の悪さもありますが、実家へ帰ることも選択肢に入れるべきなのかとも思います。

○人間関係について

ここ最近ずっとショックな出来事があったり、ストレスが溜まったりしていますが、家族や友人知人にも誰にも相談できていません。実は今回相談したのは、斗比主様が初めてです。

家族にはうつ病になったことや公務員を辞めたことへの後ろめたさや申し訳なさがあること、特に母親には当時かなり心配をかけてしまったこともあり、このことを相談したり悩みを聞いてもらうことに気が引けてしまいます

ずっと優等生で物分かりもよく、大学までストレートで進学して公務員になったことを両親が誇りに思っていたので、この歳になってもその期待を裏切ってしまった罪悪感があります。

また、私自身は今まで彼氏がいたことがなく、結婚や出産願望もないのですが、そのことについても親に孫の顔を見せてあげられないという後ろめたさもあるんだと思います。

親しい友人知人にも病気のことはもちろんですが、仕事を辞めたことすら伝えてない人が多いです。今でも会った時は何でもない元気なふりをして、近況も当たり障りのないことしか話せていません。

前職で仲が良かったりお世話になったりした同期や先輩が、仕事を辞めた後も心配して連絡してくれていましたが、有り難く思いつつも、自分のこの現状を知られることが怖くて未だに連絡を返せていません。

皆、仕事が充実していたり忙しかったり、結婚して子育てが大変だったりとそういう話を聞いていると、自分がうつ病になり公務員を辞めて転職活動も何も上手く行ってないことを話すことが怖いです。きっとプライドが高いのに自己肯定感が低いので、同情されたり説教されたりすることを恐れているんだと思います。

うつ病になった後に色んな関連書籍を読みましたが、おそらく自分の本音や気持ちを話せる人が今までずっといなかったことが全ての問題の根本にあるのかなとは思っています。

ですが、やはり自分の現状や悩みを相談することへの恐怖や負担が大きく、なかなか心を開く勇気が出せません。

最近は趣味を楽しむ元気もなく、休みの日も騒音ハウスにいることが辛いため図書館で過ごすことが多く、あまりにも暇なため、資格の勉強を始めました。最近は簿記2級も取ることができたため、この後はまた何か資格でも取ろうかなとも思っています。

昔から勉強だけは得意で、コツコツとスケジュール管理して取り組むことも好きでした。高校・大学受験も公務員試験も勉強でどうにかなる部分が多かったので、今までやっていけたんだと思います。

ですが、転職活動となると面接や自己PRをしなければならず、そこにも苦手意識がかなりあります。客観的には人当たりや愛想も良く、外面を取り繕うことが得意なため、接客業や面接なども得意だと思われがちなのですが、自分の予想外の出来事へ即座に対応しなければならない環境が苦手なんだと思います。

長文になってしまい、申し訳ありませんでした。

ですが、文章にすることで何となくですが気持ちが落ち着いてきたように感じます

以前から斗比主様が取り上げるスモールステップのお話がとてもしっくり来ていて、自分も現状を一気に変えようとしているから躓いているのかなと思っているのですが、どうにもこうにも八方塞がりになってしまい、また誰にも相談する勇気も出せず、今回メールを送らせていただきました。(実はメールを送る勇気を出すのも数か月かかってしまいました

ぜひ、斗比主様からの視点で、まずは何から始めていけばいいかなど客観的なアドバイスや、今後の心持ち、このモヤモヤへの感想など何でも結構ですので(今はちょっと弱っているのでできれば甘口めなコメントで)いただけるととても助かります。

一読者より

A. まずは日記から始めましょう!

メールありがとうございます!

このモヤモヤを初めて人に話した相手が私ということで、大変ありがたいです。

それで、モヤモヤは、①転職したいが応募書類の作成段階で苦しんでいる、②引越ししたいが収入が理由で落ちたことがショックで次の物件を探す気力が生まれない、③親や友人・知人に自分の状況を話すのが怖いという複合的な内容で、どれから手を付けたらいいか分からないとのことです。

これについてはご自身で書かれている通り、

うつ病になった後に色んな関連書籍を読みましたが、おそらく自分の本音や気持ちを話せる人が今までずっといなかったことが全ての問題の根本にあるのかなとは思っています。

自分の状況を言葉に出して行くという行為が最優先だと思います。例えば、次のような内容を言語化してみるのがお勧めです。

  • 子どもの時から何をしているのが好きだったのか。一人ででも、誰かとでも、良い思い出を振り返ってみて、書き出してみる。
  • 前職で何が苦しかったのか。具体的な日時や人名等も記載しながら、エピソードを整理してみる。
  • 現職で転職をしたい理由を書き出してみて、どういう仕事をしたいかも書き出す。
  • 引っ越し先の優先順位を書き出してみる。
  • 上記以外に、誰かに伝えたいことを言葉にしてみる。例えば、お母さんへの感謝でも申し訳ないことでも、何でも書き出してみる。別に、その相手に伝える必要はなく、あくまで自分の中での整理に過ぎないので、遠慮は不要。

長い間、優等生的に振る舞うことに慣れてしまって、自分の感情を優先するのを忘れてしまってずっと我慢してきてしまっているわけですよね。たぶん、自分の中でもはっきりしておらず、また、他人に伝えるなんてもってのほかという状況でしょうから、まずは、日記形式でもいいので、紙に書き出してみるといいと思います。

現状が八方塞がりかというと、現在の仕事自体は苦しいわけではないし、住居環境も折り合いの悪いお父さんからは距離が取れているのは良いことのように見えますし、人付き合いもこう言ってはなんですが今に始まったものでもありません。何より、貯金が1500万円もある!

私の目には、本当に詰んでいて、いかんともしがたい状況にあるようには見えません。しかし、恐らくは、転職が上手く行っても、引越しが上手く行っても、私が思うに、また苦しいと思う状況は来てしまうように思います。つまり、自分の気の持ち方(感情の言語化、自分を大事にすること)を獲得しないと、環境が多少変わったところで、苦しいと感じる気持ちは変わらないのではないかということです。

ということで、とにもかくにも、自分の感情やしたいことを言語化することを優先するといいかと思います。

以上、今日はこんなところでしょうか。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.com まで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。

X(旧Twitter)もやっているので、

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「一緒に住んでいる女友達の話をすると職場で"彼女"と扱われます。なぜでしょうか?」→「その人たちの常識だからです」

今日は一人小町(一人で発言小町みたいな回答をするもの。基本要望に応じた反応をする)です。愚痴っぽいモヤモヤ。

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Q. 一緒に住んでいる女友達の話をすると職場で"彼女"と扱われます。なぜでしょうか?

斗比主様

はじめまして。日々ブログを楽しく拝見させていただいております。

ちょっと愚痴っぽい話になってしまい申し訳ないのですが、聞いていただきたい話があります。

私は社会人1年目の女です。大学を卒業し収入を得て自立し、実家も出ています。現在自宅はルームシェアをしており、10年来の友人と2Kを分け合い暮らしています。その話を度々職場の人にすると、友人のことを「同棲している彼女扱い」されます。

一緒に住んでいる理由は、単純に家賃が抑えられて便利ということと、一緒に住んでも問題なさそうだからという理由だけで、お付き合いをしているわけではありません。

しかし、社会人同士で一緒に住んでいるというと必ずそういう扱いをされます。私は同居人のことは家族のように大事ですが、好きなのは男性ですし「一緒に住んでいるから」という理由だけでそういう扱いを受けることを悲しく感じます。

でも、しょっちゅうそのような扱いを受けていると「一緒に住んでいる私たちの方が悪いのかな、変なのかな」と、普段は思わずとも度々考えずには居れなくなってしまいます。

なぜ世の中の人は一緒に住んでいる人同士がいると「恋愛」という面で判断したくなってしまうのでしょうか。ご意見を伺いたいです。

一読者より

A. その人たちの常識で、深く考えず話しているんでしょうね

メールありがとうございます!

10年来の友人とルームシェアしていることを職場で話すと、同棲している彼女扱いされることへのモヤモヤです。私への依頼は、なぜ世の中の人が住んでいる人を「恋愛」と紐付けてしまうのか、理由を聞きたいということになります。

職場の同僚に、「特に恋愛関係でもなく、ルームシェアなんですよ。彼女って思ったのは何か理由があります?」とド直球に聞いちゃえばいいと思いますが、私に背景を推測するようにということでしたら、「その人たちの常識がそうなっているから」というのが私の答えになります。

そもそも、職場の同僚との会話って当たり障りのないものですからね。日本社会だとプライベートで仲良くなることもそんなにないですし、「一緒に住んでいる人がいるんですよー」に対して、「へー、付き合ってるの?」と、特に深く考えずに、自分たちの常識で答えているんでしょう。

というわけで、真剣に受け止める必要はまったくありませんが、

好きなのは男性ですし「一緒に住んでいるから」という理由だけでそういう扱いを受けることを悲しく感じます。

これが悲しく感じるとすれば、読者さんは職場の同僚への期待値が高いんじゃないかと思います。ジャガイモから「イッショニスンデイル カラ カノジョ デハ?」と語りかけられても多分何も思わないですよね?(片言の日本語を話すジャガイモを奇異に思うことを除けば)

「きっと自分を理解してくれるはず」と思うから、理解してくれないことに悲しくなります。理解してくれれば望ましいのでしょうが、他人をコントロールすることはできないので、「こういう物の捉え方をする人たちなんだな」と受け入れちゃうと、今回の件に限らず、悲しい気持ちになることは減らせるはずです。

おっと、依頼以外の余計なことを書いちゃいました。

私は仕事の付き合いがある人の家族構成どころか私生活は正直どうでもいいですが(親の介護や子育てとかで負荷がかかっているかは何となく察してサポートしますが)、世の中には、自分の想定の範囲に他人を当てはめる人はしばしばいるものです。脳みそのリソースを使わなくて済むので。

「そういう人たちもいるもんだな」と思うと多少気が楽になると思います。

以上、今日はこんな感じです。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。

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「34歳独身。会社ではできないやつポジション、友人知人もいない一人ぼっち。少しでもいいから改善したい」

今日は一人小町(一人で発言小町みたいな回答をするもの。基本要望に応じた反応をする)です。今日は、仕事や人間関係が上手くいかないことへのモヤモヤです。

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Q. 34歳独身。会社ではできないやつポジション、友人知人もいない一人ぼっち。少しでもいいから改善したい

はじめまして。

いつもブログを拝見させていただいております。斗比主様からアドバイスいただければと思い、メールさせていただきます

長文かつ乱文のため、非常に分かりにくいと思いますが、ご一読いただきアドバイスいただけると幸いです。

34歳独身女です。

大卒後、新卒採用で社会人になって10年以上たちますが、いよいよ人生が行き詰まってきました。

正式な診断はおりませんでしたが、ADHDとASDの傾向が強く、仕事でのケアレスミスやお客様に誤解されることが多く、年次相応に求められるだけ仕事が全然できません。

ケアレスミスと対人関係については、発達障がい関連の本を読んだり定型発達向けの対人関係のセミナーに行ったりしましたが、あまり改善されている感じはありません。(新人の頃よりマシですが年次相応ではないレベルです)

以前は叱られることもありましたが、完全に「出来ない奴ポジション」にいるため、諦められて叱られることもほぼ無くなりました。

今の職場にいても居心地が悪いしと思って転職活動しようとハローワークに登録しましたが、コロナ禍で一度断念しました。

また、プライベートでも友達はおろか知人とよべる人もおらず、ずっと一人ぼっちです。

20代の時はネットのオフ会に参加したり、1度だけ婚活セミナーにも行きましたが、会話が苦痛で2度め以降に参加することはほとんどありません。

こちらも転職活動と同様にもう一度頑張ろうと思ったこともありましたが、コロナ禍でやる気を失っています。

仕事がうまく行かないのも、人間関係がつくれないのも「自己肯定感」が無いからと思い込み資格取得にのめり込んだり、一人でできる趣味を探したりしてますが、好転している気配はありません。

どちらに関しても思考停止状態で何をすればいいのか、全くわかりません。

もう30代半ばなので、仕事ができる社員になっって出世するとか、友人に囲まれてパーティーしたいとは思いません。

でも、少しでいいから改善したいと思ってます。

もし、斗比主様の知人や部下で私と似たような方がいたらどう声をかけるのか、斗比主様自身が同じ状況におかれたら、どのようにして打破しようと考えられますか?

よろしければアドバイスいただけると幸いです。

以上、よろしくお願いいたします。

一読者より

A. できることをスモールステップでじわじわ対応

メールありがとうございます!

最初に、

長文かつ乱文のため、非常に分かりにくいと思いますが、ご一読いただきアドバイスいただけると幸いです。

分かりにくいなんてことはなく、ご自身が感じていることがよく分かる内容だったことをお伝えしておきます。

それで、私への依頼内容はこれですね。

斗比主様の知人や部下で私と似たような方がいたらどう声をかけるのか、斗比主様自身が同じ状況におかれたら、どのようにして打破しようと考えられますか?

まず、私の知人や部下で似たような人、仕事ができず、周囲と上手く人間関係が作れない人がいたとして、「少しでも改善したい」と言われたら、私がどう声をかけるかについて。

知人にいたら、身近な地域のボランティア活動をお勧めするでしょうね。地域の消防団や読み聞かせボランティア、炊き出し、清掃活動などなど。自治体名+ボランティアで検索するとたくさん出てきます。

ボランティアでは人手が足りないことが多々ありますし、貢献しようとする意思があるだけでありがたがられることもあります。そういう環境で少しずつ自分ができることを確認していくのはいいんじゃないかと思います。

リアルに抵抗があるなら、オンラインのボランティア活動でもいいですね。青空文庫の入力や校正の仕事とか。

部下にいたら、その人に向いた仕事を割り振るようにするでしょうね。

仕事に年次相当というのは私はないと思っていて、年次が高いから管理職が適切とか、ある仕事ができるとか、人間関係を作るべきとは考えていないので。その人に向いている仕事をやるほうがお互いに幸せですから。

その上で、本人がより難易度が高い仕事がしたいということであれば、業務内容を細分化したマニュアルの提供や、職務に通じた人のサポート業務をしてもらい、社外セミナーの受講を推奨しますね。

職場での交友関係は無理に広げる必要はないと思いますが、会社にランチやディナーの補助制度があるなら利用を推奨するし、サークル活動があるなら存在を伝えます。

こんなところでしょうか。

次に、私だったらどうするか。

斗比主様自身が同じ状況におかれたら、どのようにして打破しようと考えられますか?

まず前提として、私は、人間には向き不向きはあり、自分にできることに制限があるということであれば、それに見合った仕事の仕方、生活の仕方をするものだと思っています。

仕事は生計が立つ範囲でできる範囲でやればよく、人間関係も自分のキャパシティに合う形で作ればいい。

ただ、少しでも改善したいと思ったら、スモールステップで始めるはずです。

仕事の内容でも細分化できますから、自分が不得意だと思う業務内容の何ができないかというのを少しずつ確認して、じわじわ経験と知識を蓄積して、できることを増やしていくはずです。一気に解決することはできませんから。

転職を考えるのはそれからですね。転職はストレスもあるし、仕事が合わない可能性もあるので、現職でできることを確認してからです。

知人・友人関係は、かつての旧友ぐらいからスタートします。もちろん、家族がいたら家族でもいい。「久々だけどちょっと会えない?」って、10人連絡したら2~3人ぐらいは会える可能性がある。

まずは誰かに会って話してみるというのを何回か経験して、少しずつリハビリしていきます。

あとは、自分が生活していて好きなことを深堀りしていくでしょうね。料理でも、手芸でも、ゆるキャンでも、映画でも、読書でもいい。で、ちょっと、ニュースも見ておく。

誰かと会って相手の話を聞いているだけでも十分人間関係は作れますが、好きなことがあると、それを共通の話題にすることができるかもしれません。それこそ、地域で趣味の合う人と接点を持つというのもありですから。自治体の広報誌やオンラインで、サークルを探してもいい。

とにもかくにもスモールステップですね。一気に解決しようとすると上手く行かないことに苦しんで余計に恐縮してしまうから、じわじわ数年単位で時間をかけていくのが大事。私ならそうします。

以上、今日はこんな感じでしょうか。

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「子どもの通う園のママさんを嫌いなんだけど付き合わないといけないと思ってモヤモヤ」

今日は一人小町(一人で発言小町みたいな回答をするもの。基本要望に応じた反応をする)です。何となく嫌いな人がいるというモヤモヤです。今日は短め。

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Q. 子どもの通う園のママさんを嫌いなんだけど付き合わないといけないと思ってモヤモヤ

斗比主様

ブログ、読ませていただいてます。悶々と過ごす日々に活を入れていただきたく、メールさせていただきました。

子どもの通う園のママさんに対してです。

1歳にならない子が助手席のチャイルドシートの上でつかまり立ちし、3、4歳の子が後部座席に立って、前をのぞき見しながら、毎日、登園してるんです。

本当に信じられなくて、関わりたくないと思っていたのに近くの住宅街に越してこられるそうで、いやでいやでたまらない毎日を過ごしています。ほっといたらいいんですけど、そんなときに限って、登園のときに見かけてもやもやします。

なんらかコメントいただけたら頑張れるんではないかと思い、メールさせていただきました。こうして、書き出しただけでもなんだか少しすっきりでした!

モラルを問いたいというか、わたし、彼女のことが嫌いなんだとうすうす気がついてはいるんです。やなやつです。でも、ご近所さんになるし、子どもも同級生だし、それなりに付き合っていかないといけないとは思ってるんです。

ということで、活を入れてください!

寒暖差の大きい季節ですが、ご自愛くださいませ。

いつも楽しみにしています。

一読者より

A. 劣等感の裏返しなので、自分の日々の生活の不満を言語化してみましょう

メールありがとうございます! 他人に明確な瑕疵があるならまだしも、ほんの些細なことで他人を嫌っているということはなかなか口に出して言いにくいことですよね。自分が難癖つけているのも分かっているから、余計に。

実際は何のアクションを取らなくても、ただ、相手のことを嫌いということを言葉にするだけで気が楽になるところは大いにあります。私は特に何もしていませんが、お役に立てたようで何よりです。

というわけで、わざわざ活を入れるまでもないと思うものの、せっかくなので、強めの気合を入れる言葉をご提供してみることにします。

ご自身でもすでに気付いているように、今回のように自分に危害があるわけでもない他人の言動にモヤモヤするというのは、自分自身に何か劣等感があることの裏返しであることがしばしばです。特に境遇が近いと自分との比較をしがちなので、そういう観点で、子育てはもちろん、家庭生活もそうだし、自分のキャリアや彼女の容姿等で、ご自身の劣等感が刺激されるものがあるんじゃないでしょうか。

この機会に、彼女に対する不満だけではなく、日々のご自身の生活についても不満があればぶちまけてみましょう。私にメールするだけでなく、Twitterで愚痴るのもいいし、パートナーさんや友人に話してみるのもいいし、日記にするのでもいい。

根本的にはご自身の気持ちを楽にするのが、彼女の言動への不快感を低減することに繋がります。

以上、今日はこんなところです。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

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「同級生の○○さんは給食の食べ方が汚いのが気持ち悪い」と子どもから言われた話

子どもから、「同級生の給食をくちゃくちゃ口を開けて食べて、食べながら周りに話しかけているのが気持ち悪い。一緒に給食を食べるのが嫌だ」という話を聞きました。

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※今となっては揚げパンを食べると胃がもたれる

こういうことを親に素直に言ってくれること自体はありがたいと感じつつ(話しても無意味だと思うなら親に話さないので)、対処は難しいなと思いました。

私も同級生がお風呂に入っていなくて臭いことがあり、その子に対しては何度もお風呂に入ることをお願いしたことがあります。私が見るにその子の不潔さというのは、親きょうだいから虐げられている(と思っている)ので、その親きょうだいへの反抗のアピール(「あなたたちの言う通り、私は汚い存在する価値のない生き物だ」)みたいな感じだったので、結局言うことを聞いてもらえませんでしたが。

全然どうでもいいことですが、その子の一番の友人が、就職後、新興宗教に加入し、同級生にひたすら電話をかけまくっているという話を聞いて、ほっこりしたことがあります。私には残念ながら電話は来ませんでした。

話は戻りまして、私の子どもの同級生の話です。

実を言うと、その同級生の子(「Aさん」とします。)は給食の食べ方に問題があるだけではなく、授業中に席を立つ、大声で喋る、他人に悪口を言うなどなど、かなりの問題児として低学年のときから有名な子です。成績は当然ながら悪い。性格が悪いこともあり、友達も少ない(というか、いない?)。

Aさんの親とも話をしたことがありますが、仕事が忙しく、また、上の子どもに手がかかり、下の子どものAさんの子育てにはあまり手間をかけれていないということは聞いたことがあります。

当然ながら、先生たちもAさんを多方面からケアしようとしています。要するに、事情があり、周囲も分かっていて、対処している子。

だから、子どもからAさんのクチャラーと唾液を飛ばすのが苦痛だと言われて、対処が難しいと思ったわけです。みんな分かっていて、すでに対処しているけれど、なかなか上手くいっていないことだから。

とりあえず、Aさんに対してあなたから、くちゃくちゃ食べないこと、少なくと今は給食の間に喋らないことは堂々と伝えていいし、すでに伝えているなら、私はあなたを肯定するとは伝えておきました。あと、気分が悪くなったら保健室を使っていいし、そのことは先生にも話を通しておくと伝えました。

ただ、同級生から指摘してどうにかなるのも限界があるし、暴力暴言いじめレベルの問題行動でないことからも、結局は、私の子どもも対処の仕方を自分で考える(我慢の仕方を覚える含む)必要があるでしょう。

私も長いこと生きてきましたから、冒頭で紹介したお風呂に2週間以上入らない体臭のキツい同級生以外にも、閉鎖的な空間で厄介な振る舞いをする人には会ったことがあります。サイコパス的な嘘つきや、私を不良連中に突き出した友人や、家に連れてくると必ず家の金がなくなる友人とか。

ある意味、NIMBY(Not In My Back Yard)といったところはあって、私の目の前に触れないようにすることはできても、必ず、そういう人たちは存在しているものです。だから、子ども自身が自分で接し方を考えることも大事かなと思うところがある。

今日書きたいのはこんなところです。ではでは! 

山口つばさ『ブルーピリオド』を読んでると高校~大学の吐きそうな劣等感を思い出してヒリヒリする

せっかくなので2日連続で漫画レビューです。今日取り上げるのは美術漫画の『ブルーピリオド』です。

ブルーピリオド(1) (アフタヌーンコミックス)

※タイトルはパブロ・ピカソの青の時代から

このブログで紹介するのは3回目だけど、しっかりレビューしてなかったので。というか、9巻をさっき読んで、自分の大学時代の劣等感をリアルに思い出して吐きそうになったので、それをそのまま使ってレビューが書けると思ったので書いている次第です。

『ブルーピリオド』は矢口八虎(やぐちやとら)という高校生の男の子がふとしたきっかけで美術に興味を持ち、東京芸大を目指し、現役で油絵学科に合格(ここまでが1巻~6巻)。その後、芸大に入学後の日々を描いています(7巻~既刊9巻)。

美術漫画というジャンルはないわけじゃないですが、山口つばささん自身が芸大卒であることと、作品の中で有名作品に限らず、練習作品でも山口さんの伝手?で実際の作品が使われているので、作品のリアリティが格段に高くなっています。

この漫画を通して美術を分かった気になるというのが楽しみ方の一つで、あとは、八虎の成長と成功を追体験するというのがメジャーな楽しみ方だと思います。

私の楽しみ方は、登場人物の苦しい中での劣等感を見て、自分に存在したかつての劣等感もがしがし掘り起こされるのを思い出すというものです。ブルーピリオドというタイトルだけあって、登場人物たちが苦しむので、それを見て、「あー、苦しい(苦しかった)」と思い出してます。

私が劣等感を覚えたのは美術の世界ではありません。美術でも友人に凄い絵が上手い子がいたというのはあるんですけど、その時点では私は絵で勝負しようなんてまったく考えてなかったので、その子との間で苦しい思いはしませんでした。その子は現役で芸大に合格。

私が劣等感を強烈に覚えたのは主に高校一年生と、そして、大学一年生の頃です。

高校一年生はたまたまクラスが進学コースに潜り込むことになっちゃって、周囲の子と比較して自分がいかに勉強をしていなかったのかと相当気付かされました。クラスの中でも下の方でしたし。結局、1年の後半ぐらいになるとそこでのコツを覚えて、何とかなったけど、最初の頃は苦しかった。

大学一年では、教授もそうだけど、院生含めて、もう一気に囲いが取っ払われたオープンワールドでの知力の殴り合いみたいなところがあって、ここでは本当に苦しみました。

もともと誰かに頼るほうではなかったし、初めての地域での、初めての一人暮らしで、日本中の頭の良い人が集まった場所に放り込まれて、「で、何がやりたいの?」「ロジック繋がっていないよね?」「これ、知ってる?」というのを毎時問われ続けていて、吐きそうでした。夜も無限に時間があるから、ずっと、劣等感と戦いながら学年が上の人とも僅かな知識を使って議論をし続けてた。しんどいけど、これを求めてこの大学に入ったのだから、逃げてはいけないと何かに追い立てられていた。

そういう苦しみがある中で、自分は一体どうやってこの中で戦えばいいんだろうと毎日出会う自分より賢い人たちと自分を比較し続けて、自分の状況に対する観察力が際立っているということが分かって、以降はそれを強みにして渡ってきて、結局、今でもそれを使って仕事でもパフォーマンスを発揮しています。

『ブルーピリオド』を読んでいると、自分がまさに高校~大学で、他人と自分を比較して、劣等感を抱きながら、どうやってこの中で突出するかというのを苦しんでいた日々を思い出せちゃうんですね。記憶の扉がこじ開けられる。

例えば、最新9巻のこの教授会のシーン。

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※9巻37話目

ここでの会話みたいなのは、私も大学時代に教授から聞いたことがあるし、友人とも何度も何度も議論しました。自分はダイヤなのか、ダイヤだと教授から見てもらえるのかって。そんな話をしているぐらいなら、勉強して勉強して勉強すればいいわけですが。昼でも夜でも夜中でも、こんなことをずっと考えてた。(朝は遅いから何も考えられない)

現在、私は人の親で、そして、労働者としてはそこそこ上がってきているので、この種の劣等感とはほぼ無縁です。私の子どもが劣等感を覚え初めるのを見る立場。

しかし、『ブルーピリオド』を読むと、そんな私でも、当時の劣等感がリアルに呼び戻されるわけです。その心の澱を眺めるのがとてもいい。

ちなみに、主人公の八虎が大学入学後には若干劣等感成分が緩くなった(特に8巻)んですけど、9巻では無事に復活してくれています。だから、そういうヒリヒリしたのを読みたい人は安心してください。安易な学生生活ものにはなっていないので。

ということで、『ブルーピリオド』の極主観的なレビューでした。

ではでは!

ブルーピリオド(9) (アフタヌーンコミックス)

ブルーピリオド(9) (アフタヌーンコミックス)

 

※ヒリヒリするわー

「小学校低学年の娘が友人からのモラハラで学校に行きたくなくなった。本人は友人を問題視していない。どうしたらいいか?」

今日は一人小町(一人で小町みたいな回答をするもの。基本要望に応じた反応をする)です。今日は娘さんの友人関係に関するモヤモヤ。

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Q. 小学校低学年の娘が友人からのモラハラで学校に行きたくなくなった。本人は友人を問題視していない。どうしたらいいか?

とぴしゅさま

はじめまして。とぴしゅさんの著作、ブログともに愛読しております。理性的なコメントと、何事も面白がる軽やかな姿勢の大ファンです。「とぴしゅさんならどう考えるかな」など思考の師匠として、勝手にお慕いしています。

いつかはとぴしゅさんに、

・資産運用
・二人目不妊について

などご相談したいなーと思っていたのですが、ここにきて、

・一人娘(一年生)の人間関係について

が火を噴いてまいりまして一人で悶々と&夫に相談したところで、このもやもやがいかんともしがたく、とぴしゅさんにメールをさせていただいた次第です。

できれば具体的なアドバイスを希望します。

以下相談です。

長くなってしまいましたので、ブログにそのままは向かないとは思いますが、特に掲載NGなどありません。

(筆者注:実際長かったのでばっさりカットしました。要約すると、

・小学校低学年の娘さんが同じ学童、同じマンションの友人Aちゃんからモラハラ的な扱いをされている。そのせいで、学校給食を食べたくなくなり、学校にも行きたくなくなった。そのため、学校の登下校に親がついていってあげている。

・先生のAちゃんへの指導も行われているが、いまだにAちゃんのモラハラは続いている。先日、Aちゃんが娘さんにモラハラ発言をしているのを見かけ、「それは良くない」と伝えたら、Aちゃんには泣かれてしまった。娘さんは自分がモラハラされることに拒否反応は示していない。

・Aちゃんの親御さんとはLINE交換をしようとしたがやんわりと断られた。どうやら、Aちゃんのモラハラの背景にはAちゃんのお姉ちゃんが中学受験で大変で、親御さんがAちゃんを構っていないことが要因とありそう。

といった感じです。)

まさか娘はこの後学校でいじめられているのではないかと母は棍棒を持って殴り込みたい気持ちでいっぱいですが、とりあえず落ち着こうと長文メールを書いています。

そんなこんなで学校の先生に電話をして、折り返し待ちなのですができれば今日会って、クラス替えの時に同じにしないで欲しいということを伝えよう、と思っています。
(他の子のお母さんに聞いたところ、クラス替えは毎年ある&要望は聞いてもらえる場合がある、ということでした)

これ以外にもはや打つ手なし……と思っていますが、他に何かやれることはあるでしょうか……?

マンションは、分譲&大変気に入っているので引っ越しは考えていません。

わたしとしては、給食の際に先生にも手間をかけてしまったことと、さらにあまり子供の人間関係に口出しするのは、「モンスターペアレント」や「ヘリコプターペアレント」になってしまい、結局は娘に悪影響になるのではないか、という懸念があり、できるだけ手を放そうと心掛けています。

とはいえ、さすがに目の前で悪意をぶつけられる娘を見ると、びっくりしてしまって……。そして、現時点で一人っ子なので、めちゃくちゃかわいがっている自覚はあります。

ここまで書いて思ったのですが、わたしとして問題だと思っているのが「娘が、嫌だと思っていない」ことだと気づきました

先生に聞かれても、私が聞いても「Aちゃんのことは好き」(好きだと言ってくれるから)という返答なのです。それってモラハラだったりDVだったりの常套手段と聞くで……と思うのですが、いかんせん娘には届かない。もしかして娘の自己肯定感が、うまく育っていないのかな?とも思いました。そのあたり、お勧めの本などありましたら、ぜひ教えていただければと思います。

そして、いわゆる、「Aちゃんが多分あんまり親御さんに構ってもらっていない、お姉ちゃんの受験の犠牲になってる、かわいそうな子」パターンの話、なんだろうなと、思うのです。

友人に愚痴ると必ずそういう結論になる……。確かにそうかもしれない。そうかもしれないかわいそうだともおもうだがしかし、それをなんでうちの子が受け止めなあかんねんなと。自宅で処理してほしいと。

でも言えない人の家のことだし!! でも正直、そちらの家が放置した問題が姿を変えてこちらにきてますよー! 毎日お迎えめっちゃ大変でしたーー…!!

すみません。熱くなりました……。

整理しながら書いているつもりでしたが、整理をすると押さえつけていた気持ちとどうしても向き合うので爆発しそうになるという効果もありました……。

ぶつけてしまって申し訳ありません。

初めてメールで悩み相談というものをしましたが、うまくきれいにはまとまらないものですね。それが悩みというものなのですね! お時間あるときに、お返事いただけますと幸甚です。

よろしくお願いいたします。

一読者より

A. 娘さんに他の居場所を提供してみましょう!

メールありがとうございます!

具体的なトラブルが非常に長文で語られていて、大変ほっこりしましたね。ただ、ブログにそのまま掲載すると要点が掴みにくいかなと思って、ざっくり要約させてもらいました。

それで、モヤモヤのまとめると、

①友人Aとのトラブルを回避する他の方法はあるか?

②娘さんが友人Aの行為を問題と受け止めるにはどうしたらいいか?

ということのようなので、それに具体的に応えていきます。

まず一つ目の回避方法ですが、問題を大事化するのがありますね。担任に長いこと訴えているのに対処できていないわけですから、学年主任や教頭や校長まで問題をプロモーションさせましょう。結局のところ、娘さんと友人Aの距離を取らせるか、友人Aに適切な介入がされるかが行われなければ解決はしませんから、問題を学校側にはっきりと認識させるのは大切です。できれば、相手の親に学校側から連絡をしてもらいましょう。

あとは、やりたくないかもですが、友人Aの親御さんに手紙を書いて渡しましょう。お姉ちゃんの受験のせいか何だか知りませんが、実害を被っているのは事実ですし、すでに先生も把握しているわけですから、事実関係をまとめて手紙にして渡せば親御さんには相当な衝撃になるはずです。駄目もとでやるだけやりましょう。今回書いたメールをもう少しマイルドにするだけでいい。

この際、モンスターペアレントやヘリコプターペアレントと扱われるかも知れないことはあまり気にしないでいいと私は思います。何しろ、子どもが学校に行きたがらないレベルの状況にあり、かつ、加害行為を親も見ているわけですからね。総合的俯瞰的に見て合理的な範囲で暴れまわるのが正解です。こんなときPTAの役員になっていると色々やりようが増えます。

次に、娘さんがどうやったら友人Aの行為を問題と受け止めるかについて。私は自己肯定感が低いから問題視しないというより、単に、娘さんが大人しいだけとか、友達の概念をまだ認識していないとか、そういう感じかなと思いました。何しろ、自己肯定感の問題であれば親子がある程度愛情をかけているとそこそこ醸成できるものなので。というか、親が全面的に子どもを受け入れていれば(いつでも味方だったら)、それが幼少期に自己肯定感を育む最強の方法です。

どちらかというと、私が気になったのは共依存的な感じになっているところでしょうか。長いメールの中で娘さんに友人A以外の友達がいる気配が感じられなかったんですよね。もしかしたら、数少ない友達という感じだから、多少嫌なことをされても友達として相手にしないといけないと娘さんが思ってたりしないかなって。

色んな人間関係があり、また、嫌な人とは付き合わなくていいというのは、一つのコミュニティに所属しているだけでは理解しにくいところがあります。ということで、他の同級生との接点を増やすとか、たとえば習い事での交友関係を親が意識的にセットしていったりするといいと思います。視野が広がって、友人Aからフェードアウトしてもいいというのが自然と分かってくるかもなので。

いただいたメールを読む限りは、友人A自身が親から構ってもらえていない、十分な愛情を抱けていない状態にある、ある種の被害者だとは私も感じました。ただ、本人が被害者だからって自分の子どもに加害行為をしていいわけではありませんから、今後も娘さんを守ることを最優先に動かれるといいと思います。

以上、今日はこんな感じです。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。

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私は共感しなかったが、共感する人が確実にいるのは理解できるマンガ『A子さんの恋人』全7巻(近藤聡乃)

私はたまに小説や漫画のレビューを書きます。レビューを書いた後で、その本がAmazon経由で売れているっぽいので、レビューとしてそこそこ参考にしてもらえているようです。

今回は読者さんから紹介された、KADOKAWAのハルタで連載され、ちょうど最新7巻が先月10月に発売されて完結した近藤聡乃さんの『A子さんの恋人』のレビューです。

A子さんの恋人 1巻 (HARTA COMIX)

A子さんの恋人 1巻 (HARTA COMIX)

  • 作者:近藤 聡乃
  • 発売日: 2018/09/15
  • メディア: Kindle版
 

以下、読者さんからの紹介文。

斗比主さんがお好きになりそうかはわかりませんが…近藤聡乃さんの、A子さんの恋人という漫画をご存知でしょうか。

優柔不断なアラサー女子が2人の男性の間で揺らぐ話…とまとめてしまうと簡単なのですが、青年期の不安定なアイデンティティや、美大を背景に様々な関係性が描かれており、なかなか読み応えがあると感じます。

もしご興味があればお読みいただき、記事にしていただければ大変嬉しく存じます。

一読者より 

ハルタの漫画では、『乙嫁語り』と『ダンジョン飯』と『ヒナまつり』は好きですが、雑誌自体は手にとったことがなく(そういえばもう10年ぐらい漫画雑誌はまともに読んでいない。あの騒動のとき買ったぐらい)、『A子さんの恋人』は読んだことがありませんでした。今回、紹介してもらって読んでみました。

結論から書くと、私は登場人物や進み方にまったく共感を覚えませんでしたが、この作品がグサグサ刺さり、登場人物に共感する人が確実にいると理解できる作品だと思いました。

お断り

こういう風に書くと、「共感しないということはつまらないということか!」と怒る人がいると推測できるので補足します。

私が共感しないとしてそれ自体は作品の価値に何ら影響はしませんし(できないし)、この作品が好きな人を否定しているわけでもないですし、私はこの作品に深く心を動かされる人が存在していることは想像し理解できた上で、共感できるかと言えば私向きではない(not for me)と書いていることを理解してください。

以前に、映画『カメラを止めるな!』について、思ったより面白くなかった≒面白くなかったわけではない、と書いたら物凄く怒る人がたくさんいました。作品の批評と自分を重ね合わせ、作品が否定されたように見えると作品を好きな自分が否定された気がして反発するというのは、理路として大変理解できます。ただ、それを私にぶつけられてもあたなの問題であり私には関係ないので、ぜひ、その点はご自身の中で解消してもらえるといいかと思います。

と、長い前置きをした上で、なぜ私が共感を覚えなかったのか、また、なぜこの作品に共感を覚える人がいると理解したのかを書いていきます。ちなみに、キャラに共感できなかったものの話の進め方や絵柄や世界観はかなり好きだったので、その点も書きます。

なぜ私が共感を覚えなかったか

私が共感を覚えなかったのは、私が作中の登場人物のような悩み方をすることがなく、また、作中の登場人物のような恋人・友人関係を構築することがないからです。

読者さんの紹介文のように、この作品のテーマを一つ挙げるとすると青年期の不安定なアイデンティティと、そのアイデンティティが固まるまでの話というのがあると思います。

タイトルが『A子さんの恋人』で、以降、K子、U子、A太郎、A君、I子…と登場人物がみなアルファベットで登場するところは、名前の不確定さからアイデンティティが確立されていないということを示唆していると考えられます。最終巻で、これが変わるところも含めて。

A子さんの恋人 1巻 近藤 聡乃:コミック(電子版) | KADOKAWA

※1巻の出だしがまさにそこからスタート。試し読みできます。

私も高校生の頃に「自分の存在とは何か」と自問自答し、学校の往復のときには友人とも議論し、本や映画でも断片的に繋ぎ合わせ、最終的に「存在価値というのは、私に限らずどんな存在にも特段あるものではない。だが、価値がないとしても生きていてもいい」という結論に至ったことがあり、アイデンティティを考えることはありました。

アイデンティティに悩むということ自体は理解できるのですが、作中の登場人物たちの悩み方は、ごく限られた人間関係の中で、みんなでぐるぐる回りながら少しずつ解像度が上がっていくといった感じで、アイデンティティの確立のための原動力が他人にかなりあるんですね。

作中では、恋人同士では当然だし、友人同士であっても、登場人物は相手の人生にかなり踏み込みます。K子とU子は最初っからA子にガンガンにダメ出しをするし、4巻のI子のA子への凸っぷりは凄まじいものがある。A太郎も恋愛の域を超えて相当やらかす。

私は以前から書いているとおり、自分の感情・人生は自分のものであり、また他人の感情・人生は他人のものであると考えています。もちろん、他人から影響を受けることはあっても、他人から直接的な介入をされるのは好ましいと思っていませんし、自分は他人には直接的に介入をしないように気を付けています。

お金の話ができる友人は貴重 - 斗比主閲子の姑日記

私はそういうスタンスの人間なので、作中の登場人物たちのようなやり方は好ましいとは思わず、まったく共感しなかったというわけです。あとは、私は自分の生き方と恋人関係・友人関係はまったく別だと切り分けているんですが、作中の登場人物は生き方と恋人関係が一体化していたりするところもピンと来ませんでした。

話の流れは凄い、風景描写も良い

ちなみに、登場人物については正直共感しなかったものの、話の進め方や世界観はかなり好きでした。当初はそこまで伏線ではないように見えたものが絡み合って展開していくところは素晴らしいですね。4巻のU子の凸の流れは見事だった。

あと、東京の町並みに関する描写は、私が経験したことがないものでしたが、こういう世界があるのだと興味深く読みました。東京の上野?と阿佐ヶ谷?かな、よく出てくるのが。出てくるお店がお洒落!

最近だと『ブルーピリオド』は読んでますし、『はちみつとクローバー』『かくかくしかじか』も読んでいて、美大物というジャンル自体は、私が歩まなかった別の人生を見ているようで凄く楽しいです。

近藤聡乃さん自身が美大卒で現在北米在住ということもあり、この辺のリアリティは格段あるのだと思います。NYCを舞台に3巻で世界の酔っぱらい女たちが"クソ男"をネタに盛り上がるシーンは最高でした。

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※3巻p.144です。最高

この作品に共感する人がいるのは理解できる

私は登場人物たちに共感しませんでしたが、この登場人物たちに深く共感する人がいるだろうなと思って読んでいました。

実際、以下のように、「この作品に共感できる」「共感する人は多いのでは」と感想を書いている人がすぐに見つかりました。

A子さんの恋人|1991nen|note

そうそう、登場人物でいうと、登場人物それぞれに共感できるところが少しずつあって、そこも魅力に感じたひとつ。

A|⚪|note

ぼんやり生きてきたわたしの数少ない経験によって得た傷や痛みや喜びに、静かにではあるが確実に触れてくるものだった。きっとすべての読者はどこかじぶんをA子でありA太郎だと思いながら読んでいたに違いない。わたしもじぶんをA太郎だとおもったし、今もおもっている。

「A子さんの恋人」には私がいる|えいみ|note

読み手によってどの人物のどんな一面に、自分や親しい人を見出すかは変わってくるだろうけど、「あーわかる、この感覚!」ってなる人は多いんではないでしょうか。

作中の登場人物が実際にいるいるなキャラであり、また抱える葛藤というのも同様のものを抱えている人が結構いるということだと思います。

A子は物を持たないタイプだけどそれは自分にとって大切なものがないことの裏返しではないか、A子が自分が描く漫画の中で終わりを上手く書けないのはなぜか、リアルとどう関わっているのかというのは、漠然とした悩みとして理解できるところがあるだろうし、

何でもできるイケメンのA太郎は自身の何でもできる(が実際は何かをなし得てない?)ところへの葛藤があり、その他の、U子、K子、そしてI子にも、作中では自身の生き方への葛藤が描かれます。

私は共感しなかった人間関係の構築の仕方も、青年期において他人とぶつかりながら自らのあり方を作っていく経験をする人はいるだろうし、また、自身の悩みも作中雨のように定まっていくといいなと思い(願い)ながら読む人もいるはずです。

締め

以上、『A子さんの恋人』のレビューでした。

改めて作品と自分のレビューを読み直してみると、"共感"がこれほどキーワードになる漫画はそうそうないなと思います。共感の観点以外に、話の進め方、コマ割り、線の描き方がかなり独特で、マンガ表現として完成された作品であったというのも補足しておきます。

自身を構成する作品として凄く大事にしている人がいるだろうなと思い、最初にお断りを持ってきました。not for meはnot for youではないので、試し読みで少しいいなと思った人はぜひ最終7巻まで読んでみることをお勧めします。

どんどんドライブがかかってきますので。

A子さんの恋人 7巻 (HARTA COMIX)

A子さんの恋人 7巻 (HARTA COMIX)

  • 作者:近藤 聡乃
  • 発売日: 2020/10/15
  • メディア: Kindle版
 

※この表紙だけでどう結論が出たかを友達と話すのは楽しそう(我が家は夫婦でやりました)

「アルコール依存症」の人相手でなくても、話すときは「私」を主語にするのは有効

厚生労働省のサイトに掲載されていた依存症啓発漫画が話題になっていました。

依存症啓発漫画 第1話

全体的にとても良かったです。何が良いかって、アルコール依存症だけでなく、薬物依存症やギャンブル依存症も紹介されるなど範囲が広いのと、あるあるな誤った対処が優しく諭されつつ、嫌な人間が登場しないところですね。

現実はこんなに周囲に恵まれていることも必ずしも多くはないので、「こうはならないだろう」という感想を抱くこともあるんでしょうが、厚労省のサイトに掲載される漫画としてはこれが最適解だと私は思いました。

で、この漫画の中にアルコール依存症の人との接し方のTipsがいくつか紹介されています。例えば、邪険に扱うのではなくまず挨拶をしようとか、お酒を飲んでいないシラフのときに話しかけようとか、良い面も伝えるとか。その中の一つが、表題にある話すときは「私」を主語にしようというものです。

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依存症啓発漫画 第6話のp.15から

この主語を「あなた」にすると攻撃的になるから、「私」にすると攻撃的になりにくいというのは、確か水島広子さんの本でも紹介されていたと記憶しています。

女子の人間関係

女子の人間関係

  • 作者:水島広子
  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: Kindle版
 

※この本にも書いてあったけど、他のにもあったはず 

私も、「私」を主語にして書いたり、話したりするのは日々の習慣にしています。むやみに他人を傷つけずに、できるだけ自分に協力してもらうという功利的な目的からですね。

例えば、

「なんであなたは分かってくれないの!?」

は、

「私がこう考えていることを理解してもらえると嬉しい」「私の言いたいことが伝わっておらず困っている」

と言い換えたり、

「普通はそんなやり方はしない」

は、

「私はこういうやり方をしてもらえると嬉しい」

みたいに、主語を全部自分に言い換えちゃうわけです。私のブログでもしばしばこういう書きぶりにしています。無駄に敵を作る必要はないし、優しい文体のほうが読み手にもフレンドリーですしね。

この種のコミュニケーションに慣れた人、例えば我が家の子どもたちは親の手の内を完全に明かしているため、私から主語を「あなた」から「私」で話しかけられたときは、「きっと自分たちに何かお願いしたいことがあるんだろう」と思われることはありますが、それでも効果はしっかりあります。分かってたって、「あなたのここがダメ!」と言われるより、「私はこうしてもらえると嬉しいな」と言われたほうが気分は良いものです。

他に、シラフのときに話すようにするというのも、相手がイライラの真っ最中や超疲れているときやさめざめと泣いているときに、あえて相手にやってもらいたいことを話さないほうがいいのと考え方は同じです。

12時間外で働いて帰ってきて早々に「あなたの今朝のゴミ出しについてお願いしたいことがある!」というのは、相手に聞く耳を塞ぐとても有効な方法というのは、試した人、試された人からすればとても理解できるでしょう。

私が、家族の体をマッサージしながら、お願いしたいことを話すのをお勧めしているのもこれが理由です。一番相手が聞く耳を持つときにメッセージを伝えたほうが効率的です。私はよくパートナーや子どもの足をさすさすしながら、「やってくれると嬉しいことがあるんだよね」と伝えるようにしています。喧嘩腰で怒鳴り合うのは時間とエネルギーの無駄です。相手は正さない。

以前に、発達障害傾向のある児童向けの子育て方法は、発達障害の傾向がそれほどない子育てでも有効なところがあると紹介しました。同様に、依存症患者の人向けのコミュニケーション手法がそうでない人向けに有効なところはあります。

問題が起きているところ、簡単ではないところでは研究のリソースが費やされて、エビデンスがある対処方法が確立されますからね。完全なエビデンスはないとしても、特殊ケースから一般ケースに手法を応用して対応してみるというのは、まだ手がかりがあるだけ全然楽です。

「依存症なんて自分には縁が遠いな」と思っていても、もとの漫画で紹介されている内容は非常に多くの学びがありますから、 ぜひ読んでみてください。サイトで読みにくい、何度も読みたいということであれば書籍版もあります。

だらしない夫じゃなくて依存症でした

だらしない夫じゃなくて依存症でした

  • 作者:三森 みさ
  • 発売日: 2020/05/15
  • メディア: Kindle版
 

※読んでいて、線路に落ちた、痴漢をした私のアルコール依存症の知人を思い出しました。一緒にお酒を飲むのは私も共犯になりそうで怖かった

「毒親育ちという共通点があり戦友だと思った友人が変わってしまい、説教してやりたい自分が嫌いになりそう」

今日も一人小町(発言小町の一人版)です。同じ毒親育ちで意気投合した友人が変わってしまったというモヤモヤです。今日は短め。

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Q1. 毒親育ちという共通点があり戦友だと思った友人が変わってしまい、説教してやりたい自分が嫌いになりそう

トピシュ様こんにちは。

いつもブログを拝見しています。2回目になるのですがよろしいでしょうか。コロナ禍で外出できないときにスマホで片手間に読んでいただけると幸いです。

私は以前に『10年来の友達との縁を切ろうと思っていますが、正しいことなのかどうか悩んでいます。』という相談をさせてもらいました。

当時はありがとうございました。たまにメールを見返して自分を落ち着かせています。
その後はその友達(Aとします)とも特に連絡がくることもなくホッとした時間を過ごしています。

私のほうも以前はめちゃくちゃ悩んでいたAの子のキラキラネームを「そういう名前もあるんだな」と、ようやく受け入れることができております(しこりがないわけでもないですが)

今回は話をきいてもらいたくメールしました。

あれから時間をおいてたまにAと自分のことを分析していたのですが、前回のキラキラネームだけではなく、Aと過去にあったことがだいぶ尾を引いていたんだなということに気づきました。

その過去というのが毒親のことです。私とAはいわゆる毒親育ちで、学生時代はお互いに励まし支え合った戦友のような存在でした。ですがお互い社会人になってだんだんAが変わりはじめました。独立志向・海外志向があったのに、早く地元で結婚したいと言い出すようになりました。現在のAは前といっていることとやっていることが180度違うけど大丈夫なの?と言いたくなってしまうぐらいの状態になってしまいました。

余計なお世話だということはわかっていますが、それがAにモヤモヤしたというのが以前の相談でした。こういったモヤモヤを抱えていたので以前にあれだけごちゃごちゃしたことを相談してしまったのだなと今なら思います。

でも何年も前の友達の発言をいつまでも引きずるってあまりにもしつこいですよね。それにこんなAに説教してやりたい!矛盾を問い詰めたいといううるさい正義感の自分がでてきてしまって本当に自分が嫌いになりそうです。

そもそもそこまで私も偉くないし、Aの人生ですしね。こういうときってどうしたらいいんですかね。

たまたまSNSをのぞいていたらAと共通の友人のSNSがでてきてA関連の話題を久しぶりに目にしてなぜか不安になってしまいました。つい話をきいてほしくてメールしてしまいました。何か感想があったら教えてくれると嬉しいです。

ユミ

A1. モヤモヤを言語化できているだけで凄い!

今回はリピーターの方からのメールです。

前回のモヤモヤも今回のモヤモヤも受け取る人によっては、モヤモヤしている、このユミさん自体がおかしいと思う人はいるはずです。なぜならば、Aさんの子どもの名付けも、Aさんが変わったことも、ユミさんには何の関係もないですから。合わない友達がいたら付き合わないという選択肢はユミさんは持っている。

そういう発想は理解するものの、私は違う感想を持っていて、自分の中でなぜモヤモヤしたのかを言語化できているのがとても凄いことだなと思いました。特に、

でも何年も前の友達の発言をいつまでも引きずるってあまりにもしつこいですよね。それにこんなAに説教してやりたい!矛盾を問い詰めたいといううるさい正義感の自分がでてきてしまって本当に自分が嫌いになりそうです。

この辺が素晴らしい。説教したい、矛盾を問い詰めたいという気持ちを持っている自分を認識できている。人間が変わろうとする瞬間に立ち会わせていただけてとても嬉しい。

以前から何度も書いている通り、モヤモヤは心のなかにそのまま留めておくと、どう解決したらいいか分からないままで巨大化・複雑化していったりするものです。言葉にするだけで解決の糸口になるし、今回のユミさんは独力でモヤモヤの背景まで辿れてる。簡単なことではないですよね。

そもそもそこまで私も偉くないし、Aの人生ですしね。こういうときってどうしたらいいんですかね。

については、ご自身でこうやって言語化し続ければいずれはモヤモヤも晴れていくと思います。

直感的には、ユミさん自身がまだ毒親に育てられたことへのモヤモヤが解消しきっていないんじゃないのが根本にありそうな気がします。要は、Aさんの宗旨替えによって、自分の解決の糸口が途絶えたみたいに受け取って、Aさんを元に戻したい=自分の問題を解決したいと考えたみたいな?

毒親だろうが何だろうか、誰かへの怒りが発生するのは、相手の過失の大小関係なく、自分の心からなので、誰かに憤りを覚えたときは自分にとってどうしてそれが困るのかをよくよく分析していく(言葉にしていく)のがお勧めです。

今回は以上です。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。アドバイス希望でも大丈夫です。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。

問題の解決は自分だけでは難しいので、他人の話を聞くことや協力を得るのが大事だという当たり前の話

すごく当たり前のことだけど、みんながいつでも出来ているわけではなく、忘れがちな話を今日は書きます。私が私向けに後で読むための備忘録です。そんなの分かっている、not for meという人は、気軽にそっ閉じしてください。

問題の解決は自分だけでは難しいことは多々ある

人生では様々な問題が生じます。ゴミ収集所で我が家のゴミだけが回収されない、隣人の物音がうるさい、よく眠れない、会社の業績が奮わず給与が少ない、コーヒーが不味いなど様々です。

自身の問題の捉え方次第で、その問題が問題と見えなくなり、問題がない人生とすることは可能です。ただ、問題だと思え、解決したいと思うこともあるはずです。ゴミが回収されないとカラスが突きに来て地面に汚物が散乱しますし、コーヒーは美味しいほうが幸せでしょう。

問題への対処として自分一人でできることはありますが、えてして他人の協力を得る必要があります。

というのも、自分一人だと解決策が上手く思い浮かばないことがありますし、自分で思いついた解決策でも自分一人では時間やスキルやお金などが足りず上手く行かないことは多々あるからです。

ゴミ出しは実はふざけたことに町内会費を払っていなければ回収されないということは引っ越したばかりで地域住民から教えてもらっていなかったかもしれないし、美味しいコーヒーの淹れ方は自分が一から学ばずとも優れたノウハウを持つ先人たちはいるはずです。

問題は一人で必ずしも解決できるわけではないこと、今放置されている問題は自分が一人で解決できない、もしくは今の他者との協力関係では解決に制限があるということを理解していると、放置されたままになる問題がぐっと減ります。

他人と話すときのコツ

とはいっても問題解決方法を他人に頼ることは必ずしも簡単ではありません。「こんなことを聞いて失礼だと思われないか」「相手が答えを教えてくれるとは限らないのではないか」と思うからです。

失礼だとは思われないためには、自分が問題を抱えていること、その解決のための方法を知りたいということを前提として相手に伝えることです。問題があると感じている人を放置する人はそんなにいません。あとは、相手が置かれている状況も考慮し、相手に余裕があるときに話をするのは大切です。

相手が自分の求めている答えを出してくれないということはしばしばあります。ただ、それは相手の責任ではなく、自分の質問の仕方に問題がある可能性を考慮したり、その人以外の他の人に聞けばいいと気軽に考えるのも大事です。

どんなに賢い人でも自分が考えた仮説がすぐに簡単に辿り着けるわけではありません。また、一人に聞いてすぐに答えに辿り着くなんてことも必ずしもありません。

「ゴミ出しのルールを教えてください」ではなく「地域で暮らしていくときに困ったことがあれば誰に相談するといいでしょうか」とか、他の人に辿れるように質問するのはとても有効ですよね。その人が知る他の良く知っている誰かを紹介してもらえると、正解に辿り着く近道になる。

他者の協力には報酬で返す

自分で解決できない問題が多くあるようであれば、他者の協力には報酬で返すことを習慣化しておくと便利です。

報酬とは必ずしも金銭対価ではなく、感謝の気持ちを示すことや自分も代わりに何かを提供するということでもあります。いずれにせよ、何かを返すというのはとても意味があります。

当たり前ですが、自分が対価が得られないことを続ける人は少ないからです。「教えてもらった方法でコーヒーを淹れたらコクと旨味がとても良くなりました。今度、お茶会をしますので、ぜひお越しください。私の十八番のトウモロコシご飯で歓迎します」という感じで返せば、教えた方も教えた甲斐があると思うものです。

問題を感じることがそもそもなければ他人に頼る必要も、頼り続ける必要もなく、この辺の相手の機微を理解した応酬は不要です。ただ、他人に頼ることで自分の問題を少しでも楽にしたいということであれば、自分にできる報酬の提供をし続けることはとても意味があります。

締め

以上、当たり前のことですが、私が忘れてしなくなることもあるので備忘録的に書いておきました。後で自分で読み返すために自分宛てに書いています。

私は生きていく上で他人にできるだけ頼らずに自分だけで生きる力を得ようとしてきたため、自分でできることがあまりに多すぎて、自分の力を過信し、他人に頼ろうとしないことがしばしばあります。また、問題を問題と感じないようにするように意識をシャットダウンすることもしばしばやります。

しかし、たまに出来ないことにぶつかって「なんでできないんだっけかなー」と余計な時間を費やすこともたまには起きるので、そういうときのために他人に頼ることや、頼る上で相手を尊重することがいかに大切であるかということは、意識しておきたいなと思っている次第です。

今日はこんなところで。

「母子家庭で親から経済支援が得られない無職な私に、ズケズケとお金の話をしてくる友人は、私にマウンティングをしているのか」

今日も一人小町です。友人からの無遠慮なお金の話はマウンティングかどうか判定してほしいというものです。最初のメールに対して少しヒントをもらってからブログで回答をする形式となっています。

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Q1. 大学からの友人の無遠慮な質問にモヤモヤ

 

斗比主閲子さん

はじめまして。サツキと申します。いつも楽しくブログやTwitterを読んでおります。

斗比主さんのブログでモヤモヤ募集されているのを拝見してメールしました。モヤモヤを吐き出すのは初めてで読みづらいかと思います。ご容赦ください。

◆概要

大学からの友人A子の行動がマウンティングに思えてモヤモヤしています。経済的にもA子は恵まれているように思えますが、理解が及ばない部分があります。よろしければ、斗比主さんには、

1. マウンティングか判定してほしい

2. 今後どう付き合うかアドバイスしてほしい

3.(できれば)相手の心理について解説してほしい

をお願いしたいです。

◆自分について

アラサー独身です。現在無職で求職活動は難航しています。母子家庭で親と折り合いが悪く経済的にも頼れません。

◆A子について

A子とは大学の同期です。名家の子供で有名正社員、独身です。裕福な家庭で育ち、話している感じやSNSなどから見るに今でも暮らしぶりは良さそうです。

◆もやもや

大学の頃からお互いの階層が違うのは承知していました。こちらが嫌な気分になることは分かりきっているので経済的な話はせず、同じ趣味の友人として付き合ってきました。

ですがここ数年、具体的な金銭面の話を振られるようになりました。給与はいくらか、親から援助は受けているのか、無職で大丈夫か、などです。こちらの家庭環境を知った上で探ってくるのにうんざりします。

また、最近のA子からは趣味に散財する話が良くあり(数十万円~数百万円)、親からは経済援助をしてもらっているようです。昔からA子は同様のお金持ち散財自慢?をしていました。

学生時代はA子の方が私より成績が悪かったから多少自慢できることがないと可哀想だろうと思い気にしないようにしていました。ですが社会人になってしばらくした今では限界です。

今はSNSをミュートして距離を取っています。A子の行動はマウンティングでしょうか? それとも私が気にしすぎているだけでしょうか?

趣味の話だけをするなら楽しい相手なので、今後は距離を置いてなら付き合いたいと思っていますが難しそうだと思ってしまいます。

コロナ禍の折、斗比主さんに色々お願いしてしまい恐れ入りますが、アドバイスいただければ幸いです。

どうぞよろしくお願いします。

サツキ

A1. ご友人が鬱屈しているか情報をください

 

サツキさん

メールありがとうございます! ほっこりしますね!!

ブログに掲載しつつ回答はしますが、回答の確度を上げるためにいくつか教えて下さい。

① A子さんにはサツキさん以外にお金の話を話せる友達はいそうですか?

② A子さんには結婚願望はありますか。また、周辺で最近結婚した共通の知人はいますか?

③ A子さんはプライベートが充実してそうですか? 親子関係は良さそうですか? 親のことをいい親としてサツキさんに話しますか?

それぞれの回答がNo, Yes, Noであれば、かなりの確率で本人が人生に鬱屈しており、サツキさんへのマウンティングしている可能性は高く、また、距離を取ったほうがいいです。

topisyu

Q2. それほど辛い状況ではないかも

斗比主閲子さん

ほっこりしていただいて嬉しいです!難産の甲斐がありました!

おかげでだいぶすっきりしました。モヤモヤを文章化するのは大事ですね。

①A子さんにはサツキさん以外にお金の話を話せる友達はいそうですか?

不明です。共通の友人とはもっと踏み込んだ距離感なのでするのではないかと思います。

② A子さんには結婚願望はありますか。また、周辺で最近結婚した共通の知人はいますか? 

結婚願望→Yes、共通の知人の結婚→No。婚活パーティーに一緒に行こうと誘われました。引き立て役になるのは御免なので適当に理由をつけてお断りしました。共通の友人は皆独身です。

③ A子さんはプライベートが充実してそうですか? 親子関係は良さそうですか? 親のことをいい親としてサツキさんに話しますか? 

Yes/No半々。A子は多趣味ですが、他人と比較して自虐する言動が見られます。自分から見れば、劣等感を解消しようと注ぎ込む→SNS上で自虐→自己肯定感が下がるスパイラルに陥っているように見えます。

親子関係は悪くはなさそうです。母親のことはいい親として話しています。喧嘩や愚痴などはあまり聞いたことがありません。同年代の子の親より年上、教育熱心な人とだけ聞いています。

改めて関係を見直してみたら距離置き推奨案件ですね。

お手数ですが、よろしくお願いします。

サツキ

A2. マウンティングではなく、単にそういう人でしょう

 

ということで、ここまでがメールのやり取りでした。その上で、ご質問に答えると、

1. マウンティングか判定してほしい

についてはマウンティングだとは私は思いませんでした。昔からキャラが変わっていないようですし、A子さん本人が特に辛そうな(他人に不機嫌をぶつけるような)状態ではないように見えるためです。

ずっと前から経済的な話に無遠慮だったのでしょう。なので、特にサツキさんが無職で辛い状況であることで余計に無遠慮さが気になるというのが私の見立てです。

2. 今後どう付き合うかアドバイスしてほしい

趣味の友達付き合いをこれからどうしたいか次第でしょうね。すでにサツキさんご自身が決められているように、趣味の話に集中してSNSはミュートにするといいので私は違和感ありません。

相手の問題ではなく、自分の問題だとすれば、自分がA子さんと以前と同様にコミュニケーションができるようになるまで距離を取るのも別段おかしなことではないと私は思います。

その上で、

3.(できれば)相手の心理について解説してほしい

相手の心理を深堀りしてもあまり意味はないと思いますが、サツキさんの経済状況に対して無遠慮に踏み込むのは、他人の色恋話をナチュラルに聞き出そうとする人がいるのとほとんど変わらないというのが私の見立てです。本人にとってお金を使う話は当たり前でよくするものだから、サツキさんがどうやってお金が使えない中で生活できているのか疑問であり、ナチュラルに質問しているのでしょう。

悪意があればまだ溜飲が下がることもできるんでしょうけどね。本人は家族から愛されていて、結婚にもそれほどあくせくしておらず、サツキさん以外にもお金の話ができる(分散が効いている)ということだと、サツキさんをわざわざ悪意で追い詰める意図はないんじゃないかと思います。

こんなところでしょうか。

いずれにせよ、自分がコミュニケーションをしたくない相手と無理に関係を続ける必要はないし、話してほしくない話はしないとシンプルに伝えてリアクションを待つのでもいいかと思います。

締め

というわけでマウンティング判定の結果、今回は限りなく白という結論でした。

人によっては黒だと思う人もいるでしょうし、黒だと思ったほうが気が楽なときもありますけど、そんなことはどうでもよくて、他人が意図があろうがなかろうが、自分が付き合いたくない人とは距離を取るのが正解ですよね。

あとは、目の前の人が気になるのは自分が他に逃げ場がないときということもありがちなので、自分が認められる居場所を複数作っておくのも有効です。金融資産をポートフォリオに分散するのと同様に、人間関係も分散効果を狙って色んなところに構築しておくといざというときのリスクヘッジになります。

今回は以上です。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。アドバイス希望でも大丈夫です。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。

「ネット上で他人の愚痴を聞くときのコツを教えてほしい」

家に引きこもりでみなさん辛いでしょうから、他のみなさんのほっこりエピソードでも共有できればと思いまして、

こんなTweetをしましたら、早速いただけました。第九弾です。

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読者からのほっこりエピソード

斗比主閲子様

はじめまして、いつもブログ拝見しております。ご無沙汰だったほっこりエピソードも増えてきて更新を楽しみにしています。

早速ですが、愚痴の聞き方に関してアドバイスいただけると幸いです。ただ、斗比主さんの好みに合わなければスルーいただいても大丈夫です。(返信も不要です)

簡単に状況をまとめます。ほっこり話でなく恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

自分:30代半ば男性 (会社員)

相手:男子大学生 (ツイドル、頭の回転は早い)

状況:Twitterでのやり取り

関係性:自分が相手を狙っている感じ (いわゆるLGBTのG同士です)

状況の詳細:DM中で彼から、愚痴を聞いてほしいとの話があり、株を上げるチャンスを逃したくなく(彼に)メールしました (笑) 相手のポジションを考えると上手くいくかはわかりませんがw 

斗比主さんの愚痴の聞き方に関するご意見をを伺えるとありがたいです。

私自身は会社の人間や同居人(G)の愚痴を面と向かって聞くことはありますが、Twitterならではのコツもあったりするのでしょうか? Twitter歴が浅く、申し訳ございません。

ほっこりも交えつつ、幅広い話題の提供を今後も楽しみにしています! 投資話も待ってます!

一読者より

斗比主閲子からのコメント

メールありがとうございます!

本題に入る前に、ブログで一人小町(一人で発言小町みたいなことをする)がご無沙汰だった理由を説明すると、私がフェイクを入れてメールを送ってくれた人に掲載の許可を取るまでがかなり手間がかかって、私の心が折れていたからです。

というわけで、今回は、フェイクをご自身で入れていただくか、フェイクを私に一任してくれる形で、省エネモードでモヤモヤを紹介しています。

それで、モヤモヤというかご相談はネット上(Twitter)で愚痴を聞くときのコツですね。

愚痴を聞くとき一般としては、

  • 聞く側は暇つぶし感覚で聞く
  • 相手の言動を否定も肯定もしないで、受け止める
  • アドバイスは求められない限りはしない

が基本として、ネットならではなところは、

  • 相手が書いていることでポイントだと思うところを引用する
  • リアクションの頻度・文量を一定に保つ

とかですかね。

引用は、以下の部分に、

株を上げるチャンスを逃したくなく(彼に)メールしました (笑)

「勇気を出したんですね!」とか簡単に反応をする。これネガティブにやられると辛い人は多いんだけど、自分の言葉を受け入れる方向で反応してもらえると地味に嬉しいんですよね。

リアクションの頻度・文量を一定にというのは、相手が20字×2回語ってきたら、こちらは10字×1回返すみたいなのを安定的に対応していくということです。

こちらは愚痴の聞き手ですから話し手がメインだとして、聞き手のリアクションに安定感があると、話し手は安心感を得られるんですよね。聞き手が突然饒舌になったり、無反応な時期があったりすると、話し手は面倒になったり不安になったりしますから。「うん、うん」「そうだよね」ぐらいの相槌を一定の頻度で返してもらえると、それだけでかなり気が楽になります。

特に、今回はお互いに関係性が乏しい者同士のようですし。

基本はリアルと同じだけれど、コミュニケーションが記録されやすいというのがネットの特徴なので、そこを意識して、自分に負担にならない範囲で愚痴を聞く感じでしょうか。

今回は以上です。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。

「私の話を遮ったり、知り合い多いアピールをしてきたりするママ友。私はマウンティングされている? それとも気のせい??」

家に引きこもりでみなさん辛いでしょうから、他のみなさんのほっこりエピソードでも共有できればと思いまして、

こんなTweetをしましたら、早速いただけました。第六弾です。

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読者からのほっこりエピソード

斗比主閲子さま

はじめまして。

私は子持ち共働き、現在育休中の30代女です。

友人関係のもやもやについて客観的な感想、ご意見を頂きたくメールをお送りしました。

ママ友グループでの人間関係がストレスになっています。

ある一人の方が、私の話の途中なのに自分の話をしたり、自分の方が他の方と親しいという事をさりげなく会話に盛り込んできたり、私が保活に苦戦している最中に専業主婦を育休中と偽って保育園の申請をしようとしたりと、私に対して優位に振る舞おうとしている様に思える行動をしてきます。

私はその方と距離をおきつつ他の方とは付き合いを継続したいのですが、彼女が積極的な性格のためグループで一緒になることが多く、そのたびに彼女の行動には辟易してしまいます。

ただ、これらの行動が意図的に思えるのは、私の考えすぎなのではないかとも思います。実際に周りの方からの彼女の評価は特に悪くないようですし、私がグループ内の人間関係に固執し過ぎているのかもしれません。

少なく、主観に偏った情報で申し訳ありませんが、斗比主さまは私の持つ彼女への視点についてどう思われますか?

第三者委員会的視点から忌憚なきご意見を頂けると幸いです。

一読者より

斗比主閲子からのコメント

このブログを読み始めて日が浅い人はよく分からないでしょうが、「第三者委員会の調査報告書を紹介する」というのは、このブログの人気コンテンツの一つです。東芝の粉飾から聖マリアンナ医科大学の不正入試まで幅広く扱っています。

第三者委員会 の検索結果 - 斗比主閲子の姑日記

それは置いておいて、ママ友グループのある人(「Aさん」とします)が不愉快に感じるけれど、客観的に見てAさんがおかしいのか、はたまたこの読者さんがおかしいのかを判定してほしいというご依頼ですね。

ご自身が書かれている通り情報が限定的であるため確実かは分かりませんが、私の読んでみた印象はこの読者さんの考えすぎの可能性が高いと思います。

具体的に説明しますね。

まず、Aさんは、

彼女が積極的な性格のためグループで一緒になることが多く

ということですから、積極的な性格であれば、 

ある一人の方が、私の話の途中なのに自分の話をしたり、自分の方が他の方と親しいという事をさりげなく会話に盛り込んできたり、

他人の話の途中で遮ることもあるだろうし、他人と親しい関係を持っている(からそれを人に話す)ことも多いでしょう。

加えて、

私が保活に苦戦している最中に専業主婦を育休中と偽って保育園の申請をしようとしたりと、私に対して優位に振る舞おうとしている様に思える行動をしてきます。

というのも、Aさんが保育園の申請をするために育休中と偽っているのが、この読者さんに対して優位に振る舞うことを目的とするというのも普通だと繋がりません。

また、周りの意見も、

実際に周りの方からの彼女の評価は特に悪くない

ということですし。本当にこの読者さんに対して特別にマウンティング的な振る舞いをしていたら周りも気付く可能性はあります。

後は、ご自身が想定している、

私がグループ内の人間関係に固執し過ぎているのかもしれません。

というのも、たぶんそうだろうなと思いました。これは、

私はその方と距離をおきつつ他の方とは付き合いを継続したいのですが、彼女が積極的な性格のためグループで一緒になることが多く、そのたびに彼女の行動には辟易してしまいます。 

ここから思ったことです。

ママ友の人たちは、Aさんがいる場所で常に会話をしているわけではないでしょうし、この読者さんからしてもAさん以外の人に、そのグループ外で直接会話をすることもできます。同じグループということに拘りを持ちすぎている印象を受けました。

なので、私の見立てとしては、楽しいグループラインでちょっと合わない人がいるぐらいが実態なのではないかという感じです。仮に、Aさんが意図的に嫌がらせをしてきているとしても、本格的な嫌がらせからすれば可愛いものです。

もちろん、この読者さんがご本人として嫌な気持ちになっている事実は別におかしなことではありません。嫌な感じがするのは否定するものではなく、口に出したほうがいいですよね。

蛇足で、ママ友グループ一般について補足コメントをすると、

  • ママ友グループというのは人間関係が密になりすぎた結果、疑心暗鬼がすれ違いに繋がり険悪な関係性が生まれることはしばしばある
  • 特に子どもが小さいうちは、子育てのストレスから他人の言動についてセンシティブになりがち
  • 一つのグループや一人の友達に依存すると距離感が上手く取れなくなるから、複数の関係を作るのが良い

といった感じに私は考えています。

子どもが小さい頃は、私は3つ目を特に意識しました。仲良しグループというのは極力作らず、一対一の関係とか一期一会の関係を意識的に作っていました。仕事や育児で疲れているのに、友達付き合い程度でストレスを感じたくなかったので。

今回は以上です。

これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。

なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。

友達から「フェミニストが苦手」と言われたら、なんと言えばいいか

こんな記事を読みました。

友だちが「フェミニストが苦手」と言った|藤岡みなみ|note

あれから、少しもやもやしている。彼女になんて言ったらいいんだろう。友人に対してというより、言語化できない自分に対してのもやもや。この機会に自分の中で整理してみたいと思った。

私が友達から「フェミニストが苦手」と言われることはあんまりない気がしますが、もし言われたとしたら、どんなリアクションをするか、シミュレーションしてみました。

Bridges Not Walls Banners Edinburgh

※気付けば隣人愛を持っている気がする

特に何も言わず受け止める

私が友達から「フェミニストが苦手」と言われたら、「へー、そうなんだ」ぐらいのリアクションをして特に大きなリアクションは自分からはしないと思います。淡々と受け止めるはず。

これが「ホワイトチョコが苦手」とか「ダークナイトが苦手」とかでも同じですね。苦手であろうが好きであろうが、他人が何をどう感じるかはその人の自由であり、他人が介入できるものではないから。

だから、淡々と受け止める。

私のリアクションを期待しているか確認する

ただ、何の脈絡もなく、自分が苦手なものを私に対して開陳するというのもおかしな話ですから、「フェミニストが苦手」とわざわざ言うのであれば、私のリアクションを求めているとも考えられます。

なので、文脈や相手が「苦手」と言っているときの表情を見て、それが独り言ではなく、私に何かリアクションを期待している気配があれば、「そうなんだ、苦手なんだ。何かきっかけとかあるの?」みたいな感じで少し深堀りするはずです。

それで立て板に水のように何か話をしてきたら、それも只管に聞きます。「あなたはどう思うの?」と質問されることがなければ、自分の意見は言いません。

どう思うか?と問われたら……

仮に、私に「あなたはフェミニストをどう思う?」と問われたら、

「私の理解するところだと、フェミニストは一人一派ということだし、ソフトなところからラディカルなところまで幅広いから、フェミニスト一般をどう思うとかはないかな。私自身はソフトなフェミニストだとは思う。東大の女子率の低さや医学部入試の女性不正や日本の女性に不利な労働慣習とかはどうにかしたいと考えているしね。インドで女性の権利が侵害されがちなのも以前から注目しているし」

みたいな感じで、私のスタンスを説明するでしょう。

私はその友達と自分のスタンスと相手のスタンスを戦わせたいとは思わないので(大体お互いに相手を変えられることはないと分かっているので)、「苦手だ!」という人に対して「どうして苦手なのか!?」「私は苦手なのはおかしいと思う!!」などという喧嘩になるようなコミュニケーションはしないはずです。

私もアラフォーですしね。他人をオルグしたいとか、思想信条の違いでもって相容れない人間と絶交するなんてことはまずやりません。公明党への投票のお願いだって華麗に躱すぐらいのことはできます。

もちろん、我が家の年収を無作法に聞いてくる輩や、PTAを混乱の渦に巻き込むようなモンスターみたいな人であれば、徹底的にやりますけど。

もし子どもに言われたら

ちなみに、友達なら上に書いたようなリアクションですが、子どもなら違うでしょうね。たぶん、積極的に背景を聞こうとするはず。子どもが親である私に言ってきているとしたら、何かのアピールと考えられますから。

私はまだまだ日本は女性差別が残っていると考えていて、日々の公私で差別を減らすために出来ることはしているつもりです。子どもにも差別には加担してほしいと思っていません。

だから、「フェミニストが苦手」が「女性の権利が向上しなくてもいい」ということを背景にしているとしたら、日本で女性が置かれている状況を本人が嫌がらない限りで説明するはずです。私の世代で女性の管理職割合を5割にするのは難しいけど、私の子ども世代ではぜひそうあって欲しい。

あとはフェミニストと言っても色んな人がいますから、色んなフェミニストがいるということも伝えられたらいいですね。

もう6年前にもなるエマ・ワトソンさんの国連でのスピーチ。彼女が無自覚なフェミニストたちのおかげで不利を被ることなく生きられたと言っているように、

Emma Watson Gender equality is your issue too | UN Women – Headquarters

These influencers were the gender equality ambassadors that made me who I am today. They may not know it, but they are the inadvertent feminists who are changing the world today. And we need more of those.

And if you still hate the word—it is not the word that is important but the idea and the ambition behind it. 

(中略)

If you believe in equality, you might be one of those inadvertent feminists I spoke of earlier.

And for this I applaud you.

We are struggling for a uniting word but the good news is we have a uniting movement. It is called HeForShe. I am inviting you to step forward, to be seen to speak up, to be the "he" for "she". And to ask yourself if not me, who? If not now, when

私も一人の、ちょっと自覚のあるフェミニストとして、自分ができる少しのこと(仕事・自治会・PTAでのセクハラを咎める、子どもの性差で進路を妨げない、医学部入試での女性・浪人差別が再発しないか注目すること等々)は、これからもやっていきたいので。

いつも言っている通り、家庭内トラブルの50%は男性の過重労働をどうにかすれば解決できると考えています。女性が生きやすい社会は男性にとっても生きやすい社会(である側面がある)ですから。

締め

というわけで、真正面から問に答えてみました。

ちなみに、主題じゃないので多くは触れるつもりはありませんが、もとの記事の人が友達の発言にモヤモヤしたというのは、私の拙い推測では、フェミニストである筆者さんが「フェミニストが苦手」として友人から攻撃された印象を抱いたが、その場では有効な反論・主張できなかったということかなと思います。

自分の考えを否定されて、その場で有効な返しができないというのは辛いですからね。後になってでも相手に伝えたり、そのときどう言いたかったかを表現したりするというのは、モヤモヤの解消としては有効です。

以上です。以下、余談です。

いよいよ投資家の恐怖心がピークに達しようとしてますね。

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Vix-Index

この後半年ぐらいはジェットコースターみたいな相場になりますから、現時点で怖くて怖くてたまらない人は、レバレッジのポジションでも取っていないようであれば、最低あと1年ぐらいは株式市場を見ないようにするのがお勧めです。100万円ぐらいの生活防衛資金はありますよね?

私はいつものように美味しいケーキを食べながら、アセットアロケーションを調整していくつもりです。

ではでは!