大分県の小学校のバレークラブでの顧問の教頭による小学生女児への暴行のニュースは、これまで何度かTwitterで紹介してきました。
小6女児が「暴行罪」バレー監督と闘い続ける訳 | スポーツ | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
今回の東洋経済の記事は既報のまとめみたいになっているので、ご存じない方は読んでみてください。顧問の教頭が凶悪な体罰を行っていることがまずは気になるはずです。ただ、読みすすめると、一部の保護者やOBOGが暴行を容認していたり、子ども同士でも加害者被害者が生まれていたりするのも見て取れるかと思います。ちなみに、県の小学生バレーボール連盟も初期には事実を否定していたりしました。
あくまで被害者の視点でまとめられたものではあるものの、ハラスメントにおいて加害者と被害者の一対一の関係だけではなく、周囲の人間がハラスメントが継続することに手助けしていることがよく分かるかと思います。残念ながら、このように集団がハラスメントを容認するというのはしばしばあります。
例えば、いじめの構造としても、いじめる生徒といじめられる生徒の間に、観衆や傍観者がいるというのは知られたことです。
子どもを守り育てるための体制づくりのための有識者会議(第2回)配付資料 [資料5−7]−文部科学省
いじめの構造(いじめの4層構造)森田洋司1986年
○ いじめる生徒
○ 観衆(はやしたてたり、おもしろがったりして見ている)
○ 傍観者(見て見ない振りをする)
○ いじめられる生徒いじめの持続や拡大には、いじめる生徒といじめられる生徒以外の「観衆」や「傍観者」の立場にいる生徒が大きく影響している。「観衆」はいじめを積極的に是認し、「傍観者」はいじめを暗黙的に支持しいじめを促進する役割を担っている。
ここで書かれている通り、ハラスメントが持続や拡大をする上では周囲の人間は大きな役割を果たします。逆に言えば、周囲の人間が観衆や傍観者にならずに、当事者として問題を解決しようとする姿勢を示すことで、いじめが初期段階で封殺されることは、これもよく知られた話です。
上司がある部下に怒鳴り散らしている、家族の間で暴力的な関係が成立しているというのは、非常に狭い中で一対一で成立しているように見えます。しかし、怒鳴り散らしている部下の周囲には他の社員が傍観していたり、家族の間の暴力を見過ごしている他の家族もいたりするものです。
大分県の小学校のバレーチームはあまりに異質に見えるかもしれません。ただ、周囲がハラスメントを助長しているような状態というのは、世の中にあるハラスメントでも同様であることはしばしばです。
私は、ハラスメントはいかなるものであっても悪であり、撲滅されるべきものと考えています。他人へのハラスメントに気付いたら観衆にならないことはもちろん、傍観者にもならないようにするというのは、簡単ではないもののできる限り心がけたいと、このニュースを読んで改めて思った次第です。
今日はこんな感じです。次は一人小町にするつもりです。ではでは!