斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

かんぽ生命の営業自粛の利益増を経営者が"無能""低能"と罵る人がいるけど、利益増は短期的には当然で長期的に利益減

さっき見たら、はてなブックマークでこんな記事が話題になっていたんですけど、

[B! business] かんぽ、営業自粛で利益増:朝日新聞デジタル

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人気のコメント上位3つが"無能"と"低能"で並んでたんですね。

私の感覚だと、保険事業で営業自粛をした期に利益が増えるというのは至極当然のことで、それは、経営者が誰であっても変わらないから、"無能""低能"とか罵るのはちょっと意味が分からないなと思いました。

かんぽ生命は上場していますから、朝日新聞がソースにしているかんぽ生命の適時開示を見れば、

通期連結業績予想の修正に関するお知らせ

なお、新契約の減少は、短期的には、保険料収入(予定新契約費)の減少を経費支出(新契約手数料)の減少が上回るため、業績にプラスの影響を及ぼしますが、中長期的には、業績にマイナスの影響を及ぼすものであるため、お客さまの信頼回復に全力で取り組み、企業価値の向上を目指してまいります。

今期はプラスになるけど、中長期的には業績にマイナスだと書いてあります。

保険の収入というのは、保険加入者が保険会社に支払っている手数料です。ストックサービスですから、最初の営業で多少お金がかかっても加入者が長く入ってくれればしっかり儲かる。携帯電話やインターネットサービスプロバイダーとの契約と似たようなものです。

だから、保険の営業で今費用をかけなければ短期的に費用分は利益が浮くけど、長期的には保険料収入が減るというわけです。

私は、以前から何度も書いている通り、今回の、ゆうちょ・かんぽのしでかしたことは極悪だと考えていますが、

「老後2000万円必要」とリスクを煽る新聞社がセットで紹介しない、私がお勧めできるネット証券会社と投資商品 - 斗比主閲子の姑日記 ※この記事では対面販売を全面否定しています。

今回の営業自粛で利益増でもって、かんぽを揶揄するのはちょっと違うなと思います。もちろん、個人の表現の自由の範囲でしょうから、私がどうのこうのできるものじゃないけど。

なお、今回の大不祥事は日本郵政グループが起用した第三者委員会が調査を行っており、また、それぞれの機関、かんぽでも中間調査報告書と対策も公開されています。

日本郵政グループにおけるご契約調査の中間報告及び今後の取組について|プレスリリース|かんぽ生命

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現時点で6000件にも上る法令違反の可能性がある事案が確認されています。対策として70歳以上の客への積極的な営業を止めることも言っている。

順天堂大学での第三者調査も1年かかってようやく最終報告書が上がってきました。

2019年11月1日 順天堂大学 医学部入学試験に係る第三者委員会最終調査報告書について

日本郵政グループの調査も、関電の件と同じく、まだまだ時間がかかるはずなので、私は今後も気長に注視していくつもりです。