国立成育医療研究センターの調査がニュースになっていました。
新型コロナ:コロナ禍、子の72%にストレス反応 成育センター調査 :日本経済新聞
原典はこちらです。
第2回調査報告書「コロナ×こどもアンケート」 | 国立成育医療研究センター
新型コロナウイルスのことを"コロナ"とだけ略しているのはちょっとどうかなと思いつつ、親と子どもに対してそれぞれアンケートを行うという興味深い内容です。
子どもの72%にストレス反応というのは、この調査報告書のp.34にあります。新型コロナウイルスに対する不安を抱えている様子がうかがえるのと、それ以外にもイライラしたり集中できなかったり寝付けなかったりするのを子どもが選んでいます。複数回答だからどれか一つに答えるとストレス反応ありということで、72%の子どもが何らかのストレスを抱えているということ。
自由回答の一部を抜粋すると次のとおり。
【気持ち】
・コロナのことを考えると寝ながら少し泣いてしまう(小学低学年男児/山口)
・死にたくなる(小学高学年女児/わからない・答えたくない)
・コロナの事を考えたりニュースで見たりするとなんとなくイライラしたりします(中学女児/新潟)
・何もできなくてストレスが溜まっている(小学高学年男児/東京)【社会性・対人面】
・新しいクラスで友達ができるのがしんぱい(小学中学年男児/神奈川)
・せんせいが こわいです ともだちとあそぶとおこられます.(小学低学年女児/富山)
・ともだちがほしいです(中学女児/福岡)
・家族とあまりうまくいっていない(中学女児/神奈川)
・ともだちにたたかれる(小学低学年男児/宮崎)
報告書をすべて読んでみましたが、子どもの生の回答が読めるのはありがたいと思いました。新型コロナウイルスのことを恐れている子どもがこんなにいるとは想像していなかった。
夏休み明けというのは子どものストレスが大きくなるというのは毎年このブログでも紹介していますが、
夏休み明けの子どもの自殺が多いというけど休み明けがシンドいのは大人も一緒。休み明けは負荷を減らそう - 斗比主閲子の姑日記
それに加えて、新型コロナウイルスでもストレスを感じているとすると、先週から今週にかけて多くの学校が夏休みを短くして学校を再開しているものの、いつも以上に子どものケアをしたほうが良さそうです。
我が家の子どもたちもすでに通学をしており、遅れを取り戻そうとフルに授業が始まっています。話を聞く限り見ている限りはしんどそうではなさそうなものの、辛かったら休み遅刻早退保健室を多用するようには伝えています。
あと気になるのは親ですね。
この調査では子どもの生の声を確認できる以外に、親もストレスを抱え子どもに怒鳴り叩いていることも親からの回答として確認できます。在宅ワークで子育てにストレスを抱えている親がいるのは一般化していると思いますが、それが定点調査されている。親の自由回答を一部抜粋すると次の通り。
・実際に子供に対して怒鳴るなどはなかったのですが、設問でそのように回答を迫られると辛い気持ちになりました。
・答えるのに振り返っていたら、涙が出てきました。 自分で思っていたよりも、気を張って疲れていたんだなと思いました。アンケートの趣旨には反するかもしれませんが、自分を省みる機会としてもありがたいと思いました。
・第 1 回のアンケート結果を見て、皆同じようにストレスを抱えて頑張っていたんだと分かり少しホッとした。
子どもに怒鳴る教師や親がいるということは、その教師や親もストレスを抱えている可能性が高いわけです。そして、夏休み明けに体調を崩すのは子どもだけではなく大人も同様というのは大人の自殺者数が長期休暇明けに多いことからもおおよそ確認されています。新型コロナウイルスでストレスを感じているのは親も教師も同様のはず。
どうか皆様ご自愛くださいませ。