斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

コロナ禍の臨時休校で、もともと成績が良いか悪いかで勉強時間が最大2倍の差になっていた

こんな調査がありました。

新型コロナウイルス感染症によって拡大する教育格差 | 三菱UFJリサーチ&コンサルティング

今年の臨時休校中の家庭での勉強がどれだけ行われていたかを様々な観点から分析したものです。タイトルに拡大する教育格差とあるのは、もともと学力別で勉強時間に差があったのが、臨時休校期間中に更に広がったというのが確認できたためです。

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※出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティングの上記レポートp.33から

成績が下の方だと勉強時間がほぼ半分になる一方で、上の方だとせいぜい20%減であることが分かります。要するに、もともと勉強する子どもは休校中でもある程度は勉強し続けるということですね。

これ以外に勉強量の差が出る原因としては、臨時休校期間中に家庭が子どもの勉強を見てあげられているかどうかも大きな影響があったとレポートでは分析しています。レポートでは所得やリモートワークの影響や他国の事例なども豊富に紹介しているので、興味を持った人はぜひ原典にあたってみてください。

ここからは私の観測範囲の話です。

もともと勉強していた子かどうか、家庭が子どもの勉強を見ているかどうかで勉強時間の差が出るというのは私の個人的な感覚でも非常に納得するところではあります。学校に通うことでどうにか勉強していた子は家での勉強の習慣がないし、勉強しようとしても家庭で教えられる人間がいなければ勉強しようがないですから。

私のママ友・パパ友でも、親が子どもの勉強を見られない、もともと子どもの学校の成績が悪いケースでは、臨時休校が早く終わることを願う人が多かったように思います。逆もそうで、親もそれなりの学歴で、子どもの成績が良い親からは臨時休校中の学校のサポートへの期待はほとんど聞くことがありませんでした。在宅勤務で大変だけれど、もともと家庭で勉強する習慣や家庭外にアウトソースするのも自然にやっていたのでしょう。

臨時休校後の現在の日本では、学校がクラスターの中心となるケースはそう多くは報告されておらず、また、子どもの重症患者・死亡者も確かゼロだったはずです。そうすると、今後感染拡大があっても臨時休校がなされない判断はありそうな気がします。

いずれにせよ、休校下で勉強時間の差が出たというのは確からしいし、背景もある程度分析できたとすれば、次に休校があったときには、家庭の限界を行政的に地域的にどうサポートしていくかを考えておくんだろうなと思った次第です。