斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「日本が衰退するのが見えている中、どのような心構えで日々過ごしていますか?」→「私はそこまで悲観せず暮らしてます」

今日は一人小町(一人で発言小町みたいな回答をするもの。基本要望に応じた反応をする)です。単発質問への回答。

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Q. 日本が衰退するのが見えている中、どのような心構えで日々過ごしていますか?

情報をシャットアウトしてもこの国が衰退に向かっていること自体は変わらないと(斗比主様の各種解説記事を読んでいても)思うので、それについてどう思いながら暮らしていけばいいのか、心構えが難しいです。

必要最小限の情報以外は入れないようにし、自分にできる僅かなことは続けていくとして、それでも知らなかった頃には戻れないです。

斗比主様はそういう状況を知りながらどういう思いで日々過ごされているのか、よければ聞かせていただけたらありがたいです。

一読者より

A. 各種データから私はそこまで悲観せず暮らしてます

メールありがとうございます!

私のブログ記事で、日本が衰退しているという印象を持たれたようなので、自分でも今年1月からの記事を見返してみました。

日本に否定的なことを書いた記事だとこの辺ですね。

選挙では「当落線上の」「若い」「女性」候補者に投票しています - 斗比主閲子の姑日記

「男女平等はコミンテルンが仕掛けてきた世論操作」と信じてる杉田水脈さんを政府の要職に付けるのは、ヤバくない? - 斗比主閲子の姑日記

日本最低3連発(設備投資、自然科学分野での引用論文数、コンテナ船寄港)から、日本株に長期投資する気持ちが萎えた - 斗比主閲子の姑日記

最初の二つは男女平等に絡むもの、三つ目は日本経済に絡むものです。

一方で、次のような記事も書きました。

30年で所得は倍増・出生率は半減の韓国。急激な金利上昇で住宅ローンが払えず、産休切り上げで働く家庭も - 斗比主閲子の姑日記

日経新聞編集委員は「コロナに打ち勝ったイギリスと負け続ける日本」という記事を書く前に、自社が買収したFTの記事を読んだ方がいい - 斗比主閲子の姑日記

私はn=1で社会を語らないようにしてる - 斗比主閲子の姑日記

一つ目と二つ目は、他国の苦しい状況の紹介です。三つ目は、日本がどんどん安全になっているという記事です。

私自身は日本に対して、色んな面で停滞はしているし、改善の余地はあると思っています。ただ、他の国と比べて、そこまで悪い状況とは考えていません。だから、色んな内容の記事を書いています。

まずは、この点、断り書きです。

経済面での日本はそこそこを維持

それで、日本が今後衰退するかというと、相対的に衰退するのは確実でしょう。ポイントは相対的に、というところ。

日本経済研究センターが2019年に内閣府の会議体で提出した資料を元にして、いくつかの情報を紹介すると、まず、長期的には、アメリカ、中国、インドと比べて、日本のGDPは相対的に相当低くなります。

これだけ見ると絶望的に見えますよね。

ただ、国別で見ると、単にこの三か国が強烈に伸びるだけで、日本は2060年でも世界で5番目という位置づけです。近隣国だと、インドネシア、フィリピンあたりが伸びていますね。

当然ながら、人口は縮小しつつ、このGDPぐらいで済んでいるので、一人当たりGDPで見ても、2018年と2060年で日本の世界の順位はほぼ変わりません。

この辺は、色んな予想があるでしょうが、一人当たりGDPで見て、今の3/4ぐらいまで下がるのが悲観シナリオみたいな調査も見ました。

私としては、これぐらいの水準なら、経済的には全然悪くないと思ってます。

経済成長は鈍化しているから、長期的に投資をしたい国ではないですけどね。リターンを高く取りたいなら、経済成長している国の方がいいですから。

治安の面で日本はかなり良い方

生活する上では、治安は気になりますが、日本の治安は世界的に見てもかなり良い方です。

色んな面で、その国が平和かどうかを調査している世界平和度指数ランキングだと日本は上位10か国の常連です。画像の暗い国ですね。

※画像はGlobal Peace Index Map » The Most & Least Peaceful Countriesから

ちなみに、この指数には、性犯罪被害発生率が含まれていないんですが、国連による公開情報のデータだと、日本の性犯罪被害発生率はかなり低い方です。

Sexual violence | dataUNODC

上の暗い色で塗られた国でも、カナダ、ニュージーランド、スウェーデンは日本より性犯罪被害発生率が高くなっています。ただ、性犯罪被害の場合は数字に表れない暗数があるはずなので、その比較だと、例えば、法務省の第2回犯罪被害実態(暗数)調査(第2報告) 国際比較(先進諸国を中心に)だと、

第3部 参考資料から

暗数を考慮しても日本は性的暴行は多くはなさそうです。

ちなみに、法務省は定期的に暗数調査をしていますが、暗数の長期傾向で見ても、性的暴行は増えていないようです。

法務省:犯罪被害実態(暗数)調査

他殺率や犯罪発生率は言うまでもなく、世界でもっとも低い水準です。

図録▽世界各国の他殺率推移(警察統計)

図録▽犯罪率の国際比較(OECD諸国)

というわけで、私は日本の治安面はかなり安心しています。

男女平等はまだまだ大いに改善の余地あり

私が不満なのは、男女平等が進んでいない点です。

次のグラフは内閣府男女共同参画局が今年8月に最新のジェンダーギャップ指数から作ったものですが、経済はまだまだで、政治は本当に残念な結果を紹介しています。

「共同参画」2022年8月号 | 内閣府男女共同参画局から

他にも色んな指標を男女共同参画局が紹介してくれていますが、どれを見ても、日本はまだまだ改善の余地ありです。

男女共同参画に関する国際的な指数 | 内閣府男女共同参画局

なので、私は、子どもたちに対し、「日本では政治・経済で女性の活躍が限定的なんだよ」と伝えています。

結論

そんなこんなで、日本全体については、いまいちな点はあるけど、全般的にはそんなに不安には思っておらず、医療面でも治安面でも文句はまったくないので、このまま何事もなければ、私は日本で死ぬまで過ごすつもりです。

ただし、日本を地域で見たときには、非居住地域が増えて、インフラの維持が困難になる場所はかなり増えてくるはずです。その点では、インフラが維持されている地域を選んで居住するはずです。

また、税率が上がるのは避けられないはずです。そのときの生活防衛ために、私は15年以上前から、先進国で成長率が高い国に投資をしてきましたし、これから20年ぐらいは継続して投資をするつもりです。

自分の子どもたちは、もっと成長する国で暮らしたいと思うかもなので、選択肢は用意してます。ただ、何を選ぶかは本人たち次第ですし、淡々と事実を認識してもらって、過度に煽ったりはしません。良いイメージのある欧米圏でも差別は普通にありますしね。

追加

他のデータも追加しておきます。資産の偏在は日本はOECD下位で、所得の偏在はOECD真ん中ぐらい。

OECDによるPISA(学習調達度調査)では、日本はいつも上位国。

あと、医療水準も最高レベル。

以上、今日はこんな感じです。

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