斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

『年収1500万円35歳男性が「お断り」された理由』は女性側もコミュニケーション不足の察してちゃん案件だと思った

東洋経済のこの記事を読みました。

年収1500万円35歳男性が「お断り」された理由 | 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス- | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

記事は、東洋経済の男性読者向けに書かれたと思われるため、婚活の現場で、ある男性に何が問題があったか、駄目なら駄目でそれを学習して次に向かうのが大切というストーリーになっています。

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媒体情報から。凄いハイソな感じがする

ただ、私は男性側だけに問題があるのではなく、女性も説明が足りたいところに問題がある印象を受けました。象徴的なのは全体の中でのこの部分。

「待ち合わせの時間を変えるなら、もっと早めに言ってほしい。この間も、お昼に会う約束が、陽美ちゃんの予定で3時になったよね。何だかすごく雑に扱われている気がする」

 「雑に扱われている」という言葉に、それまで何とかうまくやろうと頑張ってきた思いと、ずっと抑えてきた感情が一気に噴き出し、陽美はボロボロ泣いてしまったという。

 彼女は、これまでの晃一との付き合いを私にこう振り返った。

 「親友とタブルデートをしようと決めたのは、親友に付き合っている晃一さんを紹介したかったから。お昼の約束を3時に変えたのは、どうしても外せない用事ができたからだし、ヘアサロンが早く終わったのだから、早く会いたいと思った。こっちがよかれと思って提案していることを何でもネガティブな方向に取っていく。この人と結婚生活をしていくのは難しいと思いました」

 これまで些細なことでケンカしても許し合って、結婚へと前に進んでいたのだが、陽美が最終的に下した結論は、“交際終了”。

雑に扱われたという男性の主張に対して女性側が泣いて、本心は仲人さんに説明するというくだりです。

これ、女性は仲人さんに説明しているけど、男性に対して事前に、「ダブルデートをしようと思ったのは、親友に付き合っているあなたを紹介したかったんだ。もっと関係を深めたい」と勝手に決める前に説明していれば納得できるし、約束の時間の変更も早く会いたいと思ったからと理由を説明していればいい話ですよね。

もう少し具体的に書くと、

『予定よりもずっと早く終わって5時にはお店に行けそうだから、1時間早く待ち合わせしよう』

 実際は、5時よりもさらに早くお店に行けたので、先に入りビールを飲んでいた。すると、明らかに不機嫌な形相で晃一が店にやってきた。

ここでは、

『予定よりもずっと早く終わって5時にはお店に行けそう。早くあなたに会いたいから、1時間早く待ち合わせできるかな?

と提案すればいい。「しよう」と決めちゃうんではなく、相手に選択させる形。そのほうが大事にされていると感じる。説明がなければ、自分勝手に決めてるように見える。(しかし、"ビールを飲んでいた"という描写は不要だと思うのだけれど、この記事を書いた仲人さんはどういう意図なのだろう?)

せいぜいn=1の話で、この二人の関係性に私が何か言う立場じゃないけれど、相手の我儘に合わせてしまうのも、また、説明をしないで自分の我儘に付き合わせるのも、どちらも同じぐらい結婚生活においてはよろしくないと、私なんかは思います。

相手を大切にしているが故の言動であるなら、それは相手にも分かるように伝えたほうがいい。もちろん、伝える気がなく、それで伝わる相手としか一緒にいたくないというのなら話は別。

「猫が腎不全で亡くなったのを私のせいにして勝手に不機嫌になった夫を、私は許すべきでしょうか」

今日は一人小町の紹介です。「猫の世話は自分でやると言って飼い出したのに一向に世話をしない夫が、世話をしていた妻のせいで猫が死んだと不機嫌になり、後日謝られたが妻側としては許せない」というモヤモヤです。

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Q1. 猫が亡くなったのを私のせいにして不機嫌になった夫が怖い

斗比主閲子様

はじめまして、いつもブログを楽しく読ませて頂いているツバメと申します。

斗比主さんのブログの文章はとても読みやすく、読んでいてスッと頭に入ってくるのでいつも勉強になります。特に子供への接し方や絵本のレビューは、現在育児中の私にとって大変参考になっています。

【相談内容】

現在、家庭環境においてとてもモヤモヤしていて、どうしたら精神的に平和に暮らせるか思い悩んでいます。どう自分を納得させるのが良いのか?はたまた納得させても良いのか?夫が許せるだろうか?と、ここ数日思考がループしている状態です。夫の態度について斗比主さんのお考えを伺いたいです。

【相談するに至った経緯】

私の家族構成は、夫・私・娘・猫2匹です。

先日、2匹いる猫のうち1匹が腎臓病で亡くなりました。体重が急激に減少していておかしいと思い、病院へ連れて行きましたが即入院、翌日亡くなりました。

猫を入院させ自宅へ帰る途中、夫はとても早足で私は追いつけず自分のペースで歩いていました。私は、娘を抱っこしていた為、腰が悪いのもありゆっくり歩いていました。

先を歩く夫は振り返り、眉間に皺を寄せて私を睨みつけ、その後も歩くペースは変わらず自宅へ帰りました。この時点で、「夫は機嫌が悪いな」と察していたのですが、何故だか分からずに心中穏やかではなかったです。

自宅へ帰ると夫は何も言わず台所やトイレを掃除し始めました。夫は不機嫌になると無口になるタイプで、顔にも出ます。私はその顔がとても怖くて嫌いです。私は私で娘をお風呂へ入れたり離乳食を与えたりでバタバタしていました。帰宅したのは夜の7時頃でした。

娘を寝かしつけた後、リビングに戻ると夫はPCで調べ物をしており、私に「家事はこれから全て自分でやる」と宣言してきました。今まで家事は私がやってきていましたが、夫は基本ノータッチです。(普段の様子は後ほど書きます)

夫が病院の先生へ質問していた内容を考えるに、猫が病気になった原因は私の家事が問題だと言いたいのだろうなと理解しました。今まで台所に味噌汁やダシ汁の鍋を蓋をせずに放置してしまっていた事が、数回ありました。

過去に夫は台所に登る猫と、出しっ放しにした私に注意しています。猫の塩分の摂り過ぎは時に致命傷になりますが、先生からは「必ずしもそれが原因であるとは限らない」「この子の場合、先天的な腎臓の病気もあり得る」と一緒に説明も受けています。

また、「蓋つきのゴミ箱を探してamazonで買っておいて」と言われました。台所においているゴミ箱には蓋が無く、過去に猫が漁っていた事がありました。(匂いが出るので生ゴミはビニール袋に入れていつも冷凍庫に入れるようにしています。プラスチックのトレーを上に置いてはいましたが、たまに漁っていました)

不機嫌な夫が怖くて震えながらゴミ箱を探し、注文したのは22時過ぎ。この日は二人揃って夕飯も食べずに寝ました。しかし猫の病気の原因を作ったのは私であるような態度を夫に取られ、ただただ悲しく、あまり寝られなかったです。

翌日は夫婦ともに早朝から用事があった為、病院へ寄って猫の安否を確認して出かけました。用事の間、夫婦の雰囲気は最悪でしたが、娘がはしゃぐ様子には本当に心癒されました。夕方頃には最悪な雰囲気も少し落ち着き、普段通りではないですが夫と話せるようにはなっていました。

帰宅後に猫の面会をしに行ったのですが、回復の見込みは殆ど無いと言われ、このまま点滴を続けるか自宅で看取るか選択を迫られました。一度自宅に帰り夫婦で話し合いましたが決められず、病院の診察時間が終わってから特別に面会させて頂いている最中に猫は亡くなりました。

夫も私も泣きながら猫を連れて帰りました。

その翌日に火葬を済ませ、骨を持ち帰りました。

全てが終わった後、自宅で夫は私に「ひどい事言ってごめんなさい」と謝ってきました。私は「私のせいにしないで」と返しました。また夫は「ごめんなさい」と言ってきました。内心、「え、ごめんの一言で済ますつもり?」と思いましたが、精神的にも身体的にも疲れていて何も言えませんでした。

次の日、月曜でしたが夫は会社を休みました。私は昼頃に保育園の面談があったので、不安でしたが夫に娘を任せて出かけました。

出かける前に「あなたに言いたい事がたくさんあるけど、目の前にして言える自信が無いからLINEで送る」と伝えました。夫は泣きそうな顔で「ごめんなさい、ごめんなさい」と言ってきました。イラッとしたのを覚えています。

面談が終わり、外で一人で落ち着いてLINEで思っていた事を送り続けました。

  • 単刀直入に言うと離婚を考えている事。
  • 猫の病気の原因が私であるというような態度を取られてただただ悲しかった事。
  • 夫が自ら猫を飼うと言った時、私が「ちゃんと面倒見れる?」と聞いて、夫は「見れる」と答えた。
  • 私自身多頭飼いの経験が無かったから不安だったけど夫となら乗り越えられるだろうと思っていた。
  • しかし、夫は猫を甘やかすだけで糞尿の始末は私に押し付けて、餌やり、水の入れ替え、ブラッシング等の面倒もみない。
  • 家事も全て私がしていた中、糞尿の始末をたまに頼むと嫌そうに「うん」とだけ答えるがすぐに動かない。おまけにし忘れる。急かしたら機嫌が悪くなっていくのは分かっている。それなら、と結局私がやる羽目になる。
  • そんな生活にも慣れたが、娘が生まれた。私のキャパは超えた。
  • それでも生活は変わらない。娘のお世話が増えただけ。それで精一杯、家事育児をこなしていた。
  • そんな中、猫の病気の原因にされ、睨みつけられた。あの顔は一生忘れない。
  • 夫の不機嫌な顔、睨む顔が怖い事。いつも夫が機嫌を損ねないように細心の注意を払って過ごしている事。
  • 謝罪だけでは到底許せない事。

帰ると夫は泣きながら私に縋って謝ってきましたが、私はモヤモヤが晴れませんでした。

さらに翌日、火曜でしたが夫は会社を休みました。

朝食を取り娘を寝かしつけて、これからについて話し合いました。前日に送ったLINEの内容についてが殆どでしたが、夫に向かってハッキリと言いたかった事を伝えられたと思います。

夫としては離婚はせずに、これから家事は協力する、残った猫の世話も全部する、と言っています。私は離婚したいけど、親も高齢で迷惑をかけられない。離婚しないのは娘の為だ、と伝えました。(幼少の頃、離婚や死別で片親となってしまった従姉妹や友人と一緒に過ごした時期があり、苦労を見てきた故の決断です)

【最後に】

以降は通常通りの生活を続けています。

夫は家事を積極的にやってくれるようになりました。また、猫の体調管理表をExcelで作って毎日体重を測るようになりました。洗い物が出たらすぐに洗ってくれるのでとても助かっています。しかし、これもいつまで続くだろうか、と心配でもあります。

「今まで私が我慢してやってきた事をしてもらうんだからやって当然だ」と思う反面、
夫は三日坊主なところがあるので、こんなに肩肘張った家事、続けるのストレスだろうな、と思うからです。

私は夫を許すべきなのか、はたまた許せるのか、毎日モヤモヤしています。
斗比主さんのご意見をお待ちしております。

ツバメ

A1. 加害者ができる対処は①謝罪、②償う、③再発防止策の提示

ツバメさん

メールありがとうございます! ホヤホヤ?のモヤモヤエピソードで大変ほっこりいたしました。

それで、お題としては、

私は夫を許すべきなのか、はたまた許せるのか、毎日モヤモヤしています。

ということですね。書いてみます。

物事には何かすべきことというのは基本的にはありませんから、大前提として、パートナーさんがどんなスタンスであろうが、許すか許さないかは、ツバメさんの自由です。

ただ、一般に、被害者側として、被害者意識をずっと持ち続けるよりも、どこかで解消できるものなら楽は楽ですから(被害者意識を必ず解消すべきということではありません)、加害者が適切な対処を取ることで被害者が心を癒やすことは意味があります。

加害者ができる適切な対処は、具体的には、①謝罪する、②償う、③再発防止策を提示する、ですね。

今回の件で、パートナーさんは①は満たしているようですが、②は家事を少しやっているだけだし、かつ、③についても示唆がないように思います。もし、ツバメさんがパートナーさんを許したいとすれば、②と③をどうにかするようにパートナーさんに伝えてみるといいかと思います。

②については、今後の猫の世話はすべてパートナーさんがやるということを明文化した上で、例えば、ツバメさんが好きそうなケーキを買ってくるとか、娘さんを休日にパートナーさんが一日預かる日を定期的に設けてツバメさんが自由になれる時間を提供するとか、そんな感じでしょうか。

③については、

  • 夫の不機嫌な顔、睨む顔が怖い事。いつも夫が機嫌を損ねないように細心の注意を払って過ごしている事。
  • 帰ると夫は泣きながら私に縋って謝ってきましたが、私はモヤモヤが晴れませんでした。
  • 夫は三日坊主なところがあるので、こんなに肩肘張った家事、続けるのストレスだろうな、と思うからです。 

こんな感じからすると、これまでも同じ様なやらかしをし続けてきたようですから、根本的にどうして他人を思いやる気持ちを失ってしまうのかとか、猫の世話をするためにどのような生活スタイルを維持するつもりなのかとか、その辺のことをパートナーさん自身が整理して、ツバメさんに説明するぐらいのことはした上で、定期的にステータスをチェックする体制を設けてみるとかですね。少し難しいですが。

自分が加害者なのに泣いてしまうところや、猫が厳しい状況のときに他人を攻撃してしまうところからすると、パートナーさんは心の余裕が少ない人なんでしょうね。その辺の背景をパートナーさん自身に落ち着けるタイミングで深掘りしてもらえると許せるところまで辿り着けるかもしれません。

こんな感じでよろしいでしょうか?

ではでは!

topisyu

Q2. メールを書くということで整理が出来ました

斗比主閲子様

ツバメです。

早速のお返事のメールを頂き、ありがとうございました。斗比主さんのお返事を元に夫の態度等を許せるよう、考えてみようと思います。このようにメールを書く、という事で自分の気持ちの整理が出来ました。

まだ精神的にダメージは残っていますが、お返事のメールを参考にして頑張ろうと思います。

ありがとうございました。

ツバメ

A2. ご参考までに!

ツバメさん

特に正解というわけじゃなく、私がこう考えたという程度のもので、私がツバメさんの心が穏やかになる確実な方法を知っているわけではないですから、ご参考程度にご利用いただければ!

topisyu

Q3. 参考にします!

斗比主閲子様

ご丁寧にありがとうございます。心穏やかに過ごせるよう模索中ですので、参考にさせていただきます!

ツバメ

 

締め

以上、一人小町でした。

今回のモヤモヤは、一見すると、猫の腎臓に負担をかけるような食事をさせる機会を作ってしまった妻側に過失(の一部)があるように見えて、裏側には、そもそも猫の世話自体を夫がネグレクトしていたという問題がありました。

最近は、加害者には被害者意識があるというのをよく書いていますが、今回の件でも、不機嫌になった夫は自分に被害者意識があった様子が伺えます。

被害者意識を持ちやすい人はいて、そういう人は物事を認知して、判断をする際に、誰かが自分に攻撃をしたという推測を持ちやすい傾向があると考えられます。

被害妄想の心理学-妄想の認知行動理論- 丹野義彦 東京大学総合文化研究科

実際には、自分を攻撃したわけじゃないし、自分にも過失があることはあるし、誰も何の意図もない偶然の出来事というのおありえるのに、自分を攻撃してきたという意識を持ちやすいわけですね。

私も別に心理学のプロではなく、色んなモヤモヤの原因にあるものだと思って勉強し始めたぐらいですが、自身が被害者意識を持ちやすい人は自分がどういうときに被害者意識を持ちやすいかというのをホワイトボードなり何なりで整理しておくのが有効かなとは思っています。

しかし、有効な手段があったとしても、被害者意識を持ちやすい人というのは自分は被害者のつもりだから、自分の行動を改めようとは思わないもので。DV加害者が自分の問題を認識するというのは難易度がかなり高い。

被害者を助けるために、加害者へのカウンセリングがもっと一般的に行われるようになるといいんだろうなと最近はよく考えています。

「何者かにならなくてはならない」という気持ちが薄れたら死にたさが減った

前に、この記事で、

「死について思いを馳せない人間はどうかしてる」と学校の先生に言われて、死に思いを馳せるポーズを取るようになった人 - 斗比主閲子の姑日記

13歳から25歳までは頻繁に死にたいと思っていて、今は少しは死にたさは減っているみたいなことを書いたんですけど、そう言えば、何で死にたさが減ったんだっけと記憶を辿っていってたら、「何者かにならなくてはならない」という気持ちが徐々に薄れていったからだということを思い出しました。

25歳ぐらいというのは、私が子どもを持つために結婚することを決めた頃です。この頃、自分が自分の人生で成し遂げたいことややりたいことが見付からないので、結婚して子どもを持てばいいのでは?と考えたのです。結婚に限らず、自分の中で、世の中で言われている、いわゆる"ふつう"の幸せというのを究極的に目指し始めた時期。

経緯と思考をもう少し具体的に書きます。

13歳から25歳ぐらいまでは、日々を何かを成し遂げるためにいかに使うかというのを意識していて、他人と違う経験をし、たくさんのことを勉強し、出来るだけ人に会い、イベントを開くことを自分に義務付けていました。

でも、駆けずり回っているのに自分が何かを成し遂げたという気持ちにはなれずに、理想の自分と現実の自分とのギャップが常に頭から離れず、これだけ苦しんでも理想の自分になれないのだとしたら、苦しいんだし死んでしまったほうがいいのではということをちょくちょく思っていました。この十数年間、人にはそこそこ評価されていたし、何がしかの立場も得られていたのに。

大学を出てからは、世の中的にはとても社会に影響があるとされる仕事に就いて働いていたけれど、私の目には、その仕事は創造性のかけらもない、金太郎飴のようなルーチンを回す作業にしか見えませんでした。だから、「なぜ、私はこんなことで時間を浪費しているのか」と苦しみながら働いていました。

あんまり辛くて、自分にとって安易で決してやるべきでないと考えたことに手を出し始めました。それまでは絶対に買わなかったファストファッションのお店に通う。有名店を食べ歩きする。異性と付き合い、雰囲気のある場所でデートする。いわゆる観光地に行く。同窓会に顔を出す。全部一気にじゃなくて、徐々に、徐々に。

自分の中で易きに流れていると最初は嫌だったけれど、やってみると"みんながやってる"というのがとても居心地が良いことに気付き始めました。獣道でないから、予想外の対応を迫られることが少ない。安定してそこそこ楽。お金も汚いと考えでいたのに、人生を楽にする手段だと認識が変わり始めました。

どこかでブレークイーブンポイントが来て、「何者かにならなくてはならない」という気持ちも薄れていきました。今度は、逆に吹っ切れて、最大公約数的な"ふつう”の幸せを目指そうと思い始めたわけです。その一つが結婚と子ども。

結婚式なんかも衆愚の極みだと思っていたのに、「結婚するなら、ま、いっか」と、多少手は加えましたけど、"ふつう"にやりました。子育てでも、布オムツ使ったほうがいい?とか、おしゃぶりは使うべきじゃない?とか、頭の中にあったけど便利だから、紙オムツやおしゃぶりも使いました

「何者かにならなくてはいけない」という気持ちを限りなく手放してからの、25歳からの人生は、ここまで快適に来ています。まだ、死にたさは時々襲ってくることがあるけれど、「そこそこ楽しんだから、死ぬときは、死んじゃえば?」ぐらいな気持ちで処理できています。

今、最大の懸案は、子育てが楽になりすぎていることです。暇を子育てで潰していたのに、子育ての時間が減ってるから、私の人生に暇が登場してくるシーンが増えてきている。ネットはそこそこの暇潰しにしならないし。

それ加えて、後、十年ちょっとで仕事も辞めるので、更に暇が襲ってくるのは確実です。

子どもにしがみついても、仕事にしがみついても、暇は潰せるし、それは結構"ふつう"でいいんだけど、そのふつうは選びたいと思ってないんですよね。長くなかったから省きますけど。

…そんなわけで、死にたさを思い出させる暇を潰すためにも、定年退職者がボランティア活動に精を出すという"ふつう"を真似して、慈善行為に人生のリソースを使う時間を増やし始めているのが、今となります。純粋な意味でのPTA活動とか、自治会活動とか。

後は、十年後にはきっと大学に入り直しているはずです。生涯学習って"ふつう"に流行ってますよね。

話が脱線して、何かよくわからない感じになりましたけど、以上、死にたさが減った経緯です。書けて良かった。

『中田敦彦「良い夫、やめた」』への批判記事を読んで、私が思ったこと

読者からこんなメールをもらいました。

トピシュさんいつも楽しくブログ読ませて頂いてます。

オリエンタルラジオの中田氏の日経DUALの記事についてコメントをした次の記事はご覧になられているでしょうか。

中田敦彦発言に見る「家事をフローで理解せず、イベント実行する」男たち - エモの名は。

私は2児の父、共働き家庭です。中田氏の主張や内容全てに同意できるものでもないですが、それよりもブログ主の主張の正鵠を失するような内容に違和感を覚えました。

夫婦の相互理解という結論は特にブログ主、中田氏、私も異論ないところかと思いますが、このブログ主がまさに中田氏のいう奥さんみたくなっているように見えました。

ぜひ記事での解説よろしくお願いいたします。

どちらの記事も話題にはなっていたものの、ありきたりの内容っぽかったのでスルーしていました。改めて読んでみて、色々思うところがあったので書いてみます。お好きな人だけどうぞ。

中田さん家庭は夫婦間のディスコミュニケーションがありそう

元はと言えば、中田さんの、

中田敦彦 方針変更!「良い夫」やめました | 中田敦彦 HUMANアップデート中 | 日経DUAL

この記事がネットで話題になっていました。特に、この部分への批判的なコメントが多く散見されました。

仕事が終われば直帰していたこと。帰り時間などこまめに連絡していたこと。在宅時間を意識的に増やすこと。朝早く起きることなど、「いい夫」として課していたことを一切やめました。朝も起きないし、連絡もしない。その日のうちには帰るけれど、何時に帰るかは分からない。そんな感じです。

大前提として、「夫婦関係、親子関係は、絶対に維持しないといけないものではない」と位置付けるんです。世間一般の良い親であろうとする「良い夫フィルター」を外し、妻と別れてもいいし、子どもの親権は渡していい。全部クリアに、フラットにして考えました。

中田さんは直近2年ぐらいイクメンキャラクターで売られている(プロデュースしている)ところがあったと記憶しているので、こういうことを言ったら、何だそれはと思う人がいるのは理解できます。

"何時に帰るかは分からない"というのでは家事育児でまったく戦力にならないし、下手をすれば余計な家事が増える。また、"妻と別れてもいいし、子どもの親権は渡していい"も、結婚している夫婦での最終手段である脅しの発言ですよね。二回目は使えないやつです。

「良い夫」をやめたというより、「家族」を捨てたという内容だなと思いました。非常に極端ですね。少し不安になるぐらい。

何があったかは、記事の中では夫婦ともに不満を抱えていたというのが伺いしれます。例えば、

妻の言い分は、「あなたは一切変わっていないし、ただ成功したいだけの人」でした。「カウンセリングを受けてほしい」と勧められもしたんです。

(中略)

 どういうこと? と聞いても、「あなたを責め立てているわけではないから、軽い気持ちで受けてみてほしい」と彼女も譲りません。何度か抵抗した末に、カウンセリング、受けたんです。

この辺を見ると、夫婦でコミュニケーションが上手く行っていなかった感じが伝わってきますよね。勤務時間を減らしているにも関わらず、妻が"一切変わっていない"という認識を伝えていたり、それを攻撃だと受け取った中田さんが妻に抵抗をしていたり。

他にも、中田さんは、

ママ友たちと話をするんでしょう。うちの夫はこうなのよ、ああなのよ。そのうちに妻たちの間で強烈に「良い夫像」が形成されていき、そこからいかに自分の夫が外れているかの、グチ大会になっていくのだと思います。

このような会話を配偶者がしていると推測している。私は、配偶者下げは悪しき文化であり、廃絶したほうがいいと思っていますが、中田さんの配偶者が本当にこういう話をしているのか、本人の口から聞いたことなのでしょうか。他人から伝聞で聞いたらかなり気分が悪いことだけれど、事実なのか。

旅行に行けば行くで、

夏に家族で北海道旅行をしたときも、めちゃくちゃ文句を言われたんです。宿泊先や行き先の不満に始まり、妻が行きたかったはずの家族旅行なのに「疲れる、しんどい」と不機嫌にもなる…。楽しみであるはずの旅行に来て、なぜ自分は不満を聞かされてばかりなのか。そして不思議なことに、「妻が行きたかった旅行」なのに、「僕が行きたいから来た」と変換されている…!

こんな会話に発展している。誰が行きたい旅行で、どう旅行を組むかさえ、夫婦間で共有されていない。

夫婦ともに自分は被害者であり相手は加害者と思っており、被害者であるアピールをしながら結果的に相手を攻撃し、二人で傷つけ合っていた状態があったように私には見えました。

記事の中では夫婦で会話をし、一応の結論に辿り着いているようですが、私の感覚だと、二人のコミュニケーション方法を確立しておかないと、また問題が起きるかもと思いました。中田さんだけじゃなく、夫婦で一緒にカウンセリングを受けてもよかったんじゃないだろうか。

それにしても、中田さんぐらいの収入がありそうな家庭で、

仕事が好きで稼ぐことが得意な男を夫に選んだのだから、「キミが負担に感じていることがあるなら、僕の利益で家政婦さんやシッターさんにアウトソーシングしてはいけないの?」とも。

家事育児のアウトソーシングをこれまでほとんどしてこなかったようなのは驚きです。少なく見積もっても年間数千万円の所得はあるでしょうから、料理や掃除や一部の育児はアウトソーシングをしていてまったくおかしくない。

日経DUALの過去記事を見ると、過労死寸前まで働いていた(週休一日、平日も朝から夜遅くまで働いていた)ようなので、

中田敦彦 イクメンアップデート中(連載バックナンバー) | 日経DUAL

そんな状況で、家事育児をアウトソーシングしていなかったとしたら、家庭が回っていたのは配偶者にかなり負荷がかかっていたのではないか。

以上、中田さんの家庭について思ったことを書きました。次は、

中田敦彦発言に見る「家事をフローで理解せず、イベント実行する」男たち - エモの名は。

こちらの記事にコメントします。

家事育児の期待値を上げるのは夫婦ともにシンドい

最初に言うと、たぶん、中田さんを批判しているこの記事の人は、自身の配偶者に対する不愉快な体験と、ご自身がフォローしている人のタイムラインでの中田さんへの批判を脳内で悪魔合体させて、勢いで、この記事を書いたんだろうだと思いました。

なぜそう思ったかといえば、いきなり中田さんを"モラ山ハラ男さん"と侮辱していますし(自分が他人から言われたら相当イヤですよね)、誤字脱字がそこそこありますし、最後は、石油王だったら家事なんてしなくていいと冗談めかして結論として書いていたりするところからです。

石油王云々については、中田さんも家事をアウトソーシングするという結論に至っているのだから、記事を書いた人が記事の半分ぐらいを使って熱心に書いている「家事はマネジメントが必要だ!」は、中田さんにはもう当てはまらないですよね。繋がらない。

というわけで、雑に書かれた文章だと私は受け止めたので、冒頭で紹介したメールでご依頼された方は、

ブログ主の主張の正鵠を失するような内容に違和感を覚えました。

ということですが、私はそんなに違和感は覚えませんでした。正鵠を射ていなくて当然でしょう。自分の体験に重ね合わせて他人の体験を眺めれば、認識が歪むのは当然のことです。

ただ、これだけで終わってしまうのもつまらないでしょうから、ちょっとだけ触れておきます。

まず、この部分。

彼が「俺大正義!」と超え高々に勝利宣言し、「いい夫やめます!」と宣言するにいたった根拠として上げているのは、2点。

  1. カウンセラーにも証明された
  2. 妻も現在は反省している

「1.外部の権威者」からのお墨付きと、「2.当事者の反省」があるのだから、やっぱり俺大正義!大勝利!いうことである。

本当に「ありがとうございます、お腹いっぱいですにゃん」とブラウザバックで逃げたくなる。

そもそも中田さんが勝利宣言をしたのは1~2の前の妻のニーズに応えられたときのことなので事実誤認ですし、また「いい夫やめます!」と判断に至った根拠もこの2点に限るのかというと私はそうは思いませんが、こういう揶揄の仕方をすると、カウンセリングを受けること自体を否定しているようで、私は好ましいとは思いませんでした。

夫婦間で問題が解決しないときにカウンセリングを受けるというのは日本ではまだ少ないですけど、いいことですよね。カウンセラーに限らず、第三者と話をすることで客観視できることはままあることです。引用箇所みたいな記事の書き方は、カウンセリングの位置付けを貶めています。

また、元を正せば、カウンセリングを受けることを推奨したのは妻です。(妻が指定したカウンセラーを受けたかは分かりませんが)そのカウンセラーとの会話を経て、妻と会話をして何らかの結論に至っているのに、そのプロセスが間違っているというのはあんまりです。

付け加えると、ブラウザバックしたければすればいいですよね。誰も読むことを強制していない

次に、この部分。 

記事内で真っ先に気になったのが、中田氏の以下の発言である。

 家にいる時間が増えたことで、妻も家事や育児をシェアしやすくなったようでした。「ちょっと長女と出かけてくるから下の子を見ていてね」とか、「○○がないから、そこのスーパーで買ってきてくれる?」とか、声をかけられることが増えていました。「すごいよ、オレ!」「妻からのニーズにすべて応えられる状況が完成した」「完全な勝利だ!」と自信満々でした。

はい、だめ。全然だめ。0点。

彼は「”依頼”されるまで、そのタスクに気がついていないし、自主的に把握するようにも努められていない」ということが見てとれる。相手から言われないと「家に今なにが必要か」がわからない。わかろうともしていない。

「ちょっと長女と出かけてくる」や「○○がないから」の後の家事育児について、自主的に把握しろと書かれています。でも、これは難易度が高いですよね。

「ちょっと出かけてくる」は言葉通りなら妻がその場で判断したことだし、その後のアクションを妻が夫に指定するのはおかしなことじゃない。「〇〇がない」というのも、家の中のすべての物の充足具合を判断するのは困難です。自分が切らしたものならまだしも。

記事を書いた人は、更に、

表面化した「ニーズ」い答えることは誰にでもできる、潜在的ニーズを把握せよと仕事でも言われるだろう。お前にかけているのはその意識だ。

中田さんを"お前"呼ばわりして畳み掛けます。私は、家事育児において潜在的ニーズを把握するようにするのは、相当難易度が高いことであり、万人にお勧めできるものではないと考えています。言ってしまえば、「あれ取って」の「あれ」を把握しろに通じしてしまう。それはシンドい。察して文化の最高潮。日本人が外国人にジョブディスクリプションを説明するのが苦手なところと似ている。

ただ、記事を書いた人は、たぶん、それをできる人が多いと見ている。だから、

例えば「料理」「ゴミ捨て」「洗濯」は一見依存関係がなさそうな独立したカテゴリに見えますが、多くの主婦はこれらの相関を考えながら行動する。どういうことか?

冷蔵庫に秋刀魚と手羽先があるな~。秋刀魚はそろそろ期限だから今日食べなきゃ。でも明日ゴミの日だから、手羽先を処理して骨出しちゃいたいな。あーだったら秋刀魚はマリネで日持ちさせて、今日手羽先メインで献立を作るか。野菜はまだあるから今日は買出し行かなくてすみそうだな。どうせ明日ゴミ出しだから、今日のうちに洗濯物回すだけまわしちゃってドラム掃除機の埃掃除もして全部出しちゃえ。そろそろ洗剤切れそうだからamazonで発注しなきゃだなー。他のものも含めて考えて次の資源ごみの前に到着するように依頼かけよっと(10秒)

こういうことを、"多くの主婦"ができるとしている。本当にそうでしょうか。

私はそうは思いません。専業主婦であろうとも、できない人はたくさんいます。こういう物の考え方は御本人がされるだけならまだしも、他人に伝えると、言われてできない人はプレッシャーを感じます。

以上です。

色々気になったところはありますが、まず、カウンセリングをネガティブに書いていること、次に、家事育児で潜在的ニーズを把握できることが当たり前のように書いていること、この2点については、私は好ましいとは思いませんでした。

締め

私は以前から書いている通り、日本での家事育児を夫婦で分担できていない理由の第一は、日本の労働時間が長過ぎて家事育児をやろうとしてもできないことにあると考えています。

第二は、日本の家事育児のクオリティが高すぎることと考えています。加えて言えば、こだわりが強いからアウトソーシングも忌避する傾向がある。これは、外部に限らず、夫婦間でもそうで、どちらかに過度なこだわりがあれば、相手に家事育児を"任せる"ことが困難になる。

第三ぐらいに、夫が家事育児能力を向上する機会が不足していることにあると思います。今の若い人はそんなことないけれど、一定の年齢以上だと、男が家事育児をすることにネガティブな環境がありました。男は台所に立たないとか。

ある意味、社会が悪いというのが私の認識です。家事育児ができない夫は、貧困が故に努力する習慣が身に付かなかった人に通じるところがあると、私は見ています。

中田さん批判の記事を書いた人も、途中、実態としては家事の役割分担がなかなか困難なことに触れつつ、最後の方では、

結局のところ「何をもって家事とするか」というゴール設定が合意できていないと、結局双方不幸になるということなので、「一緒に生活する」という原点に立ち戻って、同じチームの人間として快適に過ごせるように合意形成・ブラッシュアップしていくしかないと思います。

と書いています。私も賛同します。

世の中を憂いたところで、目の前の家事育児というタスクはなくなりません。この方のように、一緒に生活するという原点に立ち返り、何を家事とするかを見える化し、時に省エネ化し、また、中田さんのように、夫婦でそれぞれ何を実現したいのかを時々話し合うのは、(できるのであれば)夫婦が快適に過ごす上で有効ですよね。

一汁一菜でよいという提案

一汁一菜でよいという提案

 

※料理に限定しないで、この発想を持ちたい(ただ、これぐらいでもハードルが高いと思う人はいる)

羽毛布団を買ったのは誰だ?

先日、夫婦で日々生活の質が改善していっているという話をしていて、私が「羽毛布団も快適だよね。私は付き合う前から使っていたけど」と言うと、パートナーは「羽毛布団は付き合ってからでしょ。だって自分がお勧めしたんだから」と言います。

私が何度「いやいや付き合う前から羽毛布団は持っていたから」と言っても、パートナーが「そんなことはない!」と断言するので、「なぜ、そんな断言できるか分からない。違う可能性もあるのでは?」と私が言ってもも、「絶対に、自分が羽毛布団お勧めしてから、使うようになったから!」と言います。

「それなら調べてみようか」と私は楽天市場のアプリで、購入履歴を遡ってみることにしました。楽天市場でもAmazonでも購入履歴はすべて残っているんですよね。私はパートナーと付き合う前からこの2つのサービスは利用していて、確か、楽天市場で羽毛布団を買った記憶があった。

ひたすら楽天市場のアプリでページをスクロールしていくと、付き合う頃に入り、そして、付き合う前のゾーンに入りました。「ああ、こんなの買ってた!」と自分の愚かな購買行動を懐かしみつつ、遂に、明らかにパートナーと付き合っていない時期に私が羽毛布団を購入していた情報に辿り着きました。

「ほらー、私が言ってた通りじゃん!」と、その画面を見せてパートナーに伝えると、「失礼しました」と謝ってもらえました。結婚準備でダブルの羽毛布団を買ったのと混同していたようでした。これも購入履歴で正確な日時を確認できました。

さておき。

楽天市場で10数年前の購入履歴まで辿ったのは初めてのことでした。買ったものの多くはすでに販売されていないため、画像はリンク切れとなっていました。記憶を再生しつつ、何をどういう目的で買ったのかを見ていて、これは一つの自分の人生の歴史だと思いました。何にお金を使うかはどう生きているかですもんね。

今はMoneyforward等で簡単な購入履歴は追えるけど、楽天市場とかAmazonとかヤフオク!とか、私が長く使っているサービスから情報を抜き出して、自分の全消費行動を追えるとたまに眺めると日記代わりになるなと思いました。

羽毛布団 日本製 ポーランド産ホワイトマザーグースダウン 二層キルト 429dp ロイヤルゴールドラベル(シングル-06349865, 24457ブルー)

※羽毛布団は日本羽毛製品協同組合(日羽協)のゴールドラベルが付いているものから選んでいます。昔はよく羽毛布団を利用したマルチ商法が流行っていたけれど、今もまだあるのだろうか?

考えが足らない、思っていることを伝えない登場人物たちが、公認不倫という設定を与えられて苦しんでいるのを見て楽しむ、渡辺ペコの『1122』(いいふうふ)

前から書く書く言っていて、書いてなかった、渡辺ペコさんの『1122』(いいふうふ)のレビューをします。

以前ブログでも宣言していたし、世界の姑ことid:kukkyさんにもお願いされていたのに、随分お待たせしました。

どんな話?

ざっくり言えば、

妻・相原一子のセックス拒否が起因となって、セックスをしなくなった相原夫婦が、不倫OKというルールを設定したら、夫の相原二也が、あろうことか、夫に不満を抱え、長男の育児に苦しんでいる、物事を自分の中で溜め込みがちな三月という不倫相手としては地雷持ちまくりの女性と不倫をし始め、

三月からの依存的アプローチに情にほだされた二也が、公認不倫OKするときのルールをばしばし破りまくることに、一子はモヤモヤしっぱなしだけど、でも、元はと言えば自分のセックス拒否がきっかけだからと問題先送りをし、

一方で、三月の夫の志朗は三月が不倫をしていることを何となく察しているが子育てしてくれるママなら何でもOKというスタンスで、三月は三月で、公認不倫だったとは二也に言われてなかったから、「え、本気なのは私だけだったの……?」みたいなモードになるなど、

登場人物のそれぞれが考えが足りない行動をし、思っていることを伝えないで、問題を先送りし続けることで、更に問題が大きくなっていく……

という話です。

以下、人物相関図です。

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※名前が一、二、三、四と分かりやすく並んでいる。五がつく登場人物もいる。

楽しみ方は?

色んな楽しみ方があると思います。

例えば、第一話で、お酒の銘柄が『濃家の嫁』(農家の嫁を文字っている)だったり、発言小町や、はてな匿名ダイアリーなんかにちらっと触れるところがあるなど、そういうネットの家庭内トラブルが好きな人向けの要素は、特に1巻では多めになっています。

一子と実母のバトルは大変心温まるところがあり、それが故に、一子は実母からの連絡を二也経由でフィルタリングして受けていたりします。

また、三月への義母のアプローチも大変ほっこりするところがあります。

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※画像は1122/渡辺ペコ 第1話 - モーニング・アフタヌーン・イブニング合同Webコミックサイト モアイから

巻が進めば進むほど、主人公たちの、ディスコミュニケーション(というか無しコミュニケーション)によって、問題が悪化していくので、それを楽しむといいかと思います。

何しろ、公認不倫というルールができたこと自体が、もともとは一子が二也のセックスの誘いを、相手の自尊心がズタズタになる形で断ってからというところがスタートですから。要するに、臭いものに蓋をして、問題先送り措置として公認不倫になった。

相原家では公認不倫のルールが何となく設定はされているけれど、二也はかなりナチュラルにルール違反するし、一子は一子でルール変更や修正についてまともな会話はしないで「ルールは守ってね」と言うぐらい。

その上、二也が付き合う相手も良くない。公認不倫にするつもりなら、少なくとも、相手と、相手に配偶者がいるならその配偶者にも、公認不倫であることを伝えるのが最低限のマナーだと私は思いますけど、そんなことは一子も二也もしないから、日々の生活に苦しんでいる三月が物凄く依存する形で二也と不倫をしている。そして、公認不倫であることを当初知らされなかった三月は自分を当て馬だと考える。しかし、三月には二也以外に自分のことを分かってくれる人はいない……。

結局のところ、公認不倫という設定は新しそうで、やってることは普通の不倫なんですよね。一子も自分で公認不倫を言い出しておいて普通にモヤモヤしているし。でも、そのモヤモヤを二也には伝えない。

だから、吉田秋生さんの『海街diary』や海野つなみさんの『逃げるは恥だが役に立つ』のような、多様性のある、しっかり会話をする家族の話というより、『1122』は、昔ながらの、昼ドラ的な、ズブズブの、良くある不倫物という位置づけとして捉えると、期待に添えると思います。

『海街diary』の大好きなところとちょっとどうかと思うところ - 斗比主閲子の姑日記

恋愛初期のキュンキュンする感じを味わいたい⇛『逃げるは恥だが役に立つ』 - 斗比主閲子の姑日記

締め

以上、『1122』のレビューでした。

まとめると、1巻まではこのブログの読者は楽しめると思います。2巻以降は、登場人物の考えが足りず、思っていることを伝えないことで問題が先送りされて、同じ問題を登場人物たち(主に一子)がグダグダ悩むシーンが続き、その演出結果として、問題が悪化する……という感じなので、無為無策が故のトラブルが好きな人はどうぞ、という感じです。

1122(1) (モーニングコミックス)

1122(1) (モーニングコミックス)

  • 作者: 渡辺ペコ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/05/23
  • メディア: Kindle版
 

「死について思いを馳せない人間はどうかしてる」と学校の先生に言われて、死に思いを馳せるポーズを取るようになった人

私がパートナーの足を揉みながら、「今すごく幸せだけど、時々死にたくなるんだよね」と言ったら、「え、死にたいって本当に思うことあるの?」と問われ、「え、そ、そうだけど。特に13歳ぐらいから25歳ぐらいまではずっと死にたいと思ってたよ」と答えると、「死にたいって思う人って本当にいるんだねー!」と驚かれました。

パートナーは、これまで「死にたい」と口に出す人はポーズで言っていると思ってきたんだそうで。私が「いや、だって、死にたいと思って自殺する人は実際にいわるわけでしょ? そうすると、ポーズとかなんかじゃなく、死にたいと口に出す人はいてもおかしくないと思わない??」と聞いてみると、「確かに、それはそう。でも、ポーズで言っていると思うようになったんだよな」と答えます。

深掘りしてみたら、昔、尊敬する学校の先生が授業の中で、「死について思いを馳せない人間はどうかしてる」と言っていたことがあったらしく、それを聞いた私のパートナーは、「どうかしてると思われたくないから、死について思いを馳せているポーズを取るようにしよう」と学んだそうで。

その学びはあまりに杓子定規(というか少しズレている)ではないかと思いつつも、確かに、世渡りの一つとして、「世の中ではこう考えているのが基本だ!」みたいなことを言われたら、そう考えているように見せるよう、学習するのはあるっちゃあります。

私のパートナーは生まれてからこの方、一度たりとも死にたいと思ったことはないということでした。結婚してからも私が何度(何十度)か「死にたい」と言っていたのは本気で言っているとは思っていなかったそうです。

私の方は私の方で、死にたいと思ったことがない人がいるなんて思ったこともなかったので、パートナーには驚かされました。

お互いに、人生の中で最も長く付き合ってきて、数えきれないくらいの時間の会話をしてきたわけですが、未だに相手について知らないことがあったわけです。相手を分かるというのは、やはりほどほどのところまでだよなと思いつつ、考えが多少違っていても、むしろ、ちょっと違うところがパートナーの魅力でもあるよなと思ったのでした。

車輪の下 (新潮文庫)

※中学生の頃『車輪の下』なんかを読んで死にたいと思っていたのは若干陶酔が入っていた気がする

鳥飼茜さんが"入籍"って間違ってると思ったけど、浅野いにおさんの離婚後の籍に入るならおかしくない

漫画家の鳥飼茜さんと浅野いにおさんが結婚されたそうです。

私は、鳥飼茜さんの作品のファンで、恐らくは彼女の友人やご自身の私生活(離婚経験あり、子持ち)をネタにしているリアリティのある会話が好きだったので、再婚で、また違う幅が出てきそうなのが嬉しいです。

鳥飼茜『おんなのいえ』とあなたの人生の物語 - 斗比主閲子の姑日記

女が40すぎたところでハタチの男と結婚するのは『神話』なのか - 斗比主閲子の姑日記

それで、鳥飼茜さんがちくまwebで連載しているエッセイで、このことが触れられていたのですが、

号外:入籍の日|漫画みたいな恋ください|webちくま

タイトルが"入籍"なんですね。"入籍"警察としては見逃せないところです。よもや、酸いも甘いも噛み分ける漫画を描く鳥飼茜さんが結婚を間違って入籍と呼んでいるなどとは。

このブログの読者であれば皆さんご存知の通り、法律婚では、結婚するときには夫婦二人で新しく籍を作るんですよね。夫が作った籍に妻が入ると勘違いしている人がたまにいて、結婚が入籍と呼ばれることがあります。

ただ、よくよく冷静になってみれば、浅野いにおさんは離婚経験者なんですよね。

とすれば、 浅野いにおさんは、この離婚時点で、前妻が抜けた後の戸籍か、新たに作った戸籍を持っている可能性はあり、鳥飼茜さんが、この籍に入るという形で結婚をするのであれば、結婚=入籍となるのは何らおかしなことではありません。

ややこしいですけど、結婚して新しく籍を作ると(親とは別の籍になると)、その籍については離婚後は、戸籍の筆頭者が引き継ぐみたいな形になるんですね(大抵は夫)。筆頭者じゃない方(大抵は妻)はもとの戸籍に戻るのだけれど、結婚で相手の姓に変えて、その姓を離婚後に継続利用したい場合や、旧姓にしても新戸籍を作る場合は、新しく戸籍を作ることになる。だから、離婚経験者は親とは別の籍を持っていることがあり、この離婚経験者の姓を名乗る形での結婚なら、この籍が維持されるので、"入籍"となります。

"入籍"警察として誤認逮捕をしてしまうところでした。危なかった。

地獄のガールフレンド(1) (FEEL COMICS swing)

地獄のガールフレンド(1) (FEEL COMICS swing)

  • 作者: 鳥飼茜
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2016/02/18
  • メディア: Kindle版
 

※私が今のところ一番好きな鳥飼茜さんの連載作品 

「自分の人生を強姦されていると思っている人は、他人の人生を同じように攻撃すると、少し気が晴れるのかもしれなかった」

タイトルは、村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』から。

 『コンビニ人間』は2016年の芥川賞を受賞して、その存在は知っていたのですが、特に読もうとは思っていませんでした。芥川賞受賞作はつまらなそうだという思い込みがあったから。

ただ、何かの機会で検索してたら面白いらしいという評判を見たので、それならばと手を出してみたわけです。結果としては5ページに一回ぐらい大笑いできるぐらい楽しめました。

『コンビニ人間』の主人公である、36歳独身処女の古倉恵子が誰かに似てるなと思って、思い浮かんだのが柳本光晴さんの漫画『響~小説家になる方法~』の主人公、響です。この漫画は映画が今度放映されるということで大宣伝されているのでご存知の方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。

作中で美人と言われる人がまったく美人に見えないとか、登場人物の来てる服のセンスが絶望的だとか、絵は色々考えさせられるものがあるのですが、主人公の女子高生『響』の暴力がハイパーインフレしていくのが爽快感があります。ネットでは、小説家になる方法というサブタイトルで興味を持って読んだ結果、「騙された!」と憤慨した人々のレビューがたくさんあります。 

響?小説家になる方法?(1)【期間限定 無料お試し版】 (ビッグコミックス)

響?小説家になる方法?(1)【期間限定 無料お試し版】 (ビッグコミックス)

  • 作者: 柳本光晴
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2018/09/10
  • メディア: Kindle版
 

※1巻と2巻が10月9日まで無料公開中です。 

響と『コンビニ人間』の主人公の古倉恵子について、似ているなと思ったのは、どちらも暴力を振るうハードルがかなり低いところです。恵子は小学生の頃、喧嘩している男子二人をスコップで叩いて物理的に大人しくさせようとしたり(実際大人しくなる)、自分の妹の、泣いている赤ちゃんをナイフを使えば簡単に静かにさせることができると考えてたりします。響は……上のお試し版を読んでもらえれば分かりますが、かなり気軽に前蹴りを繰り出します。

後は、世の中の見方が"普通の人"とは、ちょっと違うところとかですかね。何にせよ、どちらも魅力的なキャラクターです。

響の掛け合い相手が、同じ高校の生徒から、編集者、テレビ局……と順調にステップアップする一方で、恵子の掛け合い相手はほとんど変わりません。妹と、同じコンビニで働いている同僚と、社会的体裁を保つために家に住まわせることになった白羽さんぐらいです。

白羽さんは、婚活目的(!?)でコンビニで働き始めたものの、コンビニの仕事を底辺とうそぶいたり、女性客をストーカーしたり、遅刻しまくったりして、コンビニを容易くクビにされます。北海道の実家に時々金の無心をしにいっていたものの、弟が両親と二世帯住宅をし始め、弟の妻(つまり"嫁")と折り合いがつかず、なかなか実家に近寄れなくなり、今はルームシェアの家賃を滞納しているという人間です。風貌も相当悲惨なものがあり、かなり魅力がない人物として描かれています。

恵子が白羽さんと一緒に住むようにいたったのは(家で動物として餌を与えて飼うようになったのは)、『逃げ恥』でみくりと平匡さんが偽装結婚した理由とほとんど変わりません。恵子も白羽さんも"普通の人"から爪弾きにあっているので、世間体から自分たちを守るための共同体みたいなものを作ろうとしたわけです。

この記事のタイトルは、白羽さんが「自分は周りから攻撃されている」と言いながら、周りに攻撃的に振る舞っている姿を見て、恵子が心の中で思ったことになります。私がブログでよく紹介する、加害者が被害者性を持っているというのと同じやつですね。

恵子は"普通の人"とは違う人間だと描かれているものの、村田沙耶香さんという小説家の観察眼を反映していることもあって、物の見方はしっかりしていて、恵子から見た周りの人物の描写はかなり楽しめるものがあります。

小説自体は意外とあっさり終わってしまうので、もう少し、恵子がどうやって周りの人間を見てきたか(例えば、奇数番号の店長からは恵子が何を得たのかとか)が読めたらいいなと思いました。村田沙耶香さんの他の本を読めばいいんですかね。

ということで、以上、『コンビニ人間』のレビューでした。私のブログを好きな人なら、何度も大笑いできるはずです。 

コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1)

コンビニ人間 (文春文庫 む 16-1)

 

※文庫版あります。Audibleもある。

「人間関係悪化で仕事を辞め、間もなく結婚と引っ越しを予定。今後の夫との生活に不安と不満を感じる」

今日は、読者からもらったメールにコメントする一人小町です。途中まではメールでのやり取りで、以降はブログでのコメントになります。モヤモヤメールは結構溜まっているので今週は多めに紹介するつもりです。 

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Q1. 夫との結婚生活にモヤモヤ

斗比主閲子 様

はじめまして、久保井と申します。いつも斗比主様のブログやTwitter等とても楽しく読ませて頂いております。

斗比主様の考えやご意見にはハッとさせられたり、共感するところが多く、前々から話を聞いて頂きたいなと思っておりました。話したいモヤモヤが多く、筋道立てて説明するのが下手な上に、ほっこり度は低めだと思いますが話を聞いて頂けましたら幸いです。

人物紹介

先ずは人物の説明をします。

私:30歳、専業主婦、コミュ症腐女子。外面は良いがキレやすい完璧主義者。引き篭もり体質で、遊びにいくのも疲れるから寝ていたいタイプ。

旦那:32歳、メーカー勤務、リア充一般人。性格は穏やかだが適当過ぎる面があり、一人暮らしの家は汚部屋だった。

私は昨年末に職場の人間関係悪化により鬱のような状態になった為に仕事を辞めています。間もなく結婚式を控え、同時に私にとって親戚縁者のいない飛行機の距離の土地(夫の新勤務先)で、新生活をスタートする事になっております。

現在、生活費は折半しています。金銭的には結婚式と引っ越しがある為、正直かなりカツカツです。なので旦那からは「働いて欲しい」とずっと言われているのですが、来年からはひとりぼっちになるので地元の友達と遊びたい、今年は好き勝手させて欲しいという思いから、来年・・・出来れば生活が少し落ち着いてから働きたいと考えております。

夫との生活に不安と不満

本題に入りますが、旦那との生活に不安と不満を感じております。

結婚式の話し合いもこちらから話し掛けても面倒くさそうで「好きにしていいよ」とだけ言われてしまいます。私としてはキチンと二人で話し合い確認し合いながら計画的に決めていきたいのですが、食事を終えるとすぐに寝室でゴロゴロしてしまったり、今日は疲れたからと先延ばしにしたり、食器洗いや洗濯が終わっていない状態で「寝室行こうよ〜」と誘われたり。

そうかと思えば二次会の事は自分で勝手に決めてしまっていて、慌てて「誰が幹事や受付をやるの?」と聞いたところ、夫は「言う必要あるの?」と不機嫌になります。

お互い趣味嗜好や考え方が違うのが分かっているので食い違い自体は気にしないのですが、私の気持ちや意見をかなり蔑ろにしている気がしてならないのです。旦那は弁が立つので口では全く勝てない事もあり、もう良いや勝手にして・・・と諦めてしまっています。

セックス妊娠出産に関しても意見や考え方が合わず、不安しかありません。避妊をしっかりしないので、極端ですがセックスは完全拒否してしまっています。私は子供が苦手で、出産も恐怖でしかなく、孤児院から引き取れば良くない?と考えていて。旦那は子供が欲しい、孤児院から引き取るのも大変だし、出来れば血の繋がった子供が良いなと考えています。前は施設からもありだって言ってたのに。

それなら家事に協力的になって欲しいと思うのですが、現時点では私が専業主婦な事もあり、そこまで協力的ではありません。「やってない」と言っても「俺はアレもコレもやっている」と論破されてしまう。確かにやっているけれど、やって欲しい事ではないといいますか・・・。

私が体調不良の時に食事は作ってくれるけど食器や脱いだ服や鞄は片付けないし、共用スペースに旦那の私物を置きまくるので掃除どころか歩くのも片付けながらだし、どこに片付けたら良いのか分からないし、週一のトイレ掃除はしても毎日の風呂掃除は一度もしたことないし・・・そして髪の毛落ちてるだの私の掃除への文句は言う。

先日は旦那から「仕事が忙しくない今の時点でこれなのに、来年からは激務だからもっと家事頑張ってね」「ちゃんと働いてね」「子供も欲しい」といっぺんに言われてしまい、不安が爆発して深夜に大号泣。「共働きになったら家事は今より頑張れないよ・・・子供が出来たら働けないよ・・・家の事を私に全部任せっきりにしないで」と言ったところ「そういう意図で言ったんじゃない」と言われてしまいました。

私の境遇や考え方が特殊なので共感してくれる友人もほぼおらず「大丈夫だよ〜」と軽く言われて逆に泣いてしまった事も。私の心に余裕がなさ過ぎるのが原因なんだとは思うのですが、「他人からの些細な言動をかなり大袈裟に捉えてしまっているな」「旦那は旦那なりに少しずつ変わっているな」「自分もちゃんと説明したり意見を伝えないといけないな」などと分かってはいても上手く行かない。モヤモヤイライラする。

話がまとまらなくなってきてしまったのですが、客観的に見てどうなのか、この不安や不満をどうしたら良いのか、感情的になっていて説明下手なので何か気になる点があれば教えて頂きたい所存です。自分でもモヤモヤや不安があり過ぎて何がしんどいのか見失っている気がします。

それでは、乱文失礼致しました。

久保井

A1. メールありがとうございます!

久保井さん

メールありがとうございます!

斗比主様の考えやご意見にはハッとさせられたり、共感するところが多く、前々から話を聞いて頂きたいなと思っておりました。

あまり価値観を共にする人は少ないと思っていますので、何が琴線に触れたのか気になるところですが、大変嬉しいです!

話がまとまらなくなってきてしまったのですが、客観的に見てどうなのか、この不安や不満をどうしたら良いのか、感情的になっていて説明下手なので何か気になる点があれば教えて頂きたい所存です。

了解です。よろしければブログでコメントしますね。

topisyu

Q2. 私の事を直接知らない方からの意見が気になります

斗比主閲子 様

早々と返信して下さり誠にありがとうございます。

共感した事ですが、例えば「クラウドファンディングで出産費用を募る大学生をどう思いますか?」について「どうでもいいです」と仰った部分ですとか、実名のスキャンダルは好きではないといったところです。私は発言小町や鬼女速を読むのは大好きですが、有名人のスキャンダルは楽しめない。でも友人の愚痴を聞くのは好きだったりします。

改めて冷静になってから送った文章を読むと、感情的に書き殴ってしまったなという後悔もあったりしますが(例え相手がどんなに理不尽であっても罪悪感を抱く事が多い)、私の事を直接知らない方からの意見が気になるのでよろしくお願い致します。ブログでコメントして頂いて大丈夫です。

久保井

A2. ストレスがあって当然な環境ですよね。感情を吐き出す訓練をするといいかも

ということで、ここからはメールのやり取りではなく、ブログ上でのコメントとなります。

結婚、引っ越し、お金がないという状態はストレスがあって当然

お問い合わせは、

客観的に見てどうなのか、この不安や不満をどうしたら良いのか、感情的になっていて説明下手なので何か気になる点があれば教えて頂きたい所存です。

これとして、まず、外部環境はかなり大変な状況ですよね。

私は昨年末に職場の人間関係悪化により鬱のような状態になった為に仕事を辞めています。間もなく結婚式を控え、同時に親戚縁者のいない飛行機の距離の土地で、新生活をスタートさせる事になっております。

現在、生活費は折半しています。金銭的には結婚式と引っ越しがある為、正直かなりカツカツです。

そもそも結婚をするという一時点での行為がストレスのあるものですし、仕事を辞めているし、引っ越しがあって、引越し先は新生活は知り合いがいないところですし、お金の問題もある。この辺がストレス源になることは以前も紹介しました。

離婚は会社の倒産・親族の死・別居と並ぶ凶悪なストレス源。時にワンワン泣くの超大事 - 斗比主閲子の姑日記

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※表の出典 - 夏目『出来事のストレス評価』(日本精神神経学会)

従いまして、客観的にどうかといえば、少なくとも私の視点では凄くシンドい思いをしているのは環境からすれば当然じゃないかなと思います。

対処としては、もう今さらしょうがないかもですが、できればイベントをコントロール可能なら期間を空けたいところですよね。どんなイベントのストレスもピークアウトすることはありますから。

後は難しい判断は極力しないようにすること。

不安や不満は言語化するのが有効

次に、

この不安や不満をどうしたら良いのか

については、私が言うまでもなく言語化することはとても有効ですよね。今回メールされたように。

できれば信頼できる知人や友人や親族に話すのもいいと思うんですけど、

私の境遇や考え方が特殊なので共感してくれる友人もほぼおらず

ということであれば、日記に書くのもいいですよね。ちょっと気になるのは、

例え相手がどんなに理不尽であっても罪悪感を抱く事が多い

というところです。何があったかは存じ上げませんが、ご自身の素直な心情を吐露した際に、それを他人から否定される経験が結構あったんじゃないかなと推測します。

理不尽な人間に対して嫌だな、不快だなと思うことや、怒りを覚えることは別におかしなことではありません。ご自身が仰っているように"キレやすい"ということであれば、理不尽に対して溜めきらず、小分けで爆発する訓練をされると色々と楽になるんじゃないかなとは思いました。

なお、夫婦関係についてどうするかについては特段ご依頼がないので、あまり詳しくコメントは差し上げませんが、

避妊をしっかりしないので、極端ですがセックスは完全拒否してしまっています。

という状態は、かなり大変な状況だなと私は思いました。

家族計画についてすり合わせをできていないのに避妊をしっかりしないというのは私なら凄く不安です。

締め

以上、読者から頂いたモヤモヤメールと私のコメントでした。

私にメールをされる方は結婚直前直後とか、妊娠中とか、離婚とか、介護を控えているとか、振られたとか、そういう人が多いです。時期的にはストレス多くて当たり前なのでさもありなんですよね。他人にメールで伝えられているだけで解決の道に入っているわけで、たぶん、モヤモヤしていても言葉にできていない人も多いんじゃないでしょうか。

もちろん、そういう時期に人間関係でモヤモヤがあるのもありがちなことなので、人間関係それ自体をどうにかすることを検討しつつも、ライフイベントがある程度落ち着くのを待つのが基本動作かなと思っています。例えば、夫婦ともに転職し立てで、子どもが小学校に入学したとか、そういう時期は辛くて当たり前なので、難しい判断はしない・起きないようにするみたいに。

夫婦関係で問題があったとしても、お互いにストレス過多な状態では、解決する力も出ないし、相手が悪いから相手が変わるべきという議論になりがちです。まずは落ち着いて話ができる時間を増やせるといいなと私は考えています。

ちょっと話は変わりますが、結婚式を控えてウェディングハイになっているように見える人は結構いますけど、シンドい結婚を控えてある意味自己防衛でそうなっているのかもしれませんね。

「バリキャリの友人が浮気されたのに適齢期で相手がいないからと結婚しようとしているのにモヤモヤ」

今日は久々に、読者からメールでいただいたモヤモヤを紹介する一人小町です。

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友人が浮気されたが付き合いの長さから結婚しようとしていてモヤモヤ

トピシュ様こんにちは。

いつもブログを楽しく拝見しております。summerと申します。20半ばの女です。

今回は私の知り合いのことでご相談に参りました。私の知り合いPは30手前の女性で、5年ほど付き合った彼氏Qがおりました。P,Qともに私の趣味の仲間でして、3人でご飯を食べることもありました。

二人共適齢期ということで内々に婚約もしていたようなのですが、ここに来て彼氏Qの浮気が発覚。浮気相手はQの職場の新卒の女の子で、やることまでやってしまったようです。

Pはバリバリのキャリアウーマンで2月から3月が繁忙期、ほとんど休みも取れずに働いており、バレンタインもホワイトデーもなかったとか。さらにQは結婚願望と言うか、大家族の長男だからでしょうか?「早く嫁を取りたい」という要望が強く、仕事優先で婚期を伸ばしていたPに少なからず不満をいだいていたようです。その寂しさと結婚が先延ばしになる不安から浮気してしまった…そうなのですが。

浮気が発覚し一悶着あった後、Pはショックとストレスから精神的な病気になってしまいました。それでも彼の浮気を許し、予定通り結婚に踏み切ろうとしています。5年付き合った情もあり、また、適齢期で今の彼を逃すと後がない、と不安に思っている部分があると聞きました。

ただ……私、個人的には「何年付き合っても浮気しない男は浮気しないんだから、Qは寂しくなったら(特に子供が生まれてかかりっきりになったら)また浮気するのでは?」と思っています。

もしPとQが付き合って3ヶ月のカップルとかだったら、「次もやるにきまってるだろ」と止めるんですが、PとQは5年も付き合っています。この浮気が恐らく初めてで、私も二人のお付き合いを4年ほど見てきて、二人の愛情や信頼関係なども知っていたので、無下に「浮気は繰り返すんだから別れなさい」とは言えません。私自身、Qが浮気をしていたと知ったときはかなりショックでした。全くそんな素振りはなかったし、二人は相思相愛と見えていたので…。

私はPの決断を見守るしか無いのでしょうか。彼女が望むならそれが一番なのだろう…と言い聞かせつつも、浮気を繰り返されたら今度こそPが壊れてしまいそうです。人に恋をすれば心が壊れるのも本望でしょうか? そんなことないですよね。

浮気を繰り返す前提でいる私もひどい人間だなとは思います。ここは私の男性不信が影響するところなので、私の心配しすぎかも知れません。できれば止めたい、でも精神を病んでしまっているPに正論(かは分かりませんが、Qと結婚するのは止めとけという私の考え)を伝えたら余計混乱させてしまいそうですし。

決断するのはPとQの二人ということは分かっていますが、Pに私の考えを言っていいのか、言わないほうがいいのかモヤモヤしています。トピシュさんならいかがいたしますでしょうか。やはり大人しくしているべきですかね?

summerより

私だったら「結婚するな」とは言わない

まとめると、

友人が浮気をされたけれど長年付き合っていること、これを逃したらチャンスがないことで結婚しようとしているが、浮気されたことで精神的に苦しんだぐらいだから、次もやるかもしれない相手と結婚するのは良くないのでは? それを指摘していいのか? トピシュさんならどうする?

という話ですね。

私が同じ状況だったらどうするかといえば、特に自分から「結婚しないほうがいいのでは?」とは言いません。理由は、

  • 他人の人生は基本他人のものなので、自分が口出しできるものではなく、責任も取りようがない
  • 本人が求めていないアドバイスは効果がない。というか、本人は本人がしたいように決断するもので、求められたアドバイスも

と考えているからです。基本的には、責任能力がある成人に対しては、無闇に介入することはしません。する立場じゃないと思っているので。

だから、ちょっとメタになりますが、このメールを送られたsummerさんにも、求められたからこんな回答をしているだけだし、友人に対して「結婚しないほうがいいのでは?」と伝えることを止める気もありません。ご自身のご判断でどうぞ!

機会があれば、ただ話を聞く

では、もし私がsummerさんの立場だとして、まったく何もしないかといえば、そうではありません。

PとQの両方を知っているという関係性から、二人がどういう気持ちで今回結婚しようとしているかを、何か機会があれば、それぞれから淡々と話を聞くぐらいはすると思います。要は、寄り添うとか傾聴とかそういうことですね。

誰かに話をすることで本人の頭の中が整理されることはありますから。アドバイスをすることよりも、他人ができる最大限のサポートは本人の話を聞くことだと考えています。

もし、その話の中で「結婚していいかな?」と問われれば、少しぐらいは自分が考えていることを伝えると思います。浮気はしんどいですけど、相手にDV癖、借金癖がありそうとか、結婚生活をする上ではクリティカルなものは浮気に限定されませんから、自分が気付いていて、当人が過小評価しているものがあれば、アドバイスを求められたという前提で、懸念点を伝えます。

自分の感情が揺り動かされるなら距離を取る

人から話を聞く上で私が気をつけているのは、浮気の被害者であるPであろうが、浮気の加害者であるQであろうが、誰の立場であっても、話に引っ張られすぎないようにすること。すぐに怒ったり、どちらかに感情移入しちゃうようだったりしたら、私だったら、その話に関わるのは止めます。二人とはしばらく距離を取ると思います。

浮気されたのもしたのも自分ではないのに、怒りを覚えたり、可愛そうだと思ったり、感情が揺さぶられているとしたら、人の世話を聞ける状況じゃないですよね。

ニュースでも痛ましい事件がありますが、そういう事件に「なんて可愛そう」「加害者には極刑を」なんて思う気配が自分に見えたら、私はそのニュースを見るのは止めます。自分には適切に処理するキャパシティがないと判断するからです。

日本国内で見ても、年間で浮気は何百万件、離婚は何十万件、交通事故は何十万件、DVは何万件も起きています。殺人事件だって数百件、虐待死だって50件ぐらいはあります。

そのすべてに心を砕いていたら、私の心はいくつあっても足りません。ニュースであっても、友人からの相談事であっても、自分にキャパがあるときに聞くものであって、キャパがないのに話を聞くのは、自分自身を傷つけていることと同義と考えます。友人との関係にも悪影響があるでしょうしね。

締め

私だったらどうする?の回答はこんなものです。

なお、冒頭で、

基本的には、責任能力がある成人に対しては、無闇に介入することはしません。

と書いたのは「責任能力がない人であれば介入することがある」の裏返しになります。何しろ、責任能力がない人の場合は、本人がどうにかしたいと思っていてもどうしようもなかったり、そもそも、どうにかしようということさえ思えないことがありますから。

一人の成人した、そこそこ行動力と発言力がある人間として、身近に何か事案が起きていれば、専門家に適宜支援を求めつつ、自分の心が砕かれないように注意しながら、事態の解決に介入すると思います。

「障害者カップルの恋愛が、彼女の病状の悪化により破局しそうです。どうしたらいいですか?」

今日は読者からの質問に簡単に回答するものです。

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Q. 障害者カップルの恋愛が破局しそうだと相談を受けました

topisyuさま

Mでございます。障害者カップルの恋愛が破局になりそうだと、カップルの彼氏であるAさんから相談を受けました。

Aさんが言うには、彼女の病状が悪化して「あなたとの結婚は考えられない。お友達に戻りたい」というメールが彼女から届いたため、Aさんは「とにかく今は体調を戻す事、それまでは全て保留で」とだけ電話で彼女に伝えたそうです。

Aさんの私への相談は「自分が彼女に寄り添えなかった。でも彼女の力になりたい。どうしたらいいか」というものです。私は「もうAさんにできる事はないから、彼女の体調が戻ったらそこで彼女の意思を確認して無理なら別れる」ぐらいしか思いつきませんでした。

topisyuさんの視点でなにかアドバイスがありますでしょうか? よろしければご意見をいただければと思います。

Mより

A. ただ話を聞けばいい

私がアドバイスをする立場のMさんに、アドバイスのためのアドバイスをするとしたら、適切なアドバイスをする必要はないので、話を聞いておけばいいという感じでしょうね。(ちょっとメタメタしてて分かりにくい。)

人間、本人がしたいようにしかしないわけで、で、したいことがはっきりしないから他人に話して、話している最中に自分がしたいことが分かってくるものですよね。だから、聞き手は、「自分に求められていることは回答を出すんじゃなくて、本人が回答を見つけ出すことのお手伝い」ぐらいに考えるぐらいでいい。

というのが、アドバイスを求められた人へのアドバイスです。アドバイスを求められた人も自分でやりたいようにすればいいと思いますけど、一応アドバイスを求められたので。(これも分かりにくい。)

一応、個別事情に踏み込んで、私がMさんの立場でAさんから話を聞いたときに何かアドバイスをしろとAさんから言われたら、

  • 彼女は自分の病気のせいで迷惑をかけたくなく身を引いたという構図であり、Aさん自身への愛情が薄れたということではなさそう
  • 彼女の別れたいという意思は尊重しましょう。その上で、友達として、彼女の病状に気を配って彼女が望む距離感で接する。無理はせず、彼女の応じる範囲で、というのがポイント
  • 病気がどうなるにせよ、彼女が再度Aさんと結婚したいという気持ちを示したら、そのときにAさんから改めて結婚を打診する

みたいなことをAさんに伝えると思います。別に伝えたくないんですけど。

 

あと、障害者カップルということでの特殊性を考慮して何か言えと言われたら、Aさんが病状が悪化している彼女と結婚して、共倒れにならず、結婚生活を維持継続できるかどうかは見極めたほうがいいとは、言うかもしれません。

夫婦どちらかが病気とか障害があるということでも日々の生活はかなり大変ですし、障害者カップルということであれば、更にハードルはあるでしょう。病状が悪化した彼女の提案は現実を踏まえた冷静な判断といってもいいかもしれません。

この辺は話を聞いてみないと分からないですけどね。Aさんの自暴自棄の側面もあるから、良い距離で寄り添う意味はある。そうしながら、実際に結婚が成り立つか、行政からの支援の有無を役所に相談しつつ、親にも状況を共有し、金銭的な不安がないかの検証もするというのが、現実的な対処かなと思います。

一般論として、「あなたと結婚するのは不安だ」と言っている人に「大丈夫だ」と言葉で言い続けてもすぐに信用されるものでもないですから、行動で示すのは効くっちゃ効きます。

 

「7年間付き合った彼氏と別れました!会社も辞めました!実家に戻りました!もう一生独身でいいかも!」

昨年の記事のこの記事(7年間付き合ったが、彼には結婚する気がなかった)の後日談となります。

「7年間付き合った彼が私と結婚する気がまったくなかった。でも、まだ好きな感情が残っている」 - 斗比主閲子の姑日記

その後のご報告をいただくことは結構あるし、私も自分だったら読みたいと思うんですが、なかなかまとまった分量のものがなかったんですよね。たぶん、初の試みとなります。

メールを送られたBさん、どうやら思い切った決断をした模様。はてさて。

Mending a Broken Heart

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「スパルタ式で育てられた夫は、家庭より仕事を優先。息子には泣くまでガンガン教育。妥協点が探れず結婚生活はもう無理かもしれない」

今日も読者から頂いたモヤモヤメールの紹介です。「子どもの頃苦しみながら勉強させられた夫が、自身の息子も同じ目にあわせようとしていて、その上、仕事が最優先で、結婚生活に支障をきたしている」というモヤモヤです。

Q1. 自己肯定感が低い夫が家族より仕事を優先します

閲子様

初めまして。麻衣と申します。

いつも楽しく拝見しています。閲子様が「自己肯定感の低さとモラハラ」について書かれていたのを拝見し、思い当たることがあってメールする決心がつきました。私は閲子様とは正反対で、小学生が大人になったようなタイプですので、浅いモヤモヤになりそうで本当に心苦しいですが、よろしければお召しあがりいただけますでしょうか。

基本プロフィール

関西在住、夫婦ともにアラフォー共働き、息子5歳です。

住まい

私の実家に二世帯住宅です。二世帯にすることについては夫は積極的に賛成していました。育児の助けが得られる(=自分が負担しなくてよくなる)ことが理由だと思います。この同居も夫のストレスになっていると思われます。

夫と私の教育歴&スタンス

夫:旧帝大卒。お母さんはぎちぎち管理タイプで、夫の弟も旧帝大卒。

私:私大卒。母は放任タイプ。

仕事のスタイル

夫:起きている時間はほとんど研究に充てたい。趣味はなし、研究自体も、楽しくやっているわけではなさそう。現在の地位を守るために必死、命を削っている感じ。今のキャリアについても、「自分がいまやっていることは20年後には何の価値もないものになる」「意味がない」等と言います。

私:大企業の事務職で、仕事はお金のため、首にならない程度に細く長く続ければよいというスタンス。

お悩み本題

よくあるパターンですが、子供が生まれてから夫と考え方のギャップを見つけることが多々あり、埋められないのではないかという気持ちになりつつあります。具体的には、夫の考え方が仕事>>子供、家庭であることや、子供をスパルタ式でガンガン教育しようとすることです。

例えば教育に関しては、共有型しつけに非常に共感していますが、夫に話してもまったく響かず。自分は管理ビシビシ教育でここまでのし上がってきたという意識があるのだと思います(私も学歴では負けているため、なかなか言い返せません)。

夫の育児に対する態度にしても、子供もそれなりになついてはいますが、基本としては私が育児をするものであり、自分は貴重な研究の時間を割いて子供に対応してやっている、という意識が透けて見えます。例えば、教育にはうるさく口出しするが、土日に外遊びに連れて行くことには消極的だったり、家族でのレジャーも全くと言っていいほどありません。

義実家への帰省も、お盆やGWのピークシーズンに行かなければダメという割に、自分では旅の手配を一切しませんし、仕事があるから自分は行かないと言ってきます。「俺の実家を大事にする気持ちがあるなら仕事で忙しい自分に構わず、子供とお前だけでいけるだろう」とも言っていました。また、子どもの習い事の送迎も、私や私の母にやらせて、自分は仕事が忙しいからと一切やりません。

今までいろいろと衝突もあり、説得もしてきましたがなかなか妥協点が見つかりません。ほとほと疲れ、もうこのまま結婚生活をするのは無理かもと思い始めました。子供は懐いているしなるべく離婚は避けたいとも思いますが…。

夫は自分でも「自己肯定感がない」と言っています。それが子供や私への厳しい態度につながっているように思われます。これから、関係を回復することはできそうでしょうか。。

とりとめない長文でお恥ずかしいですが、ご意見いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

A1. 自分の過去の肯定のために子どもも厳しく子育てしてる?

麻衣さん

メールありがとうございます! 妻側の実家での二世帯住宅は珍しい案件ですね!! 大変美味しくいただきました。私が気になったところをコメントしていきますね。

二世帯にすることについては夫は積極的に賛成していました。育児の助けが得られる(=自分が負担しなくてよくなる)ことが理由だと思います。この同居も夫のストレスになっていると思われます。

思いますというと直接そういう話がパートナーさんからあったというわけではないということですかね? 同居がストレスになっていることも本人の口から出てきたことはない??

今のキャリアについても、「自分がいまやっていることは20年後には何の価値もないものになる」「意味がない」等。)

これキツイですね。研究者の場合は、ある程度分野で明暗はっきりしちゃうのはあるにせよ、自分で仕事が上手くいっていないと分かっていて、仕事の優先順位を高めているというのは。

具体的には、夫の考え方が仕事>>子供、家庭であることや、子供をスパルタ式でガンガン教育しようとすることです。

自分は管理ビシビシ教育でここまでのし上がってきたという意識があるのだと思います(私も学歴では負けているため、なかなか言い返せません)。 

パートナーさんは自分がされたように子どもは育てたいということなんでしょうね。ある意味、自分の育てられ方は正しかった、今の自分は正しいということを肯定したいみたいな? ある程度ロジックがあるというか、研究大好き人間なら、エビデンスがある教育方針については、大体は賛同するはずです。賛同はしないまでも多少は考慮する。

育児に対する態度にしても、子供もそれなりになついてはいますが、基本としては私が育児をするものであり、自分は貴重な研究の時間を割いて子供に対応してやっている、という意識が透けて見えます。例えば、教育にはうるさく口出しするが、土日に外遊びに連れて行くことには消極的だったり、家族でのレジャーも全くと言っていいほどありません。

また、子どもの習い事の送迎も、私や私の母にやらせて、自分は仕事が忙しいからと一切やりません。

ある意味、それがパートナーさんにとっての子育てスタイルなんでしょうね。自分はやらずに母親とその祖母がやるべきだと。パートナーさんのご実家でもそうだったんじゃないですかね?

義実家への帰省も、お盆やGWのピークシーズンに行かなければダメという割に、自分では旅の手配を一切しませんし、仕事があるから自分は行かないと言ってきます。「俺の実家を大事にする気持ちがあるなら仕事で忙しい自分に構わず、子供とお前だけでいけるだろう」とも言っていました。

これは最高にほっこりしました。実家を大事にしてないのは、実家より仕事を優先しているパートナーさんのほうですよね(笑)

今までいろいろと衝突もあり、説得もしてきましたがなかなか妥協点が見つかりません。ほとほと疲れ、もうこのまま結婚生活をするのは無理かもと思い始めました。子供は懐いているしなるべく離婚は避けたいとも思いますが…。

私が言うことじゃないですが、離婚しても特に問題ない状況ですね。親権も取れるし、養育費は確実に取れるし。麻衣さん自身は働き続けられる環境だし。

妥協点として私が思うのは、

・パートナーさんは子育てをしなくていいから子育てに口を出さないこと

ぐらいに置きたい感じ。

これから、関係を回復することはできそうでしょうか。。

自己肯定感を回復する方法についてはカウンセリングを受けたりするのとか、本を一緒に読むというのがありますかね。私は専門家じゃないですが、たぶん、パートナーさんんの自己肯定感が回復されない限り、関係の回復も難しい感じがします。

細かいモヤモヤはいくらでも美味しくいただきますので、どうぞご気軽にお送りください!

topisyu

Q2. プレッシャーをかける夫 vs 好奇心を大切にする私

閲子さま

ご返信ありがとうございます。

同居がストレスになっていることも本人の口から出てきたことはない??.

夫は同居について「あなたが楽になるでしょう」という言い方でした。微妙な言い回しですよね。また、同居を解消したいという発言は出たことはありません。

同居する以前は、そもそも共働き夫婦としての家事のシェア体制などをまったく検討する機会がありませんでした。よくある話ですが、共働きでも男女で仕事にかける時間が圧倒的に違うので、双方が納得できる形での分業は本当に難しいです…。

パートナーさんは自分がされたように子どもは育てたいということなんでしょうね。

そうだと思います。閲子さんのご指摘通り、自分の過去の肯定という意味もあるでしょうし、悔しいですが夫側の親戚は皆高学歴です。それで私もなかなか反論しきれないという部分があります。

よく本人が言っているのは、子供時代「こんな問題もできないのなら死んでしまえ!」と言われて叩かれたと。あとはつねにマイナス評価だったり、育児本の言ってはいけないテンプレまんまです。

息子に対しても、苦手な問題を泣かせるまでやらせます。今はできなくても、時間がたつとケロッとできるようになる時期なのに…。できない部分を直視することも大事ですが、今はお遊びしながらの勉強習慣づけや好奇心を伸ばすことが大事だと伝えても、聞く耳持たず。プレッシャーを与えられることが重要なのだそうです。

愚痴ばっかりになってしまいますね。もう恥ずかしいです。取り留めなくなってしまいますので最後一つだけお聞かせください。

一つお伺いしたいのですが、閲子さんはジョブ型のお仕事をされていると何かで書かれていましたよね。ジョブ型の仕事というと、常に結果で評価される厳しい部分があると思います。

夫は、評価に自信が持てない→必要以上に仕事をしないと失職すると思い込む→ワークライフバランスの崩壊という傾向があるのですが、閲子さんはご自身の仕事への評価をどうされていますか? 例えば、ここまでやればOKという線引きをどのように客観性をもってしているか、というか。

私は何しろ典型的な日本型職場なので、座っていればお給料がもらえます。私自身はそれで満足ですが、子どもの将来を思うと、もうこんな仕事では生活できないでしょうし…。

すみません、お手すきの際にまたコメントいただければ幸いです。

麻衣

A2. 今から義実家がおかしかったことを気付いてもらうのはアリ

麻衣さん

メールありがとうございます!

まず、

愚痴ばっかりになってしまいますね。。もう恥ずかしいです。

についてはまったく恥ずかしくないと思います。少なくとも私はこういう話を聞くのが好きで、メールを頂いているので、大変ありがたいです。

ジョブ型の仕事に対するご質問がありましたが、その前に、ちょっと気になったところをコメントしておくと、

よく本人が言っているのは、子供時代「こんな問題もできないのなら死んでしまえ!」と言われてたたかれたと。

今はお遊びしながらの勉強習慣づけや好奇心を伸ばすことが大事だと伝えても、聞く耳持たず。

これはパートナーさんは相当義両親にやられてきた感じですね。

義実家には色々ありそうですが、そういう意味では、麻衣さんにやる気がある前提で、できることがあるとすれば、義実家がおかしいことを、義実家がおかしいとは直接は伝えずに、パートナーさんに認識してもらうことかなと思いました。

例えば、

よく本人が言っているのは、子供時代「こんな問題もできないのなら死んでしまえ!」と言われてたたかれたと。 

こういうことをパートナーさんから聞くことがあったら、「子どもの頃、そんなこと言われたの。悲しかったね」とか肯定してあげることですね。大人になった今の視点で、子どもの頃のパートナーさんを肯定する。

お子さんの教育も大切ですけど、麻衣さんがパートナーさんと、離婚をせずに、これからもずっと一緒に暮らしていくつもりならば、麻衣さんが楽になるためにも、義実家からの呪縛にパートナーさん本人が気付けるようにサポートすることができるといいですね。簡単なことじゃないけど!

最後にジョブ型の働き方について。

夫は、評価に自信が持てない→必要以上に仕事をしないと失職すると思い込む→ワークライフバランスの崩壊という傾向があるのですが、閲子さんはご自身の仕事への評価をどうされていますか?

例えば、ここまでやればOKという線引きをどのように客観性をもってしているか、というか。

パートナーさんみたいに自己肯定感が低いと、実際良い評価をされていても、素直に受け入れられないんですよね。私はそれほど自己肯定感が低いということもないので、他者からの良い評価は受け入れられています。

また、自分の力量もそれなりに把握しています。自分がどれくらい仕事ができるかは、相対的なもの、絶対的なものがあり、周りの人がどれくらい仕事ができて、自分がどれくらい仕事ができるかを分かっていれば、特に評価に悩むことはありません。

こんな感じでしょうか。ではでは!

topisyu

締め

以上がメールのやり取りとなります。

妻の実家で二世帯住宅というのは珍しいですが、夫としては、妻が働いていてできない以上は妻の母親にやらせるために致し方なくという、本人の中での妥協の結果なんでしょうね。

妻側の実家での二世帯住宅でも、色々揉め事はあるものなので、個人的にはそういう話も聞きたかったんですけど、今回は夫とのエピソードが中心となりました。

ちょっと話は変わって、子どもの教育の話を少し書きます。

このパートナーさんがやられていてやっているような、スパルタ式で子どもを育てるのは無茶があるけど、分かりやすいから親がやっちゃうんですよね。数字に出るから。営業マンにプレッシャーをかけるのと同じ。で、数字が出たことでもって成功体験として次の世代にも伝わってしまう。

今時は、子どもの非認知能力を向上させることが重要だといういうエビデンスが出てきているわけですが、概念が難しく、馴染みもないことなら、なかなか浸透していないなと思っています。

世界で注目される非認知的能力って? | 子育てに役立つ情報満載【すくコム】 | NHKエデュケーショナル

先日、私が読んだ、『私たちは子どもに何ができるのか』という本では、非認知能力を向上させるドライバーは現状では確認できていないことを誠実に書いた上で、どのような環境が向上に資するかを具体的に説明してくれています。

私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

  • 作者: ポール・タフ
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2017/09/06
  • メディア: Kindle版
 

過去自身がDVを受けた経験のある親は、子どもにもDVをしがちですが(虐待の負の連鎖)、この点を回避する方法についても触れられています。

親から虐待を受けたりして自己肯定感が低いと人生が生きにくくなるというのは、もっと世の中で広まってもいいと思います。「こんな問題もできないのなら死んでしまえ!」と言われて叩かれて育てられたら、今問題が解けて死ななくても、将来死ぬ確率は上がりますよね。

「ただでさえ切れやすいのにお酒を飲むと手がつけられない夫。それでも愛していたのに裏切られた。この気持ちどうしたらいい?」

本日も一人小町です。気性が激しく、お酒に飲まれ、飲酒運転もし、キャバクラ通いをどうしても止めない夫とどう接したらいいかという女性からのモヤモヤです。

メールのやり取りを若干修正して掲載しています。

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Q1. 夫に裏切られて悲しい。どう接したらいいのか

斗比主閲子様

はじめまして。ブログを読ませていただいています。ハンドルネームが無いので、仮名「雨」でお願いします。

今までにも何度か夫婦間問題で相談しようと思っていたのですが、そのたびにうやむやのままにしてきました。でももう限界が近いようなので、お知恵を拝借したく連絡した次第です。たくさん削ったのですが、すごく長文になってしまいました。すみません。

では、相談です。夫との関係について、ここ数年悩んでいます。ずっと同じことで悩んでいるのではなく、少しずつ問題が様変わりしていっています。

夫婦について

共働き夫婦。子供はおらず、不妊治療中です。地方都市で二人暮らしをしています。

夫について

アラフォー。会社員です。激しい気性をしています。プライドが高く、一度怒るとすごい剣幕でこちらに感情をぶつけてきます。夫が冷静な時に話すと、怒っている時は相手に100%憎しみしか感じていないようです。また弁が立つのと気が強いのとで、こちらの言い分を無理やり封じ込めてきます。

夫は年に数回ぐらい、情緒不安定になることがあります。大抵は深酒の後のようです。一人でいるのが怖くなるそうで、私には「先に死ぬな」と言っています。

子供のころに家族・親戚関係で辛い経験をしています。飲酒・喫煙ともに小学生の頃から続けています。不妊治療については「自分の血を継いだ子供がほしい」と言う割に治療自体には積極的ではありません。

私について

アラサー。会社員です。気が弱く、年下でも強くものを言われると萎縮してしまいます。他人と喧嘩したことがなく、腹が立っても言い返せません。そして長期間根に持ちます。

子供の頃はごく普通の家庭で育ったと思っています。飲酒は月に1回つきあい程度、喫煙はしません。

不妊治療については子供を持つことにどちらかというとネガティブで、でも周りがどんどん妊娠出産して焦りもあり気持ちがどっちつかずです。とりあえず後悔しないように通院してはいますが・・・夫ほど楽天的には考えられません。

夫への不満(過去分)

・家事は手伝ってくれません。稀に気が向いて皿を洗う程度ですが、基本的には何もしません。自分で作った酒のグラスもつまみを作った包丁もまな板も皿も、居間に出しっぱなしです。手伝ってと言っても「休ませろ」とか「その時にやる」等と言って全然しません。私もフルタイムで働いているので、分担制を提案しましたが指図していると捉えられて怒られただけでした。

・私の持病の関係で禁煙してもらった時期がありましたが、結局我慢できませんでした。副流煙の話をしても聞く耳を持ちません。「お前は俺に人生をかけたんだったらついてこい」と言っています。

・セックスレスでしばらく苦しんだ時期があります。2週間に1~2回と全くないわけではないのですが、当時の私には不足でした。夫はよく疲れていてできないと言い、私は精神的な安定もあるからと懇願しても拒まれ怒られました。休日の前にあらかじめお願いして了承を得ていても、先に寝てしまうこともありました。「気持ち悪い」と言われたこともあります。それでショックを受けた私を見て少し反省したようですが、具体的な解決には至りませんでした。

・飲酒運転を平気でします。何度もやめてと真剣に言っていますが、つい先日も運転しました。私は夫が死ぬのではないかと怖くて、拒否するべきだったのかもしれませんが助手席に乗ってしまいました。私は運転ができません。

私がセックスレスと飲酒運転で不安が募り、カウンセリング付の心療内科を受診した時も、最初は気が済むなら勝手にしろというスタンスでした。カウンセラーにカップルカウンセリングを勧められましたが、結局夫は来てくれませんでした。

・小学生のころから不眠症の夫は酒がないと眠れないと公言しています。また一人で飲むのはつまらない時があるようです。そんな時に私が眠っていると、一人でキャバクラに行ってしまいます。

私は不安だったら起こして、そんなことじゃ怒らないからと再三言っているのですが、同じことを何度か繰り返しています。ずいぶん前にキャバクラにいかないでと言って約束したのですが、なんの悪びれもなく破られ、それを指摘すると「俺を束縛するな」と逆切れされます。

一度は私が体調を崩して寝込んでいる夜にキャバクラに行っていました。それを知らされた時も怒られるのが怖くて何も言えませんでしたが、数日後に「私の体調が悪い時に他の女と会うのはやめて」と言い、夫はわかったと言いました。

私は夫には不眠症およびアルコール依存症があると思い受診するよう言っています。夫はアルコール依存症と思われたくないようですが不眠症メインで私が勧めたところ、行くとは言ったものの「仕事が忙しい」と未だに行動していません。

夫への不満(最新分)

(topisyu注:身バレの可能性を考慮し、バッサリ省略します。要は、夫が酒に飲まれ妻を裏切ったということです。)

何を相談したいか

1.いま悲しくて仕方ありません。本を読んでも何かを食べても気がまぎれるのはその時だけで、すぐにまた涙が出てきます。こんなことを話せる相手もいません。家を出たらその瞬間、夫には「裏切った妻」と認識され、キャバクラに行く口実にされると思います。この気持ちの落としどころ、自分で見つけるべきなのかもしれませんが、少しでも軽くなるようにするにはどうすればいいでしょうか。

2.夫は些細なことなら多少の意見の相違は受け入れていますが、深い部分については私が違う意見を言うと否定してきます。束縛されるのと指図されるのが我慢できないようです。(私はどちらのつもりもないのですが。) 冷静な話し合いもできません。しらふの時でも拒絶感がありますが、お酒が入っているとブチ切れてそのまま外に飲みに行ってしまいます。この人と話し合うにはどうすればいいのでしょうか。もう難しいですか?

とりあえず以上です。

なかなか推敲がうまくいかず、長文を送りつけてしまってすみません。どうかアドバイスをお願いいたします。

A1. まず吐き出すこと。パートナーさんはアル中かも

雨さん
メールありがとうございます! かなりほっこりしますね!! それはそれとしてコメントします。

1.いま悲しくて仕方ありません。……この気持ちの落としどころ、自分で見つけるべきなのかもしれませんが、少しでも軽くなるようにするにはどうすればいいでしょうか。

少しでも軽くしたいということなら、外に吐き出すといいですね。今回、私にメールを書かれましたが、これですっきりするところはありましたか? あるようであればブログやTwitterで愚痴るだけでも多少楽になる可能性はあります。

ちなみにご両親やごきょうだいには愚痴れませんか?

2.夫は些細なことなら多少の意見の相違は受け入れていますが、深い部分については私が違う意見を言うと否定してきます。……この人と話し合うにはどうすればいいのでしょうか。もう難しいですか?

難しいというのは簡単ですけど、難しいですね。まずパートナーさんはアルコール中毒でしょうから。そして雨さんがほぼDVされかけている状況ですよね。

ただ、この程度のコメントで終わってしまうとイマイチなのでもう少し深掘りすると、パートナーさんがこんな感じなのは、自己肯定感の低さに起因する被害者意識からかなと私は思いました。

パートナーさんは、自分が愛されていない、価値がない人間だと思っているから、それが不安で不安でたまらなくて、他人の言動がいちいと自分への攻撃だと考えちゃうみたいな。

それが原因だと考えれば、パートナーさんへの接し方は、「私はいつもあなたが大好きだからね」「いつものあなたが大好きだよ」ということを伝えた上で、何かを話すと上手くいきやすいかなと思います。会話の中にもちょくちょく挟み込む。

自分が否定された、攻撃されたという閾値が低いから、すぐにキレて寂しがるので、こっちは攻撃する意思がないということを伝えるわけですね。

後は、パートナーさんの顔を見て何かネガティブな話をすると自分が攻撃されたと思いがちなので、ホワイトボードとはいかないまでも、醤油の瓶だったり、ビールの空き缶なんかを使って、そっちに意識を向けて話すとかですね。肯定するときは目を見て、ネガティブな話をするときは意識をそらす感じです。

こんな感じでしょうか。

topisyu

Q2. 子どもが生まれたとき大丈夫でしょうか?

斗比主閲子様

早速のお返事ありがとうございます! 先日は溜りに溜まった夫への恨みつらみを全部投げつけてしまいましたが、冷静で的確かつ具体的な分析・アドバイスを頂けてとてもありがたいです。

内容も、ほっこりして頂けて良かったです。実はメールを頂いて少ししてから、だいぶ進展がありました。その報告の前に、ご質問頂いたことに関してお返事致します。

ご質問への回答

今回、私にメールを書かれましたが、これですっきりするところはありましたか? あるようであればブログやTwitterで愚痴るだけでも多少楽になる可能性はあります。

おっしゃる通りで、メールを打っている間は修行かっていうくらい辛かったんですが、全部打ち込んで送信した後はちょっとすっきりしました。ブログやTwitter等は使っていないのですが、愚痴る用に作るのもありですね。今までの経験から夫は同じようなことを繰り返す可能性があるので、次の波にそなえて準備しようかと思います。

ちなみにご両親やごきょうだいには愚痴れませんか?

両親には心配をかけるのが申し訳なくて言えないですね・・・。夫も気を使って折角仲良くやっているのに、私が両親に夫のこういう面を伝えたらきっとぎくしゃくしてしまうと思います。小さい愚痴(皿洗いしてくれない等)なら言えるんですけどね。特に母は自分と私を重ねて見てしまう傾向があったので、余計気にするのではないかと思います。親からすれば相談してほしいと思うのかもしれませんけど。

きょうだいはいますが、こちらも難しいです。元々親密に連絡を取っているわけでもなく、夜遅くまで働いているのでいつも仕事で疲れているようで、そんなところに愚痴を聞かせるのも気の毒な気もしますし。

言われた側は対して気にしないかもしれないし、本当は私のプライドが邪魔して言えないというのも強いかもしれませんけど。

その後の進展

と、昨日この辺まで打ち込んでいたら夫から電話があり、「夜一緒に出掛けないか」と言ってきました。少し迷ったのですが了承し、夫の帰宅後ぎこちない雰囲気のまま支度をして外に出るとすぐ「今回のこと、本当にごめん」とまっすぐこちらを見て謝ってきました。

それで思い出したんですが、私達はこのパターンを何度か繰り返しているんです。『私が怒る→夫が逆切れ→私が本気で落ち込む→夫が反省して謝って仲直り』という。

夫はすっかり喜び、子供の様に甘えてきました(※詳細は後述します)。私もあまりしつこくは掘り返さず、それからは穏やかな時間を過ごせました。

(※甘えてくる夫について)

夫はここ数年で赤ちゃん返り(?)というか、子供のような言動や態度になって私にベタベタ甘えることが多くなりました。自覚はしていますし、当然他の人がいる所では絶対にしません。私は何となく、甘えきれなかった子供時代を取り戻しているのかなーと思っています。気が済むまで、はいはいと甘えさせています。「赤ちゃんできたら独り占めできなくなるけど大丈夫?」ときいてみたこともありますが、「大丈夫」と言ってます。私も育児をしたことがないので見当もつきませんが、なるようになるのでしょうか。

夫について ご指摘頂いた点

まずパートナーさんはアルコール中毒でしょうから。

そうですよね。専門書とかをパラ見すると、あてはまるんです。受診できなくても私が知識を増やすことでうまい対応ができるといいのですが。

パートナーさんがこんな感じなのは、自己肯定感の低さに起因する被害者意識からかなと私は思いました。

ここが私には目から鱗でした。確かにあてはまるんです。自信家のような言動をする一方で、自分は頭が悪いとか顔がぶさいくだとか言ってます。その矛盾が常々疑問だったのですが、コンプレックスの裏返しが強気な発言だったのかも。

「私はいつもあなたが大好きだからね」「いつものあなたが大好きだよ」ということを伝えた上で、何かを話すと上手くいきやすいかなと思います。

平常時は至ってラブラブ(死後)な夫婦なので、普段は結構口に出して言ってるんですけどね。ネガティブな話題の前置きにも伝えておくのがいいということでしょうか。

醤油の瓶だったり、ビールの空き缶なんかを使って、そっちに意識を向けて話すとかですね。肯定するときは目を見て、ネガティブな話をするときは意識をそらす感じです。

ホワイトボードはまず無理そうですが、視線を合わせるか意識をそらすかだけでもだいぶ違いますね。上記と併せてこれらのテクニックは重宝しそうです。

また長文になってしまいました。すみません。今回はとても有用なご指摘をたくさん頂けて、非常に助かりました。どうもありがとうございました。

A2. 子どもが生まれたら危うい。専門家への相談も

雨さん

メールの末文だけ読んで、もうお話が終わったかと勝手に勘違いしていましたが、今読み直してみて、いくつか投げかけをされていたことに気付きました! 今更ながらですが、コメントしますね。

私は何となく、甘えきれなかった子供時代を取り戻しているのかなーと思っています。気が済むまで、はいはいと甘えさせています。

「赤ちゃんできたら独り占めできなくなるけど大丈夫?」ときいてみたこともありますが、「大丈夫」と言ってます。私も育児をしたことがないので見当もつきませんが、なるようになるのでしょうか。 

子どもができたら結構危ういと思いますね! 男の人の中には、子どもができると妻が子どもに奪われたと思う人がいるんですが、最初から妻に甘えているようなパートナーさんだとヤバいかと。あくまで素人の個人的な印象として。

子どもができたときに気をつけることとしては、

・子どもとパートナーさんを比較しない

・「愛しているよ」と一対一で伝える

という感じですかね。二人目の子どもができたときの上の子への対応と同じやり方。

受診できなくても私が知識を増やすことでうまい対応ができるといいのですが。

これも私は専門家ではありませんが、非常に難しいと思います。アルコール中毒は家族がどうにかしようとすると、期待しすぎてしんどくなります。できれば専門家に任せたいところです。

ネガティブな話題の前置きにも伝えておくのがいいということでしょうか。

そうですね。むしろ、本人が弱音を吐いている時や攻撃的な時にこそ伝えた方がいい。ハリネズミ状態だから、こちらに敵意がないことを伝えるのは大事です。

以上です。

他に何かあれば仰ってください!

topisyu

Q3. 夫は精神科には警戒心があります

斗比主閲子様

返信ありがとうございました。特に子供ができたらの件とアルコールの件で危うい判定をされたことで、あまり油断しないように気をつけたいと思います。

夫とはあれからまた何度か同じようないさかいがあり、根本的な解決に至らず何となく仲直り、というのを繰り返しています。今は落ち着いて穏やかに過ごしています。

最近ではアルコールについて私が本気で受診を勧めたことがあったのですが、夫は受信したことがありません。受診を拒むのは、精神科への偏見もあるようですが、それ以上に非常に警戒心を持っているように今では思えます。この辺はあまり無理強いしない方がいいような気がして、保留中です。

ハリネズミ状態だから、こちらに敵意がないのを伝えるのは大事です。

夫は怒ると100%の敵意をこちらにぶつけてくるので結構怖いのですが、モンスターではなくハリネズミと考えるとこちらの対応ももう少し工夫できるかもしれませんね。

とりとめのない内容になってしまいましたが、経過のご報告をさせて頂きました。今は落ち着いていますが、また問題が起きたときはもう少しうまく対処できるようになれたらと思います。今回はどうもありがとうございました!

A3. 目処だけつけておくといい

雨さん

経過報告のメール、ありがとうございます!

最後に一つだけコメントします。

受診を拒むのは、精神科への偏見もあるようですが、それ以上に非常に警戒心を持っているように今では思えます。この辺はあまり無理強いしない方がいいような気がして、保留中です。

これ、本当に難しいんですよね。精神科医も合う合わないがありますし。評判がいい、アルコール依存症対策の病院の当たりをつけておくぐらいでしょうか。こういうところで誰かに事前に相談しておくのもありだと思います。

アルコール問題の相談先|特定非営利活動法人アスク

topisyu

締め

以上、今回のモヤモヤに関するやり取りでした。

雨さんのパートナーさんについては、もっとたくさんの危ういエピソードをいただいたのですが、身バレのリスクも考慮し、意図的に削除しています。

一応、怒りやすい人とのコミュニケーション方法と、アルコール中毒であることの可能性の指摘をしていますけど、

それで思い出したんですが、私達はこのパターンを何度か繰り返しているんです。『私が怒る→夫が逆切れ→私が本気で落ち込む→夫が反省して謝って仲直り』という。

こういうことを続けて、徐々にパートナーさんの行動がエスカレートしているようにも見受けられるので、あるところで一線を超える(誰かの生き死に関わる)事態が起きかねないかなとメールのやり取りをしているときには考えていました。

同じような状況の方がいらっしゃったら、大事にならないうちに、周りの助けが得られる状況を作っておくのが重要かと思います。逃げようと思ったら、物理的にも精神的にも経済的にも逃げられなくなることはありますからね。

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