はてなの姑こと、id:kukkyさんがこんなTweetをされていました。
数値の設定がいろいろおかしいため発言小町なら即釣り判定されてるところだが、毎日新聞は検閲ユルいんだなあ / “一極社会:結婚「コスパ悪い」 「恋愛の価値」低下 - 毎日新聞” http://t.co/eXv0oMb742
— くっきー (@kukkyx) 2015, 5月 7
早速元記事を確認してみたところ確かに数値の設定がイマイチだと思いました。
公務員4年目で手取り月額40万円って高すぎない?
該当箇所はこちら。
一極社会:結婚「コスパ悪い」 「恋愛の価値」低下 - 毎日新聞
「結婚にはメリットがないと思うんです。だって、コスパが悪いですよね」。都内在住の公務員、佐々木健一さん(26)=仮名=は、コストパフォーマンス(費用対効果)の略語を使って、結婚しない理由を冗舌に解説する。「きれいでかわいい人といられるのはプラス。ただ、きれいというのは年々下がるし、特定の相手に一生縛られ続けるのはマイナス。2人分の生活費もかかる」
(中略)
手取りは月40万円弱。22平方メートルの手狭なワンルームマンションの家賃は約8万円で、最低限の自炊によって食費は3万円程度に抑える。光熱費も1万円ほど。友人とのカラオケ代は惜しまないが、服装は大手衣料チェーンでそろえ、貯金は200万円を超えた。
都内在住で26歳の公務員の手取りが月40万円弱というのはかなり高いですよね。税金等を引く前の額面で言えば月50万円ぐらいになります。
ご存知の通り、公務員の給料というのは基本的に年功序列です。東京都では大卒、一般行政職、10年目で、平均給料月額は28.7万円です。仮にこの佐々木さんが一般行政職だったら4年目ですから、給料は月25万円ぐらいでしょうか。そうだとすると、深夜残業手当等を加味しても100時間ぐらい働かないと月収50万円にはなりません。それだけ働いていればお金を使う機会もかなり限定されそうです。
(図4)職員の経験年数別、学歴別平均給料月額の状況(一般行政職) (25年4月1日現在)
※画像は、都職員の給与の状況(第33回)の概要|東京都より
そうでない場合は、自分がフォローしているid:manotchさんもコメントされていますけど、
恋愛の価値低下、結婚コスパ悪いの毎日の記事。確かに手取り40万の公務員、貯金200万の26歳青年の設定が気になって内容どうでもよくなってしまうな。何公務員設定か。医療系か?
— るか (@lukeolu) 2015, 5月 7
医療系だったら確かに公務員でも給料は高い可能性があります。
残業代で稼いでいるか、医療系なのか、どちらかは本文からは分かりませんが、ちょっと特殊なケースを使うと引っかかる人が多く出てしまいます。本筋の話をちゃんと理解してもらいたいなら、もう少し普通の給料の人を紹介したほうがいいと思います。
手取り月額40万円弱なのに貯金200万円というのは逆に少ない?
ちなみに、kukkyさんは更に貯金額と支出の明細にも突っ込んでいます。
26歳の公務員で月収40万円弱貰えるのはどんな職種なのか。なのに貯金200万円。ここもおかしいけど、家賃8万食費3万光熱費1万と、これだけ明細あげてるわりに今どきの若者がいちばん金掛けてそうな通信費に対する言及がないのかあwwwww
— くっきー (@kukkyx) 2015, 5月 7
さすが、発言小町購読歴が長いだけありますね。いやらしい細かさ。
実際、挙げられている支出は合計して12万円にしかならず、他に遊興費があったとしてもせいぜい月の支出総額は20万円ぐらいでしょうか。月で20万円弱は貯められますから、公務員のボーナスが月額4ヶ月程度あることを考慮すると、年間で300万円ぐらい貯金できてもおかしくない。
本文では、"貯金は200万円を超えた。"としていますから貯金額200万円は記者としては多いと考えたんでしょうが、手取り40万円弱という設定をちゃんと理解していれば、この貯金額についてはちょっと少ないと思ってもおかしくないんですけど。
なお、kukkyさんには"服装は大手衣料チェーンでそろえ"というところにもコメントをして頂きたかったですね。何しろ、画像を見ただけでその服がユニクロかどうか分かる人ですから。
物価の高さでもって地方移住をお勧めするのは・・・
なお、記事自体の締めとしては、
東京の住みにくさの一つでもある物価の高さ。総務省の小売物価統計調査によると、東京の消費者物価地域差指数(13年)は全国平均の100を上回る105・2に上り、とりわけ、家賃(指数132・8)が高い。給料が低い若者にとって結婚、出産、子育てを見据えると、地方に目を向けるのも、うなずける。
地方移住をお勧めしているような感じになっています。
家賃が高いのはその通りでしょうけど、都道府県別の平均年収みたいなものを見れば東京都はダントツですし、
有効求人倍率も最近は1.6倍~1.7倍ぐらいでこれも一番です。
今はかなり景気がいいですけど、それでも有効求人倍率が1倍を切っている地域もありますから、東京vs地方みたいな構図を作って、地方を持ち上げるのは、結構罪作りなことになることがあります。本当に自治体ごとで違いますからね。
締め
特に締めのコメントはありません。余談はあります。お好きな人だけどうぞ。
余談
結婚しない理由を饒舌に語る、件の月額手取り40万円弱の佐々木さんは、
「きれいでかわいい人といられるのはプラス。ただ、きれいというのは年々下がるし、特定の相手に一生縛られ続けるのはマイナス。2人分の生活費もかかる」
結婚のデメリットとして2人分の生活費がかかることを挙げています。
この点については、子無し共働きのDINKSなら住居費負担や食費負担も軽減できますから、もう少し広い目で結婚を考えてもいいんじゃないかなと思ったりします。扶養等のメリットを享受する必要がないなら事実婚でもいいですし、そもそも結婚しないで、ルームシェアするでもいいですよね。
それと、元記事の落とし所としては、
4月に長野県内で開催された「農業婚活バスツアー」に参加した東京都杉並区の会社員(32)は「物価が高い東京では、いくら働いても、その分使って何も残らない。子育てを考えると、地方の方が地域で子どもを育てる雰囲気があると思う」と話す。川崎市のシステムエンジニア(37)は「稼げなくなっても、農業なら食べていける。結婚したら田舎に住みたい」と割り切る。
地方移住の上で、こういう農家の嫁になるところを持ってきているようにも読めます。
これも、いいことだけではないというのは先達者が多数いらっしゃいますから、地方創生・女性活躍路線で作られたような記事をそのまま鵜呑みにせず、経験者の言葉も部分的に参考にしてみるのもいいんじゃないかなと思ったりします。
発言小町内検索 : 『農家の嫁』発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
さすがに発言小町を紹介して終わるのもどうかと思いますので、他に思い浮かぶものを挙げると、『のだめカンタービレ』がよく知られている二ノ宮知子さんが農業漫画を描かれていますね。これはかなりライトな內容。
後は、『銀の匙』のほうが有名でしょうけど、荒川弘さんはコミックエッセイとしてご自身の7年の農業体験を綴られています。こちらは冗談みたいだけど比較的重め。
この分野はかなり深い話があります。思うところがあるところがある方はぜひコメントをしていって下さい。