斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

2021年、2022年卒の就活生向けの現場の一採用担当者としての参考情報

かなり前には就活の記事を何度か書いていたんですが、毎回、「人事や面接担当者も採用のことは残念ながら手探りな部分が大きいから、人事や面接担当者が読むためのカンペ本を読むのが対策としていいよ」と書き続けるのも芸がないと思って書くのを止めていました。

ただ、新型コロナで学生の皆さんも不安な部分もあるでしょうから、あくまでここ10数年複数社で新卒・中途の面接官・採用担当として関与してきた人間として、見えていること、感じていることをつれづれなるままに書いてみます。

全般的な傾向

私の感覚だと、少なくとも新卒採用は一般としてまだ売り手市場だと思います。

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※画像は、第36回 ワークス大卒求人倍率調査(2020年卒) | Recruit - リクルートグループ

新型コロナウイルスで業績が低迷している中小企業は採用を絞るかもですが、大企業は人口ピラミッドを意識して採用をするため、団塊世代が大量退職し、バブル入社組もかなり溜まっていますから、採用は引き続き継続するはずです。

今年の新卒採用が企業側で楽になったという話は、少なくとも私は聞いていません。

志望企業を見る視点

志望動機や自己PRとかは別にどうでもいいのですが、どういう視点で志望企業を選ぶかを自分の中で整理するのはとても大切です。せっかく苦労して入社した後でミスマッチだったというのは嫌じゃないですか。第二新卒というカードはあっても、新卒というカードを切れるのは(院進学とかしなければ)一回だけですから。

ぶっちゃけ安定していてそこそこのお金をもらえればいいのか、ストレスが多少あるがチャレンジングな仕事がいいのか、仲良く働けそうな雰囲気があるのかなどなど、主に①会社の財務状況(と給与)、②仕事の内容、③同僚の雰囲気といった観点で、○△✕でチェックしてみましょう。

全部が自分に合っている企業というのがあればハッピーだし、全部○でなければ相対的にマシな企業を選ぶことになります。ある程度まとまっていると面接で一貫性を持った説明ができますし(重要)、決めた後でも比較材料が自分の中であるため無駄に悩まなくてすみます。

採用ページ・説明会と面接・OBOG訪問・口コミサイトから掴む情報

自分の中で働く中で得たいものが整理できたとして、志望企業が合うかがよく分からないければ、採用ページ・説明会、面接・OBOG訪問、口コミサイトからの情報を複合的に見て分析してみましょう。

大体、採用ページ・説明会で語られていることは、その企業が大雑把に自分たちがどういう企業かを分かりやすくまとめているものなので、他の企業と比較することでその企業の特性が多少は理解できます。

また、面接・OBOG訪問なども有用な情報源です。

面接で圧迫やセクハラまがいをしてくる企業は入社してもその傾向があるものです。

面接官への質問で、「私は御社が求める人材を○○と理解しているのですが、この理解で間違いないでしょうか」「皆さんが志望された理由と入社後でのギャップが良い良いでも悪い意味でもあれば教えていただけますか」と聞くと、結構理解できます。

「若いうちから成長できる職場」と言いつつ、OBOG訪問で会った比較的若い社員がイライラしていたり、寝不足っぽかったりしたら、つまりはそういう職場です。

こういった企業側から発信している(滲み出てくる)情報と、OpenWorksなどの口コミサイトで退職者が苛立ち紛れに書いていることを比較してみることで、自分が志望している企業の特性がおぼろげながら見えてくるはずです。

2021年卒向け

選考の多くがそろそろ終わりかけていますし、今更な参考情報かもですが、今から就活を始めるとか、まだ就活を続けられている人向けに少し書きます。

内定はどこか一つでも出ていると気が楽になるので、選考プロセスが比較的短めで内定出してくれそうな企業を受けておくのはお勧めです。お祈りされ続けると辛いでしょうから。

あとは企業側も通年採用になって、特に秋に注力するところもありますし(掘り出し物があると企業側は期待しているところもある)、今、精神的に参っているのであれば、無闇矢鱈とエントリーするのではなく、小休止するのもありです。一週間ぐらいひなびた温泉で湯治してケーキを食べましょう。

私も面接をする中で、疲弊をし、何を言っているか焦点が定まらない鬱々とした学生を相手にしたことがありますが、そういう人は辛いのは分かるけれど次のプロセスに進めるのは躊躇します。

2022年卒向け

面接官というのはえてして見る目がないですから、同業種でのインターン経験や内定取得をしている学生を良い意味での色眼鏡で見ます。

どういう仕事をしたいかは別として、暇な時間があるならインターンをしましょう。ただし、Web系でインターン生を無料人材としてこき使う企業は別です。現在、そういうところでインターン(タダ働き)をしている人は今すぐ辞めましょう。

後は、外資系やWeb系企業ではかなり早い段階で採用を開始していますので、そういうところでさくっと内定を取っておきましょう。

内定は学生側が断ったとしても裁判沙汰になるようなことはまずなく(私も遥か彼方前に内定式を経験後に内定辞退をしました)、また、研究室経由で取った内定でもなければ、企業側から激怒されて自分の同じ部活・サークルや学校・学部が害を被るなんてこともありません。

締め

上の方に書きましたが、必ずしも入った会社でずっと働き続ける時代ではなくなっていますから、一社目にそこまで気を使わなくてもいいかもしれません。

転職前提で企業選びをするときに意識するといいのは、自分の履歴書にストーリーを持たせることです。

バイトで例に出すと、①色んなバイトを短期間で変えてきた人と、②ある程度近い種類のバイトを徐々に責任が増える形で経験してきた人がいたとして、この二人が適した職場は違うはずです。少なくともバイトの面接官は意識します。

人間、ストーリーがあると勝手に騙されますから(だから、政治家や経営者は分かりやすいストーリーを仕立てる)、自分の履歴書も面接官が見たときにストーリーがそこそこ構築されているか、いきあたりばったりになっていないかを意識して作っていくと、そのストーリーに合致した中途採用でかなり楽勝に転職が可能になります。

以上となります。

末筆ながら、皆様の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。