斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

今から3年前の6月にHagexさんが亡くなられてから、ネットで誰かと接点を持つことが極端に減りました

この記事を読みました。

結局みんなキャッキャウフフしたかっただけなのか - phaの日記

今はちょっと長い文章を書く人はnoteを選ぶ人が多そう。課金もできるし。しかしそこにははてなみたいなコミュニティ感はないな、と思う。はてなのブログとブックマークが入り混じって独自のコミュニティを作っていたあの感じが稀有なものだったのだろう。

(中略)

僕の場合は、自分がわりと完成してしまった(自分のことが大体わかってしまった)のと、既に人間関係をだいぶ確保できてしまったので、そうすると書くモチベーションがそんなになくなってしまった、という感じだろうか。 

私は8年前からずっと一ヶ月に10本程度は安定的にブログで記事を書きつつも、最近は特に、コミュニティ的にはてなのサービスを使ったり、ネットで誰かと接点を持つことは非常に限定的になりました。

もともと、その時に暇潰しになるものがあれば何でも書くというスタンスですし、また、幸いにも読者に恵まれて多くのモヤモヤを送ってもらえているので、書くモチベーション自体は2014年の春頃からずっと低いところで安定していても、何となく記事は量産しています。

一方で、誰かと絡むのを極端に減らすようになったのは明確なきっかけがあり、それはHagexさんの死去です。今からもう3年前になる2018年6月24日。

福岡IT講師殺害事件 - Wikipedia

私がネットで接点があった人が亡くなられたのはHagexさんで二人目でした。一人目は雨宮まみさんです。私が初めて書いた紙の本の献本が届くはずの日に、亡くなられていることが発見されました。2016年11月15日。

雨宮まみさんが亡くなられたことを知りました - 斗比主閲子の姑日記

お二人が福岡県出身で生まれが1976年だったので、私の設定上の出身と生まれはそう設定しているぐらい、斗比主閲子というキャラが生まれるにはお二人の影響がありました。

さすがにネットに出てしばらくしてからは、ネタ切れと飽きもあって、子育てや企業分析などの身近なコンテンツを書くようになったため、2018年2月のnarumiさんとのwebラジオの中で、Hagexさんご自身が「もはや接点も影響もない」みたいなコメントをされたぐらい、書いている内容に隔たりはあったのですが。

楽しいラジオ「ドングリFM」:Apple Podcast内の272 ネットウォッチャーHagexさん、「ネットの釣り師」を語る

そんなお二人が2016年と2018年に次々と亡くなられたわけです。私はあまり人の死で悲しまないので、お二人が亡くなられたことで泣いたことはないと思うんですが、それでも、何らかの喪失感はあったんでしょうね。

特にHagexさんは他殺だったので、少し思うところもあり1週間ぐらいブログやTwitterでの投稿を停止していました。

その間、なぜか私とHagexさんが同一人物だとか、私がHagexさんの親族だとか、そういう情報が出回っていました。当時の雰囲気は、私が7/2に投稿した記事のはてなブックマークコメントを見ると垣間見られると思います。

[B! こころ] 「人間関係悪化で仕事を辞め、間もなく結婚と引っ越しを予定。今後の夫との生活に不安と不満を感じる」 - 斗比主閲子の姑日記

Haegxさんはブログ含めてかなり活発に人と交流していました。そういう意味では、はてなというサービスもとてもコミュニティ的に利用していたと思います。私も亡くなられる半年ぐらい前に久々に会えないかと連絡をもらっていました。飛行機の距離なのでお会いできないとお断りしましたが。

Hagexさんは2018年7月1日開催予定のはてなのブロガー向けイベントにも参加を表明していました。しかし、イベントはHagexさんの死去により中止になり、その後、はてなでのリアルなイベントは開催されていないはずです。

(イベント中止に関する追記あり)はてなブロガー向けイベント #はてなブログ公式ミートアップ 開催します! LT登壇者も同時募集! - 週刊はてなブログ

私はHagexさんのようにリアルで誰かと会うとか、イベントに参加するとかは物理的な距離もあって興味はありませんでした。

加えて、Hagexさんがああいう形で亡くなられたのを見たのと、亡くなられた当時にはてなに様々な改善要望を出したときのリアクションで、もう絶対に斗比主閲子として誰かとリアルで会うことはないと心に誓ったのでした。

以下、2018年当時、私の問い合わせに対する株式会社はてなから返信(抜粋)です。

また、弊社としては、削除依頼を受けたことを通知することで逆恨みにより何らかの危害が及ぶ可能性については、少なくともtopisyu様が匿名での活動を行っておられ、実名との関連付けについては相当の注意を払っておられることを鑑みましても、非常に低いものと考えております。

やり取りの中では、そもそもHagexさんの事件は事実関係がまだ分からないから株式会社はてなとしては公式には何もコメントはできないというスタンスでした。株主総会でも同様。

はてな株主総会2018レポ|栗栖義臣社長「はてなブロガー刺傷事件については裁判による解決を切に願っている。当該ブロガーへのサポートやコミュニティ運営に関しては適切な対応を行っていたとは考えている」 - スズキオンライン

その後、Hagexさんが事件の被害者だったこと、2019年12月に刑が確定したことで、事実関係はかなりはっきりしたはずですが、株式会社はてなから、この件での公式のコメントは私が知る限り出ていません。

会社として自社サービスのユーザー同士で殺傷事件が起きたことをあまり大々的に取り上げたくないというのは理解できますし、せいぜいプラットフォーマーとしてサービスを提供しているだけの企業に過大な期待を抱くものではないとは私も理解しています。はてなにとってB2Cサービスの売上は全体の中で20%ぐらいと、まったくの非注力領域なのは明らかですし。

ただ、その後、明らかにこの件に関連していくつかのサービス変更があったにも関わらず、何ら触れていないことには非常に違和感を覚えました。会社に問題があったと民事で訴えられる可能性を想定してなのでしょうが、一言あってほしかった。

【追記あり】外部サービス連携やIDコールなど、一部機能を終了します - はてなブックマーク開発ブログ

ブックマークコメントからのIDコール送信機能は、ユーザー間のコミュニケーションを促進する目的で提供してまいりました。しかし、ブックマークコメントには文字制限があること、また、自身へのIDコールに返信する機能や、ブロックやミュートなどIDコールの受信を制御する機能がないことなど、本来の目的からは不十分な部分もありました。機能改善を検討いたしましたが、リニューアルを控えた現時点で機能の追加を行うことは難しいため、一旦終了とさせていただくことになりました。 

そんなこんながあり、私はネットで、特にはてなというサービス上で誰かと接点を持つことが減っていったのでした。phaさんの記事を読んで、ここ3年間、何となく考えていたことを今回初めて言語化してみました。

今後のことは分かりません。

ただ、この数年で家庭、仕事、友人・知人との付き合いだけではなく、ボランティア活動にも手を出しているので、自分の居場所は十分に分散されていて、ネットにまでわざわざ分散する必要性がかなり乏しくなっています。

逆に言えば、私が離婚をして親権を喪失するとか、ボランティアで厄介な人間関係トラブルに遭遇するとかそういうことがあれば、積極的にネットで人間関係を築くこともあるかもしれません。

それまでは、これまでと同様に、極めて特殊で限定的な読者の皆さんとモヤモヤメールを介して触れ合うぐらいで、ネットでの人間関係は続けていくんじゃないかと思います。

今日のところは以上です。

ああ、本当に、もう3年も経ったんですね。