斗比主閲子の姑日記

姑に子どもを預けられるまでの経緯を書くつもりでBlogを初めたら、解説記事ばかりになっていました。ハンドルネーム・トップ画像は友人から頂いたものです。※一般向けの内容ではありません。

皇室結婚絡みでの4年間のマスコミ報道・SNSを見る限り、皇室に婚姻の自由は不要と考える日本人は多いのだろう

私はn=1の出来事に心を砕かないように気をつけています。また、有名とされている人の結婚・妊娠・出産・離婚・死去にはまず反応しないようにしています。目に入れてもすぐに忘れるようにしています。

その私にとって、この4年間耐えてきたことがあります。それは日本の天皇家のとある人(女性)の結婚報道です。

私が見る限り、クオリティペーパーから大衆紙に至るまで、そしてすべてのテレビ局で、4年前の会見からこれまでの間にこの件を取り上げていないところがないのではないかと思うぐらい、ずーっと報道され続けていました。

やれ、皇室の配偶者としての品格がとか、家庭環境がとか、どんな仕事をしているかとか、主に配偶者がどんな人かに着目した報道が多かったと、私の消したはずでも僅かに残っている記憶からはそんな印象があります。

この報道にいつも興味を向けていて、とにかく何でも知りたがる天皇家が大好きな人であれば当然ご存知の通り、皇室において、女性の婚姻には制約はありません。

以下、皇室典範からですが、

第十条 立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。

婚姻でプロセスが必要になるのは男性だけです。皇族や現役の首相等衆参両院議長等が出席する皇室会議で過半数の承認が必要です。ということで、皇族男性は憲法24条で定められた婚姻の自由がない唯一の日本国民です。

個人的には男性であっても婚姻の自由は認められてしかるべし(憲法が優先されるべき)と思いますが、そもそも、何の制約もない皇族女性の結婚について、マスコミがこれほど"粘着"して報道する姿勢には本当に辟易していました。

SNSを見ても、マスコミ報道を受けた配偶者のプライベート情報を"餌"にして、あーだこーだ言っている人がたくさんいて、これもできるだけ見ないようにしていました。特に、最近の配偶者の髪型がどうのという話は本当に意味が分かりませんでした。

今時、自分の子どもに配偶者候補を紹介された親でさえも、その配偶者候補の髪型に文句なんか言わないですよね。まあ、いまだにツーブロックを禁止する学校の校則があるぐらいですから、娘の配偶者が現在の天皇のようなツーブロックをしてきたら激怒する人はいるのでしょうが。くだらない校則は親・地域住民の願望の反映ですからね。ツーブロックが嫌いで、下着の色チェックが大好きな親・地域住民がいるから、そういう校則が作られ、維持される。

話が脱線しました。

たぶん、マスコミにも、そしてマスコミが対象にする視聴者の多くにも、皇室の結婚は皇位継承問題がなくても格好のエンタメなんですよね。数字が取れるからマスコミは報道しているわけで。

あとは、宮内庁で200~300億円の予算があるから、「私達の税金がこんなところで使われている!」って憤っている人もいるのかな。そう思うなら、個人への地味な嫌がらせよりも皇室廃止を議論したらいいのにと私は思いますが、他人の物の考え方は変えられないものですから、これ以上は言いません。

いずれにしても、この女性の結婚が決まってほっとしました。もう目に入ったゴミを取り除く必要がなくなりますから。

ただ、ちょっと気になっていることがあります。それは他にもいる未婚の皇族のことです。

もちろん結婚しない、もしくは皇室典範以外の事情があり結婚できないということはあるでしょうから、全員が全員結婚するわけではないでしょうが、これだけマスコミ・一般国民のバッシングを見ちゃったら、その人たちは自分が結婚するときのことはめちゃくちゃ考えちゃいますよね。

ほら、自分の兄弟姉妹が連れてきた婚約者を親が品定めするようなことを聞いちゃったら、親のメガネに適う人を連れてこなくちゃいけないんだってハードル上がるのと似たようなものです。

その皇族の人たちがどう考えているかは私の想像力では限界がありますが、もし、次に皇族関係者が結婚するなんてことがあるとすると、マスコミの人たちが何の矜持もなく同じような報道をすることは容易に想像できます。特に婚姻の自由がない、男性皇族の場合は今回の比ではないでしょうね。

そんな未来が容易に想像できるのが多少憂鬱なので、今のうちに、この手の報道にまったく興味がない人間がいることを表明しておきます。

マスコミでこの手の報道する人は"今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます"。