斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「子どもを最難関レベルの中学に入れたいという煩悩から解脱するにはどうすればよいのか?」

今日は一人小町(一人で発言小町みたいな回答をするもの。基本要望に応じた反応をする)です。今日は子どもの進学に関するモヤモヤ。

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Q. 子どもを最難関レベルの中学に入れたいという煩悩から解脱するにはどうすればよいのか?

topisyu様

2018年にこどもをマンガにハマらせるのはなぜか、という質問をさせていただいたものです。

「漫画に慣れると本を読めなくなる、それは迷信なんでしょうか?」 - 斗比主閲子の姑日記

また子育てに絡む質問です。もしお目に留まりましたなら、ご回答をいただける範囲で教えていただけたらと思います。

質問は最終的には、「子どもを最難関レベルの中学に入れたいという煩悩(親子で悲惨な努力をしない限り無理そう)から解脱するにはどうすればよいのか」ということなのだと思うのですが、topisyu様ご自身のお心の持ち方と、なぜそうなのか、を伺って参考にさせていただきたくもあります。

topisyu様が、ご自身のお子様たちが「危なげなく格差の上位になるだろうな」と確信し、煩悩から自由に見えるのはなぜなですか?

高学歴で子どもの出来も良い人でも悶々としている例はいくらでもありますよね。単純に、どのお子様も賢く出来が良いから、ということなのかもしれませんが。

ご自分の子どもがもし、勉強があまりできず学歴では期待できそうになかったとしたら、topisyu様 なら子どもの人生をよりよくするために親としてどのようになさるでしょうか?

子どもはまだ低学年ですが、最難関を狙える感じはしないな、とは思っていて、だからといって達観しきれず、今から何とかすれば何とかなるのかなとか、色々考えてしまうのです。

学校から帰ってくるなりランドセル放り出して遊びに行く子を見て、ありがたい、どんどん遊びに行ってこいと思う反面、子どものマネジメントに失敗しているような気にもなり、塾も、いつからどの塾に通わせるかを堂々巡りで考えてしまったりしています。

つきつめれば子どもに幸せになってほしいだけなのですが……。幸せな人生を送るためには金銭的な余裕も必要に思えるし、そのために親として打てる手が中学受験、くらいしか思いつけないのですよね。

この先子どもの学力が伸び悩んでも子どもを追い詰めないために、ぜひ、宜しくお願い申し上げます。

一読者より

A. 子どもの個性をよく観察するといい

メールありがとうございます!

「マンガにハマらせるのはなぜか?」というトピック懐かしいですね。あれから3年経ちますが、我が家の子どもたちはすくすくと漫画好きに育ち、毎日水を飲むように大量の漫画を読んでいます。ジャンプ漫画だとドラゴンボール、ダイの大冒険、ヒカルの碁、鬼滅、約ネバ、ドクスト、呪術廻戦は読んでくれてます。HUNTER×HUNTERはまだハマってくれてません。

「子どもが漫画ばかり読んで本を読んでくれない!」と悩むなら、スピンオフ小説に誘導してみてはどうだろう - 斗比主閲子の姑日記

それで、

topisyu様が、ご自身のお子様たちが「危なげなく格差の上位になるだろうな」と確信し、煩悩から自由に見えるのはなぜなですか?

高学歴で子どもの出来も良い人でも悶々としている例はいくらでもありますよね。単純に、どのお子様も賢く出来が良いから、ということなのかもしれませんが。

については、以前に書いたとおり、

「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」 - 斗比主閲子の姑日記

一方で、私の子どもはこのままだと危なげなく格差の上位になるだろうなと推測しています。政治家や経営者が自身の子息に対して地位を承継させるような分かりやすいものではないにせよ、我が家が積み上げてきた文化資本は受け継いでいるのは見るからに明らかです。私の子どもらには、知性があり、体力があり、信頼される人柄があります。

知性と体力と信頼される人柄があるからです。学力は突出はしてません。

総合的に見て、人間として底力があります。自己肯定感も高いし、友達もいるし、逆に友達がいなくても耐えられるし(気にしていないし)。大人とも会話ができるし、小さな子どもの世話もできるし。好奇心旺盛で、倫理観も強く、我慢強い。これらの点は、私の子どものときより、よほど人間としてまともです。

要するに非認知能力が高いってことです。ビジネスでいえば、仕事ができる人間のコンピテンシーが備えられつつある感じです。

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※画像は独立行政法人 中小企業基盤整備機構の人材育成に有効とされているコンピテンシーとは、どのようなものですか?導入するメリットは何でしょうか? | ビジネスQ&A | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]から

で、この状況は、親が意図的に作り上げたものではなく、"普通に"子育てをしていたらこうなって"しまった"ということです。だから、上の記事では、格差の上位になってしまうことを憂いています。

格差の固定化を私自身が生み出してしまっていることには、格差の固定化・拡大化を憂う個人として複雑な思いがあります。私は子どもの頃から、格差が維持されてきているのを見てきていて大いに問題意識を感じていたのに、私自身が格差の固定化の一端を担ってしまっているわけですから。

そもそも論で言えば、私は子育てを暇潰しでやっています。子どもがどうなって欲しいという願望はもとからありません。ただ、暇潰しであっても、子育てする以上は独り立ちできるところまで持っていくのは親の義務と考えて、色々教育の機会を提供しています。その結果として、[たまたま/必然的に]格差の上位に立つ仕草を子どもたちが身につけてしまったということです。

子どもを何者かに仕上げるという目的はないので、子どもの学歴云々で煩悩に苦しむことはないということです。

なので、

ご自分の子どもがもし、勉強があまりできず学歴では期待できそうになかったとしたら、topisyu様 なら子どもの人生をよりよくするために親としてどのようになさるでしょうか?

勉強があまりできなかったとしても私は気にしません。それは子どもの個性です。勉強があまりできないのは事実です。

もちろん、最低限の四則演算や契約書を読むことができないと生きていく上で苦労をするので、その辺は教育の機会を提供するでしょうが、親の義務はその辺までと考えています。人生をよりよくするのは子ども自身であって、親ではありませんから。

以上が質問への回答です。最後に少し補足をします。

学校から帰ってくるなりランドセル放り出して遊びに行く子を見て、ありがたい、どんどん遊びに行ってこいと思う反面、子どものマネジメントに失敗しているような気にもなり、塾も、いつからどの塾に通わせるかを堂々巡りで考えてしまったりしています。 

子どもが学校から帰って誰か友達と遊びに行っているというだけで、子育ては相当上手くいった、もはや親の手をかなり離れたと私なら考えます。何しろ、乳幼児であれば親が何かしなければ死んでいたのが、ここまでくれば何とか一人で生きていけるってことですからね。親離れが順調に進んでいる。素晴らしい。

もし、もう少しだけ学業方向にマネジメントしたいなら、せめて宿題が終わってから遊びに行くようにインセンティブを設計することです。前後関係が逆だと、のび太のお母さんがやらかしているみたいに、勉強嫌いの子どもになりがちです。

また、毎日学年×10分だけでも勉強するように仕向けるのもお勧めです。学習習慣は勉強の得意不得意関係なく、その後の人生をより豊かにします。 

以上、今日はこんな感じです。

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なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。

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