久々に、Troubleshooter(読売新聞の人生案内英語版)の紹介です。
Troubleの紹介
TROUBLESHOOTER / I lent the man I love money but he has not returned it - The Japan News
I’m a female part-time worker in my 40s. I’m single. I’ve lent money to a man I’ve fallen for. He has yet to pay me back.
(中略)
I’m beginning to think it’s impossible to have a happy future with such a man, despite how much I want one. Please advise me on how I should cope with my feelings.
浅からぬ思いを抱いていた、同い年の前職の元上司から電話があり、家族の借金を返すとか元カノの借金を返すとか、お金が足りなくなったとかで合計で45万円貸したそうです。
借用書はなく、貸した本人としてはあげたようなものとは思っていて、彼が好きになってはいけないタイプの人間だとは分かっているけれど、それでも彼を好きな気持ちは止められない。
一体、この自分の気持をどう整理したらいいのかというのが相談内容です。
コメント
本人も気付いているようなんですけど、この相談のおかしいところは、お金の話と彼を好きな話がごっちゃになっていることですね。
真っ当に考えれば、お金を貸していることと、彼を好きなことは別の話であって、たとえ彼が好きであろうとも貸したお金は貸したお金なんだから返してねという話です。借用書はなければ作ればいいし、電話やメールで証拠を残せば貸し借りがあったという事実は他人にも説明できる。
ただ、それができない、したくないのは、金の切れ目が縁の切れ目というか、ちょっとこのことわざをそのまま適応すると誤解がありそうですけど、お金の貸し借りをしているという事実で、まだ彼と繋がっていられるという感覚を得ているんじゃないかなという気はします。
あと、何度も何度もどうでもいい理由でお金を貸しているのは、その積み上がったお金が自分たちの関係性の深さを表しているように感じているんじゃないかって。かけたお金の分、愛が深まっているみたいな。さすがにそこまでお花畑ではなく、頼りにされて嬉しいという感覚ぐらいでお金を貸したのかもしれませんけどね。
ソーシャルゲームのガチャ課金みたいなのが分かりやすいかもですが、お金をかければかけるほどリターンは大きくなるんじゃないかという期待を抱くことはありますよね。でも、お金をかければ、時間をかければ、それに見合うリターンが必ずあるということはないので、こういう発想に取り憑かれていると破滅に向かいます。「次は大丈夫」「次は大丈夫」って沼に吸い込まれたみたいにお金を費やしちゃう。
※リアル沼です。
この相談については、「どうしようもないクズ男っぽいから、お金の貸し借りをした事実を何らかの媒体に残した上で、少額訴訟でもしてお金をできるだけ回収し、サクッと切りましょう」と言いたいところです。
ただ、たぶん出会いがないと思っていて、本人の中で人を好きになったり無条件に愛されたりという経験が乏しいが故にこういう事態になっているんじゃないかと推測できるので、短期的な対処は「切ろう」でいいとしても、長期的にどう自分の中での恋愛感情と折り合いをつけていくのかを検討する必要があるんじゃないかなとは思います。
以上、Troubleshooterの紹介とコメントでした。
Twitterでもお伝えしたんですけど、紙の本の特典記事はまだどなたにもお送りしていません。筆が乗らなくて書けてません。書き上がったら一気にお送りしますので、もう少々お待ちください。