和山やまさんは『夢中さ、きみに。』を2019年に読んでいて、面白い漫画を描くなと思っていたんですが、『このマンガがすごい! 2021 オンナ編』で一位になっていた『女の園の星』は、面白すぎて涙が出ました。
女子校に勤める星先生が主人公だから、『女の園の星』というタイトル。祥伝社のFEEL YOUNG(フィーヤン)に掲載されていたから、『このマンガがすごい!』ではオンナ編という括りになっているんでしょうけど、この面白さには性別は関係ないですね。オンナ編だからといって男性が手に取らないのはもったいない。ぜひ、老若男女読んでほしい。私の子どもは読みませんでしたが。
第一巻は5話で構成されていて、全部、星先生が絡む女子校でのどうでもいい日常が描かれています。学校に犬が飼われていたとか、他の先生とご飯を食べに行くとか、生徒が描いた漫画を指導するとか、大した出来事ではないんだけれど、絵柄とセリフと展開が三位一体となって完成されていて、笑わずにはいられません。
例えば、次は星先生が同僚の小林先生と居酒屋に行く話での一コマ。
※1巻、p.118
小林先生がサザエさんを日曜に録画して土曜に見ているというどうでもいい話に、星先生がまったく共感や理解を示していない。そして、畳み掛けるように注文していた物が届く。情報量が多い……!
私は生徒が描いた漫画が要素盛り込み過ぎで収拾がつかなくなっているのを星先生が軌道修正しようとするけどできなかったという回が好きで、私のパートナーは上の居酒屋回での星先生と小林先生の会話が好きでした。まあ、全部の話が好きなんですけどね。
1巻の一話は祥伝社の特設サイトで読めるので、ぜひ読んでみてください。
※星先生が三枚セットで買っているシャツ
ちなみに、和山ヤマさんが『女の園の星』と並行して?、昨年コミックビームに連載していた『カラオケ行こ!』も最近読みましたが、これも良かった。ヤクザの若頭補佐が中学の合唱部の部長にカラオケ指南を受けるという話です。
設定だけで面白そうだと思ったら、こちらも読んでみてください。ジャンルをあえて決めるなら、ハートフルなギャグBLかな……!
※表紙はカラフルでBLっぽさが強い