以前にも学校保健統計調査を紹介して、今の子どもでむし歯がある割合が急激に減少していることは紹介しました。
※学校保健統計調査ー令和元年度(速報値)の結果の概要:文部科学省から。むし歯の処置完了者を含む。
児童への定期検診やそれに伴うフッ素の塗布や親の意識の変化などが効いているようです。
昭和50年前後の今の親世代は9割がむし歯経験があったのが、今は中学生で34%です。むし歯が何本あるかじゃなくて、むし歯があるかないかの1か0ですからね。凄い変化です。誰が貢献したか分からないけど、表彰されていてほしい。関係者のたゆまぬ努力には感謝。
一方で、視力は徐々にではありますが、悪化しています。
※同じく学校保健統計調査から
変化が大きいのは中学生ですね。グラフ上、視力1.0未満の割合が35%が57%まで上がっている。裸眼視力が0.3未満ぐらいの中学生に限れば、同期間で13%から25%に上がっています。近視の子どもが確実に増えている。
視力低下の原因は、小さい画面を見ている時間が長いのが問題とか、外で遊んでいる時間が短いからとか色々言われていますが、はっきりとしたエビデンスはないようです。個人の観測範囲では、携帯ゲーム+外遊びが少ない子どもはメガネ率が高いという印象。感覚的に視力低下は臨床研究が難しいでしょうから、確立されたエビデンスが出るのは相当時間がかかりそう。エビデンスが出るのを待っている間に自分の子どもの視力は着々と落ちていく。
目が悪くなった後の対処として、特殊な目薬やコンタクトレンズなどが効くかもしれないということは確認されていますが、視力の低下の予防策としては、定期的な眼科の受診や眼鏡の作り替えに加え、30分に1度視線を外すことや、1日2時間の外遊びなどがお勧めされています。
2019.08.26 朝日新聞(7月4日付)に、子どもの視力低下についての記事が掲載されました! 日本近視学会
我が家の子どもたちの場合は、屋内でのゲームは15分、読書は30分区切りにしていて、3~5分ぐらい屋外にいる時間を設けています。屋外というのは近所を散歩するでも、ベランダで日光浴するのでもOK。平日に2時間毎日外で遊ぶというのは簡単じゃないから、せめて細切れでもって感じです。
それにしても、こういう情報もきっと情報格差は大きく、例の如くの教育格差によってむし歯格差や近視格差も起きいると思うんですよね。我が子のことを思えば、気をつけるのは私にとって自然なことだけれど、また格差に加担しているのかもと思うと少し暗澹たる思いがあります。