こんなTweetを見かけて、
あー、私が考えるとマジで面白くない!
— えすぺろ (@s_vjsl) 2020年7月12日
これ、トピシュさんならどう回答するだろう…と思いました。先に思いつけばよかった…。
(トピシュさん、もしエゴサされて食指が動くようでしたら…ぜひ…!)
なんだろうなと遡ってみたら、思想家の東浩紀さんが朝日新聞のお悩み相談(70代男性が妻とスキンシップ出来ない事を相談するもの)の記事に怒っているというのが発端でした。
「もしあちらの方が役に立たなくても、性欲は妄想の産物ですからメディア系の性商品が各種取りそろえてあります。スキンシップ欲を満たしたかったら、お孫さんかペットを抱きしめることですね。」
— 東浩紀 Hiroki Azuma (@hazuma) 2020年7月12日
相談者にこんなこと言う権利あるのかな。 https://t.co/6ht1iOXWce
男性の相談内容からはやらかしの気配が相当するので(後述します)、上野千鶴子さんに限らずとも、男性に何かを指摘したくなるのは分からぬでもありません。
ただ、上野千鶴子さんの勃起不全の指摘や一人で楽しんでいたらというのは、新聞の紙面を使ってやるには下品で、相談者さんには屈辱的だと私は思います。セックスが不可能とあってもそれは勃起不全を意味しないとは文脈を読めば分かるはずなのに、誤読というより悪意を感じます。そんなわけで、私はこの相談に上野千鶴子をぶつけて、このような下劣な回答をさせる朝日新聞の編集者は邪悪だと思いました。読売新聞の人生案内のように、相談には相手に寄り添うことが最も大切であることを理解していないとしか思えない。
朝日新聞の非道な行為への指摘はこの辺にして、私ならこの相談にどう回答するのかを求められているので、以下、相談を引用の上で書いてみます。
妻が手も握らせてくれない 布団に潜り込むと罵声に暴力:朝日新聞デジタル
(悩みのるつぼ) 相談者
70代男性です。子どもたちはすでに独立し、4歳下の妻と2人暮らしです。そろって無芸無趣味の似たもの夫婦で、昼間は仲良くルーチンワークを分担、買い物や病院通いは、車の運転ができない妻のアッシーを務めています。
しかし、夜になると態度は一変、主婦として家事はするが、妻としての相手は卒業したと言って、古希を迎えた頃から指一本触れさせません。さらに、世の中の痴漢、不倫等の報道に対して、身勝手な男は死刑にすればいいと毒づき、ひわいな冗談は一切通じません。
私の方はさすがにセックスは不可能でも、時には手ぐらい握り合ったり、ハグぐらいあったりしても良いのではないかと思いますが、妻は嫌なものは嫌だといってガンと受け付けません。ときに朝方に妻の布団に潜り込むとカンカンに怒り出し、罵声に暴力、最後は逃げだし、昼間とは豹変(ひょうへん)します。
私は仕方なく布団を抜け出して、何もなかったように1日を始めますが、男としてストレスがたまります。それを口にしたところ、妻からは「私だって朝が怖くてストレスがたまる。いやらしいことは考えず、ほかに何かしたら」と言われました。
互いに社交下手なため、2人きりで過ごす時間が多いのも妻に嫌われる一因だとは思います。オッサン化した妻を女に戻す方策はないものでしょうか。
お悩みは、どうやってパートナーさんに嫌がられずにスキンシップができるようになるかということですね。
古希=70歳になってから一切触れさせないということから、必ずしも問題が昔からあったわけではないと理解します。また、パートナーさんが別の趣味や交友関係を持っていて物理的に距離があるということでもなさそう。とすれば、問題は相対的には根深くないものと私は思います。本気で夫婦関係に問題があると、そもそも最後の子どもの出産後からセックスレスとか、定年退職後に日中に一緒にいることも嫌がられるものですから(そして、大抵、妻が家から逃げ出して趣味を持つ)。
上記の整理に立った上で、私のお勧めは、①家庭外での趣味を持つこと、②日中の会話の時間を増やすこと、③日中にちょっとした触れ合いをすること、④筋トレをし身だしなみを整えること、後はできればですが、⑤女性を尊重することを覚えることです。
①は無芸無趣味で二人っきりだと煮詰まるので。家庭外で他人と触れ合うと相手の見え方(自分の見られ方)が変わって刺激になります。
②は会話時間とスキンシップには正の相関があるので。③は手を握ってデートするとか、頬にキスをすることや愛していることを伝えることとか。昼に接触がないのに、夜だけ接触するのとか怖い。
④は自分の改善です。年を取ろうが清潔でしっかりしているのは大事。そして、簡単ではないけれど、意識してほしいのは⑤です。
というのも、短い相談文の中に相談者さんのやらかしがちな人柄が垣間見えるからです。抜粋すると、"車の運転ができない妻のアッシー""世の中の痴漢、不倫等の報道に対して…ひわいな冗談は一切通じません”"ときに朝方に妻の布団に潜り込む""オッサン化した妻を女に戻す方策"といったところですね。
自分をアッシーと言語化するのは何なんでしょう。"甲斐甲斐しく"でいいと思うんですが。また、世の中の痴漢、不倫等の報道に対してパートナーの前でひわいな冗談を言っているっぽい。そして、何も言わずに布団に潜り込む。最後に、スキンシップを嫌がるパートナーさんのことをオッサン化と言う。
総合的に見て、私の感覚だと、パートナーさんは十分女性としての意識があり、それが故に、相談者さんの女性を尊重しない言動に辟易をしているという印象を覚えました。
というわけで、70代の今からだとかなり難しいとは理解しつつも、本質的にパートナーさんから受け入れられることを願うのであれば、私は、目の前にいるパートナーさんを一人の女性(人間)として尊重することを是非お勧めしたいところです。結果として、テレビを見て卑猥な冗談を言うことが何を意味するか、また、相手に同意を得ずに布団に入り込むことがいかに好ましくないかが理解できるようになる。
以上、長くなりましたけど、回答としてはこんな感じでしょうか。
我が家でもいつまで夜の営みを続けられるかは話題になります。たぶん、夜は徐々に減り、日中にデートして手を握ったり、肩を組んで映画を見たりというのがせいぜい維持されるんだろうと想像しています。上手に年を取りたいものですね。
※朝日新聞の編集者はこの本を100回読むように!