一昨日のニュースが吹き上がっていました。
EU、日本からの入域原則禁止 コロナ拡大で、近く発表 | 共同通信
【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)は27日の大使級会合で、日本での新型コロナウイルス感染拡大を受け、日本からの入域を原則禁止する措置を再び決めた。出入国管理の運用は各加盟国に権限があるため、日本からの渡航を実際にどう扱うかは各国が独自に判断する。近く正式発表される。EU筋が共同通信に明らかにした。
EU大使級会合は、域外からの渡航原則禁止措置を「適用除外すべき国」のリストから日本を外すと決定。日本の感染状況悪化で判断が見直された。
日本とEU域内との航路を持つ航空会社は運航の再検討を迫られる可能性がある。
ご覧の通りすごく短いニュースなんですけど、これに対して、「日本は東アジアの中で対策が遅れているのだから外れて当然」というものから、「日本を外すならEUからの入国にも対抗して原則渡航禁止とすべきだ」というものまで、色んな意見を見かけました。
色んな意見はあっていいものですが、渡航原則禁止措置の適用除外すべき国リストにどんな国が含まれていて、過去、除外リストからどう除外されていったか(ややこしい)を知らないで意見を言っている人も多そうな気がしたので、せっかくなので調べてみたのがこの記事です。
まず、この禁止措置の例外とされた国は一番最初に決まった2020年7月1日時点では15ヶ国です。
EU理事会、域外15カ国からの入域制限を解除する勧告を採択(EU) | ビジネス短信 - ジェトロ
アルジェリア
オーストラリア
カナダ
ジョージア
日本
モンテネグロ
モロッコ
ニュージーランド
ルワンダ
セルビア
韓国
タイ
チュニジア
ウルグアイ
中国(ただし、中国については相互主義に基づく措置をとることを条件とする)
その後、アルジェリア、カナダ、ジョージア、モンテネグロ、モロッコ、セルビア、チュニジア、ウルグアイの8ヶ国が除外リストから除外されていき(ややこしい)、シンガポールが追加されて、直近2020年12月21日の除外国が次の8ヶ国となったのでした。
EU理事会、入域制限解除対象国リストを改訂、ウルグアイを除外(EU) | ビジネス短信 - ジェトロ
オーストラリア、日本、ニュージーランド、ルワンダ、シンガポール、韓国、タイ、中国(香港、マカオを含む)。ただし、中国(香港、マカオを含む)については、相互主義に基づく措置を取ることを条件とする。
それで、今後は除外の定義を改めようという話が出ていて、1月27日に日本が除外される見込みとなったということで、1月28日に日本が正式に除外され、7ヶ国になった。
ドイツ EU理事会が入域制限の解除対象国から日本を除外 | 日本橋夢屋
もともとこの除外国リストは2週間ごとに見直すということで、それに従い色んな国が除外されていったわけですし、東南アジア圏でいえば感染者数が少ないことで知られるベトナムも含まれていません。東アジアでいえばモンゴルも含まれていない。
なお、日本側ではご存知の通り上陸禁止国にすでにEU諸国が含められています。
新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について|外務省
また、EUの除外国リスト自体に法的拘束力がなく、EU諸国がすべて従っているかというと必ずしもそうでもないようです。なので、結局のところEUの方針として理解しつつ、入国制限の実態は各国の状況を調べてみないと分かりません。
外務省 海外安全ホームページ|新型コロナウイルスに係る日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限
一つのニュースで色んな意見が出るのはいいことですが、前提となる情報が共有されていたほうが建設的な議論ができるでしょうから、参考までに紹介してみました。
今日はこんな感じです。