昨日16日、新型コロナウイルスの日本国内の感染者数が過去最多となったそうです。
新型コロナの感染者 11万675人 全国の一日の発表で過去最多 | NHK | 新型コロナ 国内感染者数
「東京や大阪は1万人超えていて多いなぁ」と県別感染者数を見ていて、沖縄県の3904人という数字が目に留まりました。沖縄の人口は東京の人口の1/10ぐらいですから、東京換算でいえば4万人が感染していることになります。
都道府県別の感染者数の推移をみると、実際に都道府県別人口あたりで、もっとも感染者数が多く、しかも爆発的に増加しているようです。
※画像は【都道府県別】人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移から
この状況について、沖縄県の感染症対策がなされていないことを7/14では地元メディアの琉球新報が批判しています。「日本で最も感染がコントロールできていない」というのは凄いタイトル。
「日本で最も感染がコントロールできていない」「危機感が見えない」沖縄コロナ急拡大、具体的な対策講じない県に専門家が苦言 - 琉球新報デジタル|沖縄のニュース速報・情報サイト
別の委員は「県は行動制限をかけないという結論ありきだが、医療者なら今こそ行動制限が必要と考えるだろう。迫り来る医療崩壊への危機感が見えず、何を考えているかも分からない」と漏らした。(嘉陽拓也)
沖縄県は1回目・2回目・3回目のワクチン接種率がすべて全国でもっとも低いため(1回目接種率が全国平均76%に対し、沖縄県66%と突出して低いので、2回目以降が相対的に低いのは当然ですけどね)、
こうなると何らかの行動制限をするかという議論になるわけですが、琉球新報の同じ記者による7/15の記事によれば、
コロナ感染者最多更新 沖縄の社会的制限はどうなる? /沖縄 | 毎日新聞
本来は中長期的な視点で総合的な対策を議論する場だが、感染が急拡大する事態を受けて医師らは社会的制限の必要性を説明した。経済関係者からは医療の逼迫(ひっぱく)は理解しつつも「かなりの打撃を受けるので厳しい」などの意見が上がったという。…(嘉陽拓也)
経済界から行動制限への抵抗が示されたようです。
これは経済界からすれば至って自然な反応で、ご存じの通り、沖縄県では観光業が県内総生産の1-2割を占める重要な産業です。行動制限をするということは観光業に大打撃になります。もちろん、それ以外の県内産業にも。7/16-17では沖縄アリーナでB'zのコンサートがされていたりします。
沖縄では、外国人観光客数はまだ戻らないものの、本土からの観光客は戻ってきていて、ようやくコロナ前の半分に戻るか戻らないかぐらいになってきています。
※グラフは令和4年5月入域観光客統計概況(令和4年6月29日発表)/沖縄県から
せっかく観光客が戻ってきたのに、また行動制限をして経済に打撃を与えてしまうことに、沖縄県が自治体として二の足を踏むのは理解できるところです。感染と経済のバランスを取ろうとして(経済のために感染を抑制できずに)、感染者数が増加したということでしょう。
ちなみに、沖縄県での新型コロナウイルスでの死亡者数は7/16までの累計で500人弱です。人口あたりで見れば、大阪、兵庫、北海道に続く四番目に多い都道府県になります。
これまでの累計での、超過死亡(本来より多い死亡者数)は100人~1200人ぐらいのようです。一方で過少死亡(本来より少ない死亡者数)はそれよりか少し少ない水準っぽい。とすると、新型コロナウイルスによってそれ以外の要因の死亡者数も若干増えている?
この数字が多いか少ないかは、人それぞれで見方は違うでしょうが、私は少ない印象を受けました。
沖縄では年間1.2万人が毎年死亡していて、死因の上位は病気で、それ以外だと、交通事故で毎年300人、自殺で200人ちょっと亡くなられています。比較したときに新型コロナウイルスでの年ベースでの死亡者数が必ずしも多いようには見えません。
参考までに、海外では、タイやトルコやエジプトなどの観光大国では入国規制の緩和が続いています。中には、観光客が激減し、経済危機に陥っている国もあります。スリランカ。
スリランカ大統領が辞任の意向 経済危機で抗議デモ拡大、公邸に侵入:朝日新聞デジタル
諸々見ていて、沖縄県が経済を考慮して新型コロナウイルスの行動制限を行わないのは、一つの判断としてはありえると思いました。
今日はこんなところです。ではでは!