さっき見たら、はてなブックマークでこんな記事が話題になっていたんですけど、
[B! business] かんぽ、営業自粛で利益増:朝日新聞デジタル
人気のコメント上位3つが"無能"と"低能"で並んでたんですね。
私の感覚だと、保険事業で営業自粛をした期に利益が増えるというのは至極当然のことで、それは、経営者が誰であっても変わらないから、"無能""低能"とか罵るのはちょっと意味が分からないなと思いました。
かんぽ生命は上場していますから、朝日新聞がソースにしているかんぽ生命の適時開示を見れば、
なお、新契約の減少は、短期的には、保険料収入(予定新契約費)の減少を経費支出(新契約手数料)の減少が上回るため、業績にプラスの影響を及ぼしますが、中長期的には、業績にマイナスの影響を及ぼすものであるため、お客さまの信頼回復に全力で取り組み、企業価値の向上を目指してまいります。
今期はプラスになるけど、中長期的には業績にマイナスだと書いてあります。
保険の収入というのは、保険加入者が保険会社に支払っている手数料です。ストックサービスですから、最初の営業で多少お金がかかっても加入者が長く入ってくれればしっかり儲かる。携帯電話やインターネットサービスプロバイダーとの契約と似たようなものです。
だから、保険の営業で今費用をかけなければ短期的に費用分は利益が浮くけど、長期的には保険料収入が減るというわけです。
私は、以前から何度も書いている通り、今回の、ゆうちょ・かんぽのしでかしたことは極悪だと考えていますが、
「老後2000万円必要」とリスクを煽る新聞社がセットで紹介しない、私がお勧めできるネット証券会社と投資商品 - 斗比主閲子の姑日記 ※この記事では対面販売を全面否定しています。
"法令違反と社内規定違反が合計で6327件あった。調査を終えた顧客のうち2万6036人が二重払いした保険料の返金など不利益解消に向けた説明や対応を求めていることも公表"←関電と同じく組織的でないとするのは無理がある / “かんぽ、違反契約6327件 中間報告、保険販売は年…” https://t.co/HnElqu1Fwl
— 斗比主閲子 (@topisyu) October 1, 2019
"都内に住む女性(78)…終身保険の保険料総額は約650万円で、養老保険の途中解約で戻る約470万円は先払い保険料に回され、さらに不足分を86歳から4年間、月4万円弱、計約180万円を支払う契約だった。 "←邪悪。 / “「氷山の一角では」 かんぽ不適切販売、高まる不信感 …” https://t.co/8m4rrmiwpz
— 斗比主閲子 (@topisyu) October 1, 2019
今回の営業自粛で利益増でもって、かんぽを揶揄するのはちょっと違うなと思います。もちろん、個人の表現の自由の範囲でしょうから、私がどうのこうのできるものじゃないけど。
なお、今回の大不祥事は日本郵政グループが起用した第三者委員会が調査を行っており、また、それぞれの機関、かんぽでも中間調査報告書と対策も公開されています。
日本郵政グループにおけるご契約調査の中間報告及び今後の取組について|プレスリリース|かんぽ生命
現時点で6000件にも上る法令違反の可能性がある事案が確認されています。対策として70歳以上の客への積極的な営業を止めることも言っている。
順天堂大学での第三者調査も1年かかってようやく最終報告書が上がってきました。
2019年11月1日 順天堂大学 医学部入学試験に係る第三者委員会最終調査報告書について
日本郵政グループの調査も、関電の件と同じく、まだまだ時間がかかるはずなので、私は今後も気長に注視していくつもりです。