斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

新型コロナの影響(?)で交通事故での死亡者数が統計が確認できる1948年以降過去最低の2,839人に

私はインフルエンザでの死亡者数≒交通事故死と覚えていて、去年まではその数字はおおよそ3000人ぐらいでした。

先日紹介したとおりインフルエンザの感染者数及び死亡者数が激減している現状で、交通事故死はどうなっているのかなと思っていたら、去年は統計が確認できる1948年以降で過去最低の水準になったということが昨日公表されていました。

2020年の交通事故死、過去最少の2839人 警察庁: 日本経済新聞

ちなみに、1948年時点では年間2万件程度の交通事故が起き、交通事故死は4000人程度だったそうです。それが、2020年では30万件の交通事故に対して、交通事故死は2839人です。交通事故の件数は15倍に増えているのに、交通事故死は減少しているのだから、この70年で事故の内容が大きく変わっているということでしょうね。

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※画像は警察庁『令和2年中の交通事故死者について』より

それで、昨年対比からも約400人弱も交通事故死が減っている原因が新型コロナの影響によるものかは因果関係は確認されていないものの、以下の月別交通事故者数の推移を見ると、日本での新型コロナの影響がほぼなかった1月2月は2019年と同程度の交通事故者数だったのが、3月以降は継続して前年同月を下回る水準だったのが分かります。

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※画像は警察庁『令和2年中の交通事故死者について』より

また、交通事故の件数も昨年対比で20%の減少をしています。ちなみに、交通事故死は12%減。

恐らく、新型コロナの影響での外出制限が交通量の減少に通じ、一方で、交通量が少なくスピードを出しやすいことから、交通事故の件数ほどは交通事故死の減少はなかったということなのではないかと推測されます。

完璧な比較は難しいにせよ、交通量調査や地域別での部分的なロックダウンでの違いを分析すれば、新型コロナの交通事故に与えた影響というのはもう少し高い解像度で分かってくることでしょう。警察庁もさらなる分析をする予定らしい。

今年ワクチンが普及し、交通量が普通に戻ったら、30年ぐらい連続して減少してきた交通事故死数が年単位で増加に転じるということもあるでしょうね。死亡者数が増えればその数字は目立ちますが、2020年が極端に減少していたということを念頭において数字に着目したいなと思います。