n=1です。
我が家には子どもの手の届く範囲に大量の本が置いてあります。子どもが読んでもいいし、読まなくもいいし、別に推奨も強制もしてません。ただ、子どもの能力・興味を考慮して置いている本もあるので、比較的高確率(10%程度)で、手にとってくれています。
詳しく知りたい人は次の記事をどうぞ。
我が家の子どもたち全員が読書家になったプロセス・環境は、割と一般的な方法論に則っていたっぽい - 斗比主閲子の姑日記
それで、先日は次の本を置いていたら、子どもが読み込んでました。
読めないこともないけど、ちょっとギリギリかなと思っていたので、330ページを2日ぐらいで読み切っていたことに少し驚きました。
私から「どんな内容だったの? これから読むからネタバレありでいいから教えて」って聞いたところ、子どもからは「答えにくいから答えない」と言われたので、どこまで読んだか分からないなと思っていました。
それから数日経ってのある日の夕食での会話です。
私「いじめはストレスがある子どもがストレス発散できなくて、教室の中の目立つ子どもに対して行われる傾向があるんだよね」
子「目立つ子どもって?」
私「例えば、勉強ができるとか、外国籍だとか、障害があるとか。私も子どものときに目立ってたからいじめられたんだよね。あなたのクラスの○○さんには障害があるって聞いたけど、例えば、あの子とかがいじめられる可能性があるよ」
子「○○さんはいじめられるっていうより、いじめるほうじゃないかな」
私「まあ、いじめられててもいじめてても、何か気付いたら早めに教えておいて。対処するから」
子「そうそう、知的障害があると13.3倍虐待されやすいんだよ」
私「え、何、その情報。ソースは?」
子「この本に書いてあった」
ということで、子どもは先程紹介した『格差と分断の社会地図』を持ってきて、p.240-241を開いて見せてきたのでした。
※日本の児童相談所による調査
子どもへの虐待もいじめと似たような構図はあって、家庭内に押し込められて、ストレス発散ができない親が、特に育てにくいと感じる子どもに対して虐待を行うということはしばしばあります。
子どもがこのようなことを意識して言ったかは確認しませんが、いじめられやすさの話題のときに、最近読んだ本の中の知的障害児の虐待のされやすさの数字を出してこれるというのは、頭の中で読んだ内容のマッピングができているのかなという印象を受けました。
個人的にはもう少しアウトプットの機会を多めに設定したいので、学校に働きかけつつ、こんな風に引き続き家庭内で会話をしていくのは大事だなと思った次第です。
ちなみに、私は格差系の本をそれなりに読み込んできているので、『格差と分断の社会地図』はちょっと物足らないところがありました。ただ、格差を考える上では、最初に読むときには入りやすいので、親向けにもエントリーとしてお勧めです。