先月、男女共同参画白書が公表されて色んなところで取り上げられていたので、週末にざっと目を通しておきました。
時間がない人は概要版だけでも読んでみるといいですよ。とても興味深いデータが揃っているし、関わった人(内閣府男女共同参画局)の問題意識も伝わってきます。
まず、概要版の表紙にしたって、
左から、料理に携わる男性と子ども二人、選挙に出る女性、おしめを変える男性、実験に携わる女性と子ども二人の構図です。ここからも何を目指しているものかよく伝わってきますよね。気になって過去の男女共同参画白書の概要版の表紙を遡ってみましたが、このようなイラストを挿入していたのは今年だけでした。
今回の特集は人生100年時代における結婚と家族という野心的な内容です。
ここのページで強調されている、
家族の姿が変化しているにもかかわらず、男女間の賃金格差や働き方等の慣行、人々の意識、さまざまな政策や制度等が、依然として戦後の高度成長期、昭和時代のままとなっている
もはや昭和ではない
こうした変化・多様化に対応した制度設計や政策が求められている
というのはいいですよね。"もはや昭和ではない"は"もはや戦後ではない"から取っているもの。強いメッセージ性がある。
この後色んなデータが続くんですけど、要は、昔みたいに結婚するのが当たり前、家族で暮らしているのが当たり前ではなくなっているというのをひたすら紹介し続けています。姓が変わることが結婚の阻害要因になっているとかもわざわざピックアップしていたりする。
これ、自民党の一部の議員からすると決して受け入れられない情報なので、人事権握られているのに、内閣府の官僚が意識的に取り上げているのは本当に立派だなと思います。今の大臣の野田聖子さんが見えるところで応援しているのかもしれない。
私が注目したのは概要版16ページ目に掲載されていた家族の姿の変化という画像です。
※赤枠、青枠は筆者が付けたもの
赤枠が子有り世帯で、青枠が子無し世帯です。1980年は子有り世帯が7割ぐらいとマジョリティだったわけですが、最近では、3世代世帯が急減し、単独世帯が急増し、2020年では子無し世帯が6割とマジョリティになっています。
何となく分かっていたものの、家の中に親と子が一緒にいる世帯が減少していて、もはや少数派になっているという事実は、ちょっとした衝撃でした。
我が家のような3世代同居は少数派です。子どもは「将来結婚しても一緒に暮らしたい」と言っていますが、私は「なかなか大変よー」と伝えているぐらいですし、今時の価値観とは合わないのは確実です。
これから40年経って、以前のように戻っていくかというとそんな感じはしませんし、単身世帯がもっと増えていくというのは何となく感じるところです。その前提で、社会制度やインフラを作っていかないと、ちぐはぐ感が出てきますね。
他には、結婚をできないのではなく、したくない層がいることも取り上げています。経済的な事情等で結婚ができない人を支援することは重要である一方で、したくない層の存在を認知するのも重要なので、非常にいい白書だなと思って読んでいました。
今日はこんなところです。皆さんもぜひ読んでみてください。面白いですよ。