斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「私は20代で働いているが、母はGPSで私を監視し、私のLINEの友達のアカウントを削除するなど人生をコントロールしてくる」

久々にTroubleshooter(読売新聞の人生案内の英語版)です。

I’m an adult but my mother still tries to control my life

I’m a woman in my 20s who works in a clerical job. No matter how old I get, my mother just won’t stop interfering in my and my older sister’s lives.

(中略)

She yells at us all the time, so we apologize every day because we’re scared or anxious. It’s gotten to the point where I start apologizing all the time in my daily life, and people keep telling me I should have more self-confidence.

My father is of no help. What should I do?

20代事務職の女性が母親による介入に苦しんでいるがどうしたらいいかという相談です。

中略部分では、出退勤の連絡が母親にする必要があること、居場所はGPSで知られていること、他人と会うときはその人と一緒にいる写真をとること、LINEの友達のアカウントを削除されたこと、そして、たまたま一人暮らしをした姉には毎日母親が凸していたこと(だから一人暮らしをしても逃げられないこと)が列挙されています。

ここまで書けば分かる通り、通常の親による子どもへの介入の域を超えていますよね。子どもを支配している。書いている内容が正しければ100%毒親案件です。 

毒になる親

毒になる親

 

※いつもの 

で、回答としては、

  • すぐには解決できないとしても母親の支配は誰が見てもおかしいことを認識しておく
  • 母親がいつか自分たちのことを分かってくれるとは期待しないでおく
  • 母親以外の第三者との接点を増やしておく
  • 独りで生きられる技術を磨く

というところかと思います。定番の回答です。回答者の最相さんも同じことを書いている。

定番で、ありきたりで価値のない回答に見えるけど、この苦しみを味わっている人はこの人以外でも確実にいて、定番であってもその人たちからするとなかなか想像ができないものだったりします。特に二つ目。親に期待しちゃって、でも期待は普通に裏切られて、絶望を覚える人はいる。そして、親からの支配から苦れられないと諦めてしまう。

ちなみに、なぜこの母親がこんな支配的なことをするかというのは、直接状況を聞かないと正確にはもちろん言えませんけど、子どもを支配する親は一般論でいえば、本人が自分の人生を生きていないんですよね。

娘たちの自立を信じていないんじゃなく、自分が自立して生きられると信じていない。自分の人生を生きていないので、自分の"分身"である自分の子どもたちも自分の人生を生きられるはずがないと考えちゃっている。

私が自己肯定感低めな親御さんからモヤモヤメールをもらったときに、育児方法よりもとにもかくにもご自身の自己肯定感を高めることをお勧めしているのは、こういった事態になることを避ける目的からです。

子どもは子どもで別人格なんだけど、親自身の自信のなさを子どもに投影しちゃって、子どもの自立を妨げちゃうことがある。みんながみんなってわけじゃなく、不幸な条件が重なると起こり得る。例えば、配偶者は家庭に興味を持っていないとか。

この手の相談は定番であり、また回答内容も定番になりますが、だからといって価値がないというわけではなく、多くの人が現に苦しんでいるわけですから、私も読売新聞が取り上げたように、モヤモヤメールをもらったら同様に取り上げ続けると思います。

以上、今日はこの辺にします。

今年もこんな調子でよろしくお願いします。