今日は一人小町の紹介です。「猫の世話は自分でやると言って飼い出したのに一向に世話をしない夫が、世話をしていた妻のせいで猫が死んだと不機嫌になり、後日謝られたが妻側としては許せない」というモヤモヤです。
- Q1. 猫が亡くなったのを私のせいにして不機嫌になった夫が怖い
- A1. 加害者ができる対処は①謝罪、②償う、③再発防止策の提示
- Q2. メールを書くということで整理が出来ました
- A2. ご参考までに!
- Q3. 参考にします!
- 締め
Q1. 猫が亡くなったのを私のせいにして不機嫌になった夫が怖い
斗比主閲子様
はじめまして、いつもブログを楽しく読ませて頂いているツバメと申します。
斗比主さんのブログの文章はとても読みやすく、読んでいてスッと頭に入ってくるのでいつも勉強になります。特に子供への接し方や絵本のレビューは、現在育児中の私にとって大変参考になっています。
【相談内容】
現在、家庭環境においてとてもモヤモヤしていて、どうしたら精神的に平和に暮らせるか思い悩んでいます。どう自分を納得させるのが良いのか?はたまた納得させても良いのか?夫が許せるだろうか?と、ここ数日思考がループしている状態です。夫の態度について斗比主さんのお考えを伺いたいです。
【相談するに至った経緯】
私の家族構成は、夫・私・娘・猫2匹です。
先日、2匹いる猫のうち1匹が腎臓病で亡くなりました。体重が急激に減少していておかしいと思い、病院へ連れて行きましたが即入院、翌日亡くなりました。
猫を入院させ自宅へ帰る途中、夫はとても早足で私は追いつけず自分のペースで歩いていました。私は、娘を抱っこしていた為、腰が悪いのもありゆっくり歩いていました。
先を歩く夫は振り返り、眉間に皺を寄せて私を睨みつけ、その後も歩くペースは変わらず自宅へ帰りました。この時点で、「夫は機嫌が悪いな」と察していたのですが、何故だか分からずに心中穏やかではなかったです。
自宅へ帰ると夫は何も言わず台所やトイレを掃除し始めました。夫は不機嫌になると無口になるタイプで、顔にも出ます。私はその顔がとても怖くて嫌いです。私は私で娘をお風呂へ入れたり離乳食を与えたりでバタバタしていました。帰宅したのは夜の7時頃でした。
娘を寝かしつけた後、リビングに戻ると夫はPCで調べ物をしており、私に「家事はこれから全て自分でやる」と宣言してきました。今まで家事は私がやってきていましたが、夫は基本ノータッチです。(普段の様子は後ほど書きます)
夫が病院の先生へ質問していた内容を考えるに、猫が病気になった原因は私の家事が問題だと言いたいのだろうなと理解しました。今まで台所に味噌汁やダシ汁の鍋を蓋をせずに放置してしまっていた事が、数回ありました。
過去に夫は台所に登る猫と、出しっ放しにした私に注意しています。猫の塩分の摂り過ぎは時に致命傷になりますが、先生からは「必ずしもそれが原因であるとは限らない」「この子の場合、先天的な腎臓の病気もあり得る」と一緒に説明も受けています。
また、「蓋つきのゴミ箱を探してamazonで買っておいて」と言われました。台所においているゴミ箱には蓋が無く、過去に猫が漁っていた事がありました。(匂いが出るので生ゴミはビニール袋に入れていつも冷凍庫に入れるようにしています。プラスチックのトレーを上に置いてはいましたが、たまに漁っていました)
不機嫌な夫が怖くて震えながらゴミ箱を探し、注文したのは22時過ぎ。この日は二人揃って夕飯も食べずに寝ました。しかし猫の病気の原因を作ったのは私であるような態度を夫に取られ、ただただ悲しく、あまり寝られなかったです。
翌日は夫婦ともに早朝から用事があった為、病院へ寄って猫の安否を確認して出かけました。用事の間、夫婦の雰囲気は最悪でしたが、娘がはしゃぐ様子には本当に心癒されました。夕方頃には最悪な雰囲気も少し落ち着き、普段通りではないですが夫と話せるようにはなっていました。
帰宅後に猫の面会をしに行ったのですが、回復の見込みは殆ど無いと言われ、このまま点滴を続けるか自宅で看取るか選択を迫られました。一度自宅に帰り夫婦で話し合いましたが決められず、病院の診察時間が終わってから特別に面会させて頂いている最中に猫は亡くなりました。
夫も私も泣きながら猫を連れて帰りました。
その翌日に火葬を済ませ、骨を持ち帰りました。
全てが終わった後、自宅で夫は私に「ひどい事言ってごめんなさい」と謝ってきました。私は「私のせいにしないで」と返しました。また夫は「ごめんなさい」と言ってきました。内心、「え、ごめんの一言で済ますつもり?」と思いましたが、精神的にも身体的にも疲れていて何も言えませんでした。
次の日、月曜でしたが夫は会社を休みました。私は昼頃に保育園の面談があったので、不安でしたが夫に娘を任せて出かけました。
出かける前に「あなたに言いたい事がたくさんあるけど、目の前にして言える自信が無いからLINEで送る」と伝えました。夫は泣きそうな顔で「ごめんなさい、ごめんなさい」と言ってきました。イラッとしたのを覚えています。
面談が終わり、外で一人で落ち着いてLINEで思っていた事を送り続けました。
- 単刀直入に言うと離婚を考えている事。
- 猫の病気の原因が私であるというような態度を取られてただただ悲しかった事。
- 夫が自ら猫を飼うと言った時、私が「ちゃんと面倒見れる?」と聞いて、夫は「見れる」と答えた。
- 私自身多頭飼いの経験が無かったから不安だったけど夫となら乗り越えられるだろうと思っていた。
- しかし、夫は猫を甘やかすだけで糞尿の始末は私に押し付けて、餌やり、水の入れ替え、ブラッシング等の面倒もみない。
- 家事も全て私がしていた中、糞尿の始末をたまに頼むと嫌そうに「うん」とだけ答えるがすぐに動かない。おまけにし忘れる。急かしたら機嫌が悪くなっていくのは分かっている。それなら、と結局私がやる羽目になる。
- そんな生活にも慣れたが、娘が生まれた。私のキャパは超えた。
- それでも生活は変わらない。娘のお世話が増えただけ。それで精一杯、家事育児をこなしていた。
- そんな中、猫の病気の原因にされ、睨みつけられた。あの顔は一生忘れない。
- 夫の不機嫌な顔、睨む顔が怖い事。いつも夫が機嫌を損ねないように細心の注意を払って過ごしている事。
- 謝罪だけでは到底許せない事。
帰ると夫は泣きながら私に縋って謝ってきましたが、私はモヤモヤが晴れませんでした。
さらに翌日、火曜でしたが夫は会社を休みました。
朝食を取り娘を寝かしつけて、これからについて話し合いました。前日に送ったLINEの内容についてが殆どでしたが、夫に向かってハッキリと言いたかった事を伝えられたと思います。
夫としては離婚はせずに、これから家事は協力する、残った猫の世話も全部する、と言っています。私は離婚したいけど、親も高齢で迷惑をかけられない。離婚しないのは娘の為だ、と伝えました。(幼少の頃、離婚や死別で片親となってしまった従姉妹や友人と一緒に過ごした時期があり、苦労を見てきた故の決断です)
【最後に】
以降は通常通りの生活を続けています。
夫は家事を積極的にやってくれるようになりました。また、猫の体調管理表をExcelで作って毎日体重を測るようになりました。洗い物が出たらすぐに洗ってくれるのでとても助かっています。しかし、これもいつまで続くだろうか、と心配でもあります。
「今まで私が我慢してやってきた事をしてもらうんだからやって当然だ」と思う反面、
夫は三日坊主なところがあるので、こんなに肩肘張った家事、続けるのストレスだろうな、と思うからです。
私は夫を許すべきなのか、はたまた許せるのか、毎日モヤモヤしています。
斗比主さんのご意見をお待ちしております。
ツバメ
A1. 加害者ができる対処は①謝罪、②償う、③再発防止策の提示
ツバメさん
メールありがとうございます! ホヤホヤ?のモヤモヤエピソードで大変ほっこりいたしました。
それで、お題としては、
私は夫を許すべきなのか、はたまた許せるのか、毎日モヤモヤしています。
ということですね。書いてみます。
物事には何かすべきことというのは基本的にはありませんから、大前提として、パートナーさんがどんなスタンスであろうが、許すか許さないかは、ツバメさんの自由です。
ただ、一般に、被害者側として、被害者意識をずっと持ち続けるよりも、どこかで解消できるものなら楽は楽ですから(被害者意識を必ず解消すべきということではありません)、加害者が適切な対処を取ることで被害者が心を癒やすことは意味があります。
加害者ができる適切な対処は、具体的には、①謝罪する、②償う、③再発防止策を提示する、ですね。
今回の件で、パートナーさんは①は満たしているようですが、②は家事を少しやっているだけだし、かつ、③についても示唆がないように思います。もし、ツバメさんがパートナーさんを許したいとすれば、②と③をどうにかするようにパートナーさんに伝えてみるといいかと思います。
②については、今後の猫の世話はすべてパートナーさんがやるということを明文化した上で、例えば、ツバメさんが好きそうなケーキを買ってくるとか、娘さんを休日にパートナーさんが一日預かる日を定期的に設けてツバメさんが自由になれる時間を提供するとか、そんな感じでしょうか。
③については、
- 夫の不機嫌な顔、睨む顔が怖い事。いつも夫が機嫌を損ねないように細心の注意を払って過ごしている事。
- 帰ると夫は泣きながら私に縋って謝ってきましたが、私はモヤモヤが晴れませんでした。
- 夫は三日坊主なところがあるので、こんなに肩肘張った家事、続けるのストレスだろうな、と思うからです。
こんな感じからすると、これまでも同じ様なやらかしをし続けてきたようですから、根本的にどうして他人を思いやる気持ちを失ってしまうのかとか、猫の世話をするためにどのような生活スタイルを維持するつもりなのかとか、その辺のことをパートナーさん自身が整理して、ツバメさんに説明するぐらいのことはした上で、定期的にステータスをチェックする体制を設けてみるとかですね。少し難しいですが。
自分が加害者なのに泣いてしまうところや、猫が厳しい状況のときに他人を攻撃してしまうところからすると、パートナーさんは心の余裕が少ない人なんでしょうね。その辺の背景をパートナーさん自身に落ち着けるタイミングで深掘りしてもらえると許せるところまで辿り着けるかもしれません。
こんな感じでよろしいでしょうか?
ではでは!
topisyu
Q2. メールを書くということで整理が出来ました
斗比主閲子様
ツバメです。
早速のお返事のメールを頂き、ありがとうございました。斗比主さんのお返事を元に夫の態度等を許せるよう、考えてみようと思います。このようにメールを書く、という事で自分の気持ちの整理が出来ました。
まだ精神的にダメージは残っていますが、お返事のメールを参考にして頑張ろうと思います。
ありがとうございました。
ツバメ
A2. ご参考までに!
ツバメさん
特に正解というわけじゃなく、私がこう考えたという程度のもので、私がツバメさんの心が穏やかになる確実な方法を知っているわけではないですから、ご参考程度にご利用いただければ!
topisyu
Q3. 参考にします!
斗比主閲子様
ご丁寧にありがとうございます。心穏やかに過ごせるよう模索中ですので、参考にさせていただきます!
ツバメ
締め
以上、一人小町でした。
今回のモヤモヤは、一見すると、猫の腎臓に負担をかけるような食事をさせる機会を作ってしまった妻側に過失(の一部)があるように見えて、裏側には、そもそも猫の世話自体を夫がネグレクトしていたという問題がありました。
最近は、加害者には被害者意識があるというのをよく書いていますが、今回の件でも、不機嫌になった夫は自分に被害者意識があった様子が伺えます。
被害者意識を持ちやすい人はいて、そういう人は物事を認知して、判断をする際に、誰かが自分に攻撃をしたという推測を持ちやすい傾向があると考えられます。
被害妄想の心理学-妄想の認知行動理論- 丹野義彦 東京大学総合文化研究科
実際には、自分を攻撃したわけじゃないし、自分にも過失があることはあるし、誰も何の意図もない偶然の出来事というのおありえるのに、自分を攻撃してきたという意識を持ちやすいわけですね。
私も別に心理学のプロではなく、色んなモヤモヤの原因にあるものだと思って勉強し始めたぐらいですが、自身が被害者意識を持ちやすい人は自分がどういうときに被害者意識を持ちやすいかというのをホワイトボードなり何なりで整理しておくのが有効かなとは思っています。
しかし、有効な手段があったとしても、被害者意識を持ちやすい人というのは自分は被害者のつもりだから、自分の行動を改めようとは思わないもので。DV加害者が自分の問題を認識するというのは難易度がかなり高い。
被害者を助けるために、加害者へのカウンセリングがもっと一般的に行われるようになるといいんだろうなと最近はよく考えています。