こんなTweetを見かけました。
就活セクハラの、彼氏居るの?ってやつ
— 44 (@ClawLion) 2019年12月2日
翻訳すると
向こう5年くらい安定して働ける人材が欲しいんです。女性にとっての結婚や出産は喜ばしい事ですが、仕事覚えた辺りで産休育休を取られると我が社は恥ずかしながら対応できるキャパが無いんでその予定があるかどうか聞きたい。
って事だと思った
以下の記事の話題を受けてでしょうが、
就活セクハラ「もう黙らない」大学生たちが緊急声明を発表 | ハフポスト
これまで10数年間面接官をしてきた経験から、私だったら違う翻訳をします。
私が翻訳すると、「彼氏いるの?」と質問しているのは「普段の習慣から女性と見れば彼氏がいるかを聞いているから、惰性で聞いている」と「仕事で聞かれることがあるから上手くいなせるかを知っておきたい」だと思います。
会社に余裕がないから結婚する予定がある人を採用したくないという意図を持って質問している人は、いたとしても極めて例外でしょう。
というのも、新卒ぐらいで彼氏がいるかどうかは必ずしも結婚するかには繋がりませんし、結婚したからといって必ず子どもを持つわけではないし、本当に余裕がないなら女性の面接さえしないし、職場のキャパがないということは他の場所でも伝えられるし、恥ずかしさがあるなら聞き方はそんな直球じゃないし、介護離職のリスクを確認する「親御さんの年齢は?」といった質問はほぼ聞かれることはないから。
圧迫面接もセクハラ面接もどうして行われるかと言えば、圧迫やセクハラがその会社で常態化しているからなんですよね。だから、面接官は普段の習慣で気軽に質問するし、いなすリアクションが上手いかを"審査"している。下劣だけど、その世界では"常識的な"質問。
話は少し変わって、『82年生まれ、キム・ジヨン』は大変面白い作品でした。韓国も日本と同様に男社会であり、女性が仕事においてセクハラされるのは当然という空気があることも描いています。キム・ジヨンが受けた就職の面接では、「取引先からセクハラされたらどうする?」という質問がされるシーンがありました。これと、日本での「彼氏いるの?」は同根です。
私の感覚では、圧迫面接やセクハラ面接をしてくる会社は、劣悪な労働環境であることが多く、また、社会に存在していることが害悪であり、日本社会では急激に減少していっています。
今の日本は私が就活をしていた頃に比べれば景気がよく、また、採用はどこも熱心ですから、受けるほうが選べる環境です。
就職活動中の皆様におかれましては、ハラスメント上等な会社は即刻こちらから「お祈り」メールを送り付け、Webで紹介してあげるといいんじゃないかと思います。