以前、医学部受験を目指す娘さんがいらっしゃる親御さんから、勉強法(暗記法)について書いてほしいという依頼がありました。この親御さん自身は恐らく四大は出ていらっしゃらないかと思います。
また、別の方からどうやって本を読んでいるか書いてほしいというお願いがありました。この方は最終学歴は旧帝大院のドクター。
以前に私の勉強の仕方について書いたことはありますが、今回はどうやって本を読んでいるかに絡めた形で、勉強方法(知識の習得方法)を改めて書いてみます。医学部受験生やドクター向けとなると少々物足りないかもしれませんが、依頼を受けたものなので書いておきます。あくまで私の話です。興味のある人だけどうぞ。
①リンクを張るために漫画を読む
勉強というのは漫然と始めても面白くなく、苦痛です。私は続きません。
まずは、その勉強の対象となるものと自分との間に接点を持たせるようにします。自分自身に何らかの関係性があったり、自分がすでにその対象の一端を知っていると、もう少し詳しく知るということについて、脳みそがあまり苦労をしないからです。
例えば、平安時代に興味が持てれば、その周辺の鎌倉時代や奈良時代にも興味が持ちやすい。最終的には日本史全般に興味が持てます。そういうとっかかりを作るというのが大切だと考えています。
自分と関係していることを認識するためには、様々な経験を積み、知見を得るというのはあります。ただ、これは時間がかかるので、その分野を扱った漫画、小説、ドラマ、ゲーム、映画などのエンターテインメント作品を見るようにしています。プロが非常に面白く仕立て上げたエンタメ作品は、その分野の知見がなくても楽しく、簡単に読めます。これでリンクが貼れます。
私は媒体・ジャンルに好き嫌いがないためエンタメ作品を幅広くたしなんでいることが、様々な知識を得る上での発着点になっているなと思うことはあります。
国語、数学、理科、社会など基礎教科ごとのお勧めエンタメ作品はそれなりにあるので、今度また別にまとめておきます。
②地図・幹を作るために簡単な本から初めて専門書に進む
一旦リンクを張った後は、その分野の全体像・根底にある理論的背景をざっくり把握するようにします。そのために、誤解が多少はあるかもしれないけれどざっくり説明した本を読みます。例えば、本のタイトルに、『はじめての』とか『初心者でも分かる』と書かれたようなものです。
こうして、簡単な本を経由してその分野の地図みたいなものが頭の中に出来上がると、細部に入っても道に迷うことがなくなります(何が分からないかが分かるようになります)。
難易度が高いものをいきなりやっても苦痛なので続きません。その分野についてAmazonのランキングの上位10冊ぐらいを選んで、簡単な説明をしているものから、徐々に専門的な説明をしている本に移行していくようにします。
色んな本の目次を比較してチェックするのも地図作りでは有効ですね。目次自体がある意味地図みたいなものですから。
③人に話をしたり問題を解くなどアウトプットをすることで知識を定着させる
こういうプロセスでその分野についての知識や考え方が頭の中に入っても、そのままにしておくとすぐに風化していきます。脳みそは嫌なことでもいいことでも忘れちゃいます。従って、復習が必要となります。
ただ、復習それ自体はつまらないです。ですから、復習プロセスを楽しくする必要があります。何が楽しいかは人によるでしょうけど、人に話す、紙に落とす、試験問題を解くなど、アウトプットの機会を設けます。最初は上手く説明できなかったり、覚えてないところが多数あるため、次回以降のアウトプットの機会ではそういうところに重点を置きます。
自分の場合は、自分の話に興味を持ってくれる人、良い反応をしてくれる人に話をするのが好きです。パートナーが話を聞いてくれる人なので、何かを学ぶとすぐに話すようにしています。
締め
私が勉強をするときに気を付けているのは、どれだけ楽しく、楽に学習するかということです。漫然と学習し始めるのではなく、そういう仕組みを作るようにします。美味しいところだけをつまみ食いをすることもありますけどね。
勉強法については色々読んでみるといいですが、脳科学とセットになったものがいいと思います。というか、私は好きです。例えば、こういうの。
※ワンコインで買える。
飢えている人に魚を上げるのではなく、魚の取り方を覚えさせるのは飢えている状態では大変ですけど、勉強したいなと自分自身でそういうモードになったのならまずは勉強法について学習することをお勧めします。
なお、言語についてはまた習得プロセスが違うと考えています。
本題は以上です。以下、余談です。
余談
私は子どもの頃、学校で先生が言ったことを可能な限り一言一句すべて書き取るようにしていました。そして、帰宅すると母にその内容を説明していました。よく聞いてくれたものだと今から思うとありがたいです。
子どもに対しても、興味を持つためのリンクを張る機会を提供し(絵本を読む、本や映画を置いておく、人に会う、旅行するなど)、子どもが学んだことを聞き、疑問を一緒に解き明かすなど、比較的学習を楽にするようにしています。
先日、お金をかけないでいかに学力を身に付けさせるかという記事を書いたら「世帯年収が二千万円のtopisyu家が投資対効果の良い教育をしていたら差はもっと広がるのでは!」なんて反応がありました。
学力に差がつくのは、どう学ぶかももちろんありますが、何かを学ぶ機会、知性に触れる機会がどれだけ身近であるかというのはやはりありますよね。親の文化資本が子どもに引き継がれるというもの。
一方で、エンタメ作品には文化資本を覆すパワーもあると考えています。必ずしも親の指導がなくとも、エンタメ作品を通じて子どもが楽に幅広い物事に興味が持てる。少なくとも第一歩は踏み出せる。後は、②と③をどうするかですけどね。これも何とかできないこともない。上に書いた取り、教科別のお勧めエンタメ作品はまた別に紹介します。