タイトル通りで、ディズニー作品をレビューしたら、「お金もらって紹介してるんですよね?」「PRと付けないのはコミュニケーション不足ですか? あなたの判断ですか??」とか言われるようになるから、今後、ディズニー作品のレビューはブログではしにくくなると思いました。
※著作権に厳しい会社だけに余計にというのもある。
事の経緯は次の通りです。
2019年12月3日の夜7時にほぼ同時のタイミングで、アナと雪の女王2の紹介漫画がTwitterに投稿され、ステルスマーケティング(要するにサクラ)ではないかという疑惑が出ました。
ディズニー映画“アナ雪2”にステマ疑惑 「同時刻にレビュー漫画が複数投稿された」指摘が相次ぐ (1/2) - ITmedia NEWS
これを受け、同12月5日にディズニー・ジャパンが公式に認め謝罪しました。本当はPRとつけるものがコミュニケーション不足でTwitterの漫画家たちに届いていなかったという説明。
「『アナと雪の女王2』感想漫画企画」に関するお詫び|企業情報|ディズニー公式
本企画に伴う投稿は、「PR」であることを明記していただくことを予定しておりましたが、関係者間でのコミュニケーションに行き届かない部分があり、当初の投稿において明記が抜け落ちる結果となってしまいました。
今後このような事がないよう、関係者一同、深く反省するとともに、コミュニケーション体制を見直し、再発防止策を講じてまいります。
しかし、翌日には他の作品でも同様のステルスマーケティングを行っていたのではないかという疑惑が出て、
ステマ騒動のディズニー、アベンジャーズとキャプテンマーベルでも同様のステマを行っていた。 - Togetter
これに関して、昨日12月11日に同様の事例が他にもあったことをディズニー・ジャパンが公式に認めました。ただ、具体的に何かというのは例示していません。
「『アナと雪の女王2』感想漫画企画」にご参加いただいたクリエイターのみなさま、そしてファンのみなさまへ|企業情報|ディズニー公式
ディズニーでは、マーケティング活動における社内指針を設けています。本件を含む類似の案件は、当該指針に関する周知および遵守の不徹底が招いた結果であり、ご参加いただいたクリエイターのみなさまに責任はございません。
改めまして、本件につきまして、深くお詫び申し上げます。今後は、このような事がないよう、社内指針の周知徹底を図り、再発防止に努めてまいります。
いずれにせよ『アナと雪の女王2』以外にもステマがあったことを認めたわけですから、12月5日で説明したように、たまたまコミュニケーション不足だったわけではなく、もっと根深い構造上の問題があったということですね。
12月5日に自主的に調べていたらこんなことにならなかったのに、せいぜい数日で説明がころころ変わるようでは、内部での調査はあまりされていないし、再発防止なんてする気があるのかという印象を与えることになります。プレスリリースとしては悪手です。
流れとしてはこんなところで、結果として、「ありのままの姿見せてないじゃん!」って感じでファンの期待を裏切ったというように受け止められているようです。ブランド価値が高いということは期待値も高いから、それで余計にevilに見える。
私自身はもともと映画は宣伝を一切見ないで観に行くので、ステマがあるかないかはあんまり気にならなかったのですが、少し面倒くさいなと思ったのは、今後ディズニー関連の作品をレビューしたらあらぬ勘ぐりをされることです。
これまでブログでもTwitterでもお金をもらって何かを宣伝したことはなく、難民支援協会から頼まれて写真展を紹介したことや、
なぜ今、難民問題なの? 難民支援協会さんに聞いてみた ~6/20から表参道で写真展~ - 斗比主閲子の姑日記
マイクラの公式小説を献本してもらってレビューしたことがあるぐらいです。
【3/15発売】マインクラフト公式小説第二弾『マインクラフト こわれた世界』の親子レビュー【献本】 - 斗比主閲子の姑日記
どちらも紹介に至る経緯は明示しています。
ただ、日々消費していったエンタメ作品について、自発的だったり、読者からの要望だったりでレビューをすることもあるわけで、その中には渦中の『アナと雪の女王』もあります。
自分の殻・親・守られるヒロイン像から解放された『アナと雪の女王』 - 斗比主閲子の姑日記
今後もお金をもらってレビューを書くつもりはありませんし、私のような弱小ブロガーにそういう依頼が来ることはないでしょう。
ただ、特にディズニー作品のレビューを書けば、読み手からすると、「この人も実はステマをしているんじゃないか?」という疑惑を持たれることになり、最初に、「PRをつけてないけど、ステマじゃないですからね!」と説明をすることになるし、たとえ説明をしたところで疑惑が晴れることはない。
厄介なことに、ディズニーにはウォルト・ディズニー・ピクチャーズだけではなく、マーベルもピクサーも傘下に入っていますから、かなりの量のエンタメ映画が疑惑の対象になります。それらの作品のレビューが今後はバズりにくくなる。読み手に疑惑が残るから。
ここまでの想像は容易なことですから、ディズニーとしてはリリース対応を適当にささっと終わらせるのではなく、具体的な作品名の例示と再発防止策の具体的な内容は公表しておけばよかったのにと思います。ディズニー・ジャパンはしょせん日本法人に過ぎないから権限を与えられておらず、中の人は苦しい思いをしているかもしれませんけどね。