カネカがパタニティ・ハラスメントをしているのではないか?と話題になっています。
「育休復帰、即転勤」で炎上、カネカ元社員と妻を直撃:日経ビジネス電子版
私の認識だと、もとはTwitterがきっかけで先週の土曜の朝から日曜にかけて話題になったものです。日経ビジネスが月曜時点で記事にしているのは、電子版の特性を活かしていて素晴らしいですね。
一方で、カネカの対応は批判されています。消費者の動向が重要なB2Cの事業者と異なり、B2Bのカネカであれば、この種のWebの炎上対応含めた広報への人員は手薄いものだから、私は、初動の遅れや誤りはさもありなんと思いながら眺めていました。新卒採用の時期ですから、人事は相当頭を悩ませていることでしょう。
それはそれとして、この種の告発みたいなものは、自分がその企業を評価する上では、結構微妙なところがあります。n=1で、しかも、事情ははっきりと分かりませんから。揉め事というのは、必ずしも他者に参考になる形で、公平に発信が行われるわけではない。
現在就職活動(転職活動)の真っ只中にいて、企業の働きやすさを知りたい人には、私は、OpenWork(旧Vokers)をお勧めします。いわゆる、企業(元)在籍者の口コミサイトですね。
私も自分が知っている企業を数十社チェックしましたが、部署による違いはあれど、大体こんな感じかなという印象でした。
例えば、話題のカネカの評価はこんな感じです。
※グラフの出所はOpenWorkから
平均の3点だけど、人事評価の適正性、人材の長期育成、社員の士気などは低いことが確認できます。そして、法令遵守意識は高い。就職活動で昔から人気のJTBなんかも同様の傾向を示しています。
評価の見方は、ぜひ過去の推移や競合比較をすることをお勧めします。過去から改善してきているのであれば今後もよくなる可能性はあるし、ある企業の人事制度というのは業界で横並びになることがあります。カネカの評価であれば、クラレや帝人や積水化学と比較したいところです。
投稿者は基本的に社員か元社員です。個別の投稿は結構な文字数で書かれていて、極端な悪口はありませんが、愚痴ぐらいなら大量にあります。個別の投稿を見るには、転職・就職サービスに登録するか、自分が口コミを書くか、1000円を払うことになります。そういうビジネスモデルだということです。辞める前に、転職先をチェックするために、現職の口コミを書くサイト。だから、コメントはネガティブ寄りになることが多い。このモデルなのに高評価な会社というのは、転職をする上でステップになる会社と考えてもいいかもしれません。
私は投稿者のレビューを見るために転職サービスに登録したのですが、大量のスカウトが来て面倒くさいなと思いました。就活生であれば課金して見ることをお勧めします。せいぜい月1000円ですから、就活ピークのタイミングで気になる会社を全部チェックしておきましょう。中身で気になるところは、OB訪問や会社説明会で質問すると答え合わせができます。