斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

イギリスのEU離脱の国民投票と、トランプ大統領の当選と関税政策と、日本の第3号被保険者問題と将来の国民投票

長期休暇明けなので、いつも書いているような、長期休暇明けの大人や子どもへの心身の負荷について書こうかなと思ったんですけど、他に書きたいことがあったので、過去記事へのリンクを貼ることで済ませておきます。 

他に書きたいことというのは、昨日も書いた週刊ポストの第3号被保険者に関する対立煽り記事へのネットでの反応です。

記事の中ではあえて具体的なtweetは紹介しませんでしたが、Twitterでは引き続き延焼しています。誰が作ったか知りませんが(知っています)、このTwitterのタグを辿ると、

#働く女性の声 - Twitter Search

怒りの声で溢れ返っています。政府が出した見解でも何でもない、週刊ポストのネタ記事をベースにして、政府への怒りが書かれている。

私の大好きなラジオ番組Session-22のパーソナリティである荻上チキさんの盟友の、ジェーン・スーさんも相乗りしていたりして。

ここでの、"ソース出して欲しいなあ"は政府に対してか、週刊ポストに対してか、どっちか分かりませんが、記事を書いたのは週刊ポストですから、ポスト系列のTwitterの公式アカウントに聞くなりなんなりしたらいいのに、その気配はない。

ちょっと話は変わりますが、トランプ大統領が中国製品への関税率を上げるということをTwitterでやって、株式市場が阿鼻叫喚の地獄絵図の様相になっているのを見て、

私のTwitterのフォロワーさんがどの程度関税の理屈について知っているかを確認するためアンケートを取ってみました。

もちろん正解は関税の支払いをしているのは中国ではなく、アメリカの輸入業者です。トランプ大統領のTweetは間違っています。

米関税賦課、数十億ドルの税収効果も負担は米国に-中国ではない - Bloomberg

しかし、私が行ったアンケートでは、??の取扱いは難しいですが、必ずしもその通りではなかった。

トランプ大統領が関税政策という自国民へのペナルティをし続けているのは、次の再戦も見据えて、有権者からの信任を得るためでしょうから、アメリカ国民でも、トランプ大統領が書いているように、関税は中国が支払うものと認識している人はかなりの数いるんだと思います。(これは、探せば簡単にファクトが見つかるはず)

私は連休終盤に、これらを眺めていて、イギリスのEU離脱の国民投票や、アメリカのトランプ大統領の当選と関税政策について、日本でも我が事と考えたほうがいいかもと思いました。事例は当然のごとく限定的ではありますし、私が悲観的すぎるという自覚はあるんですが。

イギリスのEU離脱の国民投票の結果やアメリカのトランプ大統領の当選というのは、ポピュリズム的であるとか、エリートへの不信が源泉であったとか、”後になって”様々な分析がされています。

ポピュリズムって民主主義と何が違う? 知っておくべき「5つの事」 - withnews(ウィズニュース)

イギリスのEU離脱の国民投票の結果はもう3年も前になるので、当時の雰囲気も忘れ去られてきていると思いますので、荻上チキさんの当時のラジオ番組の特集はまだ聴けますので、こちらを聴いてみてください。私も時々聴き直しています。

【音声配信】「イギリスのEU離脱問題。EUの研究者が現地で見たものとは?」遠藤乾×國分功一郎▼6月27日(月)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)

日本では何となく、イギリスのEU離脱の国民投票の結果や、アメリカのトランプ大統領の当選は間違った判断だという空気感はあると思います。でも、私が見ている限りでは、たぶん、日本でも同じ様な判断が将来的に行われても全然おかしくないという気がしていて。将来というか、近々にありえる国民投票でどんな議論が行われるのか。

今回、Twitterで、「#働く女性の声」タグを使って怒りを表明する人のアカウントを探ってみたのですが、厚労省の社会保障審議会(の年金部会)の資料や議事録を紹介する人は極めて限定的でした。年金の議論がここで行われていることに辿り着くのはそんなに難しいことじゃないし、議事録や参考資料含めて全部公開されているのに。

社会保障審議会(年金部会)|厚生労働省

国の決めごとというのは、もちろん議員立法はあれど、専門家を起用したこの種の審議会等で定期的に議論がされているものもありますから、ソースを調べたいなら、go.jpのドメイン限定でサーチをしたらいいわけです。Twitterをするのと同じPCやスマホがあれば調べられます。

審議会 - Wikipedia

週刊ポストの煽り記事を受けて、すぐに政権批判を展開するのではなく、国が公開している専門家の議論を読んでみたらいいのに、それはあまりされない。

第3回社会保障審議会年金部会議事録 |厚生労働省

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検索しない理路としては、面倒で調べる気がないという人もいるでしょうが、国が公表している情報はすべからく信用ならない、官僚や専門家のようなエリートが醸成している議論なんて価値がないというのもあるでしょう。それなら、この種の審議会の存在自体が無意味であり、代替手段を検討するよう国に声を挙げたほうがいいと私なんかは思うわけです。それこそTwitterでも議員には質問できるし。

ここまで色々書いていますが、他人が他人の言動をどうのこうの指示したり、本人が求めていないアドバイスをしたりしたところで上手くいかないものです。この考えは、私が普段から一人小町で読者の皆さん向けに書いているとおりで、この記事でもスタンスは変わっていません。なんやかんや書いていることは、誰かへの指摘というより、私自身として、世の中を見ていてのある面での事実確認みたいなものです。

一人小町 カテゴリーの記事一覧 - 斗比主閲子の姑日記

話は変わりますが、私が愛読しているブログである、弁護士のテラバヤシさんはTwitterを止められたそうです。 

ツイッター、離れました。 : 弁護士テラバヤシは、本日も晴天なり

ツイッターの世界の中で自分がやりとりしているのは、ほんの小さな世界でしかないはずなのに、いつしかそれが、リアルに自分の目の前に広がる日常の世界に思えてきます。

私は3年前からテラバヤシさんのブログは購読していて、

topisyu テラバヤシ - Twitter Search

最近になって、テラバヤシさんがTwitterで活動していることを知って眺めていたら、風の谷のナウシカの王蟲が赤い目になっているような感じで、「性犯罪でも推定無罪の原則が当てはめられるべき」ということをバトルしているのを見て、驚いた記憶があります。訓練を積んだ弁護士であり、実名であり、ブログでは冷静に見える人が、Twitterだとここまで感情的になってしまうのかと。

Twitterでバトルをしていた人が、Twitterを止めて、その反省文?をブログで書くというのは、私の観測範囲ではかなり珍しいことなので、

ツイッターに関する一考察。 : 弁護士テラバヤシは、本日も晴天なり

内容自体に新鮮味はないものの、興味深く拝見しました。

今日書きたかったことは以上です。私の認識の醸成プロセスの言語化みたいなもの。