私が注目している調査に『全国学力・学習状況調査』があります。毎年全国の小6・中3の学力を調査しているやつですね。
なぜ注目しているかというと、親の収入が低くても子どもの学力が高いファクターが何かを確認するためです。前提として、この調査では親の収入が高ければ子どもの学力が高いというのは確認され続けています。
※表は「保護者に対する調査の結果と学力等との関係の専門的な分析に関する調査研究」(お茶の水女子大学提出資料)より
それで、直近の調査で、お茶の水女子大学が分析したところでは、親の収入が低くても次のような傾向のある家庭では子どもの学力が高かったそうです。
子供の学力、本・新聞や生活習慣で親の収入差を克服も :日本経済新聞
一方で、最も低い階層でも学力が全体の上位25%に入った子供の家庭で、「小さいころ絵本の読み聞かせをした」「本や新聞を読むように勧めている」「毎日朝食を食べさせている」「計画的に勉強するよう促している」などの質問に「当てはまる」と回答した割合は、学力が上位でない家庭よりも5.8~12.0ポイント高かった。
親の収入や学歴に関係なく、生活の習慣や親の意識が子供の学力に影響を及ぼす可能性があることを示している。
確か、前も同じことが言われていたはずなので、調査項目に問題がなければ、この辺が効くんだろうなというのはやっぱりそうだなと思いました。生活習慣と親の意識。
それで、読書とか計画的に勉強するのとか、良い生活習慣を身に付けるとなると、これは、良い生活習慣を持った親が子どもにそういうものを提供できているだけという話になりがちなので、では、良い生活習慣というのはどうやって身につけられるものなのか、(子ども向けに限らない)習慣化の本をいくつか読んでみました。
5-6冊ぐらい読んで、どれもエビデンスはまったく触れられてないものの、エッセンスは共通するところが多く、また、発達障害の子どもの習慣作りの本とも共通するところがありました。
読みやすくていいなと思ったのが次の本です。習慣化作りの本が、読む気がおきない作りになってたら本末転倒ですからね。
内容をざっくり要約すると、辛いことは長続きせず、楽しく快適なことは続けられるから、習慣化したいことがあるなら(やりたいことがあるなら)、それを楽しさと結びつけようという話です。逆に、やめたいことがあるなら、辛いことを結びつけようというもの。
- ものすごくハードルを上げて何かをやりきるのは辛いから、スモールステップに分けて、少しずつこなしていく
とか、
- やりたいことと合わせて楽しいことを提供する
とかは、発達障害の子どもの習慣作りと近いなと思いました。最初の頃はスモールステップで、成長を確認しながら楽しくやっていると、気付いたら習慣化してる。
他にも、やりたいことの中で優先順位が高いものから取り掛かるとか(本当に必要だと思うことをやるとか)、とりかかれないものは達成したときの成功体験を脳内にイメージするとか、付箋とかストップウォッチを使うとか、他人と一緒にやるとか、達成度がわかる目盛りを用意するとか、そういう話が書かれています。ありきたりといえばありきたりなのだけれど、まあそうだよね、みたいなの。
この辺の習慣化というのは、ソーシャルゲームがよくできていますよね。最近WHOがゲーム依存症を精神疾患と認定しましたけど、ハマる環境というのは習慣化する環境ともいえるから、ゲームみたいな感じで、上手くハマれる環境があると、勉強でもスポーツでも習慣化しやすい。最近うちの子どもたちもハマっている、Think!Think!という学習?アプリは上手く考えて作られています。
グーグルが認めた「花まる学習会」アプリの力 | インターネット | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
この辺が言えそうだというのは何となく分かってきましたが、もう少しエビデンスを探してみます。気が向いたら記事にします。
ちなみに、我が家の子どもたちはもう何年も公文を続けているのですが、初期の頃はどの子もそこそこ苦戦していました。苦戦していたのを続けられるように習慣化するキーになったのは、上の本で書かれていたようなことをやっていたからという自覚はあり、n=1ながらも、そんなものかなと思っています。