斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

結婚式に職場関係者を招待するのは迷惑か否か

発言小町で新婦(予定)がアンケートを取っていました。

これが本音なんでしょうか? 新婦 2015年4月2日 23:37

6月に結婚式を控えた30歳です。
昔からのあこがれで、華やかな結婚式を予定しています。

もちろん、職場の上司や同僚にも出席してもらいます。
みなさん笑顔で「おめでとう」と出席を了承してもらっていたのですが。


ある日、私が用事で席を外したとき、予定以上に早く戻ってこれたので戻ろうとすると、
部屋から上司と同僚の会話が聞こえてきました。
私に関することだったので、つい立ち聞きしてしまったのですが、

内容は、私の結婚式が迷惑だというものでした。

(中略)

いたたまれなくなって、トイレで泣いてしまいました。

結婚式のような華やかなおめでたい場所に招待されるって、嬉しいことだとばかり思っていました。
だから職場の人達も喜んで参加してもらえる。
ご祝儀の相場よりもはるかに高い金額を使ってもてなすつもりだったのに、いきなり目の前が真っ暗です。


職場の人の本音って、こういうものなのですか?
それとも私の職場が特殊なのでしょうか。

みなさんのご意見をお聞かせいただきたいと思いトピを作らさせていただきました。
よろしくお願いいたします。

皆さんはどう思われますか?

 

発言小町のレスはツッコミの嵐

このブログの読者であれば大半の人は想像できるでしょうけど、発言小町ではほぼ全員、職場で結婚式に招待されるのは迷惑であるという回答です。過去自分が経験した式を思い出してこのトピでトピ主さん相手に鬱憤を晴らしているレスもちらほら。

トピ主さんの相談分で特にツッコミが多い部分としては、

みなさん笑顔で「おめでとう」と出席を了承してもらっていたのですが。

ここについては、仕事の付き合いである以上、表面的には了承するものであり、本音と建前も分からないのかという指摘があり、

結婚式のような華やかなおめでたい場所に招待されるって、嬉しいことだとばかり思っていました。

ここについては、30歳にもなってまだそんなお子様の認識なのかというコメントが多数されています。

 

結婚式に招待される職場関係者の心理

結婚式というのは当の本人たちにとっては特別なイベントですけど、周りからしたら必ずしもそうではないんですよね。

家同士の結婚ということで親類縁者であれば多少関係はあるものの、仕事関係者からすれば誰と結婚しようが別にどうでもいいものです。結婚式に招待されれば、平均3万円のご祝儀が必要ですし、せっかくの休日を半日ほど空けなければならないし、服装も気にかけなければならない。場合によっては挨拶や出し物をしないといけなかったりする。結婚式を挙げる人と自分との関係性とこれらのデメリットを天秤にかけるわけです。

結婚式に招待されるのは大体式の半年以上前だから、普通はスケジュールは埋まっていません。そうするとスケジュールの都合では断れない。断ると角が立つから仕方なく参加することになる。結果、自分で選択したことではなく、ほぼ強制参加ということになり、モヤモヤする。

招待される職場関係者の心中としては、こんな感じでしょうか。これが初めて参加する結婚式だとか、その結婚する同僚が自分とかなり親しいということであればまた話は違ってくるんですけどね。

ちなみに、昔は結婚しないと出世ができないとか、職場の上司は式に呼ばないと失礼にあたるとか、個人の結婚は会社側としてもプレッシャーをかけていた時代がありました。まだいくつかの会社や個人の中にはそのイメージが残っていて、新郎新婦(や両親)としては職場関係者を仕方なく招待するというのもあると思います。

 

職場関係者の招待者数は増えているけど減っている?

それでは実数として職場関係者の招待者数は減少しているのでしょうか。

今時の結婚に関しての情報源といえばゼクシィです。ゼクシィは毎年調査を行っているのですが、それによれば全国平均で見た時には職場関係者の招待者数は増えているように見えます。親族は逆に減っている。

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※画像は、ゼクシィ『結婚トレンド調査2014』より

これだけ見れば職場関係者の招待者数は増えているのだから招待することについて何を躊躇するものかと思われるでしょう。ただ、ゼクシィのこの結婚トレンド調査はそもそも母集団に罠があるんですよね。母集団は、ゼクシィ読者で、1年間に式や披露宴やパーティをした人限定です。

ご存知の通り、日本においては婚姻率は長期的に減少傾向であり、婚姻していても式を挙げないカップルも増加しています。下の統計でも分かると思いますが、結婚式場業に対する調査では取扱件数がここ15年で50%程度です。

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※画像はデータライブラリ | データライブラリ | 互助会保証株式会社の『結婚式場業の売上等の推移(平成26年「特サビ動態調査」) (H27.2改訂)』から

単価は増えていますから、式をする人は招待者数を増やしたり、費用を増やしたりしているんですよね。式をしている人の中では、(北海道みたいに減少している地域はあるにせよ、全国的には)職場関係者の招待者数も増えている。でも、実際は式を挙げない人が強烈に増えている。総じて言えば、職場関係者で結婚式に参加している人も減少しているでしょう。

 

締め

結婚もそうですし、妊娠・出産もそうですし、受験合格もそうだし、それ自体は、おめでたいことです。ただ、おめでたいことだから祝うといのは、祝う立場の人が考えるものです。祝われる立場の人間が、祝われて当然と考えてしまったら、自分の期待と他人の心理とのギャップで苦しむことが往々にあります。

ゼクシィの調査とその調査に基づいた結婚情報誌としての『ゼクシィ』というのは、ここで紹介したように、基本的にはゼクシィ読者で結婚式を挙げた人をケースにしています。ゼクシィに書いているのだからこのやり方が正しいと考えてしまうと、実は偏ったものであることもありえますから、新郎新婦の皆さんとしては周りの話も聞いて見てはいかがかなと思う次第です。

個人的にはそういうボタンの掛け違いがある式を皆さんにして頂いて、真冬のガーデンウェディングとか、極小数の独身者狙い撃ちのブーケプルズとか、大して仲が良くないのに駆り出されたリングボーイとか、そういうほっこりエピソードが世の中にたくさん供給されると嬉しいんですけどね。

以上、本題です。以下、余談です。

 

 

余談

このトピは実はこの後トピ主さんから追加のレスがあり、それもあって500overトピ締めになっています。流れはぜひ元トピをご覧になっていただくとして、一部トピ主さんのレスを引用して紹介しておきます。

ここで相談させていただいたあと、彼にこの話をして今から披露宴の規模を変えられないかと提案しました。

私から考えたら、彼はもともと乗り気じゃなかったし、職場の人もそれで納得してもらえると思ったんですが。

彼が激怒してしまいました。
彼は、披露宴のために職場のみんなに頭を下げて出席をお願いしたそうです。
皆、本音では嫌なのをわかっていながらお願いして出席を了承してもらったのに、
今更何を言っているんだと、ものすごい勢いで怒られました。

これが4/17のトピ主レスです。そして、5/2のトピ主レスがこちら。

実は、前回の書き込み直後に彼の関係者に私から電話をしました。

彼の招待者リストを見て、会社関係の人たちに、事情を話して
「招待したのですが迷惑でしょうから、結婚式に来なくても結構ですので」
と丁重にお断りしていました。

その後、彼が両親交えて話をしたいと提案があり、そこで結婚の延期(実質破棄)を言い渡されました。

ということで彼から結婚の延期を言い渡されたそうです。

あまりに鮮やか過ぎて釣りトピではないかと疑ってしまう展開ですが、こういう行動をする人は実際にいるだろうなと思います。

当然この後もトピ主さんはフルボッコになっています。今から結婚を考えている人で、トピ主さんが非難される理由が想像つかない人は、コマッチャのレスを読んでみるといいかもしれません。