こういう依頼があって、
「母親の発達障害」を理由に子どもの受け入れを拒否した保育園の園長が謝罪に来たけど途中で切り上げることになった話 - Togetter
こういうののモヤモヤ感こそ、トピシュさんに説明もらいたい。
2018/07/05 09:29
そのTogetterのTweetまとめを読みました。
話としては、保育園が母親の病気(発達障害)を理由として子どもの受け入れ拒否をしたため、父親から行政側に差別があったことを伝え、行政が保育園の園長から父親に謝罪をさせようとしたものの、保育園の園長は差別をしたことを理解していなかった、という父親側のTweetをまとめたものです。
私を呼んだ人が何にモヤモヤしているかは、特に説明してくれていないので、何を私が説明しないといけないか分かりませんが、察するところでは、大きく二つの可能性ですかね。
一つは、このまとめ自体にモヤモヤしている可能性。この家族は被害者かもしれないけど父親の園長への対応がやりすぎでは?とか、説明がよく分からなくて本当は何か他の事情があったのでは?とか、そんなところでしょうか。
もう一つは、このまとめの反応にモヤモヤしている可能性。差別された被害者に礼儀正しさが求められているとか、そもそも差別をしないことが広く認識されていないとか、そんなところでしょうか。両親ともに病気であれば保育を要する児童ですしね。
どちらか分かりませんが、私に説明してほしいなら、まずご自身で説明して頂けると嬉しいです。
前者のモヤモヤについては、お父さんの他のTweetをチェックしてもいいですね。お父さんは気軽にTweetされるスタンスと明言されていて、確かに分かりにくさはあるものの、ある程度は状況が理解できます。
自閉スペクトラム症の妻を拒否した保育園への入園希望は辞退しました。運が良ければ空きのある他の園に入る予定です。
— 予期せぬエラー (@yokisenu_error) March 19, 2018
ちなみに、入園希望を辞退しても、受け入れを拒否したことに対する福祉事務所の対応は続くそうで。いや、なんで拒否した、園。どんどんオオゴトなってるけど。#発達障害 #保育園
構図としては、余裕がないというところで起きた問題・モヤモヤという感じで、以前取り上げた保育園と保護者の対立と近いところがあるかなと思いました。
働いている保護者も、保育士も、お互いに仕事を簡単に休めていないんですよ - 斗比主閲子の姑日記
それで、この件が大事になっているのは、事実であれば、お父さんが書かれている通り、障害者差別解消法に違反しているからで。たぶん、知らない人がまだまだいそうなので、最後に少しだけ触れておきます。
障害者差別解消法が施行されたのは2016年4月です。障害のある人への不当な差別的取り扱いの禁止と合理的配慮の提供を行政・事業者に求めているものです。合理的配慮については負担が重すぎない範囲で、事業者なら対応に努めることとバッファがある。
「不当な差別的取扱いの禁止」とは?
この法律では、国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者が、障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止しています。
「合理的配慮の提供」とは?
この法律では、国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者に対して、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること(事業者に対しては、対応に努めること)を求めています。
※ポスターは障害を理由とする差別の解消の推進 - 内閣府から
もとの件で、園側がどう説明したかは分かりませんが、園の送り迎えを(障害がないと思われる)祖母がするとしても入園を許可できないということだし、保育士の加配を要請しているものでもないわけですし、行政としては、園が見事にやらかして、頭が痛い案件でしょうね。
まだ待機児童がいて保育士の労働環境が改善されていない現状で、保育園や保育士に負担をかけることにモヤモヤする人はいるかもしれません。ただ、働く親が働ける環境を提供するのと同様に、障害者差別の解消も、世の中を生きやすくするためのものです。