どうやら、「保育園落ちた日本死ね!!」の記事の、
保育園増やせないなら児童手当20万にしろよ。
保育園も増やせないし児童手当も数千円しか払えないけど少子化なんとかしたいんだよねーってそんなムシのいい話あるかよボケ。
この、児童手当が数千円というところが話題になっているようです。「児童手当の所得制限に引っかかるような高年収の人がこの話をしていたのか」みたいな感じで。
これが今さら話題になるということは知らない人が多いからだと思いますが、児童手当には所得制限があります。ある一定未満の所得だと、児童手当は児童の年齢にもよりますが月額1万円以上で、ある一定以上の所得だと現状は5000円です。
こういう公的補助系のものというのは所得によって明確に金額が違います。以前に、こんなことを書いたら、
そういうこともあり、エルゴの抱っこ紐を使っているのを見かけても自分はお金持ちだとは思いません。お金持ちか判断するには、他にもっといい物差しがありますしね。
他の物差しを紹介してくれという要望が結構あったので、この際、私が知っている、所得によって補助金・手続きが変わるもの=補助金の額・手続きの有無で所得が推測できるものを紹介してみます。
- 注意点「所得と年収の違い」「個人所得と世帯所得の違い」
- 保育園・幼稚園の利用料・補助金
- 高等学校等就学支援金制度
- 特定不妊治療費助成
- ふるさと納税の納税額
- 会社員だけど毎年確定申告をしている
- 締め
- 余談
注意点「所得と年収の違い」「個人所得と世帯所得の違い」
この関連の話をすると、所得と年収と個人所得と世帯所得を混同する人がいるので、まずはその点を説明します。
所得というのは年収から各種控除等を引いた金額です。年収>所得です。所得は手取りとも異なります。詳しくは源泉徴収票を見てみてください。所得から大体の年収は推定可能です。
源泉徴収票(表)の見方と意味【あなたの年収・所得・手取りは?】
児童手当の制限は、所得がいくらかで判定されます。
※厚労省公表資料より。
また、所得でも個人所得によって制限されるのか、世帯所得によって制限されるのか、という違いがあります。児童手当の制限は(夫婦どちらかの高い方の)個人所得によって判定されます。
従って、「我が家は児童手当が5千円なんだよね~」という人がいたら、夫婦のどちらかの所得が上記の所得制限限度額表の所得額に引っかかっているということです。共働き世帯で、この所得制限にかかっているということは、世帯所得はこの表の所得よりあるということです。
保育園・幼稚園の利用料・補助金
今話題になっている認可保育園。この認可保育園は親の年収によって入りやすい・入りにくいというのは基本的にはありません。原則、保育に欠けるかどうかです。
ただし、認可保育園の保育料は、市町村民税の所得割で決まるため、所得が多い世帯ほど保育料は高いです。自治体によって水準は変わりますが、同じ自治体に住んでいる人同士なら、保育料をいくら払っているかで、世帯所得を推定できます。
また、認可保育園以外を利用している場合でも市町村民税の所得割によって補助金が出るため、補助金の金額が分かれば世帯所得を推定できます。
認証保育所・認定こども園・家庭福祉員等の利用料の一部補助|東京都小平市
加えて、幼稚園は、私立幼稚園だと私立幼稚園就園奨励費補助金というのがあり、これも市町村民税の所得割によって補助金が出るため、補助金の金額が分かれば世帯所得を推定できます。
高等学校等就学支援金制度
高等学校等就学支援金制度とは、公立高等学校授業料無償制・高等学校等就学支援金制度が改められたものです。この制度も市町村民税の所得割額によって、ある一定を超えると支援金を受給できなくなります。従って、受給の有無で世帯の所得を推定できます。
国公私立問わず、高等学校等に通う一定の収入額未満(市町村民税所得割額が30万4,200円(モデル世帯(注)で年収約910万円)未満)の世帯の生徒に対して、授業料に充てるため、国において、高等学校等就学支援金を支給します。
全日制の公立高校なら月9900円支援金があります。私立高校だと市町村民税所得割額によって加算支給があります。
特定不妊治療費助成
特定不妊治療費助成は夫婦の所得の合計額次第では受給できません。
夫婦の前年(申請日が1月から5月の場合は前々年)の所得額の合計額が730万円未満の場合が助成の要件
ふるさと納税の納税額
比較的所得水準を確定しやすいのがふるさと納税の納税額から逆算する方法です。ふるさと納税はかなり細分化されているため、狭い範囲で推測できます。
以前、自分はこんな記事を書いて、電動自転車を入手すると触れましたが、
私の所得を推定したい好事家用のためにあえて書いたものです。
会社員だけど毎年確定申告をしている
会社員でも年収2000万円以上だと確定申告が義務になります。会社員で毎年確定申告している人がいたら、年収2000万円以上の可能性があります。会社員でも副業収入があったり、医療費控除をしたりするために確定申告はしますので、あくまで可能性です。
締め
私が今思いついたものを紹介してみました。他にもこのような所得に応じて補助金の金額が異なるケースは多々ありますので、興味がある人は探してみてください。
なお、今回紹介した方法、他人の年収を推定する一つの手段にすぎません。他にも他人の年収や資産を推定する方法はあります。
以上、本題です。以下、余談です。
余談
タイトルはちょっとゲスっぽく書いていますけど、この記事を書いた目的には、自分の所得がいくらか、どんな補助金を受給できるか知ってもらうきっかけになればいいなというのもあります。
今回、児童手当の所得制限があることを初めて知った方の中には、年収と所得を勘違いしていたり、世帯所得と個人所得を勘違いしたりする人が随分いらっしゃるようでした。税金や補助金を考えれば所得がいくらかというのを意識する必要が出てきます。片働きよりも共働きに有利なように税制も変わってきていますしね。
消費税ばかり話題になっていますが、会社員の所得税の所得控除額が徐々に狭められていったり、扶養控除の枠をなくす議論があったりと、消費税以外に毎年多くの形で増税がされています。