斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

「なんで私をもっと評価してくれないの!?」という人向けに、私がやってる評価ハッキング手法を伝授します

皆さん、自分が他人から評価されていないことに苦しんでいますか?

私はまったく苦しんでおらず、それどころかありとあらゆる場面で高く評価されすぎて困ってしまっているわけですが、そんな私がどうして評価されるか、評価ハッキングと題して言語化してみたのが今回の記事です。

評価に悩む人の参考になれば幸いです。

value

なんていう、出来の悪いYoutube動画の煽りタイトルと、冒頭の鼻持ちならない文章で、多くの人を脱落させられたと思うので、ここからは上の文章を読んだ上で続きを読む気になった限定的な人向けに、真面目に書いていきます。

評価のされ方を知ろう!

他者を評価する方法というのは大きく次の3つに分類されます。あ、人事評価ではなく、普段の日常生活も含めた、全般的な評価の仕方ですからね、誤解なく。

  1. 数字による評価
  2. 定性的な評価基準に則った評価
  3. 主観的な評価

一つ目は、分かりやすいですね。営業成績みたいに、「今月〇〇件達成できたから最高評価」みたいな感じの数字での評価です。

二つ目は、数字で評価できない職種でのコンピテンシー評価みたいなやつです。「普段、こういう振る舞いができているかどうか」みたいに、行動特性とかに注目します。

三つ目は、数字でも定性でもなく、特に基準なく評価をするものです。世の中、数字で全部判断できるわけじゃないし、評価基準もまともに定まっておらず、「私がどう思っているかどうか」で判断されることは日常茶飯事です。

感覚的には、それぞれ2対3対5ぐらいで、評価されている気がします。主観評価がマジョリティなはず。

なんにせよ、評価に悩む人は、自分がこの1~3のどの評価方法で思ったような評価が得られていないかを確認しましょう。傾向と対策の、傾向確認です。

評価のされ方に応じて評価しやすいように振る舞おう!

誰かの評価方法が分かれば、その評価方法で良い評価を得られるように振る舞うだけです。

1. 数字による評価であれば、その数値を実際に達成することですね。分かりやすい。

2. 定性的な評価基準に則った評価であれば、自分が実際にその評価基準に従って振る舞っていることを評価者に分かるように言語化して伝えます。

例えば、『積極性』が評価基準にあるなら、「私は積極的な人間です」というのを、できるだけ具体的に伝えます。「会議でまず第一番に質問している」「新しいプロジェクトを率先してリードした」とかですね。

評価する人間は、定性的な評価基準で評価しないといけないと分かっていても、他人をまともに観察なんてしていませんから(できませんから)、結局、3の主観と同じような判断をしてしまいがちです。信じられないかもしれませんが、自分が他人を何かの物差しで評価できるか想像してみたら分かるでしょう。

なので、評価者が分かりやすいように評価基準を満たしていることを具体的に言語化して伝えるわけです。ポイントは言語化して伝えることなので、「誰かが私のことをちゃんとみて評価してくれている!」と期待するだけなのはお勧めしません。

最後に、3.主観的な評価での評価のされ方です。

これは、ちょっとコツが要ります。なぜなら何をもって評価しているか分からないからです。「義理のお義母さん、寡黙な人で何考えているかよく分からない……」なんてときに、気に入られるのは難しいですよね。

そういうときは、その人が他人をどう評価しているか本人にさりげなく聞きましょう。「お義母さんは、このお店のサービスどう思いましたー?」「リフォーム業者、どっちの営業マンが良かったですかね?」みたいな場面なら分かりやすいですし、テレビとか見ながら「お義母さん、この役者好きなんですね。もしかしてマッチョ好き?」とか、メディアを見ながらのさりげない雑談で聞くこともできます。

そうして得られた評価ポイントを意識しながら、振る舞うわけですね。

評価がされる決定的なタイミングで"覚え"を良くしよう!

こうして、評価方法に合わせた行動をとっていれば評価されやすくなります。

ただ、愚直に努力するっていうだけじゃつまらないですよね。ハッキングとは呼べません。私が意識しているのは、評価されやすいタイミングを見計らってポイントを稼ぐことです。

例えば、一年に一回、評価者が自分を評価する機会があるとします。評価者が評価をする期間が来月中旬ということが分かっていれば、評価される直前から評価時点で成果を出すようにします。

数字での評価だと誤魔化しが効かないですが、定性だったり、主観だったりで評価されるときは、これがかなり効きます。

日常生活なら、相手の誕生日や記念日を理解しておいて、その日にちゃんと連絡することなんかは、自分がやられたら少し相手の印象が良くなりますよね。

ずっと頑張り続けるのは大変ですから、私はここぞというときには評価されやすい行動をするようにしています。会議でもっとも緊張感のある場面で、それらしい発言をするとかですね。

これで評価される経験を得ていくと、他人は他人に興味がないこと、まともに観察できる力がないことに気付くようになります。ちょっとした絶望ですね。でも、そんなものです。

ただ"実態"以上に評価されると辛いのでほどほどに

自分が適切に評価されていないと思っている人が、評価の傾向と対策を理解して振る舞って適切に評価されるようになると、それはいいことですよね。

ただ、評価ハッキングを続けていると自分の"実態"以上に他者から過剰評価をされてしまうことがしばしば起きます。

過剰な評価は、続いて過剰な期待に繋がりますから、次の評価タイミングでしっかりアピールできなければ「なんだ、こんなこともできないの?」と評価を思いっきり落としてしまうこともありえます。

「ママ友トラブルはあの人に相談したらいつもきれいに解決してくれる!」というのが、「あの人のせいで嫌われることになった。酷い」と、愛情が憎悪に切り替わることは容易にあります。

なので、私は必要以上に評価されないように、適度に評価を調整するようにしています。あえて、悪人のフリをするわけですね。不良が捨て猫を拾えば評価爆上がりだけど、優等生がやってもたかがしれているという、あれを逆手に取るわけです。

評価ハッキングでお茶を濁して評価は気にしないのが気楽

否が応でも評価されてしまうタイミングがあるので、評価されやすいように省エネで振る舞う評価ハッキングをするわけですが、他者からどう評価されるかは、あまり真剣に受け止めすぎない方が気が楽です。

究極的には自己肯定感があればいいんですよね。他人からどう思われるかで自分がどうあるべきかを考えているのは辛いですから。他人のために生きているわけじゃないですから。

だから、私は評価ハッキングでそれなりの評価を得つつも、評価結果は愚か者による判定結果程度に捉えています。私が本当にやりたいことを苦労なく続けられるように、手段として評価ハッキングをしています。

評価をする立場では評価ハッキング者の存在を頭に入れておく

そこから派生して、私は自分が評価ハッキングをするので、自分が他人を評価をする場面では、評価ハッキングを仕掛けられていないかを意識して観察するようにしています。私の感覚だと、世の中にはそんなに多くはいませんが、偉くなっている人間には無意識に評価ハッキングをしている人が、なぜかたくさんいます。何ででしょうね?(すっとぼけ)

私は、多くの人の目が節穴だったとしても、せめて自分は頑張っている人を適切に掬い上げたいと思っているので、一時的に頑張っている連中は認識しつつ、脳のリソースを最大限使って、評価期間全般でのパフォーマンスを確認するようにしています。

また、誰からも気付かれていないで頑張っていることを、誰かに気付いてもらえるだけでも人は嬉しいものなので、私は隠れた努力をできるだけ観察し、相手に「頑張ってるね!」とフィードバックするようにしています。

実は、無意識ではなく、意識的に評価ハッキングをしていると、誰かを適切に評価する仕方も習得できるようになるんですよね。評価のポイントを言語化するってことですから。

私は自分がまっとうな人間ではないと理解しているので、自分がまっとうな人のまっとうな隠れた努力を褒めることができているのは、凄い奇跡だなと思っています。

締め

以上、評価ハッキングの手法を言語化してみました。評価で悩む人の参考になれば幸いです。

※貴社がエンジニアを上手に採用・起用できないのは、エンジニアの評価基準を知らないからです。この本は良著。私はエンジニア採用に関わっていないけど、とても面白い。