今日は一人小町です。ちょっと前のやり取りで、無事離婚できたため公開に至りました。
Q1. 夫と離婚したい
斗比主閲子 様
初めまして。いつもブログをたいへん楽しみに拝見しております。アラフォー、既婚・子持ちのMiekoと申します。
今回は、私の家庭についてご相談したく、不躾ながらメールをお送りさせていただきました。ズバリ離婚についてロジカルなアドバイスをいただけますでしょうか。
原因はぐちゃぐちゃとございますが、メインは以下となります。
- そもそも私が結婚したくなかったのに押し切られた
- 夫が家事をしない、生活費を渡さない
- 何かとたかり体質を感じる
というところにございます。
夫婦のプロフィールは、以下となります。小町のネタのような経歴ですが、ほんとうなんです。
- 結婚2年目、子ども1歳。
- 夫 アラフォー 旧帝大卒 米国でMBA取得、有名外資企業勤務 年収不明
- 妻 アラフォー 有名私大卒 帰国子女 年収は子育て中心のため500万(かつては1000万円)
私は子どもの頃から自由と平等への執着が強く、自然と男女同権への意識をもっておりました。2年前、交際していた現在の夫との間に子どもができて、もちろん産む選択をしたのですが、選択的夫婦別姓が認められていない日本において、日本人同士で結婚をすることに抵抗があり、単なる認知か事実婚にしたいと提案しました。
ですが、夫の両親が田舎の保守的な人々だから認めないであろうこと、会社員の妻は経済的にメリットがあることを理由に押し切られ、せめて私の姓になってくれれば…と泣きながらお願いするも却下されました。
妊娠中で精神状態も体調も思わしくなかった私は、夫とその両親を1人で説得するパワーが足りなく、結局入籍してしまいました。ちなみに、いい年なので結婚式はあげず、新婚旅行も行きませんでした。私からの提案で、結納金も婚約指輪も結婚指輪もありませんでした。
そして、いざ子どもが産まれてみると、出産費用も払わず、生活費もくれません。夫の言い分としては、住宅ローンを払っているのだからあとはいいはずだ、とのこと。産後、一時的に収入がゼロとなった私に対して光熱費も払えといいます。
高額な託児所に子どもを預けて私は仕事復帰しましたが、託児所代、送迎のベビーシッター代、その他子育てに関する費用を、夫は一切支払いません。生活費も、住宅ローンと光熱費以外は負担しません。それなのに、私の収入はすべて自分の銀行口座で管理し、何かと理由をつけて1円も渡そうとしません。
これは何度となく請求し、なんとかお金は取り返しましたが、口座管理料や光熱費など、細かく理由をつけてはピンハネします。子どものお受験や習い事に関して相談しても、「お金がかかる」を理由にすべて却下します。
かつて高収入だったせいでお金にズボラな私の性格が災いして、預金残高が極端に減るまで、このおかしさに気付かなかったのですが、その後、幾度となく生活費を請求しても、「住宅ローンと光熱費を払っているのに、何にそんなに使っているんだ?」「妻側に収入があるし、そもそもたいして家事もしていないのに、お金なんかいらないじゃないか?」などと言ってきて、正直そうとうめんどくさいのです。
もはや夫への愛は一切なく、私と子どもの2人だけで暮らした方が家事の負担も減るし、ストレスもかからないので、離婚しようと思っています。シングルマザーになれば認可保育園にも入りやすくなるので、私の時間も増えそうです。夫は納得していないらしく、養育費について話し合いをしても埒が明きません。弁護士をつけて調停離婚しかないかと思っております。
世の中の離婚関連本やネットに転がっている離婚カウンセラーさまのお話では、離婚を決断する前にとことん話し合い、何が何でも回避すべきだとありますが、topisyuさまは、離婚に関してどのようにお考えでしょうか。
おそらく聡明なtopisyuさまは、こうなる前に夫となる人の本性を見極めて結婚を避けたり、理想の人と結婚されてからも戦略的なコミュニケーション術で悪しき事態を避け、円満で良好な家族関係をお築きとのことと存じます。
ですが、家事も育児も時間も金銭的負担も、できるかぎり夫婦平等であるべきという理念をもつ面倒くさい性格の私は、結婚にあたって、どうすべきだったのでしょうか。そしてこれから、離婚にあたってはどうすべきなのでしょうか。
長々と申し訳ございません。アドバイス、どうぞよろしくお願いいたします。
Mieko
A1. 離婚のハードルは低そう
Miekoさん
メールありがとうございます!
まさに小町にしかいないような経歴のご夫婦を目の当たりにし、少々感動してしまいました。エピソードも美味しく頂きました。
では早速本題に。
まずは、こちらのご質問から答えると、
離婚を決断する前にとことん話し合い、何が何でも回避すべきだとありますが、topisyuさまは、離婚に関してどのようにお考えでしょうか。
Miekoさんの状況なら基本的に離婚して問題ないと思います。
一般的な離婚本に書かれている、離婚を回避すべきとする理由は、大きく2つです。
①一般的な日本人女性が離婚してから金銭的な面で自立して生活できないから
②一般的に両親が揃っていたほうが子育てには良い影響があるから
どちらかというと、①の理由が大きいですかね。シンママで苦労するのは大抵はお金の問題です。
Miekoさんは金銭的に問題がないようですし、パートナーさんは育児に関与していなさそうですから、①②の離婚を回避するべき理由は該当しません。
一つ気になることがあるとすれば、分譲マンションのローン残高です。マンションはたとえ夫がローンの支払いをしていたとしても法律婚をしている以上夫婦の共有財産です。離婚をするとなればこの共有財産であるマンションは、売却するか、もしくはどちらかが住むかということになります。
部屋の大きさや金銭負担の面倒臭さを考えると、売却の可能性が高いですよね。ただ、時価に対してローン残高が多ければ、売却しても借金をお互いが分けるだけになってしまいます。こうなってくると、かなり重たい負債を抱えた段階でシンママになってしまう。
次に、こちらのご質問。
ですが、家事も育児も時間も金銭的負担も、できるかぎり夫婦平等であるべきという理念をもつ面倒くさい性格の私は、結婚にあたって、どうすべきだったのでしょうか。
そういうお考えを持ちなら、結婚にあたってどうすべきだったかと言えば、この方とは法律婚しないほうがよかったと思います。
パートナーさんはかなりプライドが高いですよね? 私の観測範囲には、高学歴で米国のMBAを取っているような日本人男性には、表面的にはリベラルを装っても、中身はコテコテな亭主関白だったり、合理主義が行き過ぎて家事など生産的でないと思われることはやらないという考えの人がしばしばいます。
特に、事実婚を両親が反対するからできない、姓を変える気もない時点で、彼は保守的なのは明らかです。平等意識が強い男性のやることではない。従い、事実婚で良かった。今更ですが。
最後に、
そしてこれから、離婚にあたってはどうすべきなのでしょうか。
聞いている状況での離婚時のポイントは、
①離婚できること
②親権を確実に取れること
③養育費を取ること
だと思います。
①離婚調停は強制力がありませんから、裁判離婚も検討することになります。こうなると数年がかりになりえます。②親権を取るにはこちらが養育している実情があることが重要です。③は前にもブログで書きましたが、ほとんどの男性は養育費を払いませんから、ここの請求ルートを確実に構築しておく必要があります。
こんなところでしょうか。とりあえずこんな内容でよろしいか、いやいやこういったコメントを求めたいというのがあれば、またメールください。
topisyu
Q2. 夫がドケチな理由を教えてほしい
topisyuさま
ご返信ありがとうございます!
私のまわりには、経歴は小町風のファミリーがざくざくとおります。みんな、世間的には高学歴高収入なのに、不倫をする衝動を抑えられなかったり、計画性があるのかないのか。自分のやりたいことを決して諦めず、人生を謳歌しているようでございます。まあ、私も同類かも知れませんが。
topisyuさまからご返信いただけたことがうれしくて、無関係な話がすぎました。反省いたします。
さてさて、離婚に関しては問題ないとのご回答、ありがとうございます。いまは夫と一緒にいると過呼吸になりそうなので、まずは別居して離婚準備を進めようと思い、物件を探しております。
ほんとうはローンを組み替えて今のマンションに住み続けたいのですが、夫は自分だけに権利があると言い続けて、話し合いになりません。いくら名義が夫だからといって、共有財産であることはちょっと調べればわかることなのに、知性のある人間とは思えない言動に、イライラしております。おそらく夫は、私が法律や金融にうといと思っており、強く言えば財産は諦めると考えているのではないでしょうか。
topisyuさまご指摘のとおり、夫は保守的でプライドが高い人間だったようです。わたしのまわりのゲスいエリートたちに比べると、ドヤ顔ドヤトークをしませんでしたので思い違いをしてしまいましたが。
子どもは、夫になついております。おもちゃや遊びに行く場所、食事などのお膳立てを私がしておけば、子どもの面倒をみてもらうこともできます。ですので少しかわいそうだなーと思う気持ちもなくはないのですが、今後教育にかかるお金も渋られると思うと、早めに縁を切りたいですね。
topisyuさまにさらにアドバイス・コメントをいただきたいポイントとしては、
- 夫はなぜドケチなのでしょうか。それとも気にする私のほうがドケチなのでしょうか。
- お金が原因で別れたいのに、お金の争いをしまくらないと別れられないことに、戦々恐々としています。だからといってこちらが譲歩すると一生モヤモヤしそうなのでがんばりたいですが、気持ちの持ち方、切り替え方にアドバイスをいただけますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
Mieko
A2. ドケチに至る背景を見直してみましょう
Miekoさん
メールありがとうございます!
以下、
- 夫はなぜドケチなのでしょうか。それとも気にする私のほうがドケチなのでしょうか。
- お金が原因で別れたいのに、お金の争いをしまくらないと別れられないことに、戦々恐々としています。だからといってこちらが譲歩すると一生モヤモヤしそうなのでがんばりたいですが、気持ちの持ち方、切り替え方にアドバイスをいただけますでしょうか。
についてお答えしますね。
1.夫はなぜドケチなのでしょうか。それとも気にする私のほうがドケチなのでしょうか
まずMiekoさんがドケチだとは思いません。パートナーさんはドケチというか、人にお金を使えない人ですね。ドケチな理由についてはちょっといただいた文章だけでは分かりません。
①パートナーさんのご両親はパートナーさんにお金を使っていたか
②パートナーさんはMBA等の費用をどのように工面したか
③パートナーさんは現状どれだけお金を持っているか、ローンの支払いは月額いくらか
④パートナーさんとMiekoさんの間で、家計の支出がどれくらいか共有ができているか
⑤パートナーさんは娘さんにどうなって欲しいかという希望があるか
こういったところを教えていだけるともう少し言えるかと思います。
2.離婚の気持ちの切り替え
これは結構皆さん悩まれるんですよね。一番楽なのはすべて専門家に任せてしまうことです。
専門家を起用し、とりあえず別居してしまって、後のやり取りは、基本弁護士や司法書士や行政書士を通す。弁護士等の専門家には、引き出したい条件を事前に明確に伝えておく。後は、専門家と定期的に打ち合わせる。こういう物理的に断絶するのが一番楽な方法です。
自力でやる際は娘さんの顔をじーっと眺めることですね。子どものためを思えば勇気が湧いてくるかと思います。後は得たい条件を紙に書きだして目標として毎日チェックすること。この辺は仕事と同じです。
とりあえず、この程度をお送りします。
ではでは!
topisyu
Q3. お金をかけないで育てられたようです
topisyuさま
お忙しいところ、ご返信どうもありがとうございます。
以下、お答えさせていただきます。
①パートナーさんのご両親はパートナーさんにお金を使っていたか
お金を使っていないです。お金をかけずに高学歴ルートです。
夫の両親は、子どもや孫にお金を使うという発想があまりありません。孫の誕生日祝いにも、夫が子どもの頃に使っていた玩具を送ってくれたりします。もちろん何の悪意もないのです。
②パートナーさんはMBA等の費用をどのように工面したか
学費は会社が出したそうです。
③パートナーさんは現状どれだけお金を持っているか、ローンの支払いは月額いくらか
貯金の金額はわかりません。決して教えてくれないのです。弁護士に離婚相談をした際にアドバイスを受けて家捜しをしてみたのですが、通帳等は見つかりませんでした。まあ、いまどき紙の通帳は持ちませんよね。貯め込むタイプなので、外貨証券等合わせて2000万くらい持っていそうな気がします。
④パートナーさんとMiekoさんの間で、家計の支出がどれくらいか共有ができているか
まったくできていません。私の収入を夫が管理することになったときに、これでまとまった生活費を毎月もらえるのだとホッとしたのですが、それどころか1円もくれなくて、そこから大きなわだかまりができました。
その後も家計費を聞かれて、調べて答えても、「使い過ぎ」「節約するようにしよう」などと言われるだけで、お金はくれません。夫は私のクレジットカードの明細をウェブ上で見ていたのですが(結婚してすぐに聞かれて、気にせずに教えてしまい、最近まで忘れていましたが)、気持ちが悪いので最近IDとパスワードを変えました。
⑤パートナーさんは娘さんにどうなって欲しいかという希望があるか
どういう人間になってほしいと思っているのか、具体的な姿は見えません。私が「こう育てたい」「こんな経験をさせてあげたい」という話をしても、否定をするばかりで、自分の考えはないようです。
そもそも、夫自身がどんな人間になりたいのか、どんな仕事をして、どんな生活をして、どんな風に世の中に貢献するのか、というビジョンが一切ないようで、可哀想です。モチベーションの高い同級生たちにもまれても変わらないくらいに頑固ではあるようですが。それについて私が聞くと、「傷つく」「高圧的だ」と言います。
離婚への気持ちの切り替え方ですが、やはり弁護士に任せるのがいいのですね。安くはない弁護士費用に対し、現状多くはない私の収入、その代わりに比較的余裕のある時間、さらにはたいして取れないであろう養育費と財産分与…を天秤にかけて迷っていたのですが、アドバイスをいただいたとおり、プロに任せようかと思います。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
Mieko
A3. お金が本人の存在証明かも
Miekoさん
メールありがとうございます。
夫はなぜドケチなのでしょうか。それとも気にする私のほうがドケチなのでしょうか。
について、頂いたメールの内容を受けて、もう少し書きますね。質問で誘導するような形でしたが、ご回答からすると、パートナーさんがケチな理由は以下、大きく二つの可能性があります。
- 本人がお金を使われずに育てられていたからお金を家族のために使うという概念がない
- お金が本人の存在の証明となる
基本的に1だと思いますが、本人がお金について病的であれば2もあるとは思います。人生に目標がない人はお金を目標とする傾向があり(ゲーム的で分かりやすい)、積み上げてきたお金がその人自身がどれだけ何かを成し遂げたかを表す指標となることがあります。
そもそも、夫自身がどんな人間になりたいのか、どんな仕事をして、どんな生活をして、どんな風に世の中に貢献するのか、というビジョンが一切ないようで、可哀想です。
Miekoさんがこのようにパートナーさんを見ていて、それを本人に伝えているということから、パートナーさんについて軽蔑しきっていることがよく伝わってきました。
正直に言えば、パートナーさんは世の中の酷い配偶者から比べるとまだマシだとは思いますが(子どもの世話ができる分)、Miekoさんの中でここまで冷えてしまっていて、かつパートナーさんがご家族にお金をかける未来もないのであれば、改めて申し上げますが、離婚をするのも致し方ないと思いました。
なお、
子どもは、夫になついております。
とのことですので、子どものことを考えれば離婚後も子どもとパートナーさんは会える機会があるといいですね。子どもとしても父親がいないというより、(良い父親であるならば)接点があったほうが望ましい。今、考えることではないでしょうけどね!
ではでは。
一応これで元のご相談については終わりかと思いますが、また何かありましたらどうぞご気軽にメールください。
topisyu
締め
このメールのやりとりは少し前のもので、自分のリアクションを読み直すといまいちな部分がたくさん感じられるので、それだけ自分が成長したのだなと思いながら、今回やり取りを修正していました。
今読み直すと、どうして私が指摘していないか理由が分からないんですが、読者さんのパートナーさんは普通に経済的DVをやっている状態ですよね。普通に離婚事由にあたるやつです。
いずれにせよ、無事離婚は成立したようで、何よりです。
今回は以上です。
これを読まれたみなさんも、どうぞetsuko.topisyu@gmail.comまで、ブログにそのまま掲載してもよい、ほっこりエピソードをご気軽に送ってください。私が一言コメントを付けてブログに掲載します。
なお、投稿にフェイクを入れるのは確認で時間がかかるので、ご自身でするか、私に全面的にお任せする形でお願いします。また、どんな方向でコメントをしてほしいかも書いてくれたら、期待に応えるようにします。罵ってほしい、褒め称えてほしい、傾聴してほしい、何でもOKです。